著者
小池 順子
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1-14, 2008-07-26

本論文は、道徳教育に関する学習指導要領の中から特に「法や決まりの意義を理解する」という文言に着目し、これを学校の教育内容とすることの難しさについて考察している。現代日本で道徳教育を難しくしている「問題状況」は、資本主義が抱える矛盾に着目するベル(1976)の論考によれば、社会の「発展」上必然的な帰結である。したがって、学校や教師は「法やきまり」を教える難しさの内実を認識する必要がある。さらにこれらの意義を学校で教えるに当たっては、現代の子どもたちがもつ自己実現の欲望に依拠することに可能性があることを明らかにした。
著者
万仲 脩一
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学経営論集 (ISSN:13451456)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.117-142, 2007-02-28

According to P. Ulrich' thought, economic citizen, market order and business enterprise are given as (loci) of morality of economic activities. In this paper, at first we outlined his opinions about the former two, that is economic citizen and market order, and the republicanism-liberalism on which they rest. Then we examined them from perspectives of philosophy, politics and economic ethics. (We will treat business ethics in our next paper.)
著者
小見山 隆行
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学論叢. 商学研究 (ISSN:02858932)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.39-63, 2006-12-20

本稿は,江戸時代,明治維新以降の商業教育の生成・変遷を概観し,商業道徳がどのように位置づけられてきたかを検証し考察する。江戸期の商人教育の関わりとして,年季奉公以前の幼少時の「寺子屋」教育と「丁稚奉公」制度,「家憲・家訓」及び「商売往来」の説く商人道,石田梅岩の「石門心学」にみられる商業道徳,近江商人の「三方よし」の思想等について,商業教育と道徳教育の観点から検証を試みた。日本商人観の近世・近代の連続・非連続論,明治維新以降の近代教育と商業学校制度の発達,渋沢栄一の「道徳経済合一説」の説く道徳思想等を分析するともに,戦後の新教育制度における学習指導要領「商業科目」の変遷を概観し,次期改訂への若干の提案とともに,これからの商業教育(ビジネス教育)における新たな使命と役割,商業道徳教育のあり方等について考察した。
著者
長谷川 直哉
出版者
日本経営倫理学会
雑誌
日本経営倫理学会誌 (ISSN:13436627)
巻号頁・発行日
no.16, pp.227-239, 2009-03-31

The industrial process in the western part (Enshu region) of Shizuoka Prefecture in the first half of the Meiji era is explainable extremely smoothly using a diligent revolution model. Farmers who were affected by the idea of "Houtoku (repayment of kindness)" and achieved agricultural innovation developed their diligence, which required long hours of effort dedicated to the fundamental principles of business activities. The idea of "Houtoku" allowed the farmers to free themselves of the traditional way of life to establish an ethical way of life. Consequently, the established ethical mode of living provided autonomous power to support the behavior of entrepreneurs. Entrepreneurs who accepted diligence and morals as management principles initiated industrialization. Furthermore, they became aware of their role as the leaders social reforms through their business activities.
著者
山田 美香
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-92, 2006-01-10

中国では犯罪予防教育が盛んである。2005年に北京で調査した際、法曹界が積極的に学校で法教育を実践していた。また中国の社会科・道徳の授業の指導要領には子どもが犯罪に遭わないためにどうしたらいいのかを第一義に考える項目があり、教科書もそのような構成となっている。その一方で、日本は少年犯罪発生を他人事のように考え、決して学校レベルで解決するという姿は見られない。少年犯罪の対処の方法は中国と日本では大きく異なっている。第一に、中国では犯罪予防の認識が高い。これは中国の社会が多様であり、貧困から犯罪に走ること、自己の権益が守れないこと、日本と同じように都市文化の影響で簡単に非行に走るケースが見られるなど、その対応に追われているためである。第二に、従来から、共産党組織や党の活動が犯罪防止に役立ったが、最近の中国では党主導の活動より学校教育で犯罪予防をする方向にある。第三に、日本では、個人のプライバシーや行政の家庭への介入への蓄積がないことが、問題を放置させる原因となっている。抜本的な改革が必要だと考える。第四に、中国ではモデル地区を選定し、その実施の状況を広く全国に進めていく政策方針を取っている。犯罪予防教育に対する各界の連携も北京市海淀区などは好例だが、各々の機関が協力しあう雰囲気を作っている。日本も各市町村にモデル地区を作るべきではないか。