著者
米本 仁巳
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.549-553, 2008 (Released:2011-01-20)

パッションフルーツ冬実中の酸含量を低下させる温度および土壌水分。パッションフルーツは、ブラジル南部からパラグアイ、アルゼンチン北部が原産で、トケイソウ科、トケイソウ属のつる性多年生草本である。和名ではクダモノトケイソウ、紫果物時計草、食用時計草などと呼ばれる。主要生産国はブラジル、ペルーなど南米地域の国々である。しかし、近年ではオーストラリア、ハワイ、ニュージーランドの他、ケニア、タンザニア、インド高原地域、東南アジアの亜熱帯性気候の地域で広く栽培されている。主産県は鹿児島県、沖縄県と東京都の3県である。また、パッションフルーツの果汁には、リン、ビタミンA(カロテン)、アスコルビン酸、ナイアシンなどが多く含まれ、タンパク質分解酵素も2種類含まれ、消化機能を高めることが知られている。さらに、他の果汁にはない特有の芳香成分が含まれ、アロマセラピーにも効果のあることが認められている。
著者
高木 正見 中平 賢吾 岩瀬 俊一郎
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.1071-1079, 2016-11

レンゲは,明治から大正・昭和にかけて,水田の裏作緑肥作物として,わが国の近代稲作農業に大きく貢献してきた。また,緑肥としての効用や飼料作物として利用できるだけでなく,養蜂業にとっては,春季の蜜源植物として,レンゲは重要な存在である。レンゲ蜜は,国産蜂蜜の中でも代表的な蜂蜜なので,"はちみつの王様"と呼ばれ,現在では希少性も伴って,国産レンゲ蜜は最も高価な蜂蜜の1つであり,その一方で,ピンク色に染まったレンゲの絨毯は,1960年代以前,わが国の春の田園風景にとって,欠かせないアイテムであった。ところが,わが国におけるレンゲの作付面積は,1960年以降急激に減少した。その原因としては,化学肥料の普及や,わが国の畜産が農家の役畜的飼育から畜産専業の用畜的飼育,とりわけ企業的多畜化へ変貌し,飼料としてのレンゲの利用価値が低下したことが大きかった。さらに,レンゲ作付面積の減少に追い打ちをかけたのが,1982年に海外から侵入した,アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica,以下「アルタコ」と略)であった。養蜂家は,レンゲ栽培農家の減少に少しでも歯止めをかけようと,稲作農家にレンゲの種子を無料で配布し,水田裏作として播種してもらうという努力も行ってきた。しかし,アルタコによる被害は激甚で,稲刈り後に播種したレンゲが,開花する前に全滅するという事態が,九州から西日本全体に広がった。アルタコは,現在では全世界的な害虫であるが,もともとは,中東および中央アジアからヨーロッパにかけて分布する,マメ科牧草の害虫であった。わが国には,1982年に九州と沖縄に侵入し,分布を拡大し,現在は本州北部を除く日本全域に分布し,レンゲの害虫として問題になっている。しかし,米国から導入された寄生蜂,ヨーロッパトビチビアメバチ(Bathyplectes anurus,以下「Ba」と略)の効果が現れ始めた福岡県を中心にした西日本では,レンゲの花が回復しつつある。そこで本稿では,このアルタコのレンゲ害虫としての生態と,天敵である寄生蜂の導入の経緯,さらに,その寄生蜂を使った生物的防除を核にした本種の総合的害虫管理(IPM)について解説する。
著者
福岡 正信
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, 1962-06
著者
福岡 正信
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, 1962-05
著者
木村 和義
出版者
養賢堂
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.271-279, 1984

降雨後, インゲンマメ葉が萎凋する現象がみられた。降雨後の萎凋現象について解明するため, 人工降雨実験装置を使って, その萎凋現象の実態と原因について実験的に検討を行った。<br>1) 雨の日, 鉢植したインゲンマメを屋外におき, 降雨を21時間受けた後に葉が萎する現象がみられた。萎凋の状態は, 葉縁が上方に曲り, 葉全体がいくらか杯状を呈し, 極端な場合は葉縁付近の裏面が表面から見える程度にまき上る状態になった。<br>2) 雨の日を想定した人工降雨装置を使って, 降雨処理後の萎凋現象の実態を詳細に検討した。降雨処理した植物の葉は, 処理終了後15分位から萎れ始め, 1時間目に最高の萎凋程度に達し, その後数時間かけて回復した。萎凋程度は処理期間が長い程強く現われ, またその回復も遅くなる傾向がみられた。またサツマイモ葉でもほぼ類似の萎凋現象がみられた。インゲンマメ葉の場合, 1~2日間の降雨処理では, 程度の弱い萎凋がみられ, 3~4時間後にはほとんど回復したが, 3日以上の処理では強い萎凋現象がみられ, 処理後24時間目でも葉縁に多少の異常が残った。また若令葉ほど, 老令葉と比して, 萎凋の程度が大きい傾向がみられた。<br>3) 降雨処理後の萎凋現象は, 地下部への雨の浸入が遮断された場合, 逆に地下部を浸水状態にして降雨処理した場合でも, あるいはイオン交換水で降雨処理した場合でも, 同じ程度に起こることから, 地下部の状態や水道水中の諸成分に関係なく, 雨水が地上部 (葉) を濡らすことによって起こると考えられた。<br>4) 降雨処理後における葉の蒸散量は急激に増大した。処理後1時間目の蒸散量は11.5mg/cm<sup>2</sup>であり, 無処理区の4mg/cm<sup>2</sup>の約3倍の値を示した。この1時間における降雨区の根による吸水量は5.2mg/cm<sup>2</sup>であり, 蒸散による水の排出は根による水の吸収の約2倍の値であった。<br>5) 降雨処理された植物から切離された葉の乾燥速度は無処理区のものよりも著しく大きい値を示した。無処理区の植物からの切葉は1日後, 切断時の生鮮重の約50%まで減少した程度であったが, 降雨処理した場合は約10%まで減少した。<br>6) 上述のような結果から, 降雨後の萎凋現象の原因は, 地上部の雨水接触によって, 葉の表面構造に障害をうけ, 水の透水性を増し, その結果, 蒸散作用が急激に増大したことによると推察された。
著者
北山 敏匡
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.154-158, 2009 (Released:2011-03-05)
著者
樋口 太重
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.29-33, 2014 (Released:2014-05-30)
著者
池羽 智子
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.271-277, 2007 (Released:2011-03-05)
著者
真木 太一
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.761-765, 2010 (Released:2011-03-28)
著者
野口 順子
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.323-331, 2014-03

豚繁殖・呼吸障害症候群(porcine reproductive and respiratory syndrome: 以下PRRS)は1987年,北米において重篤な繁殖障害(流産,死産)および呼吸障害として初めて報告された。日本では1993年に肥育豚および死産子豚からPRRSウイルス(以下PRRSV)が単離されており,現在に至っても甚大な経済的損失の一要因となっている。PRRSVはアルテリウイルス属に分類されるエンベロープを有するRNAウイルスであり,感染豚の体内で容易に変異するため非常に高い遺伝的多様性を示すことが知られている。また抗原的多様性にも富んでいることから,市販ワクチンによる完全な制御は困難であると言わざるを得ない。さらにPRRSVはウイルス血症の状態が長く続く「持続感染」を引き起こすため,感染豚から非感染豚へ長期間に亘ってウイルスが供給されることになり,このことが農場からのPRRSV撲滅を困難にしている最大の要因となっている。
著者
佐藤 充克
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.296-308, 2018 (Released:2018-06-15)
著者
松尾 雄二 崎村 優也 永徳 遥
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.545-550, 2015 (Released:2015-10-05)

1 0 0 0 OA 飼料学(50)

著者
永西 修 山崎 信 朝井 洋
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.785-791, 2008 (Released:2011-01-18)
著者
秋葉 和温
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.771-776, 2014 (Released:2014-09-25)
著者
徳山 倫子
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.712-722, 2017 (Released:2017-11-16)
著者
後藤 隆郎
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.81, no.8, pp.890-893, 2006 (Released:2011-03-05)
著者
小野 嘉隆
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.323-326, 2008-02
著者
皆川 明子
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.363-371, 2015-03
著者
菅原 七郎
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.529-535, 2015-06

有袋類の多くの野生種は他の哺乳類や動植物と同様に人類の各種開発行為により年々生棲域が侵食されてきて,その数が減少してきている。20世紀末までに,有袋類の6種が絶滅寸前種,17種が絶滅危惧種とされており,2011年のIUCNリストではヒメ,ミナミケバナとキタケバナウォンバットのうちキタケバナウォンバットは現存数138~160匹で絶滅寸前種に指定されている。一方,オーストラリアやニュージーランドのある地域では上記と逆にアカカンガルーやクロオオカンガルーが,ニュージーランドではフクロキツネがそれぞれ過剰繁殖してしまっている。これら野生種の回復,保全や調整のためのARTs(assisted reproductive technologies)が用いられているが有袋類では他の動物種と比べてその成果は実用化まではもう少しといった段階である。この要因は有袋類の生殖機能が特異的であり,捕獲飼育も十分でなく,解明されていないことである。有袋類の生殖機能を調節する手法は効率を高めるものと低下または一次的に停止させるものとの相反する二つの仕方が必要である。