著者
鈴木 達行
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.545-548, 2006-05
著者
杉浦 俊彦 阪本 大輔 朝倉 利員 杉浦 裕義
出版者
養賢堂
雑誌
農業氣象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.173-179, 2010-09 (Released:2011-07-26)

モモにおける自発休眠覚醒期推定技術の開発に向けて、自発休眠覚醒効果の温度間差を‘白鳳’の生態実験により検討した。その結果、次のことが示された。1.自発休眠覚醒に対して最も有効な温度は6℃であった。6℃よりも温度が低下するに従って自発休眠覚醒効果は低下し、6℃の効果を1とすると、3℃では約0.9、0℃では約0.7であった。また、-3℃でも一定の効果が認められたが、-6℃では効果は認められなかった。2.6℃よりも高くなっても効果が低下し、9℃では約0.9、12℃では約0.6、15℃では効果は認められなかった。3.この自発休眠覚醒効果の温度間差について、変温条件下における妥当性を検討するため、これらの結果からチルユニットの係数を策定し、露地での自発休眠覚醒状況に適用したところ、よく適合した。
著者
岩田 拓記 浅沼 順 大谷 義一 溝口 康子 安田 幸生
出版者
養賢堂
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-9, 2009-03-10
参考文献数
39
被引用文献数
2

サーフェスリニューアル法を顕熱輸送モデルとして用いて,日中の平坦なマツ林上における複数高度での乱流観測から算出した鉛直長さスケールと乱流輸送の関連性を調べた。鉛直方向の積分長さスケールは大気不安定が強くなるに従い大きくなる傾向を示したが,Raupach <i>et al.</i> (1996, Boundary-Layer Meteorol., 78, 351-382) のシア長さスケールは大気安定度に比較的依存しなかった。これらの長さスケールを輸送渦の高さとして用い,サーフェスリニューアル法によって顕熱フラックスを算出した。渦相関法で算出したフラックスと比較した結果,異なる長さスケールを用いたサーフェスリニューアル法のパフォーマンスは不安定条件下で大きく異なり,積分スケールを用いた場合のフラックスの精度が最も良かった。これらの相違は長さスケールの安定度依存に関係していると考えられる。この結果は,渦のスケールを直接測定した積分スールをサーフェスリニューアル法において用いることが妥当であることを示している。また,乱流生成において浮力の影響が大きいときには,シア長さスケールは粗度層の渦スケールを表すのに制限がある可能性が示唆された。
著者
一色 尚次 渡部 弘一
出版者
養賢堂
雑誌
機械の研究 (ISSN:03685713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.p633-641, 1993-06
被引用文献数
1
著者
山下 泉
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.560-563, 2008-05

IPM防除体型による施設栽培での新害虫コナカイガラムシの発生とその対策。高知県の促成栽培ナスや促成栽培ピーマンでは、主要害虫のミナミキイロアザミウマやアブラムシ類などに対して、タイリクヒメハナカメムシ、コレマンアブラバチなどの天敵類や防虫ネット、黄色蛍光灯などを利用した総合的な害虫防除対策が普及しつつある。このような防除体系を導入している栽培圃場において、これまでの化学合成殺虫剤を中心とした防除体系による栽培圃場では発生の見られなかったコナカイガラムシ類が1990年代後半から発生するようになり、排泄物に発生するすす病による果実や植物体の汚れ、落葉や吸汁による生育抑制などの被害が顕在化し問題となってきた。そこで、発生種および防除対策などについて検討を行った。本稿では、天敵類を利用した総合的害虫防除体系による栽培を行っている圃場で発生しているコナカイガラムシ類の発生種、促成栽培ピーマンでの発生状況と防除対策などについて述べる。
著者
山田治夫著
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
1969
著者
河田 幸視 KAWATA Yukichika
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.747-753, 2011
著者
冨田 健太郎
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1239-1247, 2012-12

前報でも記した事項であるが,ラテンアメリカの大地の大半は広大な草原地帯であり,一般的に野草類による粗放な放牧が実践されている。この粗放放牧における一番の問題点は,過剰放牧によって牧草地の疲弊が進行し,やがて牧畜経営が不可能となってしまう。そうなると,天然林の伐採・焼却を含めて,新規牧草地を求めていく。このことが環境破壊を生み,新規開墾地も地力を失ってしまい,さらに新たな新天地を求めるという悪循環が繰り返される。これを食い止めることが,持続可能な生産システムの一つであり,既存の牧草地の肥沃度の維持・向上に努めることが肝要である。前報では,イネ科牧草ブラキアリア(Brachiaria humidicola)における6回にわたった各処理区別の乾物収量ならびに養分吸収量結果を一気に報告した。処理区においては,窒素肥料源として化学窒素の他,牛糞堆肥,牛糞堆肥+化学窒素の他,マメ科野草類も共存させ,このことがブラキアリアやマメ科野草の生産性や再生力を評価することが本試験の目的である。
著者
永西 修 山崎 信 朝井 洋
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.785-791, 2008-07

飼料学。排泄物の処理と低減。反芻動物、家禽、馬、動物園動物。畜産経営での集約化や規模拡大、生産レベルの向上に伴い、糞尿中に排泄される栄養成分が環境負荷の原因として重要視されている。糞尿中には大気、水質、土壌などの環境に負荷を与えるN、P、Kなどが含まれている。畜産経営により生じる環境負荷を軽減するためには、環境へ流入する糞尿由来の成分量を正確に把握するとともに、糞尿中に排泄される成分量に影響を与える要因を解析し、排泄量の低減法を解明する必要がある。また、バイオエタノールによる穀物市場価格の高騰が生じており、畜産経営を圧迫している。飼料栄養成分の家畜での利用性向上は、環境問題の低減ばかりではなく、飼料コスト低減の面でも大きな効果が期待できる。
著者
加藤 修
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.1189-1197, 2008-11

短果枝を主体とした栽培の是非。側枝更新の功罪。今日、千葉県では、'幸水'は最も心血が注がれて栽培が行われている品種と切言できる。生産農家はすべてこの品種を中心に生産体制を整え、すべて最優先で管理を遂行している。せん定では花芽を樹冠内にまんべんなく配置するために側枝更新を頻繁に行ない、同時に翌年度に備えて新たな予備枝の設置に余念がない。大果生産が強く求められているので、開花前には花芽摘除(休眠期に開花数の制限を目的として花芽を基部を残して手でかいて除去する方法、一方で、短果枝群の短果枝などに対してせん定鋏を用いて基部ごと除去するのを花芽整理と呼び、両者を区別した)や摘らいが行われている。開花後は摘果を真っ先に行って果実肥大を促すとともに樹勢の低下を防ぐ管理がなされている。同時に、予備枝育成にも力を入れる。さらに、黒星病などの病害虫の発生に常に気を使う。裏を返せば、'幸水'はこうした生産農家の努力により生産が支えられている。見方を変えれば、果実が小さく収量が低いわりには栽培管理に最も注意が払われ、かつ多くの人員と労働力が投下されていると言える。

1 0 0 0 OA 飼料学(49)

著者
山本 朱美 古谷 修 石橋 晃
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 = Animal-husbandry (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.695-701, 2008-06 (Released:2011-01-18)

1 0 0 0 OA 飼料学(102)

著者
佐藤 幹 石黒 瑛一 石橋 晃
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 = Animal-husbandry (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.917-922, 2013-09 (Released:2014-03-06)
著者
秋葉 和温
出版者
養賢堂
雑誌
畜産の研究 (ISSN:00093874)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.673-678, 2013-06

1957年(昭和32年)のロイコチトゾーンの感染鶏の病性鑑定は山梨の住吉種畜場の例で終わった。この年は感染鶏の見られる養鶏場で,ライトトラップを使用して吸血昆虫を採取して乳剤とし,健康鶏に接種した。これは,その中には,きっと媒介者がいるであろう,媒介者がおれば,その中にはスポロゾイトを持っているものも,きっといるであろう,したがって,採取した昆虫の乳剤を接種すれば感染するであろうと考えたからである。しかし,1羽の感染鶏もえられなかったのである。どうしてであろうか。ウイルス学では感染耐過した動物の血清の中には中和抗体と称せられるものが存在する。この抗体はウイルスと結合し,中和するので,感染が防止される。これと同じような現象が起きているのであろうか。すなわち,ロイコチトゾーンの感染鶏群には,すでに感染耐過した個体もいるわけで,このような耐過鶏の血液を吸ったニワトリヌカカとスポロゾイトを持ったニワトリヌカカ,このヌカカは見た目では未吸血ヌカカと判定されるが,これと区別することなく,一緒に乳剤としたため,スポロゾイトが存在していたとしても,耐過鶏の血液を吸ったものの中の抗体によって中和されたようになって,感染力を失ったため,感染しなかったのではなかろうかと考えたのである。
著者
岩間 和人
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.743-753, 2008-07

バレイショの乾燥抵抗性品種「根優」誕生秘話。1975年春、大学卒業後、ヒッピーとしてネパールを訪れた。首都カトマンズでの偶然の出会いから、西部カリガンダキ地域に駐在している農業改良普及員を訪ねて1カ月間を過ごした。地域の入り口であるダナでは折しも田植えの真っ最中であった。縦も横もバラバラで、日本の整然とした植え方とは異なったが、その理由は自分で田んぼに入って田植えをしたらすぐに納得がいった。土の中にはこぶし大の石がゴロゴロしていて、その隙間に苗を差し込んでいくのであった。バレイショは収穫期で、こぶしよりも大きなイモが収穫されていた。一泊2食付きで1ルピー(約23円)の宿の夕食にはイモの入ったカレー汁がご飯とともに供された。ご飯はパサパサのインディカ米で、筆者は当時若くおなかがすいていたので何でもおいしかったが、しばらくすると日本のお米がなつかしくなった。しかし、バレイショは日本のものと同じ味わいで、鶏の卵とともに、世界中で変わらぬ味であると感じた最初の体験であった。ダナ近くのタトパニに1週間ほど滞在する間に日本の氷河調査隊の人と一緒になり、その人たちについて谷の上部を旅した。タトパニは標高800mほどの亜熱帯であったが、3日歩いて到着したツクチェ村は標高3,000m近くの亜寒帯であった。大麦が収穫された直後で、村のあちこちで棒の先に板をつけた農具を用いた脱穀作業が行われていた。バレイショは培土直後で草丈20cmほどであった。タトパニからツクチェまでの道々にバレイショが栽培されていたが、その草丈の変化に興味をそそられた。谷にそって標高が増すに従いバレイショの草丈が小さくなっていった。植え付け時期の差異もあったが、どうもそれだけではないように思えた。地上部は目で見てわかるが、地下部がどうなっているのかと興味を引かれた。今から思うと、バレイショの根系を一生の研究テーマとして選んだきっかけがこのカリガンダキでのバレイショとの出会いにあった。
著者
久保寺 秀夫
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.1091-1096, 2008-10

マージ土壌は南西諸島に分布する土壌で、堆積岩や礫層を母材とする酸性の赤色土や黄色土の国頭マージと、石灰岩上で生成する弱酸性〜アルカリ性の暗赤色土の島尻マージからなる。マージ土壌は沖縄本島では全農耕地の72%を占める重要な土壌だが、全般的に物理性が不良で、保水性の低さや下層土の緻密性(島尻マージ)、排水不良や受食性(国頭マージ)などが営農上問題となる。その問題の一つに、土壌が乾燥した際に強く硬化して砕けにくい土塊となり、耕耘砕土の障害となることがあげられる。このように物理性が不良な土壌の改良方法として、一般に、堆肥など有機物資材の施用が有効な方法とされる。有機物資材の施用は土壌の団粒化を促進し、膨軟化、通気性・保水性・排水性の向上を促す作用があり、その効果は多くの試験により実証されてきた。一方、有機物の施用により、土壌の過乾、過湿、排水不良など物理性の悪化が生じる例も報告されている。物理性がもともと良くないマージ土壌に有機物を施用する場合、物理性のさらなる悪化が生じないよう、施用が土壌の物理性に及ぼす影響を詳細に把握し、適正な施用を行うべきである。本稿では、有機物資材の施用がマージ土壌の乾燥時の硬化に及ぼす影響について、久保寺(2007)を元に紹介する。