出版者
筑波大学
雑誌
筑波大学新聞
巻号頁・発行日
vol.352, 2019-11-01
著者
林 四郎
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
1980

identifier:http://hdl.handle.net/2241/4602
著者
岩下 和輝
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

卵白はタンパク質含有量が多く、優れたゲル化特性をもつ食品である。実際に、卵白は畜肉加工品や水産練り製品などに添加物として利用され、これらのゲルの物性を向上させている。この卵白ゲルの粘弾性や保水性といった物性はタンパク質凝集体のネットワークに起因する。本研究では、卵白加熱ゲルの物性の起源となる凝集体のネットワーク形成の分子機構を明らかにすることを目的とする。卵白を加熱してできるゲルに関する研究を定量的に進めるため、当該年度は卵白の成分を混合した条件での研究を進めた。具体的には、卵白タンパク質の主成分であるオボアルブミンとオボトランスフェリン、リゾチームの3種を用い、その混合系の熱凝集過程を調べた。まず、オボアルブミンとリゾチームを加熱したときに形成する共凝集が、どのように進むかをサイズ排除クロマトグラフィーや円偏光二色性スペクトル、透過型電子顕微鏡などの方法を組み合わせて調べた。その結果、オボアルブミンは可溶性凝集体ができること、両者を混合してできる凝集体にはいずれのタンパク質も含まれることが明らかになった。詳細を調べると、まず両タンパク質が静電的に会合することで小さな凝集体ができた。この小さな凝集体は電気的に中性であるため、さらなる凝集体の成長には疎水性相互作用が関連することがわかった。このように構築した実験系を用いて、次に、オボトランスフェリンとリゾチームの共凝集を調べた。両者は、殺菌処理に相当する55℃程度の低温加熱で共に凝集してしまうことが以前より報告されていた。その結果、同様に静電的な引力による小さな凝集体の形成と、その後、凝集体同士の会合が階層的に進むことが明らかになった。一定以上の大きさの凝集体になれば不溶化することがわかった。いずれの成果もきわめて定量的な測定に成功しており、凝集体の成長機構モデルを描くことができた。
著者
太田 圭
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.68, pp.10-13, 2004-11
著者
河野 一郎 赤間 高雄
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

運動が健康の増進・維持に効果があるという考えが広く受け入れられるようになり、健康スポーツがますます盛んとなっている。本研究では健康の維持・増進に有効とされている有酸素運動が免疫機能とくに細胞性免疫機能に与える影響を検討した。有酸素運動の習慣をもつ成人では細胞性免疫機能とくにナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性が運動習慣のないものと比較すると男女とも高いことが明らかとなった。また、経時的にNK細胞活性の変動をみると、日々の運動量が増すに従い活性が高値を示していくことも明らかとなった。つぎに、このような有酸素運動がNK細胞活性へ与える影響の機序を探る目的でNK細胞にレセプターを持つカテコラミンなどのホルモンとの関係を検討した。急性の有酸素運動負荷により、各種ホルモンがNK細胞活性の変動の平行して変動することが明らかとなった。また、マウスを用いた実験系ではカテコラミンの共存下ではその濃度によりNK細胞の活性が影響を受けることも示唆された。かかる成績から有酸素運動が免疫に与える影響の機序には複数の因子が関与していると考えられた。また、情報伝達物質であるサイトカインの関与についても検討したが、運動により変動するという結果を得たのみで機序への関与については今後の課題となった。今後運動と免疫に関する研究をさらに進めるためには情報伝達物質の関与を含め様々な視点からのアプローチが必要と考えられた。
著者
坪井 美樹
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2000

identifier:http://hdl.handle.net/2241/6269
著者
成田 正明 成田 奈緒子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

研究代表者らが2001年にPediatric誌に発表した乳幼児突然死症候群(SIDS)におけるセロトニントランスポーター(5HTT)遺伝子多型結果は、SIDSの新しい危険因子を見出したもの、SIDSを未然に防ぎうるものとしてその後も、小児救急医学会での会長要望演題、学会誌への会長依頼論文、専門誌からの依頼原稿、マスコミからの取材などを引き受けたほか、突然死裁判での鑑定依頼、国内・国際学会からのシンポジウム講演依頼など、社会からの反響はますます大きくなるばかりである。2003年にはAmercan Journal Medical Genetics誌により大きな母集団を用いた追試実験の報告がなされ、そこで研究代表者らのデータが確かめられた。さらに本研究はSIDS研究のみならず、その発症にセロトニンが関与しているとされる他の疾患即ち慢性疲労症候群、神経性無食欲症などにも発展し、遺伝子解析でいずれも正常と比べ疾患群で有意な相関を認め学会、研究会などで報告、学術論文として投稿中である。一方5HTT以外のセロトニン関連遺伝子多型解析も同時に進めているが、これまでのところ有意な相関は認められていない。これは転写活性領域に存在する5HTT多型が、いわゆる"機能性"多型であることと関係があると思われる。そこで5HTT多型がアリルによってどのように転写活性機能が調べる必要がある。国内外の報告では活性調節における差に関するデータは議論が多い。これと平行して、セロトニン関連疾患の病因病態に関しては遺伝子からのアプローチだけでなく、神経栄養因子蛋白(脳由来神経栄養因子BDNF)の発現量測定で診断ができる可能性を見出した。また同じくセロトニン関連疾患とされる自閉症についても自閉症モデルラットを作成し論文発表した。以上述べてきた成果に基づき研究代表者は科学技術振興事業団「脳科学と教育」の班員にも任命されており、今後もSIDS原因究明・発症予防に向けて研究を続けていきたい。
著者
高安 亮紀 大石 進一 久保 隆徹 松江 要 水口 信
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

世の中の自然現象を数学問題にモデル化すると偏微分方程式と呼ばれる未知関数の微分に関する関係式が頻出する。これを数学的・数値的に解いて未知関数を特定することが自然科学の分野での研究対象となる。本研究では、固体燃料の燃焼理論や生物増殖の数理モデルなどで現れる非線形放物型方程式と呼ばれる偏微分方程式のクラスに対して、その初期値境界値問題の解が数値計算で得られた近似解の近傍に存在する、あるいは存在しない事を、数値計算によって証明する計算機援用手法を開発した。これは精度保証付き数値計算と呼ばれ、微分方程式の数学解析に対する現代的なアプローチとして注目を集めている。
著者
町田 龍一郎 BLANKE Alexander
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

昆虫類(狭義)の基部分岐に関してはいろいろな仮説が提唱されているが、説得力のあるシナリオは描かれていない。このような背景から、翅の獲得に至っていない原始的な「無翅昆虫類」の5目、そして翅を獲得した有翅昆虫類の顎部形態の厳密な比較を計画、研究分担者ブランケ博士が得意とする比較形態学的アプローチと研究代表者町田の得意とする比較発生学的アプローチを融合することで、説得力のある昆虫類の進化シナリオを構築することを本研究の目的とした。すなわち、ブランケ博士が中心となり、無翅昆虫類のカマアシムシ目、トビムシ目、コムシ目、イシノミ目、シミ目、旧翅類のカゲロウ目とトンボ目、新翅類最原始系統群カワゲラ目の顎部形態を、ドイツDESY、スイスPSI、および日本のSPring-8のシンクロトロンを用い、膨大なSR-microCT断層像データを得た。一方、町田が中心となって、各群の卵を得て、顎部形態形成を、筋付着点としての頭蓋、外胚葉陥入内骨格、筋肉系に注目し、比較発生学的に検討した。両者の比較形態、比較発生学的データを総合的に議論、整合性のある進化シナリオを構築することを目指した。この結果、昆虫類の基部分岐は「欠尾類(=カマアシムシ目+トビムシ目)+有尾類【=コムシ目+外顎類{=イシノミ目+双関節丘類(=シミ目+有翅昆虫類)}】」と理解された。また、従来の理解と異なり、1)イシノミ目ですでに双関節丘型大顎が獲得されていること、2)昆虫類の大顎は従来の理解と異なり、イシノミ目型ではなく、内顎類(カマアシムシ目、トビムシ目、コムシ目)に見られるような内顎類型であることが明らかになった。
著者
秋山 学 秋山 佳奈子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

聖書学の「予型論」を活用した本企画では, 遠く東洋日本におけるキリスト教伝来以前の文化伝承のうちに「予型」を見出し, それを照射する「光源」としてビザンティン典礼を措定するという2段階での研究を推進した.代表者による慈雲尊者飲光の研究により, わが国の悉曇学あるいは習合神道のうちに一つの予型が, また分担者による『源氏物語』注釈史研究を通して, 四辻善成のうちに実証主義的注釈家のあり方が見出されたと考える.
著者
松井 圭介
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.75, pp.111-114, 2007-03
著者
入鹿山 容子 桜井 武
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

敗血症は、細菌による感染を発端として、細菌が産生するエンドトキシンなどの毒素が全身に広がり、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全、ショックなどを引き起こす全身疾患である。重症度に幅があり敗血症、重症敗血症、敗血症性ショックの順で重篤化し、まだ有効な治療法が確立していない。申請者らは敗血症性ショックモデルマウスに神経ペプチドであるオレキシンを末梢投与すると、オレキシンが全身性炎症状態で障害を受けた血液脳関門を通過し、中枢に作用してバイタルサイン(体温と心拍数)を回復することを見出した。神経活動の指標であるFosを用いた免疫組織学的手法による探索の結果、このオレキシンによる体温の回復作用には延髄縫線核セロトニン神経が活性化されることが重要であることがわかった(Ogawa, Irukayama-Tomobe, eLife, 2016)。さらに延髄縫線核にアデノ随伴ウィルス(AAV)ベクターを用いて抑制性(hM4Di)DREADD(Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drugs) を発現させた場合に、オレキシンの体温上昇作用が消失することを確認した。また、オレキシンの生存率の改善効果に伴いカテコールアミンとコルチコステロンが増加し、炎症性サイトカインが減少することを見出した。このことからオレキシンの生存率改善には抗炎症作用も関連しているのではないかと考えられた。敗血症性ショックモデルマウスにオレキシンを持続投与した後、再度Fosを用いた免疫組織学的手法を用いて標的部位の探索を行った。オレキシン持続投与4時間後ではTMN (histaminergic tuberomammillary hypothalamic nucleus)、VTA(ventral tegmental area)が有意に活性化され、22時間後ではNTS(nucleus of solitary tract)が活性化されるということがわかった。
著者
新谷 由紀子
出版者
筑波大学
雑誌
大学研究 (ISSN:09160264)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.81-99, 2002-03

経済産業省は2001年5月、「新市場・雇用創出に向けた重点プラン」において、3年間に1000社の大学発ベンチャーを設立するという計画を発表した。さらに同年7月には、経産相の諮問機関である産業構造審議会の産学連携推進小委員会が ...
著者
林 啓子 浦山 修 高島 尚美 山内 惠子 樋之津 淳子
出版者
筑波大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

本研究では「笑い」が2型糖尿病患者の血糖コントロールに及ぼす影響を明らかにするために、漫才や落語で笑った前後における血糖値の変化(短期効果)と日々の生活の中で笑う機会を増やすことで高血糖状態が改善されるかどうか(長期効果)の2本立ての研究計画を立て実施した。1年目はプロの漫才師の協力を得て、短期効果の検証をおこなった。60歳代の8名の糖尿病患者における笑い前後の血糖値の変化を自己血糖測定法(SMBG)により観察した。短期効果の実験は今回で3回目であり、再度食後2時間血糖値上昇が抑制されることを実証した(笑いの無い状況における血糖変動に比べ-31.4mg/dl)。2年目は24名の2型糖尿病患者を被験者として(60歳代、男性12名、女性12名、非インスリン治療)月1回「笑い」を含む糖尿病教室を9回開催した。この教室では日々笑うことを奨励し、さらに笑いに関与する顔面筋群(大頬骨筋、眼輪筋、口輪筋)の動きをよくする体操(笑み筋体操)を考案し指導した。被験者には体重、食事、運動(歩数)そして笑いの状況を日誌として記録してもらった。血糖変動の原因が明らかである者(薬物変更等)や出席回数が少なかった者を除いた17名について前年同時期の血糖変動と比較したところ、HbA1cの年間平均が前年より改善した者12名(-0.25%±0.22)、不変または悪化は5名(+0.09%±0.08)であった。期間中、本人が笑ったと目覚した日数は月平均10日〜20日だったが、13日以下になるとHbA1cが上昇する傾向が認められた。POMS短縮版による心理状態の変化では「緊張・不安」が改善した。糖尿病教室に参加した被験者の日誌からは日々の療養生活を改善しようとする前向きな書き込みが多く見られるようになった。血糖コントロールは日常生活のさまざまな要因により変化するため、笑いとの因果関係を客観的指標により明確にするには至らなかったが、「笑い」を指導内容に加えた糖尿病教育プログラムは血糖値の改善に効果があることが示唆された。
著者
鳥山 由子
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.66, pp.99-102, 2004-03

筆者は、長い間、附属盲学校で化学を担当していました。化学というと、「リトマス試験紙」「爆発」などの言葉を思い浮かべる人が多くて、盲学校では不可能なものと思われています。しかし、実際は、目の見えない生徒もガスバーナーを ...