著者
宮尾 嶽雄
出版者
北隆館
雑誌
新昆虫 (ISSN:05830524)
巻号頁・発行日
vol.5, no.8, pp.18-19, 1952-08
著者
宮尾 嶽雄 北沢 徹郎 両角 源美
出版者
社団法人日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.171-176, 1960-05-15
被引用文献数
3

The authors measured the large intestinal length (colon 1.+rectum 1.) and the caecum length against the small intestinal length in rats of Muridae, calculating their ratios. Mean values of the ratios in each species are shown in the Table below. Large intestine and caecum are relatively long in the grass-feeder such as Cletrionomys andersoni, Anteliomys smithii and Microtus montebelli, and relatively short in seeds-and insect-feeder, Apodemus. And they are the shortest in Mus and Rattus which take the grain and cooked food. It is highly probable that the ratios of these intestinal lengths reflect the differences of the food habit and indicate the systematic significance in the related species.
著者
鈴木 茂忠 宮尾 嶽雄 西沢 寿晃 高田 靖司
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.p47-79, 1978-07

長野県木曾山脈の主峰,木曾駒ヶ岳(海抜2,956m)の東側斜面小黒川流域に位置する信州大学農学部付属演習林およびその隣接地域において,1975年5月より1977年1月にわたって,ニホンカモシカの食性調査を行った。調査地は海抜1,200~1,600mの低山帯上部(冷温帯)に相当する天然生林である。ニホンカモシカによる採食痕の調査から,食植物を同定し,食植物の周年的変かをほぼ明らかにすることができた。ただし,本調査では,主として食植物の種名を明らかにする定性的段階にとどまった。また,3月および4月の資料は少数であるため省いてある。結果の概要は次の如くである。1)ニホンカモシカの採食痕をみると,草・木本の先端をひきちぎって食べていることがわかり,ニホンカモシカはbrowsing herbivoreまたはsnip feederであると云える。2)ニホンカモシカの食植物として189種を同定することができた。そのうち草本は27科94種,広葉樹は29科85種,針葉樹は2科7種,ササ類が1科3種であった。食植物の種類数は7月に最も多く(106種),11月に最も少なかった(43種)。3)5月から11月までは草本と広葉樹の種類数がほぼ半数ずつを占め,食物はこの2植物群によって供給される。12月から2月の期間には,上記2植物群のほかに常緑針葉樹とササ類の2植物群が加わり,草本の種類数は極めて少なくなる。広葉樹はこの時期に一層重要性を増し,2月には83.1%が広葉樹によって占められている。常緑針葉樹は種類数で約5%,ササ類は約2%程度である。本調査地域には常緑針葉樹の現存量が少ないため,冬季にも副次的な食物源の地位にとどまる。4)周年的にどの月(ただし3・4月は未調査)にも採食痕がみられた植物(周年型食物物)はノリウツギ,タマアジサイ,ヤマアジサイ,クリチゴ,クマイチゴ,マユミ,ハナイカダ,リョウブ,ニワトコ,オオカメノキの10種で,これらはいずれも落葉広葉樹である。春~秋には枝・葉が,冬には越冬芽をつけた枝先が摂食される。これらの次いでほぼ周年的に採食されるのはイタドリ,クサボタン,ノハラアザミ,ヨモギ,ヤマブドウであった。これらの植物は,ニホンカモシカにとって最も基本的な食物源になっていると考えられる。5)早春型食植物としてはフキ(花茎),シロバナエンレイソウ,エンレイソウ,ツクバネソウなどがあげられる。一般の植物に先駆けて緑葉を展開する植物群で,周年型食植物を補充するものとなっているようである。6)夏型食植物はきわめて多様な草本と広葉樹から成る。周年型食植物が夏~秋にも多食され,そのほかにはハナウド,ミヤマゼンゴ,ヨブスマソウ,モミジハグマ,ヨツバヒヨド,リバナ,ミズナ,アカソなどの草本が量的に多く摂食されている。7)晩秋型食植物としてはフキ(葉),広葉樹の落葉,枯草,ミズナラの堅果などをあげることができる。夏・秋から冬への移行期に,短時間ではあるが摂食の対象とされる。8)冬型食植物は常緑針葉樹とササ類の枝・葉で,周年型食植物の不足を補う。冬季(12月~2月)以外には,常緑針葉樹およびササ類は食べられることが殆どない。9)ハシリドコロ,ヤマトリカブト,ヤマオダマキ,コバイケイソウ,ネジキ,トチノキ,フジウツギなどの,いわゆる有毒植物も稀にはあるが摂食されていた。10)本調査地域においてニホンカモシカによる採食痕が認められなかった植物は,アズマシャクナゲ,レンゲツツジ,タケニグサ,スズラン,イワカガミ,マムシグサ類,クサソテツ,シシガシラなどであった。
著者
鈴木 茂忠 宮尾 嶽雄 西沢 寿晃 高田 靖司
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.p147-177, 1977-12
被引用文献数
4

長野県木曽駒ヶ岳東斜面におけるホンドテンの食性を明らかにしたいと考えて,著者らは1975年4月以来調査を続行中である。本報では,1976年3月下旬から1977年1月下旬にわたって,低山帯上部(海抜1,200mから1,600m)ならびに亜高山帯(海抜1,700mから2,600m)において採集されたホンドテン(Martes melampus melampus)の糞内容物の分析結果からその食性の低山帯上部における秋季および冬季の1975年度・1976年度間の差異,春季および夏季と秋季および冬季との季節的な差異,さらに低山帯上部域と亜高山帯域との差異について,比較論及した。1)低山帯上部において採集できた糞数は,8月までは少ないが,9月からは急増した。亜高山帯においてもこれらの傾向は,ほぼ同一である。しかしながら,こうした現象の原因については未だ解明し得ないでいる。2)低山帯上部においては,3月から6月まではほとんど動物性食物に依存しているが,9月以降1月まではむしろ植物性食物の比重が大きい。7月・8月は前記した両期の中間的な状態を示していた。亜高山帯においては,9月から12月の間は動物性食物のみの糞はほとんどなく,植物性のみまたは植物性ならびに動物性の両食物を含むものが主となっていた。3)低山帯上部における3月から6月の期間の糞は,動物性食物のみによって成り立っており,しかも動物性食物はほとんどがノウサギだけである。4)低山帯上部の9月から12月は,動物性食物のみによって構成される糞がほとんどなく,植物性のみ,または植物性および動物性の双方の食物を含むものによって大多数が占められる。7月および8月の食物構成は,6月までと9月以降との状態の移行的な形態を示す。5)低山帯上部における植物性食物は,7月・8月にはイチゴ類(Rubus),9月・10月には側膜胎座目(サルナシ・ミヤママタタビ),12月・1月にはナナカマド類(Sorbus)となる。6)低山帯上部においては,1975年度(鈴木・宮尾ほか,1976)にみられなかったナナカマド類が,1976年度には11月から1月にかけて,植物性食物としてほとんど独占的に食べられていて。1976年度における,特に6月から9月の間の冷温が両年度間の植物性食物の種類の差異の原因になっているのかも知れない。7)低山帯上部においては,動物性食物としてノウサギとネズミ類が最も主要であるが,両者の間には相互補完的な関係が認められ,両者は姉妹食物の関係にある。8)亜高山帯の7月・8月には動物性食物(ノウサギおよび鞘翅目昆虫)のみによって構成される糞の頻度が高い。9月には動物性および植物性の両食物を含むものが大部分を占める。11月・12月には,植物性食物(ナナカマド類)のみによって構成される糞の頻度が約半数を占めるようになる。9)亜高山帯においては,低山帯上部に比較すると動物性食物の比重が大で,植物性食物の比重が小さい。10)亜高山帯における動物性食物はノウサギが中心となる。
著者
向山 満
出版者
ニュ-・サイエンス社
雑誌
動物と自然 (ISSN:03864782)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.p22-26, 1985-02
著者
阿部 学
出版者
中央公論社
雑誌
自然 (ISSN:03870014)
巻号頁・発行日
vol.26, no.8, pp.84-85,グラビアp3〜7, 1971-07
著者
樋口 亜紀 阿部 學
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 = Japanese journal of ornithology (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.25-30, 2001-02-25
被引用文献数
1

本研究では,飼育している3羽の成体フクロウ <i>Strix uralensis</i> の摂食量•排出量を測定し,餌動物と排出物のエネルギー量からフクロウのエネルギー収支を求め,飼育下のフクロウの必要餌量を明らかにした.以下に結果を示す.<br>1)3羽のフクロウの同化エネルギー(AE)は,平均 447.2±9.1kJ/dayで,単位生体重あたりの同化エネルギーは0.702±0.014kJ/dayであった.<br>2)測定期間中のフクロウの体重は0-1.4%の範囲で変化し,生産エネルギーは5.2±1.OkJ/day,維持エネルギーは442.2±9.OkJ/dayと同化エネルギーの98.8±0.2 %を維持エネルギーが占め,成体では同化したエネルギーのほとんど全てを個体の維持に費やしていた.<br>3)体重639.6gのフクロウは,1日に567.9±10.4kJ のエネルギーを摂取し,ペリットとして43.4±1.4kJ, 糞として77.3±1.2kJの,合わせて120.8±2.OkJを排出した.<br>4)排出物の単位乾燥重量あたりのエネルギー含有量は,ペリットが13.2±1.1kJ/9,糞が11.0±0.3kJ/9であった.<br>5)フクロウは1日に体重の13.2%に相当するアカネズミ2.3個体(83.9g,567kJ)を摂食し,78.5%を同化し,ペリットとして7.5%,糞として14.0%排出して体重を維持していた.
著者
Hashimoto Takuma Abe Manabu
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
Mammal study = The Continuation of the Journal of the Mammalogical Society of Japan (ISSN:13434152)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.35-44, 2001-06-01
被引用文献数
2 4

Two species of moles, <i>Mogera tokudae</i> and <i>M. imaizumii</i>, are parapatrically distributed in the Echigo Plain in the northern part of Niigata Prefecture, Japan. The two species are morphologically similar, except for the larger body size of <i>M. tokudae</i>. To clarify whether interspecific competition affects body size and reproductive traits of these moles, we compared these characteristics in syntopic populations with those in allopatric populations for both species in the Echigo Plain. <i>Mogera tokudae</i> exhibited little body size difference between allopatric and syntopic populations, while body size of <i>M. imaizumii</i> in syntopic populations was significantly smaller than in allopatric populations. Although litter sizes of both species were almost the same, reproductive schedules were different. Pregnant <i>M. tokudae</i> were captured mostly in late April, whereas <i>M. imaizumii</i> had a longer period of reproduction from March to October; some individuals bred twice a year. The relatively small body size and the longer breeding period observed in <i>M. imaizumii</i> of the Echigo Plain may be tactics for increasing reproductive success under severe interspecific competition from <i>M. tokudae</i>.