著者
河原 英紀 榊原 健一 坂野 秀樹 森勢 将雅
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2018-MUS-121, no.1, pp.1-5, 2018-11-14

瞬時周波数と群遅延は,それぞれ位相の時間微分と周波数微分として定義されており,そのままでは,逆三角関数や位相の unwrap という脆弱で効率の悪い演算を必要としていた.Flanagan によって 1966 年に紹介された信号の瞬時周波数を求める式は,これらを必要とせず,群遅延の計算にも応用できることから広く用いられてきた.しかし,マルチメディア処理の普及により,最近の処理系では逆三角関数の計算を高速に実行することができるため,明示的に位相を経由することなく瞬時周波数と群遅延の計算を実装することができようになった.ここでは,サイドローブの減衰が急峻な余弦級数を時間領域の振幅包絡とする解析信号をインパルス応答とするフィルタを用いて有声音の音源を分析する方法を提案する.
著者
小口 純矢 嵯峨山 茂樹
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2018-MUS-119, no.29, pp.1-4, 2018-06-09

本論文は,波形生成モデルである複合ウェーブレットボコーダのさらなる品質の向上を目指す.これまでに我々は,音声分析合成や HMM 音声合成系において,複合ウェーブレットボコーダの安定性を示してきた.ここで,さらに WORLD や STRAIGHT で用いられている非周期性指標のような,音声の準周期性を取り入れることができれば,有声摩擦音やかすれ声のように周期成分と非周期成分の両方を持つ音声を表現でき,高品質な音声を合成できると期待される.本論文では,複合ウェーブレットの基本波形を完全な周期ではなく Jitter を付与した準周期的なパルス列によって駆動させることで実現した.また,主観評価実験により,改良後の音声が改良前の音声より品質が有意に高いことを示した.
出版者
BOC出版部

憲法九条の改悪を許さず、アメリカの世界戦略に奉仕するための軍隊をなくそう 土屋公献「9条世界会議」 松村真澄9条世界会議に取り組んで 小澤久「握手」は「武力」を遥かに超える いちだまり体で動かす9条、9条で動かす体! 安藤博「シンボルとしての9」 成瀬慧「9条世界会議」に辿りつくまで 綿津靖子痛感した メディアへの期待-国際自主企画「憲法9条とメディア」を開催して 丸山重威いままた浮かび上がる「靖国」の闇 9条世界会議「9条・ヤスクニ・歴史『和解』」シンポジウムから 古川美佳憲法9条世界会議、参加者あふれる-場外でも演説、異例の幕開け- 岩垂弘9条世界会議に行ってきました 浮田久子9条世界会議に参加して 松本和美命を大事にしあえる世界に-9条世界会議に参加して- 春田明子9条と世界 鈴村彩「世界」会議だから出会えた! 保坂治男「9条世界会議」を終えて、考える 古川博資人間存在の度しがたさと9条 成瀬政博イラク支援ボランティア 高遠菜穂子ドイツで広がる「9条」の輪 木戸衛一資料戦争を廃絶するための9条世界宣言核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会に対する9条世界会議の声明G8に対する9条世界会議声明報告二〇〇八年 反サミット運動大学と運動の交差する地点から言葉を G8対抗国際フォーラム 入江公康・白石嘉治反サミットキャンプに見たゼネストの情景 栗原康詩 同盟 堀場清子コスタリカ通信2 「軍隊のない国」から 笹本潤窓 「自衛隊イラク派兵は憲法九条一項違反」と宣言した名古屋高裁四・一七判決 田巻紘子岩手から 未明の激震に驚く 伊藤エミ子沖縄から 桑江テル子新潟から 中越震災から四年目の山古志 押見操子<台所の科学力>第4話 足もとから科学しよう(微生物と仲良くしてステキな暮らしを!) 松崎早苗読書室『軍隊のない国家 27の国々と人びと』 矢野秀喜『不在者たちのイスラエル 占領文化とパレスチナ』 中野真紀子TOPICS会と催しあごらのあごら
著者
原田 篤史 漁田 武雄 水野 忠則 西垣 正勝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.1997-2013, 2005-08-15

現行のユーザ認証方式は,汎用性と利便性の高さから文字をベースとしたパスワード方式が主流となっているが,人間にとって長くランダムな文字列を記憶することは容易ではなく,新たなパスワードを設定するたびにユーザは記憶に関する大きな負担を要求される.そのため,人間の画像認識能力の高さを利用して認証情報の記憶の負荷を低減させる画像認証方式が注目されている.しかし,多くの画像認証方式は毎回の認証時にパスワード画像がディスプレイ上に表示されるため,認証時の覗き見攻撃に対して脆弱であった.そこで本論文では,有意味なオリジナル画像に対してモザイク化をはじめとする不鮮明化処理を施すことで一見して無意味な画像を作成し,それをパスワード画像として用いることで覗き見攻撃への耐性を有する画像認証方式を提案する.正規ユーザは,パスワード画像登録時に不鮮明化処理を行う前のオリジナル画像を見ることができるため,不鮮明化されたパスワード画像をオリジナル画像の持つ意味と結び付けて記憶することができる.そのため,認証試行時には画面上に表示される自身の不鮮明なパスワード画像を容易に再認識することが可能となり,記憶の負荷は小さくなる.一方,オリジナル画像を見ることのできない他のユーザが当該ユーザの認証行為を覗き見たとしても,意味を認識できない不鮮明なパスワード画像を記憶にとどめておくことは困難である.また,他者が正規ユーザからパスワード画像の意味を言葉で教えられたとしても,不鮮明なパスワード画像を教えられた意味どおりに認識することは困難であるため,本方式は正規ユーザからのパスワード漏洩に対してもあるレベルの耐性を有する.
著者
稲田 勝幸 イナダ カツユキ Katsuyuki Inada
雑誌
修道商学
巻号頁・発行日
vol.55-2, pp.41-143, 2015-02-28
著者
土田 滉也
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.473-474, 2017-03-16

近年、Amazonのような大規模のショッピングサイトでは、膨大な数の商品を取り扱っている。その中から自分の欲しいものを自力で探し出すのは困難であり、レコメンドシステムが必要不可欠である。現在のレコメンドシステムでは精度の高い推薦が可能になり、ユーザの趣味嗜好に合った推薦結果が得られるが推薦の多様性が失われる問題が発生する。本研究では、その問題を解決するために推薦のセレンディピティ(興味×新規性×意外性)を考慮したレコメンドシステムを提案する。従来の推薦情報に加えて、ディープラーニングを利用した新たなアプローチを組み合わせることで、セレンディピティのバランスのとれた推薦を実現する。
著者
林田 昌子 清野 慶子 伊関 憲
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 医学 : 山形医学 = Bulletin of the Yamagata University. Medical science : Yamagata medical journal
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.57-62, 2011-08-15

キノコ中毒の多くは秋におこり、また集団発生することが特徴である。今回我々は山 で誤って採取したツキヨタケ(Lampteromyces japonicus)により、家族4人が中毒に 陥った症例を経験したので報告する。【症例】(1)79才、男性 (2)76才、女性 (3)48才、女性 (4)15才、男性【現病歴】2009年9月某日、20時頃、母親が山で採ってきたキノコを味噌汁にして家族で 食べた。1時間30分後より嘔気、嘔吐が出現した。A病院受診し、4時間後に当院救急 部に紹介となった。持参したキノコの柄の根元に黒いシミがあることからツキヨタケと 判明した。【来院後経過】4名とも来院時バイタルサインは安定しており、検査上異常所見は認めら れなかった。嘔気・嘔吐が強かったためメトクロプラミド10mg静注、脱水に対して輸液 を施行した。その後経過観察のため入院となった。翌日には嘔気、嘔吐の症状が消失し、経 口摂取可能となった。その後、全身状態安定しており、退院となった。【考察】ツキヨタケの主毒成分はイルジンSである。これまでの報告では、ツキヨタケの 個体によって、イルジンSの重量当たり含有量は異なるとされている。このため、ツキ ヨタケ摂取量と症状は必ずしも相関しないこととなる。 ツキヨタケ中毒の症状としては摂取後30分~1時間より激しい嘔吐、下痢、腹痛がおこ る。重症例では著明な腸管の浮腫や肝機能障害がおこる。 中毒治療としては、毒物を除去するために、催吐、胃洗浄が行われることがある。また、 対症療法として、初期に十分な補液を行う必要がある。4症例とも来院時より細胞外液 の投与を行った。摂取量は異なっているが、発症時期や収束した時期はほぼ同じであっ た。ツキヨタケ中毒の治療は輸液管理が中心となるが、今回の症例も輸液を中心とした 対症療法で治療することができた。
著者
松尾 陽
出版者
近畿大学法学会
雑誌
近畿大學法學 = Kinkidaigaku hogaku: the law review of Kinki University (ISSN:09164537)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.51-96, 2012-03-01

[目次] 0.集団分極化という課題, 1.消費者側の動機という出発点とその憲法学的意味, 2.情報環境の発展とサイバーカスケード, 3.集団分極化と分裂化, 4.集団分極化と民主的憲法論の課題
著者
項 青
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.17, pp.9-23, 1994-10-01

It is said that the question as to whether The Tale of Urashima is Chinese or Japanese arose from its similarity to the Tale of Yamasachi-Umisachi found in The Kojiki. Indeed they share a great many elements. However, the greatest basic difference between them is found in the theme of a time-slip in another world. Since no gap between the passage of time in the other world and the world of humans is visible in the Tale of Yamasachi-Umisachi found in The Kojiki we can perhaps conclude that this element is Chinese.By comparing The Tale Of Urashima with the Tang dynasty romance, Liu-yi-chuan, which it most closely resembles, I have pointed out all of the elements which they have in common in literary expression and god-like recluse Daoist thought and have also taken a look at all of the differences between the two. The Liu-yi-chuan, which was completed in China during the mid-Tang, is both a story of an extended stay in an enchanted garden and a tale of a water-god's home. However, The Tale of Urashima, while having the two above elements, is very different from the mid-Tang Liu-yi-chuan in that it also has a drifting-ashore motif like that of The Tale of Yamasachi-Umisachi in The Kojiki with the driftingashore motif. In addition, in the Liu-yi-chuan expressions concerning the recluse's elixir and immortality are very prominent while in contrast The Tale of Urashima has little to say about the recluse's elixir and brings up only the god-like recluse idea of immortality. I believe that this indicates that there is something of a difference between the understanding and reception of god-liki recluse Daoism in the two countries.Also, the Chinese conception of time often seen in a story of an extended stay in an enchanted garden as in the expression ,"A day in Heaven is like unto a year on earth,"is found in The Tale of Urashima as "three years is like unto three hundred years," or in expressions like "seventh-generation grandchildren," while in Liu-yi- chuan on the contrary such a view of time is not much touched upon. I have investigated the disparity in the use of such expressions.My conclusion is that ancient Japanese adapted the culture which they imported to their concerns, gradually absorbed it by means of their own peculiar method of digestion, and without being conscious of doing so transformed it into a literature written in classical Chinese peculiar to Japan, so that it went through a process of changing into culture or thought which has a thoroughly Japanese flavor.
著者
林 晃平
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.24, pp.33-54, 2001-03-01

There seem to have been several rules untouched in the story in terms of picturing the Urashima legend. Focusing on these, Urashima's clothes of the time when he returned from Ryûgû is one of them. In most picture scrolls Urashima is dressed in eboshi-kariginu, which is usually yellowish brown with some exceptions of which being yellow green. In my opinion, there might have been the rules among painters or the consensus about the image of visitors from a different world.There are cases misunderstanding itself expands the pictures. Some of the picture scrolls of Urashima in the early modem times contain the scene that okina-ôna(an old couple), a woman and Urashima are sitting facing each other. The scene is set between the times he catches the turtle and he stays with Otohime at Ryûgû, but the story doesn't have the description matching the scene. It seems that it happened because the original scene that Ryuô and Otohime welcome Urashima was redrawn as if the scene is set in our real world. Also, in the picture of his journey to Ryûgû, a boy is rowing the boat which is originally supposed to have only a woman aboard. It can be also guessed that the boy Urashima was described as a man with sakayaki and, with a lag between pictures, the picture was redrawn as the one explained above.The typical model of Urashima legend described from the early modern times to the modern times is Urashima Tarô riding a turtle, which already started in the early 18th centruy. It's often drawn in kusazôshi and nishikie. What is strange is Urashima riding the turtle standing on it. This may be because of making it look like “Bodhidharma crossing the Yangzi River on a reed”, and the turtle leading Urashima to Ryûgû is a minogame, which is regarded as sacred and appeared in the 17th century. The minogame was gradually turned into a normal turtle based on the idea of emphasizing the relationship with the sea as the meaning of minogame died out, but you can still find the turtle with a reedy tail in the present illustrated books.As you see, the style of Urashima legend described in the pictures had been changing through the years. The pictures change by themselves apart from the main story and it seems that they sometimes caused the story to change.
著者
藤波 大三郎
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The Journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-32, 2019-03-08

アベノミクスの金融政策によりわが国はデフレを脱却しつつあり、物価は徐々に上昇し、円高と呼ばれる状況はなくなった。デフレの原因については様々な論争があるがインフレ目標を設定した大胆な金融緩和政策が物価の上昇と雇用情勢、企業利益等に効果があった点からはデフレは短期的にも基本的には貨幣的現象であるが、賃金が上がりにくく、インフレ目標が未達の点からは金融市場と労働市場等の制度的問題と言える。労働市場が流動性の高い市場に変化すれば賃金は上昇しやすくなるが、かつての日本的経営を支えた株式持合いの解消、株主の声の復活を踏まえて、新しい企業経営、雇用制度、公的保障等の総合的な見直しと再構築が求められている。
著者
井上 章一
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日越交流における歴史、社会、文化の諸課題
巻号頁・発行日
pp.97-102, 2015-03-31

日越交流における歴史、社会、文化の諸課題, ハノイ, 2013年11月13日-15日
著者
林山 剛久 柳井 啓司 野下浩平
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.34(2002-CVIM-133), pp.161-168, 2002-05-09

テレビ放送からの自動情報抽出の研究の一例として、本研究では、囲碁対局テレビ番組から画像認識によって自動的に対局棋譜を生成するシステムを提案する。システムは、囲碁対局番組の画面画像を取り込み、画面中の囲碁盤の位置を検出し、置石(囲碁盤上に置かれている石)を検出して、囲碁対局の棋譜の自動生成を行う。対局中の画面画像を認識する際には、対局画面とそれ以外の対局には直接無関係な画面の識別や、囲碁盤上に現れる指し手の手や頭などの置石以外の物体の除去などの、囲碁対局テレビ番組の特有の問題点に対する対処を行う。我々は、実装したシステムを用いて、実際の11対局分の囲碁対局番組に対して実験を行い、96%の適合率と83%の再現率を得た。