著者
原 真志
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、国際比較実証研究により、映画・CG・アニメといった映像関連コンテンツ産業におけるクリエイティブプロセスを、企業とテンポラリー組織の戦略・ガバナンス・リーダーシップの相違という視点から分析し、さらに産業クラスターとテンポラリークラスターの果たす役割を検討することを目的とし、日米において企業とテンポラリー組織のキーパーソン、 テンポラリークラスターとして SIGGRAPH (CG 学会&展示会) の現地調査を実施した。
著者
垂水 浩幸 林 敏浩
出版者
香川大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、棋譜と局面単位のデータの組合せで構築される将棋データベースを開発して公開運用し、評価することが目的である。以下の成果を得た。(1)棋譜と局面の両方を基礎データとするデータベースとそれにアクセスするためのAPIを開発した。(2) データベースのコンテンツ収集を行い、2700万局面を超えるものになった。(3) 応用例として将棋感想戦支援システムを開発した。(4) 開発物について性能面と使いやすさの面から評価した。概ね妥当な評価が得られているが、より簡素で使いやすいものにしていくためさらに今後改善が必要である。(5) これらについて国内外で10回の発表を行った。
著者
宮島 美花
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、、社会調査における質的調査(聞き取り調査)の技法を用いた、中国朝鮮族の跨境生活に関する研究である。国境を含む行政区界の境界を跨いだ生活(跨境生活)には、行政区界ごとに社会保障システムが成り立っていることに起因する不便や不利益が伴う。彼らの跨境生活のありよう、特に彼らが日常的に直面する困難やその解決方法を明らかにすることを通じて、国家や地方自治体のような行政区界内のガバナンスと、そのような行政区界の境界に収まりきらない跨境生活空間におけるガバナンスとのズレを問い、民族ネットワークがその調整のために果たす役割を明らかにする。
著者
鎌野 寛
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

最近,百日咳などの小児感染症が成人に集団感染を引き起こし問題になっている。学生に対する感染症の予防の健康教育は重要であり,我々は感染症の予防教育に取り組んできた。本研究では感染症拡大の定量的分析を参考にシミュレーションを行った。そして,成人百日咳についての基礎的内容を理解しやすいように動画化し学習効果の高いe-learning教材の開発を目指した。①細菌の構造 ②疫学 ③飛沫感染予防 ④診断 ⑤治療 ⑥予防接種 ⑦シミュレーション等を教材内容として設定し教材を用いて授業を行った。講義の終了後,教材内容についてのアンケート調査を行った。内容に対して理解を示した学生の割合は約85-97%であった。
著者
阪根 健二
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.15-22, 2006-09

香川大学教育学部では,近年,学生ボランティアの参加数が急増している。これは2000年度から,香川県教育委員会と連携して学生ボランティア派遣事業を開始したことによる。この事業によって,これまで多くの学生が公立小中学校でボランティア活動に従事してきたが,実際の学校現場を体験するだけでなく,教職の「使命」や「意義」を習得する絶好の機会となっている。しかし,この派遣事業が,実際の受け入れ先である学校にとって有効な活動になっているのか,これまで全県調査をしたことがなく,特に受け入れ先での学生の活動実態を把握する機会がなかった。そこで,全県の小中学校を対象とした調査結果を分析し,学生による"学校ボランティア活動"の成果と課題を考察する。
著者
谷 利一 増田 拓朗
出版者
香川大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

ゴルフ場のコウライグリ-ンには、ピシウム菌の関与する2種の病害、すなわち不揃症(仮称)と春はげ症が発生する。前者は萌芽直後より、後者は萌芽前よりパッチが出現する。両症とも極めて防除が困難であり、本研究では両症の発生主因と防除方法について検討した。(1)春はげ症:本症発生グリ-ンより継続的に病原菌の分離を行ったところ、コウライシバの休眠期前後の11〜12月にフザリウム菌が、萌芽期頃の5月にピシウム菌が高頻度に検出された。分離フザリウム菌は、そのコロニ-タイプから3種に類別され、そのうちの2種でノシバ子苗に対する強い病原性が認められた。本症発生グリ-ンにおいて、11月にベノミル剤、5月にメタラキシル処理を行ったところ、高い防除効果が得られた。また、本症の発病に土壌条件が関係すると考えられたため土壌物理性(三相分布、透水係数)を調査した。病班部は健全部に比べて土壌の液相率が高く、気相率が低い傾向にあった。以上より、本症は休眠期前後のフザリウム菌、萌芽期頃のピシウム菌による復合感染であると結論された。また、通気透水性の悪い土壌条件で発生が助長される事が示唆された。フザリウム菌の同定は現売検討中である。ピシウム菌については、分離頻度と病原性からPythium graminicolaとP.vanterpooliiであると結論された。(2)不揃症:本症の発生時期にはPythium grminicola(Pg),P.Torulosum(Pt)およびP.vantepoolii(pv)が高頻度に分離された。ノシバ子苗を用いた接種試験でPg、Pvは10℃下で強い病原性を示したが、ptは5〜25℃で病原性はなかった。ピシウム菌に選択的に抗菌性の強いメタラキシルの萌芽期の処理は、本症の発生を完全に抑えた。以上より、本症の主因はPgとPvであり、萌芽期のメタラキシル処理で防除可能であると結論された。
著者
G・M McCrohan PAUL G. BATTEN
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究はコミュニケーション方略の明示的指導が学習者の方略使用に与える影響を報告し、彼等の方略使用における変化を観察し、さらに方略使用に対する彼等の自信の変化を報告することをその目的とする。分析の結果3年間の調査期間中により多くの種類のコミュニケーション方略を使用するようになっていることが明らかになった。しかしながらあるタイプの方略 についてはその使用頻度が増えることはなかった。調査参加者はそれらの方略を自信を持って使用することができなかった。また、学習者は、対話者の上下関係に応じて、自分たちの発話言語を切り替えることができず、CSsの練習に合わせて語用論的能力の訓練も必要であることも分かった。
著者
繪内 利啓 宮前 義和 森 俊博 光村 拓也 出石 良美
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.71-85, 2003-09

我々は学習障害や注意欠陥/多動性障害をもつ児童への教育的支援を目的として,過去4年間研究プロジェクトに取り組んできた。本プロジェクトでは学部学生を需要のある教育現場に派遣し,我々が巡回相談という形で,後方支援するという体制をとっていたが,2年目の需要が拡大し過ぎたため,3-4年目には屋島小学校での放課後オープン教室に学部学生が参加協力し,必要に応じて我々が個別相談を行うという方式で研究プロジェクトを継続した。特にオープン教室への学生参加については,新しい試みであり,2年間にわたって保護者等にアンケート調査を行い,その結果を併せて報告した。
著者
山本 淳子 大久保 智生 藤井 浩史 辻 幸治 横山 新二 有馬 道久
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.41-47, 2007

本研究では,少人数学級や複数担任による少人数指導という物理的措置(学級規模)が,保護者の学校生活認知と子育て不安とに及ぼす影響について検討することを目的とした。研究1では,小学校1年生〜3年生の保護者339名を対象に質問紙調査を実施し,「保護者用学校生活認知尺度」および「子育て不安尺度」を作成した。研究2では,小学校1年生〜3年生の保護者556名を対象に,作成した尺度を用いて質問紙調査を実施した。結果から,少人数学級に在籍する子どもをもつ保護者の「対教師認知」の平均値が通常学級の保護者に比較して高いこと,逆に「子育て不安」の平均値は最も低いことが明らかとなった。少人数学級編制の導入は,保護者の教師に対するポジティブな認知と情緒の安定にプラスの影響を及ぼすのではないかと考察された。
著者
大久保 智生 山本 淳子 藤井 浩史 辻 幸治 横山 新二 有馬 道久
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.33-39, 2007

本研究では,少人数学級や複数担任による少人数指導という学級規模が児童の学級適応に及ぼす影響について検討することを目的とした。附属高松小学校の1年生112名,2年生99名,3年生119名と附属坂出小学校の1年生75名,2年生78名,3年生80名の計563名を対象に教師の指導行動に対する認知尺度と学級適応測定尺度を実施した。少人数学級,複数担任学級,通常学級における教師の指導行動および児童の学級適応の比較を行った結果,概して,30名の少人数学級と40名の複数担任学級の児童のほうが40名の通常学級の児童よりも教師の指導行動を肯定的に認知しており,学級へ適応していることが明らかになった。最後に学級規模とその教育効果についての今後の研究の方向性について示された。
著者
中尾 亜紀 戸田 有一 宮前 義和
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.169-179, 2008

本研究では,学校におけるピア・サポートを体系的に理解するための試みとして,調査を行った。調査結果を検討したところ,実施規模,実践の特徴,トレーニングと支援活動の有無という次元による分類が,体系的な理解に有用であろうと思われた。実践を分類したところ,「全校規模で,特定の子どもたちへのトレーニングと支援活動を行った」例と,「学年や学級の子どもたち全員へのトレーニングと支援活動を行った」例が多かった。
著者
表 三貴 繪内 利啓 宮前 義和
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.123-132, 2008

本研究では,「学校生活の質」という概念を提唱し,学校生活の質チェックリスト(小学生版)を作成することを目的とした。研究Iでは,学校生活の質チェックリストの項目を収集,選定して,信頼性の検討を行った。研究IIでは,臨床的妥当性を検討した結果,学校生活の質チェックリストの一部において,支援を必要とする子どもを弁別できることが示された。最後に学校生活の質チェックリストの活用について考察を行った。
著者
山田 耕造
出版者
香川大学
雑誌
香川法学 (ISSN:02869705)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.37-67, 1992-01-10
著者
繪内 利啓 杉山 愛 馬場 恵子 丸峯 良子 水嶋 由紀 高原 香織 井上 寛子 田中 栄美子 馬場 広充
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.33-46, 2006-09

本研究では,学級全体にSSTを実施するというCSSTを,A小学校において200X年2月〜200X+1年1月まで計5回にわたり実践した。ここでは学級全体の社会的スキルの向上と,学級の仲間関係の改善を目的とし,岡田(2001)の「指導のための児童用ソーシャルスキル尺度」を用いて,「集団行動」,「協調行動」,「セルフ・コントロール・スキル」,「仲間関与スキル」,「言語的コミュニケーション・スキル」の5領域で,その効果を判定した。その結果,ある程度長期間継続することでCSSTの効果が得られることが示唆された。
著者
多田 邦尚 一見 和彦 山口 一岩 石塚 正秀 本城 凡夫 樽谷 賢治
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

瀬戸内海東部海域における近年の栄養塩低下とその原因について研究した。瀬戸内海では高度経済成長期に富栄養化が著しく赤潮も多発していた。その後、水質は改善されたが、逆に近年では養殖ノリの色落ち等の被害が出ている。栄養塩の減少原因には、陸域からの窒素負荷量の減少だけでなく、堆積物からの栄養塩溶出量の低下も大きく影響していると考えられた。栄養塩濃度と赤潮発生件数等との関係についても検討した。
著者
坂井 聡
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.51-59, 2005-09

高等部一年に在籍する重度の知的障害のある自閉症をもつ生徒に対し,視覚的な支援としてカードを用いて通学指導を実施した。指導は実際の通学場面を使って行った。本児はカードに書かれたことを手がかりとしながら適切な行動を身につけ,電車を使った通学ができるようになった。地域社会での集中的な指導と視覚的な手がかりの活用は,社会生活スキルの獲得を容易にすると同時に,獲得行動の長期維持,般化につながる可能性をもっている。