著者
中 雅生 津田 康晴 岡村 阿里沙 兼宗 進
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CE-123, no.3, pp.1-6, 2014-02-01

コンピュータサイエンスアンプラグドは、カードや天びんなどのコンピュータ以外の教具を使うことで、情報科学の諸概念を小学生から理解できるように工夫された教育手法である。今回我々は絵カードを用いたゲームを通して平均情報量の概念を学習できる教育教材を作成した。その内容を紹介し、小学生向けの科学イベントで利用した結果を報告する。
著者
津田 祐輝 孔 全 前川 卓也
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.378-388, 2014-01-15

本論文では,Wi-Fi位置計測における大きい誤差を持つ計測エラーの検出,修正を行う手法を提案する.Wi-Fi位置計測において,参照するアクセスポイントの移動や位置データベースの劣化により,数十mを超える計測誤差が発生することがある.提案手法では,過去のWi-Fi計測位置の履歴から現在位置を推定し,Wi-Fi計測位置と比較することでWi-Fi計測エラーを検出,修正する.このとき,ユーザのコンテキストによって,位置推定の性能が大きく変化するため,様々な特性を持つ位置推定手法を複数用いることで,コンテキストアウェアなエラー検出フレームワークを構築する.評価実験では,実際に様々なコンテキストを想定して,収集したWi-Fi位置計測データを使用し,提案手法の有効性を検証した.
著者
内山 彰 勝田 悦子 上嶋 祐紀 山口 弘純 東野 輝夫
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.389-398, 2014-01-15

GPSは多くの携帯端末に搭載され,我々の生活に欠かせないものとなっているが,都市部においてはビルなどの障害物による遮蔽や反射・回折の影響を受け,測位誤差が大きくなることが知られている.そこで本研究ではGPSの見通し状況と建物の3次元モデルを利用した位置精度向上法を提案する.提案手法では建物の形状や配置により,各GPS衛星の見通し状況が地点ごとに決まることに着目する.衛星の見通し状況は,スマートフォンなどで一般に取得可能なGPS信号のSignal to Noise Ratioに基づき推定する.建物の3次元モデルに基づき,衛星の見通し状況を各地点において事前に計算しておき,フィンガープリントを構築する.構築したフィンガープリントと,GPSの受信状況から判定した見通し状況とのマッチングを行うことで存在領域を絞り込み,位置精度向上を図る.大阪駅周辺で取得したGPSログを用いて提案手法の性能を評価した結果,平均正解率81%でGPS測位結果の誤差範囲に対して17%相当の領域に絞り込みが可能なことが分かった.
著者
翠 輝久 河原 達也 正司哲朗 美濃導彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3602-3611, 2007-12-15

音声が主要なモダリティである環境において,自然言語で記述された文書を知識源として,インタラクティブにユーザに情報を提供する枠組みを提案する.これは,現在のオーディオガイダンスのように,システム側から一方的に情報を提示するのではなく,ユーザ・システム双方が対話の主導権をとりながら,インタラクティブに情報検索・提示するものである.そのために,ユーザ主導の検索・質問応答(pull)モードと,システム主導の提示(push)モードを用意して,ユーザの状態に応じてこれらを切り替える.検索・質問応答モードでは,漠然とした検索要求に対して文書を要約して提示したり,特定の情報・事実を求める質問に応答したりする機能を実装した.また,提示モードにおいては,システム側から,ユーザにとって有用な話題を動的に選択して,質問形式を用いて提示する方法を考えた.以上の枠組みを,顔認証機能を有するロボットエージェントに統合し,京都の観光案内システムとして,京都大学博物館の企画展示において運用を行った.3 カ月の運用期間中,のべ2 500人のユーザの利用があった.収集された対話を分析・評価した結果,提案手法がおおむね有効に機能していることを確認した.
著者
名坂 康平 加藤 岳久 西垣 正勝
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2012-DPS-150, no.28, pp.1-6, 2012-02-22

近年,スマートフォンの利用者は急激に増加している.スマートフォンは様々な情報にリアルタイムでアクセスできるが,その便利さの一方で利用者のマナーの悪さが原因となった事件や事故も多発しており,特に歩きながらの操作といったユーザの不注意によって発生する事故が問題となっている.本稿では,この “ながら歩き” に着目し,事故の原因となりうる状況でのスマートフォンの利用を検出し,利用を強制的に停止させることで事故を未然に防ぐシステムを提案する.
著者
馬場 隆 橋田 光代 片寄 晴弘
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-91, no.14, pp.1-6, 2011-07-20

指揮システム“VirtualPhilharmony”は,実際にオーケストラを指揮する感覚に焦点を当てた指揮システムである.指揮経験者が有する,オーケストラ指揮に関するヒューリスティクスを導入することにより,従来のシステムでは得られなかった指揮感覚がプレイヤに提供される.ヒューリスティックに構築されたオーケストラの演奏モデルとプレイヤ (指揮者) とのインタラクションにより,演奏を生成する.演奏は本番モードとリハーサルモードからなる.リハーサルによって指揮者とオーケストラとのコミュニケーションを図ることにより,よりプレイヤの意図に即した演奏を提供する.
著者
森 章司
出版者
東洋大学文学部
雑誌
東洋学論叢 = Bulletin of Orientology (ISSN:03859487)
巻号頁・発行日
no.26, pp.166-145, 2001-03
著者
山田 隆行 合志 清一 越前 功
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.531-541, 2014-01-15

盗撮やカメラの写りこみによるプライバシー侵害を,被撮影者側から防止する手法を提案する.カメラ付き携帯端末の普及や,SNSや画像検索技術の進展により,無断で撮影・開示された写真を通じて,被撮影者がいつ・どこにいたかという情報が暴露されることになり,被撮影者のプライバシー保護が求められている.従来手法は被撮影者の顔面の隠ぺいや着色により顔面を変える必要があるため,物理空間における人対人のコミュニケーションに支障をきたすという問題があった.本論文では,被撮影者のプライバシーを保護するために,人間の視覚とデジタルカメラの撮像デバイスの感度特性の違いを利用したウェアラブルデバイスを被撮影者が着用することで,人の視覚に違和感を与えずに,撮影された画像からの人物の同定を不能にする手法を提案する.提案手法を実装したウェアラブルデバイス(プライバシーバイザー)を用いて10名の被験者による顔検出の評価実験を行った結果,プライバシーバイザーが被験者の顔を効果的に未検出にできることを確認した.
著者
宮部 真衣 灘本 明代 荒牧 英治
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.563-573, 2014-01-15

近年,マイクロブログの普及にともない,マイクロブログを用いた個人での情報発信が増加している.2011年3月11日に発生した東日本大震災においては,Twitterに多くの情報が投稿された.Twitterでは,重要な情報が伝搬された一方で,様々な流言の拡散も多数行われた.特に災害時は,流言が救援活動などに悪影響を及ぼす可能性が高いため,流言の広がりにくい環境を作る必要がある.本研究では,マイクロブログ上の流言に対して,どのような対応がされているかを調査した.また,人間によって発信される訂正情報に着目し,訂正情報に基づいて流言情報を収集・提供することにより流言拡散を防止するサービスを構築した.本提案手法では,流言であることを指摘する表現(流言マーカ)を含む情報を収集し,それらが訂正情報であるかどうかを判定する.平常時のツイート,災害時のツイートを用いて,構築した訂正情報分類器の判定精度を検証した結果,平常時を含めたデータを用いることで,平常時・災害時のどちらでも高精度な判定が期待できることを示した.
著者
秋山 博紀 安村 通晃
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2011-HCI-142, no.13, pp.1-8, 2011-03-10

近年,Amazon 社の Kindle や Apple 社の iPad の登場により,電子書籍はより身近なものになった.特に日本国内でも電子書籍市場規模は右肩上がりで拡大しており,電子書籍の重要性が高まっていることが分かる.しかし,従来の電子書籍は紙の書籍同様,一人のユーザーが読み,自分のためにコメントなどを付加できるもので,他の読者とコメントなどを共有できるものではなかった.コメントやブックマークなどの書籍に関連したアノテーションを他のユーザーと共有することで,書籍の特定の箇所に関わる議論や疑問の解決や要点の抽出など,電子書籍ならではの新しい書籍の読み方が提案できる.本研究で提案および実装を行った “libenote” は電子書籍に対してアノテーションを付加し,それらを共有することでユーザー間の知識共有を図る,電子書籍のための統合プラットフォームである.本稿では,印刷された書籍に対する読者の書き込み調査を元に提案を行い,設計と実装について述べる.
著者
斉藤 英樹 笹木 美樹男 金山 幸礼 伊東正篤
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.87(1993-CVIM-085), pp.33-40, 1993-09-30

自律移動ロボットが停止時に対象物の位置姿勢を高精度に認識する手法として、対象物から既知の位置に特定図形を設置するマーカ方式に焦点をあて、その高速化とロバスト化について報告する。まず、自律移動ロボットの動作環境について述べた後に、シンプルな幾何形状を用いたマーカ方式の原理とその性能を解説し、従来方式と比較する。次にマーカの大きさ、形状、カメラ位置、測定精度等の影響を仮想FAルームと呼ぶグラフィクス環境でシミュレーションした結果を示す。最後に実機による検証結果を示す。
著者
中野 達彦 中西 恒夫 田頭 茂明 荒川 豊 福田 晃
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2013-MBL-66, no.11, pp.1-6, 2013-05-16

センサの小型化,低価格化,高精度化に伴うセンサネットワーク技術の発展の影響は農業にも及び,勘と経験の農業技術の見える化と農作物管理の高度化・高効率化を目指す環境情報モニタリング環境が構築されつつある.我々は,他のどのセンサノードともマルチホップ無線通信によるデータ通信ができずに孤立するセンサノードが存在するような農業疎密無線センサネットワークにおいて農業技術の見える化を試みることを想定し,オープンソースハードウェアの Arduino を採用し費用を最小限に抑え,さらに太陽光と風力によるハイブリッドなエナジーハーベストによって電源を確保し,超音波距離センサあるいは 315MHz 無線通信を用いた起床で実現する省電力な Data MULE によってデータ通信を行うセンサノードのプロトタイプを開発した.さらに,稼働時間に関して試算した結果,エネルギー供給は太陽光と風力で,動作に支障なく十分に賄えることがわかった.

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雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, 2014-01-15
著者
天沼 寧
雑誌
大妻女子大学文学部紀要
巻号頁・発行日
vol.16, pp.31-49, 1984-03