著者
五十嵐 由利子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.4, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 住宅の断熱・気密化が進められ、その住宅性能に合致する暖房方法が増加してきているものの、開放型暖房器具による各室暖房が多い現状である。そこで、本研究では、開放型暖房器具使用時の二酸化炭素濃度(以下、CO2濃度)の実態を把握し、適切な換気方法の提案のための基礎データを得ることを目的に、昨年度は実住宅を対象に開放型暖房器具使用時のCO2濃度が高くなっている現状を報告したが、本報では、換気による効果も合わせて報告する。 方法 新潟市内の2000年建築された住宅1戸を対象に、CO2濃度、温度、湿度が記録できる小型自記記録装置を用いて実測調査を行った。測定を行ったのはLDK(14畳、石油ファンヒーター使用)と居室(大学生の個室、6畳、石油ファンヒーター使用)で、2013年11月8日~12月18日まで測定を行った。なお、居住者は3世代6名で、日中は高齢者夫婦がLDKで過ごしている。結果 LDKでは8~21時まで継続しての暖房が多く、室温は22℃前後、湿度は50%前後であった。CO2濃度は、暖房開始直後の上昇が大きく、7,000ppmを越えることも多かったが、その後は5,000ppm前後で変動していた。一方、居室では間欠暖房のため、暖房開始後の室温上昇とともに10,000ppmを越えることもあり、非暖房時の最低でも1,000ppmを超える日が多かった。居室での換気を廊下の扉開放、窓開放など試みたが、窓の施錠をせず僅かな換気量の継続が効果的であった。
著者
[ウネ]村 泰樹 藤岡 秀一 今井 貴 鈴木 旦麿 三澤 健之 村井 隆三 吉田 和彦 小林 進 山崎 洋次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.2643-2648, 1999-12-01
被引用文献数
2

今後,day surgery (DS)への移行が予測される腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)施行患者の意識調査を施行した.希望入院時期は術前日:55%,2∼3日前:43%,術当日:2%であり,また当日入院は忙しさよりも個々の価値観から派生すると考えられた.83%以上が入院期間延長による負担増額を気にせず入院していた.民間の保障制度には80%が加入し,うち86%が請求していた.術後入院期間短縮を考慮する負担増額は1万円/日程度と思われた.術後入院期間は全例で4.5±1.9日,非常に多忙,多忙,やや余裕あり,余裕ありそれぞれ3.7±0.8,4.3±1.9,4.5±1.9,5.2±2.0日で,余裕のある者で有意に長かった.しかし体験した程度でよいとする者が87%を占め,短縮希望者は8%に止まった.うち自己負担額の増域によらず積極的に早期退院を望む者は全体の3%に過ぎなかった.現行医療保険制度内では,本調査施行患者はLCのDS化にあらゆる面で肯定的とは考えられなかった.
著者
Hirotugu Akaike
出版者
Japanese Society for Bioinformatics
雑誌
Genome Informatics (ISSN:09199454)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.263-265, 2003 (Released:2011-07-11)
参考文献数
4

The role of a model is to provide adequate knowledge to handle a particular problem. The work of modeling starts on the basis of the feel and knowledge of the object and proceeds by developing guesses about the structure of the object. In this paper characteristics of this process are demonstrated with the example of the analysis of the golf swing motion.
著者
安田 大誠 吉野 孝
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.127-128, 2018-03-13

インターネット上で提供される情報は分散しており,一覧性がないといった問題が存在する.ゆえに,個人の属性に応じて防災関連情報を示すことが重要である.情報を集約する上で防災に関連する語句があるが,その中には防災と関連しない語句が突然として防災と関連するようになったものがある.例えば,2016年4月の「熊本」地震や,2017年10月の台風21号の影響で樽井駅~尾崎駅間で橋脚が陥没し,線路が歪んだ「南海本線」が挙げられる.そこで,本研究では防災関連情報集約システムにおいて,防災と関連する語句の抽出と表示を行うことで,大量に散在する情報の中での重要な情報が見逃されないようになることを目指す.

1 0 0 0 OA 伝熱

出版者
日本伝熱学会
巻号頁・発行日
vol.45, no.(193), 2006-10
著者
高倉,裕
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, 2000-02-20

水,本みりん,煮切りみりんおよびエタノール溶液に豚肉(ヘレ部)を浸漬した時の浸漬液の成分分析を行い,可溶性成分の溶出抑制効果の解明を行った。さらに,加熱処理後の豚肉切断図を電子顕微鏡で観察し,豚肉の筋線維崩壊抑制効果について解明を行った。(1) 豚肉に含まれる可溶性成分の溶出を抑制する調理効果に寄与する浸漬液中の成分は,エタノール及び糖であるが,エタノールまたは糖単独では可溶性成分溶出抑制効果は低く,本みりんのように両成分を含有する調味料がもっとも豚肉の可溶性成分溶出抑制効果が高かった。(2) 豚肉を加熱する前にあらかじめ浸漬調理を行なうと,浸漬液の成分によっては加熱処理した豚肉の筋線維が崩壊するのを抑制する効果があることが明らかとなった。筋線維崩壊抑制効果は豚肉内部で発現しており,エタノール成分が重要な役割を果たしているものと考えられる。(3) 豚肉の筋線維崩壊抑制に寄与する成分は,エタノール及び糖であるが,エタノールまたは糖単独では筋繊維崩壊抑制効果は低く,本みりんのように両成分を含有する調味料が最も筋繊維崩壊抑制効果が高かった。
著者
遠藤 貴司 永野 邦明 佐々木 都彦 千葉 文弥 我妻 謙介 早坂 浩志 佐伯 研一 佐藤 浩子 酒井 球絵 中込 佑介
出版者
宮城県古川農業試験場
雑誌
宮城県古川農業試験場研究報告 (ISSN:09172904)
巻号頁・発行日
no.13, pp.19-44, 2018-03

「だて正夢」は,「東北189号」(のちの「げんきまる」)を母,北海道の「おぼろづき」由来の低アミロース遺伝子Wx1-1を保有する中生の「東1126」を父として交配し,その後代より育成した良食味の中生水稲粳品種である。宮城県では,中生に属し,稈長は「ひとめぼれ」とほぼ同じで,稈長はやや長く,穂数は少なく,草型は中間型,耐冷性が"強",いもち病真性抵抗性遺伝子型はPibと推定され,いもち病ほ場抵抗性は,葉いもち,穂いもちともに"不明"である。「ひとめぼれ」と比べて,収量性は並から劣り,玄米品質は優れ,玄米の大きさは小さく,千粒重は約20gと軽い。耐倒伏性は"やや強",穂発芽性は"やや難",ふ先色は"白"である。精白米のアミロース含有率は約10%で,食味は粘りが強く良好で,冷めても食味の低下が少ない。栽培適地は,東北中部以南である。
著者
小林 一行 御園 祐介 渡辺 嘉二郎 大久保 友幸 栗原 陽介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.90-99, 2009-02-15 (Released:2009-06-18)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

本論文では,Intelligent Ground Vehicle Competition(IGVC)のナビゲーション競技のルールに準拠したウェイポイントナビゲーションシステムの実装例について述べる.IGVCとは,1993年から米国で開催されている自律走行車大会であり,自律型移動ロボットの技術向上を目指した大会である.毎年開催され複数の大学が参加している.その競技の一つとしてナビゲーション競技が設けられている.ナビゲーション競技とは,GPSによる位置検出を想定しエリア内に存在する障害物を避けながら,あらかじめ指定された複数ウェイポイントを何点通過できるか速さと正確さを競う競技である.ウェイポイントナビゲーションは,(1)移動ロボット上からみたウェイポイントの位置または方位の把握による長期経路プランニング,(2)外界センシングと障害物回避のための短期経路プランニング,そして(3)これら情報に基づく自律制御からなる.本論文では,これら一連の解決方法に,センサとして GPSとレーザレーダそれにジャイロ,速度計を用い,総合的な状況判断に複素拡張カルマンフィルタをベースとした SLAMアルゴリズムにより高精度なナビゲーションを実現する.さらに,与えられたウェイポイントマップに従い走行しながら,自己軌跡マップ,ランドマークマップを同時に作成する方法を提案した.提案する方法を実証するため実機でリアルタイム制御を行い,その有効性を確認した.