著者
川野 哲生 日下部 茂 谷口 倫一郎 雨宮 真人
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1700-1708, 1995-07-15
参考文献数
11
被引用文献数
1

超並列計算機の設計において、もっとも大きな問題の1つにプロセッサ間通信やメモリアクセスに伴うレイテンシ問題がある。マルチスレッド処理によるレイテンシ隠蔽は本問題に対する有効な解決手段である。効果的なマルチスレッド処理を行うためにはプロセッサに高速なコンテクストスイッチ能力が必要とされる。しかしながら従来のRISC型のプロセッサでは、スレッドの切り替えに伴うレジスタの退避と回復のためのメモリアクセスがオーバヘッドとなり、細粒度マルチスレッド処理を効率的に実行することは困難である。本論文では細粒度マルチスレッド処理向きプロセッサDatarol?IIを提案する。本プロセッサはデータ駆動方式を最適化したDataro1にスレッド実行を導入し一般的なRISCプロセッサと同様のパイプライン処理および高速レジスタの利用を可能とした。また、自動レジスタロードストア機構によりコンテクストスイッチに伴うメモリアクセスを明示的なロードストア命令を用いずかつ通常の処理と並行して行うことにより細粒度処理におけるオーバヘッドを隠蔽する。さらに階層的なメモリシステムと負荷制御機構を導入し価格性能比に優れたメモリシステムを実現する。シミュレーションによる評価により、自動レジスタロードストア機構によるメモリアクセスオーバヘッドの隠蔽効果、優れた耐レイテンシ性能、負荷制御による効果的な階層メモリシステムの実現、が確認され、本プロセッサは超並列計算機用要素プロセッサとして有望であることが分かった。
著者
(明) 張廷玉 輯
巻号頁・発行日
vol.[6], 1000
著者
根井 浄
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.241-248,1261, 2005-12-20 (Released:2010-03-09)

Nozoki Karakuri is a street performance. It took place in the 17th century. Spectators watch moving dolls and pictures, and so on, through a glass window in a box. Among the painted pictures, many were drawn from the idea of Buddhist Hell and Paradise. Nozoki Karakuri has been preserved in Fukae town, Nagasaki prefecture. It is one of the cultural treasures of Japanese Buddhism.
著者
松尾 勇気 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-4, 2014-02-24

時間発展シミュレーションは定期的に計算結果を出力するため、巨大なデータが生成される。そのデータサイズを縮小するため、データ圧縮技術が使われているが、ある時間ステップにおいて書き出すデータの隣接する値の類似性を活用している。本研究では、予測器に基づいた既存の高速な浮動小数点圧縮アルゴリズムを基にした時系列データ圧縮器 t-FPC を提案する。圧縮率を向上させるため、1 つの時間ステップに出力される中間データを、同一の時間ステップのデータ内部のものではなく、最近の複数の時間ステップで出力されたデータ間の差分を用いて圧縮を行う点でそれとは異なる。さらに、書き出す差分データ全体の bit 長の分布から可変サイズでデータを書き出すことにより圧縮率を向上する。また、連続して同じ値の場合、時間ステップの出力が全て同じ値の場合には、特別なエンコーディングをすることにより、圧縮率をさらに向上させる。時間発展シミュレーションである SCALE 気象・気候モデルの実際のファイル出力データを用いた評価により、t-FPC は、既存の浮動小数点データ専用の圧縮器や一般のデータ圧縮器に比べて、圧縮率や処理スループットの観点において、良い性能を達成していることを示す。Time evolution simulations generate a large amount of data periodically to ouput results. Existing compression techniques reduce data size by utilizing the similarity among the neighboring values inside the data that is written at one time step. In this paper, we propose t-FPC, a time-series data compression method that adapts the existing predictor based fast floating point compression algorithm. Compared to previous compression methods, it differs in the aspect that it compresses the intermediate result of one time step utilizing the finite differences among the data of recent multiple time steps, instead of those inside the data at the same time step in order to increase the compression ratio. In t-FPC, diffs are compressed with eight kinds of bit lengths. Those are determined based on bit length distribution of diffs. Special encoding is introduced for the two cases: one is that an element at one time step is the same as the previous time step, and another is that all elements at one time step is completely the same as the previous time step. Using the SCALE weather and climate model, it is shown that t-FPC achieves better processing speed and compression ratio than other data compressors including a famous floating point compressor.

1 0 0 0 深沢七郎集

著者
深沢七郎著
出版者
筑摩書房
巻号頁・発行日
1997
著者
鈴木 孝太
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.484-494, 2015-10

近年,胎児期および出生後早期の環境,特に栄養状態がその後の健康状態や疾病に影響するというDevelopmental Origins of Health and Disease (DOHaD)説が広く知られるようになり,胎児期や小児期の発育・発達が注目を集めている.特に,妊婦や子育て中の喫煙は,これらの発育・発達に影響を及ぼすことが示唆されており,国際的にも重要な公衆衛生学的問題の一つである.そのため,まず,日本人を対象とした科学的なエビデンスを蓄積していくことが重要である.そのような状況で,わが国における若い女性の喫煙率は,2000年前後をピークに低下に転じており,妊婦や母親の喫煙率についても同様の傾向が示唆されている.一方で,日本における若い女性,特に妊婦や子育て中の母親の喫煙が,母親本人や胎児,また出生児の健康に与える影響についての検討は,出生体重や一部の妊娠合併症,さらに出生児の発育やアレルギー疾患などについて行われているものの,対象となるアウトカムが限られていること,また,研究デザインや対象者,さらには検討を行っている地域にも限界があり,まだまだ十分とは言えない状況である.今後,厚生労働省が実施している21世紀出生児縦断調査や,環境省が実施しているエコチル調査など,全国データによる幅広いアウトカムの検討を進めていくとともに,各地域でも既存のデータを活用し,地域住民に還元できるエビデンスを蓄積してくことが重要であろう.
著者
崔 晋海 小野 健太 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.2_21-2_28, 2017-09-30 (Released:2017-12-22)
参考文献数
3

本研究の広義の目的は,戦略的デザインプロセスとは,について答えることである。しかし,まずデザインプロセスを語るためには,デザインプロセスを記述する必要があり,またその記述方法は,他のデザインプロセスと比較検討できるような記述方法でなくてはならない。 そこで本研究は,デザインプロセス同士を比較・検討できる記述方法を模索し,その記述方法に従い,試行としてA社の実際に行われているプロダクトのデザインプロセスを記述し,分類した。 そして実際に,A社の9つのデザインプロセスを記述し,工程数に着目することにより,4つのタイプ(デザイン先行型,ルーチン開発型,市場反映型,デザイン受注型)に分類し,またそれぞれの関係性を明らかにした。