著者
荒田 明香
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.98-100, 2017-09-25 (Released:2018-09-25)
参考文献数
5
著者
水越 美奈 北口 めぐみ 関口 歩 中村 透
出版者
日本身体障害者補助犬学会
雑誌
日本補助犬科学研究 (ISSN:18818978)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.44-47, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
10

過去のいくつかの報告では、犬種だけでなく雌雄間においても行動特性の違いが見られると報告されている。このような行動特性の違いは飼育上で発現する問題行動にも差がもたらされるのではないかと考え、比較的飼育方法が平均化している盲導犬候補の子犬に対して、さらに犬種を1つに固定することにより犬種差による行動の違いを排除したうえで生後1 歳齢までの問題行動を調査したところ、ほとんどの特性に雌雄による違いは見られなかった。今までの調査では対象となる個体の不妊手術の有無は考慮されていなかったが、今回調査したオスでは全てが性成熟前に不妊手術が行われていた。つまり性成熟前の不妊去勢は性的な機能をなくすだけでなく、行動特性の性差を縮めることで、望ましい特性を強調することができることが示唆された。
著者
山口 奈緒美
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.97-107, 2015-03-20

寛容性とは,加害者に対する順社会的変化のことである。本研究では,寛容性は被害者個人の積極的努力によっても生じえると仮定し,対人葛藤における寛容促進に有効な個人的方略を見出すことを目的とした。大学生と一般成人に対して質問し調査を行い,対人葛藤に際して自らの寛容性を高めるために行うであろう方略として,(1)客観的視点から被害経験全体を見直す中立的視点獲得方略,(2)加害者の気持ちや心情を潜行する加害者視点獲得方略,(3)寛容性が被害者自身にもたらす利益について熟慮する寛容利益強調方略を取り上げた。参加者には,葛藤場面においてこれらの方略をどのくらい実際に行ったかと,寛容性,寛容動機について評定してもらった。分析の結果,加害者視点獲得方略と寛容利益強調方略は慣用性の動機を高め,寛容性を促した。こうした結果は,本研究で仮定したとおり,寛容喚起プロセスには加害者の振る舞いとは独立したプロセスがあることを示しており,被害者自身で寛容性を高めることによって,加害者要因に依存しなくても建設的な葛藤解決を導くことができる可能性を示唆している。The purpose of this study was to explore the effects of victims' cognitive efforts for forgiveness, presuming that forgiveness would be enhanced not only by an offender's appeasement behavior but also a victim's spontaneously efforts. University students and adults rated the 3types of cognitive efforts, which were (a) neutral perspective taking, (b) offender's perspective taking, and (c) considering their experience of injury. The results showed that the offender's perspective taking and the considering forgiveness benefits promoted the motives for forgiveness, and motives for forgiveness enhanced forgiveness. Consistently with the assumption, forgiveness could be promoted by victims' spontaneously cognitive efforts. Therefore, it is possible that victims can resolute the interpersonal conflict constructively independently from offenders' behavior.
著者
田中 美帆 齊藤 誠一
出版者
日本カウンセリング学会
雑誌
カウンセリング研究 (ISSN:09148337)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.160-169, 2016

本研究では,成人期における生と死に対する態度尺度を作成し,成人期の生と死に対する態度に影響を与える要因について探索的に検討した。研究1においては,成人期の261名のデータに基づく因子分析の結果,死への不安・恐怖,人生の目標,死後の世界への信念,生と死のつながり,生への執着の5因子が抽出された。各因子に対応する下位尺度を構成し,クロンバックのα係数を算出したところ,十分な内的整合性が得られた。次に,構成概念妥当性の検討の結果,人生の目標と信頼・時間的展望―不信・時間的展望の拡散との間,死後の世界への信念と霊魂観念との間などに相関関係が認められ,尺度の妥当性が支持された。研究2では,研究1において作成された尺度を用いて成人期および中年期の465名を対象に質問紙調査を実施し,死別経験が生と死に対する態度に与える影響を検討した。その結果,死別経験のある人においては中年期より成人期のほうが,女性においては死別経験のない人よりある人のほうが,より死に対する不安や恐怖を抱いていることが示された。
著者
米山 京子 池田 順子 永田 久紀
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.770-779, 1997-01-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
33
被引用文献数
2 5

1994年7月および10月に,出産後21-590日,年齢21-42歳で乳,乳製品を摂取しない者を比較的多く含む授乳婦105名を対象に,母乳中Ca濃度,1日尿中のH.P,Caのクレアチニン補正値(H.P/Cre,Ca/Cre),超音波法により測定された踵骨の骨密度および乳,乳製品摂取状況の相互の関連性を解析し,母乳中Ca濃度の維持機構について考察した。1.尿中のH.P/Creの幾何平均値(M±SD)は授乳期間が5ヵ月未満,それ以上の場合,それぞれ40.7(31-61),36.3(28-47)mg/gで,骨吸収が亢進していることが示された。2.尿中H.P/Creは乳,乳製品の摂取頻度が少ない程,牛乳摂取量が少ない程有意に高く,牛乳摂取量が1日100ml以下の場合には,尿中H.P/Creと母乳中Ca濃度間には有意の正相関が認められた。これらの結果は,Ca摂取量が少ない程骨吸収が亢進して母乳中のCaを補償することを示唆する。3.牛乳摂取量が1日100ml以下の場合,母乳中Ca濃度は骨密度と有意の正相関が見られたことから,Ca摂取量が少ない場合でも骨密度が低い場合には母乳のCaは補償されないことが示唆された。4.牛乳摂取量に関わらず,尿中Ca/Creが低い程母乳中Ca濃度が有意に高かったことから,母乳中Ca濃度の維持に腎臓でのCaの保持機構が関与することが確認された。

1 0 0 0 博物学叢書

著者
東京博物学会 編
出版者
西ケ原刊行会
巻号頁・発行日
vol.第2輯, 1941
著者
矢部吉禎 [著]
出版者
西ヶ原刊行會
巻号頁・発行日
1941
著者
小林義雄著
出版者
北隆館
巻号頁・発行日
1972
著者
川上 浩司
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.37-43, 2017-08-31 (Released:2017-10-06)
被引用文献数
1 3

昨今,各種の診療情報由来のデータベースを用いた薬剤疫学研究が実施できるようになってきた.観察研究に用いられる資料としては,リアルワールドデータ (RWD) 系と疾患登録系とがある.このうち,RWD においては,診療報酬請求 (レセプト) 情報,調剤情報,DPC 情報に加えて,我が国でも医療機関における電子カルテ由来の診療情報を統合したデータベースの構築も始まっている.一方,日本では,母子保健法や学校保健安全法等に基づいて,自治体が各種の健康診断情報を所管しているが,これらのデータベース化の取組みも開始され,ライフコースデータとして予防医療や難病理解,創薬等に大いに役立つ知見を得ることが期待されている.
著者
by Y. Yabe
出版者
Imperial University
巻号頁・発行日
1902
著者
伊藤 康江 塩見 一雄 三枝 静江 細井 知弘 三枝 弘育
出版者
東京都農林水産振興財団東京都農林総合研究センター
雑誌
東京都農林総合研究センター研究報告 (ISSN:18811744)
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-13, 2015-03

食物アレルギーの原因食物は多岐にわたり,成人では,小麦,甲殻類,果物類に次いで,魚類が原因食物の第4位となっている。本研究では,東京都の島しょ地域において漁獲・利用されている3魚種-ゴマサバ,ハマトビウオ,ムロアジ-に含まれるアレルゲンタンパク質パルブアルブミンについて,enzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)による定量系を新たに確立するために,分取した各魚種のパルブアルブミン異性体と抗体3種との結合活性を検討し,定量に適する抗体として抗コイパルブアルブミンモノクローナル抗体を選定した。次に,確立したELISA法により,複数のムロアジの生魚およびくさやの背肉に含まれるパルブアルブミンを定量した。その結果,くさやのパルブアルブミン量は,生魚と比べて明らかな減少は認められず,微生物を含むくさや液を用いてムロアジをくさやに加工しても,パルブアルブミンは顕著に分解されないことが判明した。一方,ゴマサバ,ハマトビウオ,ムロアジそれぞれを原料魚とし,Aspergillus oryzaeを使用した麦麹と醤油製造用酵母Zygosaccharomyces rouxiiを用いて,常温で6ヵ月間発酵後に圧搾および火入れを行い,4℃,1年間保存した魚醤油においては,パルブアルブミンが1μg/g未満に減少した。また,麦麹より分離したA. oryzaeおよび食品や酵素の生産等に利用されている糸状菌株A. oryzae,A. brasiliensis,Penicillium pinophilum,P. chrysogenum,P. biforme,Rhizopus microsporusは,マサバパルブアルブミンの分解活性を有していたが,魚加工品を分離源とする乳酸菌株Pediococcus pentosaceusおよびLactobacillus plantarumのマサバパルブアルブミンの分解活性は低かった。以上の結果は,抗体を用いたパルブアルブミンの定量には魚種ごとに適した抗体を用いる必要があること,および特定の微生物を利用した発酵によりパルブアルブミン量を低減させた魚加工品が製造可能なことを示唆している。