著者
北條 秀博 松本 禎久 久能木 裕明 阿部 恵子 木下 寛也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.542-545, 2014 (Released:2014-12-19)
参考文献数
7

【はじめに】転移性膀胱腫瘍による膀胱出血に対し,1%ミョウバン水持続灌流療法が奏功した中等度の腎機能障害例を報告する.【症例】64歳,女性.腎盂がんに対する右腎尿管摘出後に多発リンパ節転移,腰椎転移を認めていた.腰痛緩和目的の入院中に残尿感や排尿困難を認めた.膀胱内に多量の凝血塊を認め,用手的膀胱洗浄後に生理食塩水の持続灌流療法を施行したが改善せず,1%ミョウバン水による持続灌流療法を開始した.肉眼的血尿を認めなかったため,灌流は7日間継続し中止した.灌流開始後9日目の採血では,血清アルミニウム値の上昇はなく,その後腰痛も軽減し,退院となった.退院3カ月後に自宅で死亡したが,その間に肉眼的血尿や尿閉はみられなかった.【考察】腎機能障害例ではミョウバン水持続灌流療法によりアルミニウム脳症などの重篤な副作用も報告されているが,灌流量の減量により安全で有効な治療法である可能性が示唆された.
著者
工藤 健
巻号頁・発行日
2008-03-21

授与大学:弘前大学; 学位種類:修士(教育学); 授与年月日:平成20年3月21日; 学位記番号:修第413号
著者
穂積 晃 伊藤 信之 衛藤 正雄 朝長 匡 井上 博文 進藤 裕幸
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.524-527, 1999-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
3

We reported a case of radial head dislocation, the pathology of which we could determine by MRI images.A 12 year old boy, who had had no traumatic history of his right elbow, was introduced to our hospital due to the flexion disturbance of his right elbow. Pre-operative MRI images showed the soft tissue at radio-capittelar joint. So we estimated it annular ligament.In the annular ligament existing in the radio-capittelar joint which was seen on MRI images. We performed only reduction of the annular ligament and radial head without reconstruction of the ligament.MRI was useful in understanding the pathology of this case, and it may be a dislocation caused by “pulled elbow” during his childhood.
著者
忠勇顕彰会 編
出版者
忠勇顕彰会
巻号頁・発行日
vol.長野県の部 第1号, 1912
著者
青山 薫 大久保 香 要 友紀子 櫨畑 敦子 濱中 洋平 宮階 真紀 宮田 良 八木 香澄
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2005年風営法改正いらいの繁華街「クリーンアップ」(取り締まり強化)が進み、調査の要であるアウトリーチやピアエデュケーションに積極的に反応する人は、風営法届け出事業の中でも条件の良い店舗で働く人に偏っていることが明らかになった。合法性産業の二極化が進み、「クリーンでない」店舗等で働く人の脆弱性が高まったと言える。不法就労の外国人についても、外界と接触を避ける傾向が強まり脆弱性が高まっていた。各国当事者団体とWHO等一部国連機関の、性労働者の脆弱性を高める性取引犯罪化は避けるべきとの主張に照らしても、性労働者の権利と安全を守るためには、取り締まり強化を避けるべきであると本研究は結論した。
著者
野溝 崇史 和足 孝之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.501-502, 2020-03-10

患者 85歳,女性主訴 嘔気/食思不振,頻尿
著者
遠藤 博久 小林 寛伊 大久保 憲
出版者
東京医療保健大学
雑誌
医療関連感染
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.30-34, 2008-07

アルコール擦式消毒薬は、優れた殺菌力により確実に短時間で微生物を減少させることができること、手洗いシンク等の特別な設備は必要なく、ベットサイドへの設置や携帯用で持ち歩くことができることから予指衛生の遵守率向上が期待でき、院内の交差感染を防ぐ極めて有効な手段として臨床の現場で使用されている。しかし、Masciniらはvancomvcin-resistant Enterococcus faecium(VRE)のアウトブレークの介入において、アルコール擦式消毒薬の使用量増加がアウトブレイクコントロールの唯一の効果ではなく、流行株にターゲットを絞った感染制御、流行株保菌者の隔離、手指衛生の遵守率の増加と先制隔離によって流行株の広まりをコントロールできたとしている。また、Huangらはアルコール擦式消毒薬の導入または遵守率向上だけでは、MRSA菌血症数は減少せず、ICUの患者の鼻腔のMRSA保菌調査を行い、陽性者に接触予防策を導入することによって、MRSA菌血症数を減少させることができたとしている。これらは複数の対策によりえられた効果であり、care bundleの考え方の有意性を示している。そして、アルコール擦式消毒薬使用の遵守率と病原微生物の院内伝播率の間に相関関係はなかったとしているEckmannsらは、この原因としてアルコール擦式消毒薬使用の遵守率の平均が40%と低く、院内伝播率の相違が明確に出なかったためとしている。これらのことから、アルコール擦式消毒薬は、耐性菌などの院内伝播防止に有効であるが、臨床現場における効果として手指消毒の低い遵守率や感染対策の基本である標準予防策や接触予防策を疎かにした場合では、十分な病原体伝播の防止効果が得られないといえる。病院におけるアルコール擦式消毒薬の使用増加とC.Jifficile感染症に関してGordinらは、アルコール擦式消石鹸と流水の手洗いで落としたあと、付加的にエタノールで消毒を行うことは有用であると考えられる。今回行ったアルコール擦式消毒薬の臨床的効果に関する文献考察から、アルコール擦式消毒薬の特徴を理解し正しいタイミングや使用方法でアルコール擦式消毒を使用するとともに、感染対策の基本である標準予防策や接触感染予防策を遵守することが、より確実な交差感染予防につながると考えられる。
著者
川島 隆太
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

超小型近赤外分光測定装置(NIRS)を用いて、背内側前頭前野の活動の同期現象をリアルタイムでモニター可能なシステムを作成し、個体間の社会的相互関係を実社会環境下で定量計測することが本研究の目的である。グループ・ディスカッション時、リズム集団歩行時の脳活動同調を計測した結果、集団インタラクションのあり方の違いに応じた脳活動同調の変化を捉えることに成功した。個人内の脳機能同定を主とする従来研究を越えた個人間の脳活動同調の評価が、共感やコミュニケーションの質などの集団における創発的状態の指標を与える可能性を示唆している。
著者
佐々木 靖男 中村 恵吉
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.494-502, 1980-07-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
80
被引用文献数
2 2
著者
Manfred UECK 和気 健二郎
出版者
International Society of Histology and Cytology
雑誌
Archivum histologicum japonicum (ISSN:00040681)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement, pp.261-278, 1977 (Released:2011-10-26)
参考文献数
63
被引用文献数
8 18

松果体は間脳の第三脳室上壁が管状に膨出して発生した器官で, その主たる構成細胞である松果体細胞 (pinealocyte) はニューロンではないが, 神経性上皮に由来する.松果体細胞は, 下等脊椎動物では, 網膜の視細胞と同様な外節を持ち, 光を直接受容する. 外節構造は系統発生の過程において次第に退化し, 哺乳類ではもはや存在しない. 光受容性の松果体細胞は僅かに内分泌機能を保有するが, は虫類から鳥類, 哺乳類へと移行するに従い, 内分泌機能は増強し, ゴルジ装置由来の分泌果粒が毛細血管に相対する細胞突起の終末に蓄積している. 光受容性の松果体細胞は松果体に分布する知覚性ニューロンとの間にリボンシナプスを形成する. 知覚性ニューロンは哺乳類松果体にはもはや存在しない. 一方 自律神経線維は光受容性松果体にはわずかに認められるに過ぎないが, 鳥類, 哺乳類には密に分布している. 環境の光の影響下にある交感神経支配によって松果体細胞のホルモン合成に関与する酵素の活性が調節される. メラトニンのようなインドール誘導体の合成が証明され, ペプチドホルモンの存在が議論されている.以上のように, 松果体は神経-化学, 神経-内分泌変換器, あるいは光入力 (下等脊椎動物においては直接的に, 哺乳類においては交感神経を介して) をホルモン出力に変換する光-神経-内分泌器官として機能する. 松果体は光環境の歯車と噛み合った“生物時計”の役割を演じ, 生体のいくつかの機能の調節器 (または調節器の調節器) でもある. 哺乳類では生殖機能との相関がよく知られている. 松果体細胞は脳脊髄液接触ニューロンと神経分泌細胞とのそれぞれの特徴を兼ね備えている. また藤田恒夫 (1976) の定義に従えばパラニューロンの一つであるとも云える.

1 0 0 0 OA 宗教上の革新

著者
横井時雄 著
出版者
警醒社
巻号頁・発行日
1893