著者
天野 和孝 菅野 三郎
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
no.51, pp.1-14, 1991-11-30
被引用文献数
8

In the western part of Joetsu City, the Pliocene strata are subdivided into the Kawazume, Nadachi and Tanihama formations in upward sequence. The following four molluscan associations occur in the Nadachi Formation; Acila-Portlandia (lower sublittoral zone), Nuculana (lower sublittoral to bathyal zone), Delectopecten (bathyal zone) and Calyptogena (bathyal zone) associations. The first association also occurs in the Tanihama Formation and the last is recognized in the Kawazume Formation. These associations include rich protobranch bivalves more than those in shallower waters. The lower sublittoral association shows a higher species diversity than the bathyal one.
著者
高橋 弘 山内 克典
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

1.チョウセンゴミシ雌花、雄花ともに約1週間の寿命を保ち、柱頭もその間receptiveのように見えた。双翅類と鞘翅類の多種多様な昆虫が有効なポリネーターであるとともに、アザミウマも重要なポリネーターであった。これらのことから、この種はジェネラリスト型の受粉様式を持つと言える。自家和合性があることが分かった。2.マツブサ雄花は1日の寿命、雌花は開花2日目の夕方までに花被片を落下させる。主要なポリネーターはタマバエ(種は未同定)であった。マツブサは雄花の雄蕊群と花被片、及び雌花の花被片をタマバエの産卵場所として提供する共生関係にある。開花期間は2週間以内で、一度に多数の花を咲かせた。タマバエは開花期間中、世代が変わるように見えなかった。3.サネカズラ雄花は1日の寿命、雌花は開花2日目の夕方までに花被片を落下させ、主要なポリネーターはタマバエ(種は未同定)であり、雄花の雄蕊群と花被片、及び雌花の花被片をタマバエの産卵場所として提供する共生関係にある、という点でマツブサと同様に受粉様式をもっていた。しかし、タマバエの種類は明らかに異なる。開花期間は2ケ月に及び、少しずつ花を咲かせた。また、開花初期は雄花のみが開き、雌花は1週間以上後に咲き始めた。タマバエは約10日で世代交代をするので、開花期間中数世代が出現すると思われる。4.シキミ花は両性で、10〜20日間寿命があり、初めの1/4〜1/5の期間が雌性期、残りが雄性期であった。鞘翅類と双翅類の多種多様な昆虫が主要なポリネーターで、膜翅類の昆虫も受粉に貢献すると思われる。従って、これはジェネラリスト型の受粉様式を持つと言える。自家和合性があることが分かった。
著者
鷲頭 祐樹 末松 伸朗 林 朗 岩田 一貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.461, pp.279-284, 2010-03-02

混合ディリクレ過程(DPM)モデルは,要素モデル数を指定する必要のないノンパラメトリック混合モデリングを可能にする.要素モデル数の指定が必要ないことは,クラスタリングにとって非常に有益であり,DPMモデルは多くのクラスタリング問題へ適用され成功を収めている.共役事前分布が使用される場合には,DPMモデルに対するギブスサンプリング法が確立されているが,ARMAモデルのように共役事前分布を持たない要素モデルの場合には困難に直面する.本論文では,ギブスサンプリ ングに内在するメトロポリス・へイスティングスのマルコフ連鎖を導入することでこの問題に対応し,ARMAモデルべースの時系列クラスタリング法を実現する.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケ-ション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.306, pp.118-131, 1999-11-15

国内企業1041社が回答したアンケート調査から,プロバイダのシェア,ユーザーの満足度と,その根拠が明らかになった。顧客満足度は,専用線接続がPSINet,ダイヤルアップ接続はNTTコミュニケーションズのOCNがトップに選ばれた。「インターネットを利用しない企業は20社に1社以下の割合」——。
著者
杜預 集解
出版者
内田屋宗兵衛等
巻号頁・発行日
vol.第17,18, 1871
著者
山本 茂弘 山田 晋也 袴田 哲司
出版者
静岡県農林技術研究所
雑誌
静岡県農林技術研究所研究報告 森林・林業編 (ISSN:18828264)
巻号頁・発行日
no.4, pp.87-94, 2011-03

絶滅危惧種であるナガボナツハゼの個体消失に備え,保護・保全に資するため,腋芽を用いた組織培養による個体増殖条件を調べた.伸長に適した培地のpH,植物ホルモンの種類,各個体の継代培養の可能性・シュート増加数の違いを調べた.発根については,培地に添加する糖の種類と濃度,植物ホルモンの添加効果,培地支持体の種類及び個体による発根率の違いを調べた.また,幼植物体の野外への順化条件を調べた.その結果次のことがうかがわれた. 1 腋芽からのシュー卜伸長には培地酸度としてpH5.3が適する可能性がうかがわれた. 2 シュート伸長にはゼアチン0.5又は1.0mg/Lの添加が適する可能性がうかがわれた. 3 ゼアチン0.5mg/Lを添加した培地で多くの個体の継代培養が可能であった. シュートの増加数には個体による違いが見られた. 4 シュー卜の発根期間を早めるには卜レハロースが,発根率を高めるにはショ糖が適する可能性がうかがわれた. また,トレハロースの濃度により発根率が異なることが示唆された.5 IBA O.5mg/LとNAA O.02mg/Lの添加により発根率が高まり、植物ホルモンを含まない発根培地では、発根期間が早まる可能性がうかがわれた. 6 発根培地の支持体としてはバーミキュライト又は鹿沼土が適すると思われた. 鹿沼土では発根期間が短縮されるものの,基部にカルスが形成され,順化効率の低下に繋がる傾向がうかがわれた. 7 幼植物体の順化は,湿度の調整などにより2週間で容易に行えた. 8 本試験で供試した16個体のうち,14個体で継代培養が可能で, 12個体で幼植物体が再生でき,組織培養による個体の確保・保存に役立つことが示された.
著者
熊谷 康太 石川 拓也 本田 晋也 高田 広章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.497, pp.49-54, 2014-03-15

近年,組込みシステムの大規模化,複雑化が進んでいる.そのため,組込みソフトウェア開発における機能更新の容易性と生産性の向上が重要となっている.また,組込みシステムの大規模化と複雑化により,十分に検証することが困難なシステムが増加しており,安全性の担保も重要となっている.一方で,組込みシステム向け軽量スクリプト言語が開発されており,この言語は開発における機能更新の容易性と生産性が高いという性質を持っている.しかし,安全性を担保するには,まだ機能の面で不足する点が存在するという問題がある.本研究では,組込みシステム向け軽量スクリプト言語であるmrubyへアクセス制御機構を導入し,安全性を担保できる実行環境を提案する.提案するアクセス制御機構は,リアルタイム制御アプリケーションを用いて評価する.評価の結果から,mrubyに対してアクセス制御機構を導入する影響は小さいと考える.
著者
城山 三郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1001, pp.50-53, 1999-07-26

問 城山さんは40年間も第一線で作家活動を続けられていますが、特に印象に残る経営者は誰ですか。 答 1人は本田宗一郎さんですね。『本田宗一郎との100時間』で書いたんですが、本田さんは本当に日本だけでなく、20世紀の世界中の経営者の中でピカ一じゃないかと思っています。
著者
広瀬 茂男 米田 完
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.9, no.7, pp.910-911, 1991-12-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5
著者
広瀬 茂男 米田 完
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.360-365, 1993-04-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
3 14
著者
梅津 紀雄
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学共通課程研究論叢 (ISSN:09167706)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.17-33, 2008

1. ロシア・アヴァンギャルドと音楽との関係をどのように考えるべきか はじめに 20 世紀初頭から1930 年代初頭にかけての,ロシア革命前後の前衛的芸術運動,ロシア・アヴァンギャルドについてはその概要がすでに広く知られており,日本語の文献によっても,ある程度網羅的にその活動を把握することが可能である。しかしながら,それらの文献で音楽において語られることは非常に希である 。したがって,音楽に関心を抱くものがそれらの文献に目を通すならば,ロシア・アヴァンギャルドにおいて音楽は関わらなかったのか,それとも単に言及されていないだけなのか…という疑問が浮かぶであろう。 しかしながら,他方で,この領域(「ロシア・アヴァンギャルド音楽」)に関して日本語ではすでに安原雅之の労作があり ,その後に現れた新資料があるにせよ,基本的なことはすでに言い尽くされているようにも思われる。現在のところ,主要な例外は亀山−1996である。また,ロシア・アヴァンギャルド再発見の先鞭となった「パリ=モスクワ」展のカタログにおいては音楽を対象として一章が割り当てられていた(Paris-Moscou-1979)。これが英訳ないし邦訳されていたならば,今日の状況はまた違ったものになった可能性は大いにあり得る。他方,桑野隆の監訳により邦訳が進行中のコトヴィチ『ロシア・アヴァンギャルド事典』(Котович-2003)には,音楽関係の項目が相当数含まれており,同書が出版されれば,状況の大きな改善が期待できよう。安原−1987は,この領域の必読文献である。長木−1992にはそのエッセンスが収められている。安原−1994および安原−2006も併読をお勧めしたい。文献表には含めなかったが,野原泰子「ロシア・アヴァンギャルド」は簡潔に先行文献を要約している(http://www.geidai.ac.jp/labs/funazemi/terminology/russian_avant_garde.htm,最終閲覧日2008/07/04)。 以上の2 系統の文献から判断する限りにおいて,「ロシア・アヴァンギャルド音楽」については,以下の2 種類の立場があるように思われる。 a)音楽を専門としない研究者からみたロシア・アヴァンギャルドの(一部としての)音楽, b)音楽を専門とする研究者からみたロシアの前衛的な(アヴァンギャルド)音楽 このa)とb)の立場からは言及される対象に若干のずれが生じている。例えば,a)の立場からは,著名な作曲家であるプロコーフィエフやストラヴィーンスキイ,あるいはショスタコーヴィチは,通常,「ロシア・アヴァンギャルド音楽」としては言及されない(前2 者の場合には革命直後の時期に,ロシアにいなかった,という問題があるにせよ,それだけが問題なのではない)。 つまり,何が「アヴァンギャルド」か,という意識に,音楽の専門家とロシア・アヴァンギャルドの専門家とでズレがあるのである。ここで問題になるのは,どこに「前衛性」を見いだすか,ということにほかならない。
著者
寺迫 正廣
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

釧路・白糠地区で釧路アイヌ文化懇話、釧路アイヌ語の会会長として、アイヌ語研究、アイヌ語再生運動、アイヌ文化再生運動の中心で活動を続ける松本成美の活動を調査し、その軌跡を纏める作業を行った。松本のアイヌ語・アイヌ文化再興への取組は(1)貫塩喜蔵の『サコロペ』、(2)山本多助の幻の『アイヌモシリ』、(3)吉良平治郎の事跡という3つの出会いを軸に展開されてきたと言える。かれは、これらの出会いによって、アイヌ語とアイヌ文化世界の豊かさに目を開かれと言える。義務感ではなく、真に面白いと感じるからこそ、釧路アイヌ文化懇話会例会を一度も休まず20年間続けてこれたが、それにしても、この長い年月、活動成果を定期的に刊行し続けるエネルギーは尋常ではない(20年間に11冊+特集号1冊)。専門の編集者もいないなかで、よくもここまでできるものだと驚かされる。しかも、松本の仕事は、自分は前面に出ず、できるだけアイヌの人々が活動しやすいように環境を整えること、アイヌの人々とともに地名研究、辞書づくりを行うなど、常に共向作業でつくってきた。北海道の人口の百分の一にも満たない数のアイヌ言語や文化を再生には和人との共同作業が必須であるとの信念に拠るものである。80歳になった今も、活動意欲は衰えを知らない。まさに自らがその共同作業の中心にいて、責任を負っているからだ、ということが明白になった。