著者
ツゥリト ジョン
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:ISSN0387)
巻号頁・発行日
no.4, pp.24-33, 1981-02-01

The tradition of diary literature, nikki bungaku, is a long and distinguished one within Japanese letters. Critical attention, however, has focused on classical diarists and not those of modern times. lbuse Masuji (bn. 1898) is one such present-day writer whose diaries, both his own and those kept by his fictional characters, are of interest not only for what they reveal about the author himself, but for what they may imply about the very nature of the genre.Ibuse’s own personal diaries frequently recall ―and in a sense, thus memorialize and revive― his unusually numerous friends and relatives who died premature deaths. lbuse’s diaries may be a means of expiating a kind of guilt he experiences as their survivor ; a guilt more fully explored in his fictional diaries, the most notable of which is Shigematsu's in Black Rain (Kuroi ame). Here, a survivor of the atomic holocaust in Hiroshima attempts to conceptualize, and thereby master, the trauma of the bomb by rewriting years later his brief diary of August, 1945.In conclusion, diaries, which by their periodic entries come to resemble a ritual, serve to bring a disorderly or even incomprehensible external world under the control of the writer's literary and recreative act.
著者
桑本 裕二
雑誌
秋田工業高等専門学校研究紀要
巻号頁・発行日
vol.38, pp.113-120, 2003-02-28
著者
我妻 敦 原田 将旗 森田 一 古宮 嘉那子 小谷 善行
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2014-GI-31, no.12, pp.1-3, 2014-03-10

麻雀において,捨てると相手に上がられてしまう牌を正しく推定し,捨てないことにより損しないことは重要である.本論文では現在局面での牌の情報の特徴により SVR を用いて,捨てないことを決めるための牌の危険度を求めるという手法を提案する.評価方法として,人間が選択した牌とシステムが推定した牌の一致率を調査した.結果は危険度が最大の牌についての一致率は平均で 13.4%,危険度が最小の牌についての一致率は平均で 43.3%となった.
著者
石川 義之 Yoshiyuki ISHIKAWA
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-35, 2008-01-31

本稿では,身体的虐待を中心に,子ども虐待の基礎理論を展開する。基礎理論の構築は,子ど も虐待への対応において重要な役割を果たすであろう。主な内容は,以下のとおりである。
著者
苅谷 剛彦 Kariya Takehoko 東京大学大学院 Graduate School University of Tokyo
雑誌
教育社会学研究 = The journal of educational sociology (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.63-73, 1981-09-12

The problems of "school as organization" have been studied mainly from the viewpoint of school administration and education administration, in the field of educational research in Japan. But such studies have taken interest in the organization of school staff to rationalize school administration. Therefore they have not treated the more elemental problem - How do schools organize the behaviour and learning activities of their pupils ? This article aims to explore its elemental mechanism of school organization, forcusing on Japanese high schools. In the social context which contain the school organization objectively, the school staff members organize the educational activities subjectively. How do they organize the school ? It is the problem for me to explore the mechanism. At the first, I review the study of Ronald Kings "School Organization and Pupil Involvement". Then I point out the important point of his study. It is that he treated organizing schools as teachers' subjective "action". And I point out the limit of his study. It is that his analysis was based on the static bureaucratic model. To get over the weakness, I look into the decision-making process about organizing educational activities. For this purpose, I review the study of March, J.G. &amp Simon, H.A.s' Organization". They pointed out that the decision-making is based on staffs "definition of situation". And based on the study of Becker, H.S. et al., I point out that "group perspective" orientate "definition of situation". So I can say that teachers' group perspectives control the decision-making process about organizing educational activities. After reviewing such studies, I propose the hypothetical model which can explain the mechanism of Japanese high school organization in the schools' hierarchical structure dynamically.
著者
宮森 勇作 川村 秀憲
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-184, no.5, pp.1-2, 2016-07-29

人物姿勢推定の研究では,多層の畳み込みニューラルネットワークを用いることで最高水準の姿勢推定を実現している.畳み込みニューラルネットワークの学習には,ラベル付けされた膨大な数のデータセットが必要である.しかし,現実世界で膨大な数のシチュエーションの人物画像を用意するのは難しい.より多くのシチュエーションの人物画像と姿勢情報を同時に自動生成する仕組みを作り,生成されたデータセットを教師データとして機械学習を行うことでより正確な人物姿勢推定が可能であると考えられる.本研究では,学習に十分な数のデータセットを用意するために,3DCG を用いて人物画像と姿勢情報を自動生成した.生成したデータセットを教師データとして深層学習を行った.また,現実の人物画像に則した姿勢推定モデルとなるか否かを検証する前段階として 3DCG の人物姿勢の推定を行い,精度検証を行った.
著者
金子 仁美 川上 大輔 嵯峨山 茂樹
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2010-MUS-85, no.7, pp.1-8, 2010-05-20

我々は,楽曲の和声解析の記述仕様 (“KS notation”) を策定し,機能和声解析を行ってデータを作成し,その統計解析を行った.和声推定は自動採譜や楽曲検索など多数の目的に有用で,その和声進行の確率モデルの作成と統計学習のために有用である.また,音楽学的な見地からは,和声学の規則や傾向などが計量的に検証でき,時代や作曲者や楽曲スタイルを和声学的に解明する基礎となろう.機能和声記述のために,和音,転回,借用和音,省略,変位,転調,付加音などの記述を可能とし,さらに楽譜なしで演奏が可能なように音価も表現した.また,人間とコンピュータ双方の可読性の両立させコンパクトに表現できるようにした.データ作成には,RWC 音楽データベース所収のクラシック曲 50 曲について,人手により機能和声解析してデータを作成した.そのデータを統計解析し,音楽的な知見から説明を試み,機能和声モデルが従来のモデルより工学的和声モデルとして優位であることを示す.
著者
落合 桂一 深澤 佑介 松尾 豊
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2017-DPS-171, no.7, pp.1-7, 2017-05-25

スマートフォンの普及を背景に位置情報サービスが注目されている.位置情報サービスは現地に行くことで利用が可能となるものもありコンテンツ配置がユーザの行動に影響を与えると考えられる.そこで,本研究では Pokemon Go を例として位置情報サービスの利用によるユーザの行動変化を分析する.具体的には Foursquare のチェックインデータを用いて,チェックイン回数や時間帯,訪問したスポットの傾向やカテゴリの傾向,移動距離などを,サービス利用前後および利用者と非利用者で比較し特徴を分析する.
著者
田中 キャサリン Kathryn TANAKA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.89-124, 2016-03-31

幸田露伴『對髑髏』(1890年)は、ドイツ語や英語でも翻訳出版されているにもかかわらず、欧米でも日本でも露伴の他の作品に比べると研究はわずかである。まず、本作は、単純なプロットでありながら、古語による文体が用いられ、古典作品からの引用も多く、仏教思想や中国哲学の参照を要請する緻密な言語で構成されている。本作は浪漫主義・神秘主義の作品として分析されてきたが、作中のハンセン病(癩病)描写は、現代社会の寓意として理解することができる。その他の作品においても、文学作品でのハンセン病描写は、病気や帝国主義における不安と解釈することでより広範な意味を持つ言説と見なすことができる。続いて、ロッド・エドモンドの画期的な研究は、ハンセン病と帝国主義の関係を論じ、1890年代~1930年頃のイギリス文学におけるハンセン病表象には、植民地が帝国にもたらす脅威への不安が反映されることがあると実証してきた。エドモンドの研究をふまえ、本論は西洋と日本における幽霊譚を描く怪奇小説を比較し、それらの共通点および相違点、そしてその寓意に注目し、作品におけるハンセン病患者表象の重要性を論じる。西洋の作品としてコナン・ドイルやキップリングらの作品分析を行い、それらと『對髑髏』の比較を通じ、本論は露伴の『對髑髏』が現代の怪奇小説の原型であると捉え、露伴の革新性の考察を通じて、文学作品における病の役割や帝国観の一端を明らかにする。