著者
大栗 博司
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.850-859, 2005-11-05
参考文献数
19
被引用文献数
1

トポロジカルな弦理論はそもそも「おもちゃの弦模型」として考え出されたが, その後筆者らのグループはこの理論が素粒子の統一理論としての超弦理論の計算に直接利用できることを明らかにした.この記事ではブラックホールの量子状態や4次元のゲージ理論の強結合問題といった素粒子物理学理論の重要な課題にトポロジカルな弦理論がどのように応用されているかを解説する.
著者
藤本 展子 松本 秀明
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100053, 2012 (Released:2013-03-08)

これまで仙台平野に分布する浜堤列の形成時期に関して,松本(1984),伊藤(2006)が研究を進めてきた。松本(1984)は仙台平野の浜堤列を陸側から第Ⅰ浜堤列,第Ⅰ'浜堤列,第Ⅱ浜堤列,第Ⅲ浜堤列に大別し,第Ⅰ浜堤列は5,000~4500年前,第Ⅰ'浜堤列は3,100~3,000年前・前後,第Ⅱ浜堤列は2,800~1,600年前,そして第Ⅲ浜堤列は1,000~700年前から現在にかけて形成されたとした。その後,伊藤(2006)は第Ⅲ浜堤列を内陸側から第Ⅲa,第Ⅲb,そして第Ⅲc浜堤列に細分し,それぞれの形成時期を約1,300~1,100 cal.BP,約1,100 cal.BP以降,そして約350 cal.BP以降とした。 しかしながら,近年の筆者らの仙台平野南部,すなわちわたり平野における自然堤防形成時期等に関する調査で,従来第Ⅱ浜堤列として位置づけられてきた現海岸線から3.3km内陸に位置する柴~曽根付近の浜堤列の形成時期に矛盾が生じるなど,いくつかの問題点が見いだされた。本研究では,従来の結果を踏まえながらも,新たな地形断面の計測ならびに放射性炭素年代測定を行い,当平野における浜堤列の形成時期,すなわち各時代の海岸線の位置を再検討した。
著者
竹内 みちる 樂木 章子
出版者
公益財団法人 集団力学研究所
雑誌
ジャーナル「集団力学」 (ISSN:21854718)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.81-89, 2006-06-01 (Released:2013-04-16)
参考文献数
21

本稿では、現代の養子縁組にまつわる暗いイメージの歴史的形成プロセスを検討した。徳川期には、養子は「イエ」存続のための方法として武士階級でも庶民階級でも広く行われており、そこには暗いイメージがないばかりか、養子にいった方が得という明るいイメージさえあった。本稿では、共同事業体的性格を有していた「イエ」が事業内容を減じ、明治・戦前期の「家」へと縮小し、戦後さらに子育てのみを事業とするまでに極限的に縮小した形態として、現在の「家庭」を位置づけた。そこには、欧米の家庭(family)のような独立した2人の個人が結婚し、同じく独立した個人としての子を育てるという個人主義の原則は希薄である。わが国のように「個人」というポジションが希薄であれば、産みの親に育てられず、「家庭」に属すことのできない子(養子の候補)は、何のポジションももたない不幸な存在とみなされ、その不幸な存在を引き取らざるをえない養子縁組にも暗いイメージがつきまとう。
著者
山内 晴子
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2008

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2549号 ; 学位の種類:博士(学術) ; 授与年月日:2008/1/28 ; 早大学位記番号:新4693
著者
相場 徹 山根 信二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.47, pp.1-6, 2001-05-10

暗号の歴史は軍事や外交といった国家レベルの文脈において語られることが多い。しかし、そのような議論は、個人的なしベルでの暗号利用の歴史についての視点を欠落させてしまう。本発表では、インド古典のカーマスートラ、およびヤショーダラによる注釈文献を取り上げ、そこで述べているとされる暗号の内容および用途についての検討をおこなう。この検討の結果、ヤショーダラ注における暗号は軍事・外交といった国家レベルの用途ばかりを想定していたものではなかったことを示す。そして、前近代において民間レベルでの秘密通信が存在しえたことが、現代においてどのような意義を持つかについて論じる。
著者
林嵜 和彦 児島 明 山ノ内 裕子 中島 葉子 山本 晃輔
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、日系ブラジル人のトランスマイグラントとしての側面に着目しながら、日本で教育を受けた経験のあるブラジル人青年のライフストーリを収集し、進路状況、文化的志向やアイデンティティ、被教育経験をあきらかにしようとした。そして、日本におけるブラジル人学校や、そのほかの日本の学校の機能、支援の在り方等を考察している。その結果、おおくの若者が、日本での被教育経験や生活経験をうまく活用しながら、ブラジルにおいて再チャレンジをはたす姿が見出された。また文化的な貢献として刷新された日本の文化や習慣が旧来の日系社会文化と混成される様子も観察された。
著者
加藤 恭
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.203-237, 2014-09-25

金融市場における流動性の問題としてマーケットインパクトは代表的なテーマの一つである.本稿はマーケットインパクト関数の形状,特に凸性・凹性に焦点を当て,簡易的な実証分析やシミュレーション分析によって,実際の市場において観測される現象と整合的な形状を探る.更に,一般的なマーケットインパクト関数の下での最適執行問題の理論モデルを導出し,対応する値関数の数学的性質を調べる.
著者
裕仁著
出版者
皇居内生物学研究所
巻号頁・発行日
1988
著者
岡﨑 龍史
出版者
産業医科大学、産業医科大学学会
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.Special_Issue, pp.85-89, 2013-10-01 (Released:2013-10-10)
参考文献数
3

日本における放射線障害防止の法律は,昭和30年に施行された「原子力基本法」が元となる.原子力の研究,開発及び利用の促進のために制定されたが,海外からの放射線同位元素の輸入の増加に伴い,昭和32年に科学技術庁所管で「放射性同位元素による放射線障害の防止に関する法律」,つまり「放射線障害防止法(障防法)」が制定され,昭和33年に施行された.平成24年原子力規制委員会が環境省の外局として発足し,管轄している.労働基準法の面からもさらに充実した規制が生じたため,昭和34年に労働省令第11号として「電離放射線障害防止規則(電離則)」が制定された.これまでにも何度も改正が行われたが,平成23年福島原子力発電所(福島原発)事故に伴い,新たに改正されている.障防法及び電離則を解説し,労災認定について述べる.

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著者
東洋経済新報社 編
出版者
東洋経済新報社
巻号頁・発行日
vol.昭和22年 9月刊, 1947