著者
黒田 勇 森津 千尋 福井 栄一
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.39-59, 2007-12

本研究ノートは、関西の地域テレビ文化において、多チャンネル化が放送の多様性に貢献しているのかどうかに焦点をあてる。まず第一に、関西の文化的アイデンティティを生み出してきた関西の放送文化について簡単に触れる。次に、CS京都チャンネルで放送された大阪弁のテキスト番組「でんねん」の内容について、その監修者の立場から検証し、さらに、その内容についての「読解」について学生対象の調査結果を明らかにする。結果は、学生たちはかつて寄りも大阪のステレオタイプイメージを受け入れる傾向とともに、複雑な読解をしていることが明らかになった。
著者
西村 昌也 ファン・ミン・フェン
出版者
関西大学
雑誌
東アジア文化交渉研究 (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.187-219, 2008-03-31

15 pieces of bronze drum in Bình Định Province, central Vietnam are suggestive materials for understanding the technological and cultural contexts of the bronze drums in Southeast Asia. This paper considered its technological and cultural background based on the restudy of the bronze drum collection and their discovery sites. The chronological frequencies of the drum assemblage indicate that the duration of the bronze drum usage is not long successive period (1st C. BC to 2nd C.AD) and possibly stopped the bronze drum usage at the same time or in very short duration. Only Gò Rộng drum was identified as the possibly local-made drum by lost-wax technique and the other are transported from the northern Vietnam. No bronze drums later than the 3b period (later than the late 2nd C. AD) of Imamura's chronology are seen in not only Bình Định but also central and southern Vietnam, Cambodia, coastal area of Thailand and Malay Peninsular. During the 2nd C.AD, the early states formation or political integration with the strong influence from India and China are already evidenced in this region. Especially the Indianized ideas for the statecraft and religion possibly left no space for the survival of the bronze drum usage in their society. Thus this ending period of the bronze drum usage well accords with the real beginning of the Indianization in the Southeast Asia.
著者
黄 蘊
出版者
関西大学
雑誌
東アジア文化交渉研究 (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.113-130, 2010-03-31

セッション2 エスニック要素と宗教実践、そして宗教コミュニティ形成の文化交渉This paper presents an analysis of the Theravada Buddhist temples, societies in Malaysia as well as their devotees, focusing on the process of the formation of the multi-ethnic Theravada Buddhist community. In Malaysia, many of the Theravada Buddhist temples have a long history with various memberships of Sangha comprising monks from Thailand, Sri Lanka and Myanmar. On the other hand, the devotees of almost all Theravada Buddhist temples are predominantly English educated Chinese or English-speaking Chinese. The Theravada Buddhist temples, despite retention of cultural legacies of Thailand, Sri Lanka and Myanmar, carry out manifold activities in their own way and styles. This paper examines how the Sangha membership and the Chinese participants have engaged in developing Theravada Buddhist temples in cooperation with each other, focusing in particular on the temples and Buddhist societies of Sri Lankan tradition. The Sri Lankan Theravada Buddhist temples and societies tend to provide Dhamma and humanitarian services to the public; at the same time they tend to adopt customs and styles of their Chinese devotees. It is in this way that they become indigenised and form a distinctive socio-religious community. This research will demonstrate how the Buddhists of the Theravada tradition organize their community and how multi-ethnic participants interact with each other in that process.
著者
中尾 和昇
出版者
関西大学
雑誌
千里山文学論集 (ISSN:02861852)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.一-二八, 2014-09-20
著者
堀 潤之
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、ニューメディア以降の映像環境において諸メディアの収斂という事態が生じつつあるという現状を批判的に吟味するべく、デジタル・テクノロジーの登場以前にまでさかのぼって、(A)不動性をめぐる映像理論小史、(B)不動性の映画史、(C)現代美術の映像作品における運動と不動という3つのトピックを通じて、主として20世紀後半の映像理論および映画史・映像芸術史における「運動への抵抗」の系譜をたどったものである。
著者
林 雅清
出版者
関西大学
雑誌
關西大學中國文學會紀要 (ISSN:09105328)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.89-105, 2006-03-20
著者
蓮池 いずみ
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、日本語学習者による助詞「は」の使用における母語転移の可能性を探ることを目的とする。母語が主題卓越言語である韓国語、中国語を母語とする学習者と、主語卓越言語である英語を母語とする学習者で助詞「は」の使用/不使用の傾向が異なるかどうかに注目し、L1における主題の表し方の違いが助詞「は」の使用に影響を与えている可能性について調査した。その結果、助詞「は」の使用傾向が学習者の母語背景によって異なる可能性が示された。また、本研究とは異なるタスクを用いた予備調査とは一部異なる結果が得られたことから、タスクの種類が母語転移の現れ方に影響を及ぼす可能性が改めて示された。
著者
西岡 健一 南 知惠子
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ICTはビジネスへ直接的に影響を与えるのではなく、他の組織内外のリソースを働きかける間接的な機能を持ち、価値を創出する。ICTの「統合」機能は、オペレーションの効率性と生産性の向上、情報交換の正確性とタイムリー性を実現する。「協同」機能は、組織的な協同関係を実現し、促進、モニター、コントロール、ガイドするという役割を果たしている。さらに、ICTには情報集約的なサービスを管理する能力があり、「高度な分析処理」を実現化させる。これら3つのICTのイネーブリング機能から、「ビジネス・プロセスの発展」と、「イノベーティブなビジネスシステムの創出」つまり狭義のサービス・イノベーションが起こることになる。
著者
小澤 守 松本 亮介
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

特別の保炎機構を持たない管状火炎燃焼器とその周囲に水管を配置することによって高性能の小型蒸気発生器を構築し,その燃焼特性,伝熱特性,排ガス特性,燃焼の安定性など,装置設計上,必須のパラメータの把握を行った.水管としてはベローズ型フレキシブルチューブをらせん状に巻くことにより,燃焼室外壁を構成し,燃焼室長さを短く抑え,かつ十分な伝熱面積を確保することが燃焼/沸騰伝熱双方の安定性に極めて効果的であることを明らかにした.
著者
門林 岳史
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究の目的は、マーシャル・マクルーハン以来展開されてきた感性論的なメディア論の系譜を批判的に検討するとともに、それらを基礎として、今日のメディア環境に応えられる新たな感性論的メディア論を構築するべく、「ポストメディア」概念を提起することである。そのために本研究では、先行研究の理論的な読解を進めるとともに、メディア研究の国際的な学会やメディアアートをめぐる国際的な芸術祭などに参加し、研究交流と資料収集を進めてきた。また、東日本大震災以降のメディアの状況をめぐる議論に参加することで、「ポストメディア」概念をより具体的な状況に対する説明能力を持つ概念へと練りあげることができた。
著者
雑古 哲夫
出版者
関西大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

バイオフィードバックトレーニングは,競技者が目に見えない精神性を電気信号として捉らえ,精神状態を即時に映像として映しだし,映し出された映像と身心の変化を対比させ,身体状況と精神状況の関わりを認識させることにより,身体を抑制,精神をコントロールし,不必要な筋緊張の出現を抑え,競技成績の向上を目的として考案したトレーニングである。バイオフィードバックトレーニングを実施した競技者の大会成績は、弓道は2011年度に第59回全日本学生弓道選手権大会男子団体戦で準優勝の成績を上げた。日本拳法では2011年度第56回全日本学生選手権大会男子団体5位、女子団体戦優勝、全日本拳法女子個人戦ではトレーニングを行った女子学生が,社会人も含めた全日本総合選手権大会で個人優勝した。