著者
宮島 佐輔 佐藤 弘喜
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.78, 2014 (Released:2014-07-04)

現在「かわいい」という言葉は日本のみならず、世界各国で「kawaii」として使われている。しかし、「kawaii」とは英語で言う「cute」、「beautiful」、あるいは「pritty」とはまた違った意味で使われている。さらに日本での「かわいい」という言葉は元々容姿などに用いられていたのだが、外見だけでなく、行動や雰囲気、物に対して以外にも使われるようになってきている。現代の女子高生やOLが普段使っている「かわいい」というのはどのような感覚なのか、概念なのか、明確な記述もなければ詳細な定義も存在しない。 本研究では、現在日本で使われている「かわいい」とは何なのかをを明らかにすることが目的である。製品やファッション、いろいろなものを「かわいい」という女子高生や、クールジャパンとして、海外に「かわいい」を輸出している現代で、何がかわいいか明らかにすることができれば、プロダクトデザインの分野でかわいいものを作為的に作れるのではないかと考える。また、「かわいい」の中心である原宿、渋谷などがある日本発という「made in japan」ブランドの確立にも役立つのではないかと考えた。
著者
針貝 綾
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.22, 2005 (Released:2005-07-20)

本論は、アーデルベルト・ニーマイヤー(Adelbert Niemeyer, 1967-1932)がニュンフェンブルク磁器マニュファクチュア(Die Porzellan-Manufaktur Nymphenburg)に提供した820番という食器セットをめぐる問題について検討するものである。820番の装飾模様の中でも、金彩による装飾模様752番は820番のセットに最もマッチしており、ベストセラーになると同時に意匠保護期間が終了した1909年以降、次々に作品のコピーが出回ることになった。ニーマイヤーのセットが成功した要因は、そのモダンなデザインと共にニュンフェンブルク磁器マニュファクチュアがこの頃展覧会を通して新たな販売ルートを開拓したことが挙げられる。有限会社ドイツ手工芸美術工房が販売に関わった他、デューラーブントもニーマイヤーのコーヒーセットを掲載した商品カタログを売り出した。ウィーン工房も関心を示したニーマイヤーの清新なデザイン感覚はウィーン・ゼツェッションにも共鳴するものであり、シンプルなフォルムは容易にコピーできるため多くのコピーが出回るなどの問題が絶えなかったが、ニュンフェンブルク磁器マニュファクチュアにモダン・デザインを持ち込み、普及させた所にニーマイヤーの功績があったと考えられる。
著者
高野 修治 佐藤 浩一郎 松岡 由幸
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.123, 2013 (Released:2013-06-20)

本研究では,新しい人工物の創出手法として提案されている多空間デザイン法(Mメソッド)を用いて,プロのデザイナにビークルデザインをテーマとした事例適用を行った.Mメソッドは,デザインに用いる要素を整理する枠組みである多空間デザインモデルの視点に基づき,発想法と分析法を組み合わせるデザイン法である.この事例適用の結果を通じてMメソッドの有用性が確認された.
著者
落合 太郎 大嶺 茉未
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.83, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究は音楽が時間経過の感覚にどのように影響を与えるか?という命題を簡単な実験によって検証したものである。音楽が人の情緒に直接作用することは経験上誰もが知っていることであるが、これが時間経過の感覚にどのように作用するかはまだ解っていない。西洋音楽の3要素であるテンポ、ハーモニー、メロディをはじめ印象や音の高さが、どのように実際の時間経過時間と感覚時間の差となって表れるかを検証した。誰もが知っているモーツアルト「きらきら星」(k.265/K.300e)の主題と12の変奏曲のなかから特徴的な9曲を選定していずれも60秒に編集し、感覚時間等を18名の被験者に聞いた。全曲が同じ時間であることは被験者に伝えず、曲の要素を変えながら感覚・イメージへの影響をアンケートで設問した。仮説としては、速いテンポの曲が短い時間経過を感じると想定した。しかし結果は真逆で、静かでスローな曲は時間経過が短く、ダイナミックでアップテンポな曲は時間経過を長く感じさせた。2011年に著者らが発見した「逆浦島時間」の仮説と符合して、音楽が感覚を活性化して「逆浦島時間を誘発する」という結果となった。
著者
高 台泳
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.222, 2013 (Released:2013-06-20)

本研究はアジア諸国の観光ガイドマップにおける地図記号を収集・分析したものである。研究対象としたのは東アジア地域では日本・韓国・中国・台湾・マカオ、東南アジア地域ではタイ・ベトナムである。研究対象の諸国はアジア地域の中でも特に地理的に近接しており、歴史的・文化的などにおいて多くの関連性が認められている故に、本研究を通じて国家間の更なる交流にも役立つと考えられた。そこで、全ての記号を意味・内容別に整理し、所定の表を用いてカテゴリー化を行ってから、全体の概観と個別の分析をした。その結果、地図の情報内容を効果的に伝えるためには、記号の役割は欠かせないが、その効率性を高めるためには、様々な工夫が必要と考えられた。各国の独自の文字や文化に基づいた記号ではなく、グローバルに通用される記号の開発を今後の課題と言える。
著者
水野 喜信 山岡 俊樹
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.121, 2014 (Released:2014-07-04)

本論文では、「大切な人を守る」意思を重視した未来の選択についての論考および、そこから考えられる理論について述べる。普段生きている場合については、意思を意識して生きることはそれほどないかもしれないが、意思は選択と密接にかかわっている。選択肢や選択は意思に依存しているが、「大切な人を守る」意思による選択は、現実(R)全体に影響を及ぼし、全体最適な選択となる可能性がある。このことに関連して、「配偶者も子供も家族も自分もみんなも守る」意思による選択を提案した。今後は「大切な人を守る」意思による未来の選択について、より具体的に調査する予定である。
著者
多田 啓太朗 野田 勝二 佐藤 公信 寺内 文雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.66, 2014 (Released:2014-07-04)

本研究は、高次脳機能障害者の社会復帰を目指した包括的リハビリとして有効とされている園芸活動の検証を行った。 調査対象地は、園芸活動が実施されている、高次脳機能障害者支援センターAとした。分析対象は、利用者が園芸活動後に記述した感想とし、5年間、計129回分をパソコンを用いてテキストデータ化した。分析には、フリーのテキストマイニングソフトであるKH coderを用いた。分析方法は、感想の全体像を探るため、頻出語句の抽出と階層クラスター分析を行った。さらに、頻出回数の多い語句について、共起ネットワークを用いて詳細な分析を行った。 結果、多くの利用者は、園芸活動に対して肯定的な感想を持つことが明らかとなった。「美味しい」という語句は、収穫や調理といった生活技能の訓練と共起することが明らかとなった。このことから、園芸活動では、収穫したものを美味しく食べることで、生活技能を習得する訓練を利用者が肯定的に捉えてることが明らかとなった。 以上より、高次脳機能障害者支援センターにおいて、園芸活動は、社会性の向上や生活技能の習得を図る包括的リハビリとしての有効性が示唆された。
著者
吉橋 昭夫
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.40, 2013 (Released:2013-06-20)

多摩美術大学の3年次演習授業「サービスデザイン」を事例に、顧客とサービス提供者が共創する場面の記述方法について述べた。顧客の経験の記述方法であるCJMを、顧客とサービス提供者の価値共創の記述へと拡張するため、顧客の経験とサービス提供者の活動とを合わせてCJMに記述することを試みた。サービス提供者を顧客の経験を構成する要素のひとつとして描くことで、顧客の経験の品質を記述することができ、サービスのかたちを明確にすることができた。デザイナーが、顧客の「経験」について把握しデザインするためには、システムではなく顧客を中心にサービス全体を記述するこのような記述方法が必要と考える。
著者
石崎 日菜子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.32, 2014 (Released:2014-07-04)

小村雪岱(1887~1940)は、大正~昭和初期にかけて日本画、装丁、挿絵、舞台美術など多岐に渡り活躍した人物である。雪岱は東京美術学校を卒業した日本画家であったが、1918 年からは資生堂意匠部 ( 現在の広告宣伝部 ) に入社し、化粧 品の広告、香水瓶のラベルのデザインも手がけるなど、制作 活動の多くは商業美術であった。しかし、同時に肉筆や木版画の制作も行っており、活動領域 の広さを伺う事が出来るが、その活動や雪岱の位置づけについては未解明な部分が多い。 このような雪岱の活動を、「デザイン」を視点として明らか にする事で、日本のグラフィッ クデザインの新たな側面が見 えてくる可能性があるのではないかと考えた。本発表では、 まずデザイン的な視点を当時の大衆が求めたデザイン要素に 捉え、その要素と雪岱の「浮世絵」表現との関係について 考察する。
著者
安井 重哉 木村 健一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.101, 2014 (Released:2014-07-04)

2016 年3 月,北海道北斗市にある渡島大野駅に接続する形 で北海道新幹線の新ターミナル駅である新函館駅(仮称)の開 業が予定されている.2012 年11 月,これを契機に全国に知名度をアピールすべく,ご当地キャラクターの活用を企図した北斗市より,公立はこだて未来大学(以下,本学)へ,キャラク ターデザインの依頼について打診があった.本学は,情報デザインコースの機能を活用した地域社会への貢献,およびその地 域貢献のプロセスを通じた学内の人材育成という観点から,この依頼を受諾し,2013 年4 月から約1年を費やしてご当地キャ ラクターのデザインに取り組んできた.本稿は,この取り組みを,デザイン活動を通した社会貢献における大学と地域社会の共創モデルとして総括することを目的としている.
著者
平野 聖
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.60, 2012 (Released:2012-06-11)

昭和後期の扇風機のデザインの変遷に関し、三洋電機のデザイン開発事例をもとに考察した。同社において市場喚起の役割を担ったのが「パーソナル」、「フロアライフ」をキーワードとした差別化戦略であった。特徴的な風のパターンを生み出す「マジックターン」等はサーキュレーション効果に優れ、国内外の市場に高く評価された。また、収納時のコンパクト化や、自然な風の再現を目指したりもした。ただ、これらの動きについては、他社のコンパクト化戦略や、「1/fゆらぎ」に代表される自然な風志向にも影響を受けていることは否めない。昭和60年代以降はNIEsの強力な輸出攻勢により、価格競争に巻き込まれ、低価格化を余儀なくされるとともに、生産拠点が中国へと移転してゆく。
著者
奥野 淳也 岩井 将行 瀬崎 薫
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.42, 2013 (Released:2013-06-20)

SNSの普及に伴い,現代では日々膨大なデータが蓄積されている.これらのデータの中には,ユーザの行動や興味に関する情報が含まれている.ユーザに関する情報は,都市計画やマーケティング等の分野から注目され,様々なデザインにおいても重要視される.一方で,現代におけるリサーチ手法はパーソントリップ調査に代表されるようなアンケートやワークショップが主流である.これらの手法では参加者の偏り,コスト面,実施期間といった点における問題が指摘されている. このような背景を受けて,SNSやブログからの情報抽出に関する研究が活発に議論されている.これらの研究の多くが,特定のキーワードや人物,地域に関する情報に注目しており,ユーザが意識的に共有する情報だけでなく,潜在的に共有あるいは保持している情報に注目しているものは多くない.本研究ではユーザ自身のSNS上の情報に対する認識範囲に注目し,SNSにおけるユーザの情報の認識範囲を視覚的に把握する手法について提案し,評価を行った.その結果,ユーザが意識していなかったSNS上の情報を把握することができた.今後は考察により明らかとなった課題の改善と,より多くのユーザが利用できるようにアプリケーションを公開することで,行動情報に関するリサーチ手法の一助となるよう研究を継続したい.
著者
岡本 誠 安井 重哉 東出 元輝
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.138, 2015 (Released:2015-06-11)

事拾図は、デザインプロセスの中で出来事を生け捕りにする手法です。 これは、出来事の全体を観察し、洞察し、表現し、ステイクホルダーの間で内容を共有することができます。この手法を実験的授業の中で実施し評価をしました。当事者やステイクホルダーは容易に内容を理解することができ、また新しいアイデアソースを共有することができます。
著者
角山 朋子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.21-30, 2013-03-31

本研究は、オーストリア近代デザイン史を取り上げ、デザイン会社「ウィーン工房」(1903-1932 年)の設立から1920 年代初頭の活動の特徴を解明し、ウィーン近代デザイン運動の変容をあぶり出すことを目的とする。ウィーン工房は英国アーツ・アンド・クラフツ運動の影響の下に設立され、メンバーは「ドイツ工作連盟」(1907 年-)から派生した「オーストリア工作連盟」(1912-1934 年)工芸部門の中心的存在でもあった。1910 年代、ウィーン工房は深刻な経営難を克服すべく、当初の工芸改革の先鋭的理念を減じ企業的性格を強めた。第一次世界大戦後、オーストリア工作連盟では新国家のデザインの方向性をめぐり激しい対立が生じ、他方、ウィーン工房では戦前の趣味性を継承した芸術性と経済性の両立を試みる、市場を見据えた戦略的デザイン活動が展開された。20 世紀初頭の急速な社会的変化に対応しつつ、ウィーン近代デザイン活動における初期の工芸改革的テーマは、デザイン、芸術、経済活動をめぐる問題へと移行したのだった。
著者
山本 政幸
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.126, 2005 (Released:2005-07-20)

日本語タイポグラフィに不可欠な和欧書体の混植の調和について考察した。平成明朝W3、ヒラギノ明朝体W3、小塚明朝R、游明朝体Rの4フォントの従属欧文書体を対象とし、1)各欧文書体のアウトラインデータを用いてデザインの特徴を考察、2)SD法を用いた調査から各フォントの和欧書体間における印象評価の差を検証した。
著者
工藤 遥 田村 俊明
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.213, 2014 (Released:2014-07-04)

エオリアンハープとは、弦楽器の一種である。共鳴板とそこに張られた弦の間を風が通り抜けることによって音を発する仕組みになっている。様々な形態が見られるが、一般的には箱形の本体に弦が張られた琴のような形をしている。欧米では公園や公共施設に設置されていることが多いが、日本国内では目にできる場所は少なく、知名度も極めて低い。音に溢れた環境の中で時間に追われるようにして生活する現代に、エオリアンハープの音を通して風や自然を意識する暮らしを提案したいと考えた。そのため一般住宅の内に設置でき、風鈴のような気軽さで楽しめるプロダクトにすることを研究の目的として、最適な材質と構造を探った。

2 0 0 0 OA 大野玉枝研究

著者
常見 美紀子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.80, 2006 (Released:2006-08-10)

バウハウスの日本人留学生は、水谷武彦、山脇巌・山脇道子夫妻、そして大野玉枝の4人であった。前者3人は既にバウハウス関連研究では知られた人物であった。しかしながら、四人目のバウハウス入学者、大野玉枝は、ベルリンに移った私立バウハウスの学生名簿に明記されているにもかかわらず、情報はほんとんどなく、その後の消息は不明であった。 今回は戦前の『住宅』における大野のファッション作品と記事、『NIPPON』に掲載された紹介記事、および戦後における日展を中心とするテキスタイルデザイン作品について考察する。 特に、大野玉枝のその後の活動がなぜほとんど知られることがなかったという理由について、夫である大野俊一(ドイツ文学者)の当時の政治的な活動と関連することが明らかになった。
著者
伊豆 裕一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.97, 2015 (Released:2015-06-11)

1955 年、東京芝浦電気(現株式会社東芝)より発売された自動式電気釜ER-5(以下:ER-5)は、米と水を入れてスイッチを入れればおいしいご飯が炊けるという、今ではごく当たり前となったことを実現した商品であった。日本国内で急速に普及率を伸ばした炊飯器は、その後、世界各国に輸出され、米食を身近なものとしてきた本研究では、日本における炊飯器のデザインの変遷から、この商品と技術や住環境との関係について述べる。さらに、同じく米を主食とする韓国との比較を行うことで、地域の食文化との関係を考察する。
著者
落合 太郎
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.1, 2013 (Released:2013-06-20)

世界初となるユニバーサルデザイン信号灯の公道上における社会実験を2012年1月27日から3月30日の間、福岡県警察本部および福岡ビジネス創造センターと著者が共同で実施した。赤信号に埋め込まれた「×」印が健常者には気にならない程度のものが、色覚障碍者にはよりくっきりと見えて、止まれの意味が良く伝わるという基本コンセプトを提示した。アンケート調査では、有効回答数257の約94%が賛成意見であった。赤灯に「×」印は適合する組合せと受けとめられ、輝度差による図示には違和感が少なく、色覚障碍者が安全に運転できる信号は必要であるという総意を得た。色覚障碍者から多数寄せられた意見からは3灯式より1灯点滅式信号灯が難問であり、優先するニーズであることが分かった。
著者
呉 慧太 上田 慎治エジウソン 寺内 文雄 青木 弘行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.149, 2013 (Released:2013-06-20)

飲料は、容器の形状や材質によって味の印象が変化する。また、ワインやビールなど一部の嗜好品には、それぞれの味や香りの特徴に合わせた様々な形状の容器が存在する。それらは形状により、飲料の流れや、香り方を変化させることで飲料を美味しくしている。そこで日常的に飲む飲料でも、特徴に合った形状ならば、より美味しくなる可能性があると考えた。 本研究では、容器形状が飲料に与える影響を明らかにし、それに基づく飲料容器の提案を目的とした。 普段飲む飲料に関する調査から冷めたコーヒーに対する不満が多く見られたため、冷めたコーヒーでも最後まで美味しく飲める飲料容器の提案を考えた。 様々な形状をしたコップのモデルで実験を行い、冷めたコーヒーの不快な特徴を打ち消すような飲料容器を制作した。それらを用いて印象評価を行い仮定の実証と、新たな課題の発見をした。