著者
千葉 拓 瀧井 猛将
出版者
名古屋市立大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1998

食品紅花中にはセロトニン誘導体(N-(p-coumaroyl)serotonin(CS),N-ferutoyserotonin)の他、ポリフェノ-ル類に含まれる抗酸化物質が存在する。これらのセロトニン誘導体がグラム陰性菌のエンドトキシンリポ多糖(LPS)刺激によるヒト末梢単球からの炎症性サイトカインの産生を抑制する以外に、細胞増殖促進活性ももっていることを見出したのでその機序を明らかにする。そして、病気の予防、創傷治癒、また、抗炎症剤としての創薬の基礎的研究を目的とする。本研究では以下の点が明らかになった。1)LPSで活性化させた単球/マクロファージから産生される炎症性サイトカインであるIL-1α,IL-1β,IL-6,TNFαは、CS50μMで約50%、200μMで完全に阻害された。この効果はタンパク量レベル、mRNAレベルでも同様だった。2)CS類似化合物として、N-(p-coumaroyl)-tryptamine(CT),N-(trans-cinnamoyl)tryptamine(CinT)とN-(trans-cinnamoyl)serotonin(CinS)を合成し、抗酸化活性の構造活性相関を調べたところ、serotoninに付いている水酸基が抗酸化活性に関与していることが明らかになった。3)LPS刺激ヒト末梢単球からのIL-1α,IL-1β,IL-6,TNFαの産生抑制作用は、CS>CT>CinSの順で強められたが、CinTには作用が認められなかった。4)タンパク合成阻害作用は、CS,CTの方がCinS,CinTよりも強く認められた。5)正常なヒトやマウスの線維芽細胞増殖活性は、CS,CinS,CT>CinTの順であった。6)CSは、酸性の線維芽細胞成長因子(aFGF)や血小板由来の成長因子(PDGF)ではなく、塩基性の線維芽細胞成長因子(bFGF)や上皮成長因子(EGF)と共同して線維芽細胞を増殖させることが明らかになった。7)ラットの熱傷創に対する創傷治療速度について、我々が作製したCS軟膏やCinT軟膏,それに市販のゲーべンクリームを用いて調べたが,自然治癒に比べて著しい治癒効果はみられなかった。
著者
三枝 淳 森信 暁雄 河野 誠司
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

関節リウマチ(RA)の関節破壊に関与している滑膜細胞(RA-FLS)の細胞内代謝に着目して研究を行い、以下の知見を得た。1. RA-FLSではグルタミナーゼ(GLS)1の発現が亢進しており、GLS1阻害によりRA-FLSの増殖は抑制された。2. GLS1阻害薬の投与により、関節炎モデルマウスの関節炎は抑制された。以上より、グルタミン代謝はRAの病態に関与していることが示唆され、GLS1は新たな治療標的と考えられた。

1 0 0 0 OA 軍縮?

著者
伊藤正徳 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1929

1 0 0 0 OA 加藤高明

著者
伊藤正徳 編
出版者
加藤伯伝記編纂委員会
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1929

1 0 0 0 OA 軍縮読本

著者
伊藤正徳 著
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
1934

1 0 0 0 OA 新聞五十年史

著者
伊藤正徳 著
出版者
鱒書房
巻号頁・発行日
1943

1 0 0 0 OA 外交読本

著者
伊藤正徳 著
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
1934
著者
宮園 浩平
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.162-166, 1999-03-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
27

Transforming growth factor (TGF)-βスーパーファミリーの因子にはTGF-βの他, アクチビン, 骨形成因子 (bone morphogenetic protein) などが含まれる. これらの因子は in vivo では生体の形づくりなどに密接に関わっている. TGF-βスーパーファミリーの蛋白質は2種類のセリン-スレオニンキナーゼ型レセプター (I型とII型) に結合し, この結果, Smad と呼ばれる一群の蛋白質が活性化される. Smad はその構造と機能から R-Smad, Co-Smad, Anti-Smad の3つに分けられる. 活性化されたTGF-βI型レセプターはR-Smad (Smad2やSmad3) と直接結合する. この結果, R-Smad のセリンがリン酸化され, Co-Smad であるSmad4と複合体を作り核内へ移行して, 標的遺伝子の転写を調節する. Smad複合体はさまざまな転写因子と複合体を作って間接的にDNAと結合するが, 一方でSmad3やSmad4はDNAに直接結合する. さらに Smad は転写の coactivator であるp300/CBPとも結合し大きな複合体を形成する. これに対し Anti-Smad はレセプターによるR-Smad の活性化を抑制する働きをもつ. Smad はこうして標的遺伝子の転写を調節し, 細胞の増殖抑制や, 分化・アポトーシスの制御などを行っている. TGF-βレセプターや Smad の異常は大腸癌や膵臓癌の進展と密接に関わっていることが最近明らかとなった.
著者
佐藤 泉美 牧野 春彦 下妻 晃二郎 大橋 靖雄
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.132-139, 2014

<b>【目的】</b>乳がん専門医によるうつ病診療の実態調査 <b>【方法】</b>乳がん専門医352名に, うつ病診療状況に関する調査票を郵送した. <b>【結果】</b>110名(31.3%)から回答を得た. 乳がん患者のうつ病罹患割合は, 90%の医師が20%以下, 約半数が5%以下と回答した. 第一選択薬はベンゾジアゼピン系抗不安薬(BZD)が最多で(41.5%), 次が選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)だった(30.9%). BZD使用の医師は, 使用経験の豊富さ(オッズ比[OR] 8.20), 安全性(OR 6.27)で選んでおり, SSRIは, 効果の高さ(OR 7.07)で選ばれていた. <b>【結論】</b>乳がん専門医の乳がん患者のうつ病診療では, 調査票に基づく診断や薬物療法等において高い水準の医療が均しく行われているとは言い難く, 精神科系専門家との連携も含め, 診療環境整備の必要性が示唆された.