著者
福田 大年 小宮 加容子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.180, 2013 (Released:2013-06-20)

本稿は、2013年3月9、10日の2日間、キッズデザイン協議会の主催により福島市で開催されたイベント「キッズワークショップカーニバル in ふくしま」内で、札幌市立大学デザイン学部の学生有志が実施した「コネキッド in ふくしま」の1日目の企画「ハコマチ ―マチを作って電車で走ろう―」の報告である。 「コネキッド」とは、「アタマ・カラダ・ハートがつながった(CONNEct)子ども(KID)になろう!」を目標に、札幌市立大学デザイン学部の学生有志が遊びや玩具をデザインし、札幌市地下歩行空間で2011年と2012年の2回開催したイベントである。なお「キッズワークショップカーニバル in ふくしま」の出展対象者は、2012年度(第6回)キッズデザイン賞受賞が条件であり、コネキッドは2011年度の活動で第6回キッズデザイン賞を受賞している。
著者
八里 大介 小野 健太 渡邉 誠
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.246, 2015 (Released:2015-06-11)

近年、経済状況の悪化や住民の価値観の多様化によって、行政主導でなく住民による地域活動が求められている。しかし、同じような経済状況・自然環境の2つの地域でも活動の成否が分かれることがある。その要因の一つは人的資源の差である。地域活動の先導役となる人材と、それに続く住民の有無が重要であり、彼らがうまく役割を分担できるような仕組みが求められている。本研究では、具体的な状況を把握するため京成稲毛駅近くで毎年11月に行われている灯篭祭り「夜灯祭」を事例に調査を行った。夜灯祭の運営では、リーダーが作業を細分化できなかったために、後手後手の運営に陥ったケースが見られた。不足が出ればその都度対応していくような現場調整的な運営の特徴があり、調整は立ち話の中で行われていた。そこで立ち話というスタッフ間のチェック機能を用いて、スタッフ会議中に作業の優先順位を決定できるツールを提案することで、リーダーの資質によらない運営を築く一助になると考えた。作業の優先順位をつけるにあたり、予想されるタスク同士のつながりを分類し、これを元に立ち話で抽出したタスクをスタッフ会議中に構造化できるツールを制作した。
著者
Jui-Che TU Hsing-Tzu CHANG
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
Journal of the Science of Design (ISSN:24242217)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.2_41-2_50, 2018-01-31 (Released:2018-02-01)
参考文献数
21

The study explored the feelings experienced by female office workers with respect to color images for business make-up. The degree of color preference for business make-up was determined by evaluating significant differences. The results of this study were as follows. First, aesthetic measures with regards to color matching for business make-up were highly aesthetic and primarily warm in color tone with red and red-purple. Color harmony was based on the combination of the same and similar hues. Secondly, image vocabularies that referred to the color image of business make-up included the terms "natural", "friendly", "elegant", and "mature". Third, four dimension factors were identified on the basis of consumer lifestyle: meticulous planning and emphasis on convenience, reliance on well-known products, vulnerability to other people's behaviors, and brand-oriented. Ultimately, differences in color preferences were shown relative to different lifestyle clusters.
著者
金 釗立 木本 晴夫
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.78, 2013 (Released:2013-06-20)

イタリック体は欧文書体の一つとして、引用、強調など様様な場所で活用されている。しかしながら、漢字ではイタリック体が無いため、欧文イタリック体に対応する書体がない。本稿はイタリック体の有用性に気づき、欧文イタリック体と伝統漢字書体を比較し、考察を行った:合計22書体の漢字書体と欧文書体の印象アンケートを行った。アンケートの結果い基づいて更にSD法で分析を行った。結果として、欧文イタリック体の印象特徴を得た上、その印象に近い伝統漢字書体も知った。また、書体の主の三つの因子も得て、書体の座標地図を作ることもできた。最後に漢字イタリック体の試作を挙げてみた。
著者
宮田 悟志
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.122, 2013 (Released:2013-06-20)

創発は,自明で局所的な法則から非自明な構造や特徴が生成される現象であり,近年様々な関心を集めている.たとえば, 建築デザインにおいては, 従来の構造形態に替わる新たな形態の創成に利用する例が見られる. これらは,形態要素をアルゴリズムにもとづいて空間的に複合的に展開することにより,既存の方法論から得られるデザイン解を超えて,斬新で有機的なデザイン解を得ようとするものである. そして,このためアルゴリズムとして, セルラ・オートマタやL-System, 遺伝的アルゴリズムなどが使用される. ところで, これらの創発デザイン法においてデザイン対象の様態を実現する方法,つまり人工物の動きや変形などを実現する方法, は通常の解析的方法である.つまり, 対象を微分方程式の初期値-境界値問題に還元して扱う方法であり,典型的な非創発的方法である.本論では,この現象実現の部分もまた創発により行いうることを示し, 創発的アプローチの可能性を, 仮想現実実現の点から論じる.
著者
Juan Carlos CHACON Hisa MARTINEZ NIMI Makoto WATANABE Kenta ONO Algirdas PASKEVICIUS
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
Journal of the Science of Design (ISSN:24242217)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1_21-1_26, 2019-03-31 (Released:2019-06-25)
参考文献数
18

As part of Chiba University's Post Urban Living Innovation program, the present research focuses on a Design Against Crime process with the goal of improving the levels of fear of crime and the general crime situation of a local Mexican urban community. As part of a crime prevention intervention, the prototype of a community-based security system is conceptualized, tested, and evaluated by both community members and criminal offenders in order to provide insight for the further development and future long-term implementation of the proposed system and its various elements.
著者
内山 隆啓 佐藤 弘喜
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.266, 2012 (Released:2012-06-11)

プロダクトデザインにおいて書体は重要な要素である。本研究の目的は書体の印象と製品の印象の関係を明らかにしてその要因を探ることである。まず、書体の印象評価実験を行った。33種類の欧文書体と12組の評価項目を選定し26人の被験者に評価させた。因子分析により3つの因子が抽出され、それぞれの書体の印象が明らかになった。次に、書体と製品のイメージの相性を調べる実験を行った。被験者には製品のイメージと書体のイメージがどの程度合うかを5段階で評価させた。今回は10種類のイスと15種類の書体をサンプルとして選定した。結果、コレスポンデンス分析によりいくつかの傾向が見られた。
著者
田中 薫里 上田 エジウソン 寺内 文雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.284, 2014 (Released:2014-07-04)

本研究は,アトピー性皮膚炎患者では皮膚防御機能が著しく低い点に着目し,衣服の刺激によるかゆみの問題を,繊維の種類や織構造によって解決することを目的とした。まずアトピー患者を対象として,その症状について聞き取り調査を行った。これにより首や肘,膝の裏などといった汗のたまりやすい部位に症状が出やすく,同時にそれらの部位が人目につきやすいために気になっていることが確認できた。そこで7種類の異なる繊維を用い,これらをそれぞれ経糸と緯糸とした布サンプル計49種類を作成した。そしてこれらに5種類の既製品を加えた計54サンプルを対象として,被験者実験を実施した。これにより,竹レーヨンや絹などといったやわらかい糸を用いたサンプルの触り心地の評価が高いことが確認できた。さらに繊維の組み合わせや織り構造も,皮膚への刺激の程度を大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。そこで,これらの糸を組み合わせた布によって,症状が出やすい首や肘などの部位に着用するくるみ布を制作した.また糸を天然染料によって染めることによって治療の印象を低減させることを意図した。これらをアトピー患者に着用してもらい意見を収集したところ,触り心地の良さだけでなく,色や柄の美しさについても高い評価を得ることができた。
著者
安部 容輔 小出 昌二
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.86, 2006 (Released:2006-08-10)

印刷技術が開発されてから今日まで、印刷物は幅広く生活の中に取り入れられてきた。複製という目的からみても、印刷は「指示されたものをいかに再現するか」が最優先される行為であり、よって印刷時に起こるミスはタブーと捉えられる。本研究では、このタブーとされる印刷ミスも観点を変えれば様々な表現要素がそこには隠されていることに着目し、表現方法としての可能を探ったものである。 はじめに印刷方法と印刷プロセスによるミスの種類とその発生原因等を調査し、その関係を体系化した。次にグラフィックソフト上や実際にインキを用いての再現を試みた後、偶発的な表現効果をコントロールし表現の可能性を検証した。応用例、およびポスター数点を制作することにより、偶発的な印刷ミスを用いた新しい表現提案ができた。
著者
郭 暁蘇 植田 憲
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.212, 2013 (Released:2013-06-20)

中国吉林省査干湖周辺地域では、長い歴史のなかで、当該地域特有の漁撈文化が構築されてきた。しかしながら、今日の高度経済成長とともに、自然の管理や漁撈道具の変化、人びとが創出・継承してきた伝統的文化が消失しつつある。  本研究は、中国吉林省西山外村における、最も重要な漁撈活動として冬に行われる「冬捕」を取り上げ、自然との共生に基づいて構築されてきた特質を把握するとともに、今後の当該地域の生活づくりのあり方を導出することを目的としたものである。  文献調査ならびに西山外村における高齢者を中心して、昔の「冬捕」を主として聞き取り調査を踏まえ、次の諸点を明らかにした。  1)身の回りの自然物を適度に採取し道具をつくり、周りの自然環境を理解して、自然の利活用の知恵を生み出した。  2)時に分業・協働をして、漁撈をして、人と人を繋がって、共同体的な行動規範が存立した  3)漁撈に関する習俗と信仰を継承して、精神構造を共有して、特有な生活文化の秩序を構築した。
著者
向井 志緒子
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.221, 2013 (Released:2013-06-20)

広告や商品パッケージに施されている文字デザインの表現は多岐に渡る。その視覚的要素の強さから,近年,マーケティングの分野においても関心が寄せられるようになり,文字デザインを含むパッケージデザインは企業目標達成に有効なツールだということが明らかにされた。文字デザインは広告や商品に対する印象へ影響を与えるひとつの要因と考えられるが,現状では,商品と文字デザインとの組み合わせはデザイナーの感性に頼られており,明確かつ客観的な指標は無い。そのような限界を踏まえたうえで,本研究では紙媒体に印刷された和文書体フォントに着目し客観的な指標の位置付けの示唆を得ることを目的とした。調査では9種類の和文書体フォント毎に36項目の形容詞対を用いて,SD法による7段階の印象評価に関する質問紙による個別回答を求めた。探索的因子分析(主因子法,プロマックス回転)の結果,それぞれのフォントにおいて3ないし4因子が抽出され,先行研究と同様の傾向の結果が得られた。さらにこの結果を基に,フォントの印象を決める際に重視するポイントとして「親しみやすさ」「活発さ」「安定性」「快適さ」の4つのカテゴリーに分類できた。
著者
勝谷 祐太 永井 由佳里 森田 純哉
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.59, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究は,音楽の調性が人間のドローイングプロセスにどのような影響を与えるかを調査したものである.本研究では,明るい印象・暗い印象の二種類の自作音楽刺激を用いて積極的・非積極的の二種類の聴取条件でドローイング実験を行なった.積極的音楽聴取条件の実験では,音楽刺激を二種類聴取させ,それぞれの音楽から思い浮かぶ風景を描画させた.結果,明るい印象の音楽刺激を聴取しながらドローイングを行なった場合,音圧とストローク速度が相関を示すことが確かめられた.非積極的音楽聴取条件では,予めドローイングテーマを与え,音楽刺激は外音遮断の目的として用いると教示することで音楽から意識を遠ざけた.ドローイングテーマは,予め音楽刺激の印象評価を行なった際に曲からの想起語句を書き出させており,その中から頻出していた単語を用いて作成した.明るい音楽刺激のドローイングテーマは「春の朝のカフェ」,暗い音楽刺激のドローイングテーマは「雨の降る夜の湖」である.実験の結果,積極的音楽聴取条件と同様に,明るい印象の音楽刺激を聴取しながら行なった場合,音圧とストローク速度が相関を示すことが確かめられた.
著者
良知 耕平 日比野 治雄 小山 慎一
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.211, 2012 (Released:2012-06-11)

本研究ではレビューのフォーマット中に含まれる情報の種類が消費者に与える印象を評価した。実験刺激としてノートパソコンに関する4種類のレビューを使用した。4種類のレビューは、レビューを書いた人間、評価、コメントが同じであり、含まれる情報フォーマットのみが異なっていた。レビューA:満足度、名前、コメントのみ。レビューの最低限の要素(基本情報)で構成されたもの。レビューB:レビューAにレビュー制作者の人物像がわかる要素(人物情報)を加えたもの。レビューC:レビューAにレビュー作成者の商品熟知度がわかる要素(商品熟知度情報)を加えたもの。レビューD:基本情報、人物情報、商品熟知度情報の全てを含んだもの。被験者(学生24名)はひとつの実験刺激を見ながら8種類の印象評価(信頼性,親しみやすさ等)を行った。結果、人物情報を含んだレビューBよりもレビューAの方が信頼できるという評価になった。一方、商品熟知度情報を含んだレビューCはレビューAよりも親しみを感じさせていた。ノートパソコンのレビューでは「どんな人がレビューを書いたか」よりも「どれくらい商品に詳しいか」の方が信頼や親しみに強く影響することが示唆された。
著者
鈴木 勇波 川本 真也 肥田 不二夫 土田 修
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.211, 2014 (Released:2014-07-04)

これは産学共同プロジェクトの一つとして行った手洗い衛生環境を考えたハンドドライヤーのデザイン開発研究である。 近年、流行性感冒はじめ様々な感染による疾病発生により人々の手指衛生に対する意識・要請が高まってきている。従来型のハンドドライヤーの多くは送風により手に付いた水滴を吹き飛ばし、手を乾かすだけで多くの水滴は霧状となり様々な細菌とともに周囲に飛散飛沫させていることが近年明らかになってきた。このような衛生問題を改善するため完全吸引循環式ハンドドライヤーの普及を進めている(株)T社と連携し、理想的な手指衛生環境を実現させるために現在業務用機を民生用機として公共の場にも設置する必要があると考えている。 本研究はデザイン本来の目的の一つである人の心理、行為に訴える「機能」と「造形」の高い次元での調和であるが、 人々の安全・衛生を守り健康的な生活を送ることが「幸せ」 な生活の基本であることをその根本において人間工学とユニバーサルデザインの観点から人に優しく親近感のあるデザインを目標に進めて来た研究成果報告である。
著者
黒川 威人
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.117, 2013 (Released:2013-06-20)

明治維新以降,我が国は西欧の合理主義を国策として発展して来た。しかしその中で失われた固有の文化・文明も少なくない。本論は万葉集や古今和歌集など、日本の古代の詩歌を読み解くことにより,日本固有の美学がいかなるものであったのかを明らかにしようとするものである。結果として「雪、月,花」を平安時代から日本人は愛して来たこと,中でも「雪」に対して特別の愛情を抱いて来たことが明らかとなった。その雪は日本特有の温暖な気候下に降る柔らかな雪である。そこから様々な日本美が生まれて来たことと、今日のモダンデザインがシンプルであることを是とする日本人の精神性の根源をうかがい知ることができた。
著者
コ エンテツ 阿部 眞理 白石 照美
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.281, 2014 (Released:2014-07-04)

本研究では、中国結の要素を取り入れた生活用品を提案することで、中国結をさらに多くの人々に伝え残すことを目的とした。まず中国結の歴史、種類と現状について調査した。その結果、一旦腐れた中国結であったが、今、再び生活の中に取り入れ始められていることがわかった。現在、生産されているアイテムは正月飾りやアクセサリーであるが、その他の活用例はあまり見受けられなかった。今後は、中国結を生活の中に幅広く取り入れるためのデザインを提案する。
著者
曽和 具之 上田 信樹 上田 信行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.A20, 2004 (Released:2005-06-15)

パーティは人々の交流の場であるばかりではなく、人との出会いによって、自分のそれまでの経験を振り返ったり、日々の生活や仕事について再考する機会でもある。本研究の目的は参加者自身が自らのパーティーの経験を振り返り、意味づけすることができるリフレクションの装置を開発し、その効果を検討することにある。具体的には時系列にスナップショットを取り、ほぼリアルタイムでオープンテラスに貼り出すリフレクションボード、パーティーの人の動きをビデオで撮影し、パーティーの最後にリフレクション映像として映し出すための「メタカメラ」である。
著者
曾 啓雄 劉 百堅
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.130, 2013 (Released:2013-06-20)

林家花園は台湾の今、ただ一つしかない古典庭園である。その假山は在来の蘇州庭園で現れる太湖石の皺、透、漏、痩での選石と違って、中国山水絵で黃公望的山水に似て、特に黃公望的披麻皴特色に看られる。假山を含めて全体の雰囲気は当時文人の理想居として空間と具體化された。
著者
吉田 瑠美 富加見 美沙都 木谷 庸二 藤戸 幹雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.148, 2012 (Released:2012-06-11)

1990年以降集客やイメージ向上の効果から、商業施設等民営の公共トイレのデザインが積極的に改善されてきた。しかし公営の公衆トイレについては、福祉設備の充実やメンテナンスの改善がみられる一方で、依然として5K(暗い、臭い、危険、汚い、怖い)のイメージが払拭されていない報告が目立つ。また屋外の公共トイレでは屋内に比べ、利用者は一層デリケートな心理状態になっており、ユニークなデザイントイレが、過度なデザインとして不快感を高める要因になることも指摘され始めている。官民が協力した公共トイレの適正配置が見直され、屋外の公衆トイレの整備が進む近年において、利用者の求めるイメージ、及びそれらを形成するデザイン要素に注目し、設計者への知識の獲得を試みた。
著者
田中 佑弥 上田 慎治エジウソン 寺内 文雄 青木 弘行
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.150, 2013 (Released:2013-06-20)

近年デザイン開発では製品・サービスなど基本的な機能である機能的価値に加えて、人の心地や感覚、感動といった感性的価値を考慮したものづくりが盛んに行われている。モノの長期使用を考えたとき、感性価値はなくてはならない要素であるが、機能的価値とは異なり主観的な価値であるため、使う人の年代や経験に左右されやすい。本研究ではこうした感性価値の中から実際の製品コンセプトとしても取り上げられることの多い「温もり」という印象に着目し、世代別の価値観の違いを共分散構造分析(SEM)を用いた因果モデルにより視覚的に表し、各世代の評価差を明らかにすることを目的とした。20代、40代、50代の各世代の因果モデルの比較によって、20代の世代が「生物的な」という評価項目に対して「温もり」を感じていることがわかった。この傾向は他の世代では見られず、20代に特有のものであった。そこで、「生物的な」という感性的価値をデザイン要件とした検証モデルを複数制作し、実際に20代の被験者を用いてVAS法とSD法による印象評価を行い検証した。