著者
山下 好孝
出版者
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.79-90, 2005-12

In this brief report, I will present three rules that decide where the accent falls in Japanese compound words. First I will distinguish three types of compound word depending on how many moras the second part of the word includes.: Those that have more than five moras in their second part, those that have three or four moras, and those that have one or two moras. These rules are useful for foreign learners in mastering the Japanese accent. Finally I insist on introducing accent exercises in Japanese teaching.

2 0 0 0 OA 満洲考古学

著者
八木奘三郎 著
出版者
岡書院
巻号頁・発行日
1928
著者
彗星編輯部 編
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
vol.第貳輯, 1929
著者
中河 督裕
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学総合研究所紀要 (ISSN:13405942)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.1, pp.19-36, 2008-12-25

今日「古都京都」ということばに違和感を持つ人はいないだろう。京都の代名詞になった感のある「古都」ということばは、しかし、いつ使われるようになり、どのように定着していったのか。近代の小学校国語教科書の教材文と京都内外の出版物の書名にその出発点を探り、さらにレコードや映画などにうかがうことのできる三都(京都と東京・大阪)の性格の変遷をそこに重ねてみると、大正末から昭和初年代にかけて、京都が三都の力学的関係の中で独り伝統に回帰していこうとする足取りをたどることができる。時代の推移につれ、「寺と女」を京都の代表的風物と見なすような外からのイメージを、京都が自らのアイデンティティとして受け入れざるを得なくなる様相をとらえたい。
著者
菱沼 利彰 藤井 昭宏 田中 輝雄 長谷川 秀彦
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.25-33, 2014-12-16

高精度演算を用いることでKrylov部分空間法の収束を改善できるが,高精度演算はコストが高いことが知られている.高精度演算の1つに,倍精度を2つ組み合わせて4倍精度演算を行う倍々精度演算がある.我々は,IntelのSIMD拡張命令であるAVX2を用いてBCRS形式の倍精度疎行列と倍々精度ベクトルの積(DD-SpMV)の高速化を行った.AVX2を用いたCRS形式のDD-SpMVでは,各行で端数処理などを必要とするが,BCRS形式は端数処理をなくし,メモリアクセスを改善できる.しかし,BCRS形式は演算量が増加する.本論文では,AVX2に適したBCRS形式のブロックサイズと,増加した演算量と端数処理の削減,メモリアクセスの改善効果のトレードオフについて示した.実験の結果,AVX2に最も適したブロックサイズは4×1であることが分かった.また,メモリアクセスの改善効果はサイズの大きい問題ほど有効で,行列サイズが10 5以上のとき,演算量が3.3倍以上になるケースにおいても,BCRS4×1にすることでCRS形式の実行時間を約45%に短縮できることを確認した.
著者
三浦 美和 林田 りか 高尾 秀明 小野 孝二 松田 尚樹
出版者
日本放射線安全管理学会
雑誌
日本放射線安全管理学会誌 (ISSN:13471503)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.46-53, 2013 (Released:2013-07-26)
参考文献数
21

From October to December 2010, just before the radiological accident at the Tokyo Electric Power Company Fukushima Daiichi nuclear power plant, 71 radiation professionals belonging to the radiation facilities in Japan were asked what they consider as a “safe” dose of radiation for themselves, their spouse, parents, children, brothers and friends. Although the “safe” dose varied widely from less than 1 mSv/y to higher than 100 mSv/y, the average dose was 35.6 mSv/y that was around the middle point between the exposure dose limits for annual average (20 mSv/y) and for any single year (50 mSv/y). Similar results were obtained from another surveys for the members of Japan Radioisotope Association (36.9 mSv/y) and for the Oita Prefectural Hospital (36.8 mSv/y). Among the family members and friends, the minimum average “safe” dose was 8.5 mSv/y for children, to whom 50% of responders claimed the “safe” dose less than 1 mSv. Gender, age and specialty of the responder also affected the “safe” dose. These findings suggest that the perception of radiation risk varies widely and that the legal exposure dose limit derived from the regulatory science may act as an anchor of safety even in radiation professionals. The different level of risk perception for different target groups in radiation professionals appears similar to those in non-professional whole population. The gap between these characteristics of real radiation professionals and the generally accepted picture of radiation professionals might take a part in a state of confusion after the radiological accident.
著者
Oparin A.I. 江上 不二夫 板橋 美智子
出版者
岩波書店
雑誌
科学 (ISSN:00227625)
巻号頁・発行日
vol.23, no.9, pp.453-457, 1953-09
著者
河井 弘志
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.109-124, 1999-11-30

17世紀以来, ドイツには参事会図書館に由来する市立図書館があり, 上層特権市民によって利用された。19世紀には下層民衆を対象とする福祉事業的な公立・私立の民衆図書館が各地に生まれたが, 市立図書館と交わるところはなかった。すべての市民が対等に利用するアメリカのパブリック・ライブラリーに接した大学図書館員ネレンベルクは, ドイツの二元体制をなくして, 全市民が平等に利用できる公共図書館を現しようとする運動を進め, 彼ら「図書会館」と名づけたドイツ型パブリック・ライブラリーが各地に生まれた。「図書会館」とは, 公立学校に対応する公立図書館, 公費経営, 法による義務設置, 利用無料, 昼夜開館閲覧, あらゆる階級の利用, 専門職図書館員など, 公共図書館の純粋理念を現する図書館である。この理念は, ナチス支配終了後の公共図書館運動によって本格的な結をみることになる。
著者
岡田 暁生
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.58-68, 1993-06-30

Der sog. musikalische Neuklassizismus, als dessen Vertreter Igor Strawinsky gilt, ist eine Bewegung, die mit dem Klassizismus von Picasso oder mit den Bearbeitungen der griechischen Tragodien von Jean Cocteau vergleichbar ist. Er versucht namlich, den Mythos der Originalasthetik seit dem 19. Jahrhundert zu uberwinden und statt dessen die Asthetik der Bearbeitung (bzw. Parodie oder Pastiche) zur Geltung kommen zu lassen. Und Strawinskys <Pulcinella>, das eigentlich nichts mehr als 'Bearbeitung' der Werke von J. B. Pergolesi (einem neapolitanischen Komponisten aus dem 18. Jahrhundert) ist, stellt ein paradigmatisches Werk dieser Stromung dar. In dieser Studie sei versucht, durch den Vergleich zwischen dem Original und Strawinskys Bearbeitung einige Aspekte der Musikasthetik des Neuklassizismus herauszukristallisieren. Ins Zentrum geruckt werden dabei u. a. die folgenden drei Punkte. 1. Das Verfahren, das Original-ohne seine Struktur im Geringsten zu verandern-mit einer ganz charakteristischen, verfremdenden Gestik und Instrumentation zu bearbeiten und es dadurch ganzlich zu deformieren. 2. Abkehr von der Originalasthetik des 19. Jahrhunderts zur alten Asthetik des Handwerks, d.h. die Tendenz, durch ganz unauffalligen Korrekturen dem Original Prazision des Ausdrucks zu verschaffen. Und 3. Strawinskys anti-historistische Haltung und seine besonderen Spezifika in der Geschichte der Bearbeitung im 20. Jahrhundert.
著者
板村 裕之
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.89-98, 1986
被引用文献数
19 20

1. 発育段階の異なるカキ'平核無'果実を用いて,果実の生理活性の指標となる呼吸量, エチレン生成量を,採取後無処理のものと, 30%アルコール脱渋処理をしたものの2区について測定し, あわせて果実のヘタ脱落や軟化についても観察した.<br>2. 果実はその最大横径の推移からみて, 6月上旬から8月末ごろまでがステージI, 8月末ごろから9月20日ごろまでがステージII, 9月20日ごろから11月初めまでがステージIII, それ以降がステージIVの各発育段階に分けられた. 樹上における果実の果肉硬度は, ステージIIまで漸減した後, ステージIII以降やや低下速度が速くなった. ステージIV以降の果実では樹上で急速に軟化が進行し, 12月初めには熟柿の状態となった. 9月20日ごろより果実の着色が始まり, その後急速に着色が進行した.<br>3. 採取後, 20°C定温室にて果実を貯蔵したとき, 未熟果は完熟果に比べて呼吸量が高く推移し, エチレン生成のピークが早く現れると同時に, そのピーク値もかなり高い値を示した. それと平行して, ヘタの脱落が認められ, 果実の軟化も急速に進行した.<br>4. 採取後, 果実に30%アルコール蒸気による脱渋処理を行うと, 無処理の果実に比べて呼吸量が高く推移するとともに, 処理後2~3日でエチレン生成のピークが形成された. それと平行して軟化速度も早くなり, 未熟果においてはエチレン生成のピーク付近において, 果実の急速な軟化とヘタの脱落が認められた. このことより, アルコール処理は, 採取後無処理の果実に起こる種々の生理的変化を促進する役割を果たすと思われた.<br>5. 採取後, 果実に30%アルコール処理を行うことによって, 熟度の異なる果実の呼吸活性やエチレン生成能 (生理活性) と, 果実の生理的変化を調査した. その結果, ステージIIの未熟果は生理活性が高く, アルコール処理によってヘタの脱落と急速な果実の軟化が起こった. 着色開始期のステージIIからステージIIIにかけての果実 (9月中旬ごろ) は, 個々の果実間で生理活性が大きく異なり, 果実の軟化やヘタの脱落の有無などにもかなり大きな変異が認められた. ステージIIIに入った9月下旬ごろより急速に果実の生理活性が低下し, それと平行してヘタの脱落が認められなくなり, 果実の軟化もかなり緩慢となった. その後, 熟度が進むに従って果実の生理活性が低下し, アルコール脱渋後の貯蔵性は完熟期において最高となった. 落葉期以後, 樹上で果実が軟化するに従って果実の貯蔵性も低下した.<br>6. アルコール脱渋後, 急速に軟化する果実が混入する危険性がなくなる時期は, 山形県庄内地方においては満開後120日ごろの10月10日ごろであると思われた.
著者
鈴木 崇彦 細井 義夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

ラット新生児より採取した心筋細胞に2Gy、5Gy、10Gy、20Gy、および50GyのX線照射を行い、エンドセリン(ET)遺伝子mRNAの発現量について、RT-PCR法を用いて検討を行った。その結果、X線の10Gyから50Gyの線量において、照射2時間後より8時間後にかけてETmRNAの発現量の増加を認めた。定量的評価の結果、増加量は最大270%という結果が得られた。心筋細胞は50GyのX線照射によっても、24時間後の細胞生存率の低下は観察されず、培養心筋細胞はX線による細胞障害に対し強い抵抗性を示すことが分かった。次に、ETのmRNAの発現上昇が、ETペプチドの産生上昇につながるかどうかを検討するため、培養心筋細胞に20GyのX線を照射後、12時間、24時間後の培養液を採取し、その中のET分子についてELISA法を用いて定量を行った。しかし、培養液中には有意な量のET分子の産生は認めることが出来なかった。一方、X線照射後の培養細胞自身をET特異的抗体を用いた細胞免疫染色を行ったところ、わずかではあるがETの存在が認められた。このことは、X線照射によって、心筋細胞はETを産生するものの、その量は極めて少ないことが推察された。しかし、1個の細胞での産生量が少ないといっても、心筋の組織レベルになれば、血管を収縮させるのに十分量のETが産生されることが予想されたため、ラットの新生児胸部へのX線照射により、組織中にETの遺伝子およびペプチドの産生上昇が認められるかどうかについて実験を行った。ラットの3日齢の新生児の胸部に対し、20GyのX線を照射し、24時間後に心臓を摘出し、mRNAの発現をRT-PCRにて測定した。その結果、mRNAはやはり上昇するという結果が得られた。次に組織切片におけるETの産生について組織免疫染色を行ったところ、ETペプチドの産生は認めることができなかった。現時点では、細胞レベルならびに個体組織レベルではX線照射によりET遺伝子の発現上昇がおこることは間違いないと思われ、個体レベルでは、その後のさまざまな要因によりETペプチドの産生につながる可能性があると考えられる。ヒトの場合、X線照射後、心筋梗塞を引き起こす患者は約2割であり、また、発生までの時間経過も患者それぞれにばらつきがあるため、さらに検討が必要であるが、ETにより血管平滑筋の増殖が高まることを考えると、X線照射に先立って、ET受容体遮断薬を一定期間投与することが、平滑筋増殖を抑制し、放射線による心筋梗塞発生の予防につながる可能性が考えられる。
著者
帖佐 尚人
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.17-26, 2014-10

「親のライセンス化」論は、子の出産・養育に先立って、全ての親に一定のライセンス取得手続きを要求することで不適格な親(incompetent parent)を排除し、全ての子どもが適格性を有する親による保護・養育を受けられるようにすることを企図したもので、1980年にアメリカの倫理学者H.ラフオレットが提唱して以降、賛否両論の活発な議論が展開された。しかし、実のところこの主張は極めて極端なものであり、あくまで思考実験レベルでの議論にとどまるものであると捉えるのが妥当であろう。そこで本稿では、この「親のライセンス化」の代替策、つまり親の権利制約をより少ない次元にとどめつつも、一方で児童虐待を事前的レベルで抑制し得る理論・制度を探求することを目的として、アメリカの児童精神医学者J.ウェストマンの青年期妊娠・出産規制論を検討する。彼の主張は、別稿で取り上げた上記のラフオレットの代替的理論とは異なり、「親のライセンス化」という発想の実質的な放棄を試みている点で特徴的と言えよう。