- 著者
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李 〓
森 勝義
- 出版者
- Japanese Society for Aquaculture Science
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.1, pp.115-119, 2006-03-20 (Released:2010-03-09)
- 参考文献数
- 17
中国沿岸では, およそ20種類のカキが生息し, 養殖対象としては主に近江ガキ (Crassostrea ariakensis) , 皺ガキ (C. plicatula) , マガキ (C. gigas) , 大連湾ガキ (C. talienwhanensis) と僧帽ガキ (Saccostrea cucullata) の5種類である。中国におけるカキ養殖は約2000年の歴史があるが, 1990年代以後, 人工種苗生産技術の発達とともに生産量と養殖面積は毎年上昇し続けた。2002年におけるカキ養殖の総生産量は殻付で362.55万tで, 貝類総生産量の37.6%を占め, 第1位である。しかし, ここ数年赤潮多発などの養殖海域の環境悪化, 大量斃死, 養殖ガキの質の低下などの問題が現れてきた。これらの問題点を克服し, 持続性のあるカキ養殖を行うためには, 合理的な養殖管理・漁場開発の実施, 病気予防対策の強化, 優良品種の開発などの対策が考えられる。