著者
松本 隆志 瀧本 栄二 齋藤 彰一 毛利 公一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.2269-2278, 2019-12-15

情報漏洩インシデントの主な原因は,人為的なミスによるものであると報告されている.我々はこの問題に対して,これまでファイルごとにデータ保護ポリシを設定可能(以下,ポリシ)とし,ポリシで禁止された範囲へのプロセスによるデータの出力・送信を検出・禁止することによって人為的なミスによる情報漏洩を防止するセキュアシステムSalviaシリーズの開発を行ってきた.それぞれの差異は,主として,プロセスが扱うデータフローの追跡手法であった.本論文では,動的テイント解析機能を有するハードウェアエミュレータとOSの連携によって実現したTA-Salviaについて述べる.TA-Salviaの特徴は,(1) 1バイト単位でポリシを定義できる,(2)メモリ上において1バイト単位でデータフロー追跡が可能,(3)二次記憶装置においても同様に追跡が可能,(4) TA-Salviaどうしであればネットワークを越えたデータフローの追跡も可能な点である.本論文では,特に(4)について,その設計,実装および評価について述べる.評価では,実際にファイル共有やメール送信を行い,データを継続して追跡できていることを示した.
著者
高岡 詠子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.80-84, 2019-12-15

100回を迎えた「ぺた語義」の記念として,ペた語義を立ち上げたメンバの一人である筆者が,ぺた語義を始めた経緯,情報教育関連の当時~現在に至るまでの状況の変化等について語る.中学生・高校生の情報科の探究活動を推進することや高等学校情報科と情報入試の流れについて詳細を述べる
著者
崔 惠秀
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.39, pp.102\n(27)-85\n(44), 2016-03-17

It is widely known that Daibosatsu-toge, which is considered as an origin of popular modern Japanese literature, was written in a familiar ‘desu, masu’ style. However, descriptive texts were written not only in distal style but also in direct style, and both of past and present tense were mixed in this work. In addition, a style ending sentences with a noun (or noun phrase) was used as well. This presentation aims to analyze a formation process and features of various sentence styles in Daibosatsu-toge. Also, I would like to discuss its meaning by comparing style in this novel with a modern novel’s narrative strategy, which is said to have completed its style by using ‘da, de aru’ in the end of the sentences.First of all, this presentation will focus on drastic changes from first publishing of Daibosatsu-toge in Miyako-Shinbun to rewritten version which had been published as a form of book since February 1918, and analyze patterns of changes in descriptive texts until its style was stabilized (manuscripts appeared serially by 1921.10.17, which are correspond to by vol.21 ‘Umonsankyu-no-maki’ in a book form), in other words, until Kaizan didn’t make a revision on the end of sentences.Sentences in the first period(Sep 1913~Jul 1915)that did not have periods (。) in the end had been put in order by using periods when they were rewritten. And in this process, many sentences have been corrected into the form ending with a noun or noun phrase. Also, it must be noted that there are a lot of delicate corrections in the end of sentences concerning the past/present tenses and distal/direct style all over the texts that originally appeared in Miyako-Shinbun, even though there was no change in the meaning of the contents.Through analyzing what meaning and effect this changes in the form of the sentences have, this presentation is going to clarify that Kaizan was well aware of ‘modern novel’ and remeasured the distance between a narrator and characters as well as between a narrator and readers when making revisions on manuscripts, which I assume is connected to the effort trying to maintain dialogicality and polyphony in his style.
著者
遠藤 織枝
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.1-27, 2009-03-01

戦時中の日本語の一面を、ルビによって捉えようとするものである。戦時中の家庭雑誌『家の光』は1942年8月号までは、記事全体にルビが振られていた。そのルビで「日本」に「ニホン/ニッポン」のいずれのルビがふられているのかをみると、1935年ごろまでは、すべて「ニホン」であったのが、戦局が激しさを増すと同時にほとんど「ニッポン」に替えられてしまっている。また、「知識階級(インテリ)」のように、外来語が従来語・訳語のルビとして用いられる例が多い。そこから、外来語の定着の仕方をみるものである。つまり、外来語導入の過渡期的なものに、そのような外来語と漢字語の併記がされると考えられるので、当該の語句を当時の新聞・辞書、また戦後の新聞・辞書で使用の実情を調べた。その結果、外来語として、現在の新聞では「知識階級」はほとんど使われず外来語由来の「インテリ」が優勢になっている。一方で「空港(エアポート)」のように戦前の雑誌で併記されていた語の中には外来語でなく、「空港」が圧倒的になっているものがあることがわかった。導入された外来語の中にも、従来語・訳語の方が優勢になっていった語があることを示した。
著者
西川 みどり
雑誌
史論
巻号頁・発行日
vol.10, pp.719-736, 1962
著者
星田 裕司 岡 稔之 大塚 直哉 永松 良仁 井上 豊 坂元 宏聡
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:21888582)
巻号頁・発行日
vol.2015-AVM-91, no.1, pp.1-6, 2015-11-26

毎日放送では,2014 年 4 月に本館に隣接する新館の運用を開始し,その約 1 年後の 2015 年 4 月 20 日より新館のテレビマスター設備から放送を行っている.新マスター設備は,マスター送出設備,番組バンク設備,CM バンク設備,ダイレクト送出設備等から構成されている.また,監視者の負担を軽減しながら,より精度の高い監視が行えるよう様々な自動監視装置を導入する事で,安全で信頼性が高い放送を実現している.
著者
山本 幹雄 貞光 九月 三品 拓也
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.104(2003-SLP-048), pp.29-34, 2003-10-17

混合ディレクレ分布を多項分布パラメータの事前分布とした(合成分布は混合Polya分布)、文脈/文書の確率モデルを検討する。本稿では、混合ディレクレ分布のパラメータおよび適応時に必要な事後分布の期待値推定方法をいくつか述べ、動的に適応する?textit{n}gram言語モデルを用いた実験で確率的LSAのベイズ的な発展モデルとの比較を示す。混合ディレクレ分布や混合Polya分布は他のベイズ的な文脈モデルに比べて単純なので、予測分布を閉じた式で導出可能である。これは、Latent Dirichlet Allocation (LDA)のような他のベイズ的なモデルがいずれも予測分布の推定に近似を必要とする点と比べて、大きな優位性といえる。実験では、混合ディレクレ分布を用いたモデルが低い混合数で比較モデルよりも低いパープレキシティを達成できることを示す。
著者
小手川 良江 本田 多美枝 平川 オリエ 本田 由美 寺門 とも子 八尋 万智子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report = The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing, intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-25, 2010-12-25

本研究の目的は看護師の「職業キャリア成熟」に影響する要因を明らかにすることである。看護師の「職業キャリア成熟」(27点〜135点)に、属性・経験年数・家族の支援・キャリア計画をたてるうえで影響の大きいライフイベント・役割モデルの有無・メンターの有無が影響していると考え、概念枠組みに基づき調査項目を設定した。設置主体が同じである二つの総合病院(A病院509床、B病院301床)に勤務する看護師を対象とし、無作為抽出により374名に調査用紙を配布した。調査は無記名自記式質問紙調査とし、郵送にて回収を行った。分析は記述統計量、t検定、一元配置分散分析、相関分析を行った。結果、「職業キャリア成熟」と経験年数に有意な差はなかった。しかし、全ての経験年数で他の下位尺度と比較して<職業キャリア計画性>が低かった。現在起こっているライフイベントの中でキャリア計画をたてるうえで影響が大きいものとしては、結婚61名(30.7%)、育児49名(24.6%)が多かったが、配偶関係や子どもの有無による「職業キャリア成熟」に有意差は認められなかった。しかし、家族の支援が高い群は有意に「職業キャリア成熟」が高く、家族の支援による影響が示唆された。また、役割モデルやメンターの存在がある群は、「職業キャリア成熟」が有意に高く、キャリア成熟の影響要因であることが示唆された。
著者
福田 健一 フクダ ケンイチ Kenichi Fukuda
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-15, 2011-08

本稿では、雇用における女性保護を男女雇用機会均等法の旧法と新法との比較を中心に論じていくことにする。雇用における女性保護は1972年(昭和47年)に「勤労婦人福祉法」が制定、施行されて保護が拡大していった。国連で成立した女子差別撤廃条約を批准するために1985年(昭和60年)に男女雇用機会均等法が制定、施行された。法律の制定にあたって、旧来とは異なった考え方を取り入れていった。また、それらの考え方も労働基準法にも反映されて妊婦の育児時間、出産前後の育児休暇の規定なども取り入れられた。しかし、この均等法が施行されたが女子差別撤廃条約を批准したことと、1985年(昭和60年)が国連で規定した「女性の10年の最後」の年にあたるためによく議論、検討を重ねて制定、施行したとは言いがたい。なぜなら、多くの「努力目標」があり司法、行政などにより企業が違反してもそれに強制力を持って解決できないようになっている。これでは男女雇用機会均等法の現実的な運用に限界があると言わざるをえない。だから、その後の1999年(平成11年)、2007年(平成19年)の改正で企業の禁止項目を増やし、男女平等を基本としながらも女性保護を進めてきた。少しずつ改善されてきているが現状としては、社会の指導層の中の女性の比率は依然として低いままである。どうして、いまだにそういう状況が継続しているのか。アメリカやカナダの事例も含めて真の男女の雇用における平等を論じて行くことにする。
著者
村松 正和
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.70-73, 2009-01-15
著者
伊藤 毅志
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, 2016-09-01