著者
白濱勝太 三神山駿 森本哲郎 西田純二 上善恒雄
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2014-EIP-63, no.2, pp.1-6, 2014-02-14

近年急速に普及しているスマートフォン等の Wi-Fi 通信機能を持つ機器は、Probe Request という管理パケットを定常的に発信している。その管理パケットから端末の MAC アドレスを得て、情報端末を持つ人の移動履歴情報を収集することが可能である。使い方を誤れば個人のプライバシ侵害にもつながるが、十分な配慮をすれば地下街や建物の中でも人々の流れをセンシングし、都市での人々の活動を知る重要なビッグデータのソースとして活用できる。我々は、街中に大量に存在する情報端末から MAC アドレスを取得直後に一方向ハッシュ関数等で処理するセンシングデバイスと統計解析システムを開発した。当面の応用として、デジタルサイネージの広告効果や節電を考えた動的な広告管理システムの開発を目標にしている。本論文では、Probe Request を利用して得た人流の傾向に従う動的デジタルサイネージに関する基礎的な実験について報告する。
著者
角田 史記 加藤 学 大塚 理恵子 助田 浩子 大関 一博
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.187-196, 2013-06-28

鉄道で輸送障害が発生すると多くの利用者に影響を及ぼすため,鉄道事業者はその影響を最小化すべく様々なオペレーションを行う.このとき,利用者が実際に受けた影響から輸送障害を定量的に評価できれば,利用者視点でオペレーション改善を検討できる.しかしこれまで,鉄道事業者において輸送障害を評価する方法としては,運休した列車本数や運転再開時刻等オペレーションにおいて直接把握できるデータが一般的であり,利用者が受けた影響を確度高く定量化して把握することは困難であった.一方,急速に普及した交通系ICカードのログデータにより,利用者の鉄道空間における所要時間を測定することが可能である.本研究では,交通系ICカードのデータを利用して,各区間,各時間帯の利用者群の所要時間を集約して解析することで,鉄道輸送障害時に利用者群が実際に受けた影響を定量化する方法および鉄道事業者におけるオペレーション改善のための応用を検討した.
著者
中野 由章 當山 達也 兼宗 進
雑誌
情報教育シンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.173-175, 2013-08-11

教育用プログラミング言語ドリトルの処理系を、マイクロソフト社の入力デバイスである Kinect の計測値を読み取れるように拡張している。ユーザーのプログラムから、関節の座標値の入力を行うことが可能である。今回は、身体を使ったゼスチャーから、どの程度文字の入力が可能になるかを検証する。発表では、試作した複数の方式を比較しながら検討する予定である。
著者
小沢 一文 海野 啓明
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.24(1989-HPC-032), pp.1-8, 1990-03-17

多倍長浮動小数点数の高速な除算法を提案する。この計算法を用いると乗算と同じ速さで除算が実行できる。ここで提案するのは、O(n^2)(nは桁数)のアルゴリズムであり、我々が紙と鉛筆によって行なう方法(divide-and-correct法)を用いている。divide-and-correct法では、(単精度数)×(多倍長数)という演算がn回行なわれるが、ここではこの計算過程を省力化することによって高速化を達成している。時間計算量の解析を行なった結果、本アルゴリズムはニュートン法を用いる方法の3倍高速であることが判明した。また誤差解析の結果、本アルゴリズムの相対誤差はmachineεのオーダであることが判明した。
著者
林 慧 前川 卓
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2013-CG-153, no.9, pp.1-6, 2013-11-21

レゴブロックは楽しみながら作品を組み立てることを通して創造力を養うことができることから,子供から大人まで幅広い世代の人々に親しまれている.その中でも,基本ブロックのみで組立てられる大きな立体作品はレゴスカルプチャーと呼ばれ,世界中の人々を魅了している.しかし,初心者が同じようなものを組立図なしに組立てることは困難である.本研究では,複雑な形状の物体を多視点から撮影した複数の画像から,レゴの単位ブロックである縦,横,高さの比が 5:5:6 の直方体を単位ボクセルとして Shape From Silhouette 法を用いて色情報を含んだボクセルモデルを構築し,レゴブロックに変換する.その際,表面ボクセルからの厚さが一様となるように,内部ボクセルを削除し,出来る限り最少ブロック数で組立図を自動的に生成する方法を提案する.
著者
中野 由章
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.325-329, 2014-03-15
著者
石川 義之 イシカワ ヨシユキ Yoshiyuki ISHIKAWA
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.205-213, 2012-01-31

われわれは、2008年に1009名の男女(有効回答数750名)を対象に、「ジェンダーに関するアンケート」を実施した。本稿では、このアンケート調査結果を踏まえて、ドメスティック・バイオレンスの見聞、身体的虐待、性的虐待、ドメスティック・バイオレンス、セクシュアル・ハラスメントという5種の人権侵害被害の現状を分析する。第1に、それぞれの人権侵害被害ごとにその普及率や相談の有無などについて分析する。第2に、これらの5種の人権侵害被害を包括した全体についての総合的考察を行う。ここでは、人権侵害被害全体が性別、年齢などのデモグラフィックな要因とどのような関係にあるのか、また家庭の貧困や家庭・職場でのストレスとどのように関連しているかなどが検討される。人権侵害被害の総合的全体分析を試みた点に本稿の独自性が見出せるであろう。
著者
池谷 知子 久津木 文
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究会
雑誌
Theoretical and applied linguistics at Kobe Shoin : トークス (ISSN:13434535)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.27-45, 2014-03-05

日本語を学ぶ外国人が苦労するものとして「日本語の中のカタカナ」が挙げられる。本研究では英語母語話者の日本語学習者55人に次の6組のカタカナ語と非カタカナ語の使い分けについての研究調査を行った。カテゴリー1 Bottle ボトルと瓶カテゴリー2 Brush ブラシと筆カテゴリー3 Glove グローブと手袋カテゴリー4 Potato ポテトと芋カテゴリー5 Tea ティーとお茶カテゴリー6 Ticket チケットと券その結果として以下のことがわかった。1. カタカナ語に関して、非カタカナ語に対応する語がなく「ペットボトル」「歯ブラシ」のように指示対象物の名称の中にそのカタカナ語が入っていれば、カタカナ語を選びやすい。2. 日本的なものは非カタカナ語、そうではないものはカタカナ語を選ぶ傾向がある。3. カタカナ語と非カタカナ語のどちらを使えばよいのか不明な場合、英語の母語の知識を生かして、それと対応するカタカナ語が選択されやすい。4. 日本語学習者は材料や形態など、独自の使い分けの基準を適用して判断することがある。5. 一般的に、カタカナ語と非カタカナ語の使い分けは辞書に書いていないことが多いことから、その情報にどのくらいアクセスできるかが習得の鍵になっている。
著者
Grimbergen Reijer
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2006論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.70-77, 2006-11-10

In this paper it will be explained how to use bitboards for move generation in shogi. In chess, bitboards have been used in most strong programs because of the easy representation of a chess board by a single 64-bit integer. For shogi, a less efficient representation has to be used because a shogi board has 81 squares instead of 64. A representation with an array of three integers is proposed, where each integer represents 27 squares of the board. This representation is then used for move generation in a similar way to the methods used in chess, for example by using rotated bitboards for generating the moves of the sliding pieces rook, bishop and lance. A comparison of move generation speed between the method using bitboards and by using the more common method of attack tables showed that by using bitboards the move generation speed of the program Spear was improved by 48.8%.