著者
中村 重穂
出版者
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.16-30, 2001-12

本稿は、日本語のアスペクト表現「~(動詞・連用形+)たて」の意義素を國廣(1982) の意味分析の方法を用い、中村(1999)で分析した「~たばかり」との比較を通して、特にその語義的特徴と統語的特徴を分析したものである。その結果、「~たて」の意義素には、語義的特徴としては「~たばかり」と同じく<時間的直後>と、さらに<主要状態への質的転換>という二つがあることが今回の分析によって新たに明らかとなった。同時に、統語的特徴としては、「~たての[名詞]」という統語構造に於いては加工・生産活動を表す動詞が、また、「~たて+接続表現」という統語構造に於いては主体または対象の質的変化を表す動詞(句)が前接することが判明した。最後に、今後の課題として、「~たて」の前接動詞のより詳細な析出と分類及び学習者のための説明記述の改善の必要性を論じた。
著者
李 采雨
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稻田法学会誌 (ISSN:05111951)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.57-103, 2019-03-25
著者
春山 習
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稻田法學 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.41-84, 2020-11-10
著者
Matsuoka Atsushi Ito Tsuyoshi
出版者
新潟大学理学部
雑誌
Science reports of Niigata University. (Geology) = Science reports of Niigata University. (Geology) (ISSN:13491237)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.49-57, 2019-03

An updated version from radiolarian zonal scheme in the 1990s for the Jurassic in Japan and the western Pacific is presented and vertical distributions of selected radiolarian species are illustrated. The major modifications are as follows: The Bipedis horiae Zone (JR0) is added below the Parahsuum simplum Zone (JR1). The base of the Bipedis horiae Zone (JR0) is defined by the last occurrence biohorizon of Haeckelicyrtium breviora Sugiyama and corresponds to the Triassic–Jurassic boundary. The base of the Parahsuum simplum Zone is dated within the Sinemurian. The Tricolocapsa plicarum Zone (JR4), Tricolocapsa conexa Zone (JR5), Stylocapsa(?) spiralis Zone (JR6), and Pseudodictyomitra primitiva Zone (JR8) are modified to the Striatojaponocapsa plicarum Zone (JR4), Striatojaponocapsa conexa Zone (JR5), Kilinora spiralis Zone (JR6), and Loopus primitivus Zone (JR8), respectively, in accordance to the change of generic assignment of zone-nominal species.
著者
元木 久
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.229-262, 2009-12-05

本稿ではRockefeller Archive Centerに現存するM.Kaleckiに関する未公表のすべての記録を末尾に付録として収録する。この記録に基づいて既存のカレツキ研究の中にある誤った事実認識を修正すること、さらに、カレツキ全集1)およびその他の資料をも利用して、カレツキがロックフエラー財団のfellowshipによりポーランド出て、オックスフォード大学統計研究所で一時的な職を得るまでの経緯を示すことによって彼の研究継続がロックフェラー財団やケンブリッジ大学の研究者から得た多大の援助に基づくこと、その間の研究成果がカレツキひとりの独創的アイディアよって形成されたのではなく、特にワルシャワの景気循環・物価問題研究所の同僚であるランダウとの共同研究、プレイトの研究成果、L.S. E.でのラーナーの研究成果などを自らの体系形成の中に取り込むことによって形成されたことを明らかにする。
著者
長谷部 晃 豊田 有希
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.106-109, 2021-03-15

医科学研究における微生物学では,ロベルト・コッホの時代から,感染症の原因病原体について明らかにすること を目的とした病原微生物の研究がなされてきた.それらはいわゆる「コッホの原則」が成り立つ,感染症-病原体の 関係に基づいた病原体の研究が中心であったが,近年,宿主との共生体としての常在細菌叢の役割が注目されており,特に腸内細菌叢についての研究が盛んに行われている.腸内細菌叢が全身に様々な影響を与えていることが明らかとなっていることから,消化管の細菌叢として口腔細菌叢も注目されてきている.というのも,口腔常在菌が嚥下により腸内細菌叢に影響を与えることで全身の健康状態に関与している可能性があり,また逆に,全身の健康状態が口腔常在菌叢を反映している可能性もあるからである.本稿では,口腔常在菌叢や腸内細菌叢と全身の状態の関 係について最近明らかにされていることを簡単に概説し,さらに我々の最新の知見について紹介する