1 0 0 0 OA 『名人伝』論

著者
山下 真史
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.11-19, 1994-12-10 (Released:2017-08-01)

中島敦の『名人伝』は、名人を純粋さの体現者とする通念に対して、名人を突き詰めれば木偶に至るということ、そしてその名人を偶像化することの滑稽さを描いた作品である。川端康成の『名人』などと比較しながら、同時代の文学状況にこの作品を置いてみると、中島が太平洋戦争下の日本の<純粋さ>を徒に崇める風潮への批判、陶酔を拒否して醒めた認識を持ち続けることをモチーフとしてこの作品を書いたことが分かる。
著者
玉置 昌孝 野口 翔平 中道 哲朗 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.85-89, 2017

<p>In this study, we examined the relationship between the activity pattern of hamstring muscles and postural change of weight shift, in the standing position. We used surface electromyographic data from the medial gluteus medius, biceps femoris, and semitendinosus muscles of 10 healthy male participants. During exercise tasks, we observed two groups of participants: those who registered ankle dorsiflexion during lateral weight shift movements and those who did not. The former group registered an increase in hamstring muscle activity and the latter group registered no change. Similar to a previous study, an increase in gluteus medius muscle activity was detected along with the start of lateral weight shift. It appears that the biceps femoris muscle works to increase hip extension before semitendinosus muscle activity, causing a forward weight shift and dorsiflexion of the ankle joint during lateral weight shift in the standing position.</p>
著者
國弘 暁子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.13, 2009

ペニスと睾丸を切除する去勢儀礼を通過したヒジュラは、女神の衣装であるサリーを身に纏い、現世放棄者のような立場にあるが、しかし、その性的な欲動を放棄することはない。密室の空間において、男性と共に、あるいは師弟間において、セクシャルな関係を結んでいる。「ホモセクシュアル」としては決して括ることのできないヒジュラの情交のあり方について発表する。

1 0 0 0 OA 遠島者

出版者
巻号頁・発行日
vol.[14] 遠島もの一件 安政三丙辰年三月,
著者
久下 裕利
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.891, pp.17-30, 2015-01-01

1 0 0 0 OA 祖庭事苑8卷

著者
宋釋善卿撰
巻号頁・発行日
vol.[1], 1000
著者
片山 佳子 若尾 弥美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

<br><br><b>目的</b> マキベリー(<i>Aristoteliachilensis</i>)は、チリのパタゴニアと呼ばれる寒冷地帯が原産地であり、ポルトノキ科の植物でブルーベリーによく似ている。果実は、直径約6mmの球形でつやのある黒紫色、収穫時期は1~3月である。マキベリーが最も注目されているのは、ポリフェノールと抗酸化力で、その他にもビタミンC、鉄、カリウムなどの含有量も高いと言われている。そこで本研究では、ビタミンC、鉄分およびポリフェノールの定量を行うとともに抗酸化活性について測定することを目的とした。<br><br><b>方法</b> ビタミンCの測定は、インドフェノール・キシレン法により、鉄分の測定は、1,10-フェナントロリン法により行った。ポリフェノール含有量測定は、Folin-Ciocalteu法を用いて測定し、没食子酸相当量として算出した。抗酸化活性測定は、ラジカル消去能をDPPH法により行い、またDPPHラジカル消去活性はTrolox相当量として算出した。<br><br><b>結果</b> ビタミンCそして鉄分量はブルーベリーより高く、ポリフェノール量はアサイーやアセロラよりも高い結果となった。抗酸化活性は、アサイーやココアパウダーと比較すると高い抗酸化活性を示した。また、ポリフェノール量と抗酸化活性がともに高い値を示したことからマキベリーの抗酸化活性の主体はポリフェノールであることが考えられた。このことから、マキベリーはビタミンCと鉄分はブルーベリーより高く、ポリフェノールを多く含有し、高い抗酸化活性が期待できる食品であることが明らかとなった。
著者
キリアン マティアス 春日川 路子
出版者
日本比較法研究所 ; [1951]-
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.127-135, 2016

ドイツでは近年,弁護士についてさまざまな都市伝説が流布されている。その一つに,弁護士職は「最後の逃げ道」である,裁判官や検察官,公証人などといった,一番に目標とする法律専門職に就くことができなかった人間が不本意ながら弁護士になっている,との噂がある。このような弁護士は「必然弁護士(Muss-Anwälte)」と呼ばれ,これを主要なテーマにした本も出版されている。だが,果たして噂は本当なのだろうか? ドイツの若手弁護士は,その多くが「しかたなく」弁護士職に就いているのだろうか? 筆者のマティアス・キリアン教授(ゾルダン研究所代表,ケルン大学)は,弁護士認可を受けたばかりの若手弁護士を対象とする聞き取り調査の結果から,この都市伝説は誤りであると結論づける。それに止まらず,若手弁護士のほとんどが望んで弁護士職に就いていること,ならびに,過去の類似の調査結果と比較すると,現在は弁護士こそが若手弁護士にとっての理想の職業であることを明らかにする。
著者
高橋 宏樹 宮城 俊作
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.753-758, 2000-03-30
参考文献数
8

本研究では, 造園家・椎原兵市が遺した図面を資料として, 戦前期の日本における造園設計の業務過程において平面図に与えられた意味と役割を検証した。23葉の図面を用いた分析を通じて,(1) 設計者としてデザインスタディを行うための媒体,(2) 即物的な情報を正確に他者へ伝えるための手段,(3) 設計者の内的な思考, 検討の過程とその結果を記録し確認するためのツール, としての平面図の意味と役割が確認された。また, 業務範囲が拡大し, 多様な設計プログラムへの対応が求められるようになるとともに, 平面図に盛り込まれる情報が増加し, 発注者や協働者, 施工者とのコミュニケ可ション媒体としての機能が高まっていった。
著者
杉田 収 中川 泉 濁川 明男 曽田 耕一 室岡 耕次 坂本 ちか子
出版者
室内環境
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.137-145, 2007
被引用文献数
1 3

上越市立小学校の全児童(6才~12才)12,045名を対象に, 化学物質過敏症(Multiple Chemical Sensitivity:MCS)様症状を示す児童数を調べるアンケート調査を実施した。またMCSとの関連性が注目されている花粉症, アレルギー,「特に嫌いな臭い」を持つ児童数も合わせて調査した。調査票の回収数は10,348名分(回収率85.9%)であった。調査票で尋ねたMCS様症状は, 厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班によるMCSの診断基準に記載された症状を, 児童の保護者が回答しやすい症状表記に改変して尋ねた。その結果MCS様症状を示す児童数は979名で回答児童の9.5%であった。また花粉症は19.3%, 花粉症を含むアレルギーは47.6%, 「特に嫌いな臭い」を持つ児童は32.7%であった。<BR>MCSはアレルギーとは異なると考えられているが, MCS様症状を示す児童でアレルギーを持つ児童は63.7%であった。一方MCS様症状を示さない児童でアレルギーを持つ児童は46.3%で両児童群に有意の差があった。同様にMCS様症状を示す児童は「特に嫌いな臭い」を60.5%が持ち, その症状を示さない児童は30.6%であり, 同じく有意の差があった。MCS様症状を示す児童, アレルギーを持つ児童, 及び「特に嫌いな臭い」を持つ児童の割合は, いずれも高学年になるほど上昇していたことから, 小学校児童の高学年ほど化学物質に敏感になっていると考えられた。
著者
河原貞頼 [編]
巻号頁・発行日
vol.第5冊, 1000
著者
谷 泰弘 澤山 翔 山口 幸男 佐藤 康治
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.503-504, 2008

研削砥石をユーザニーズに合わせて製造されているために多種少量生産となっている。これを効率よく生産するテイラーメイドマニュファクチャリングに関して検討を行っている。まずは結合度を最終工程で変化させることに関して試みた。
著者
谷 泰弘 金 泰元 澤山 翔 蔦中 孝丞 山口 幸男 佐藤 康治
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.76, no.762, pp.453-458, 2010
参考文献数
5

In order to reduce the costs in wheel manufacturing and on usage of the wheels, we investigated the method of adjusting the sharpness of grinding wheels by using heat treatment and UV treatment. At first it was confirmed that heat treatment of phenol resin grinding wheels for aluminum in a furnace enabled to improve the grindability of stainless steel and to prevent swarf loading. Next it was made clear that surface treatment of grinding wheels by using UV irradiation and hot air blowing had the similar effect with the heat treatment in a furnace. These treatments reduced the force ratio in surface grinding. In these cases the affected layer was limited to the wheel surface though heat treatment in a furnace affected the whole wheel. The thickness of the layer varied with the UV irradiation time. At last we applied this technique to other resinbond wheels and the same effect was obtained for the wheels with polyester bond. However heat treatment did not improve the grindability of epoxy bond wheels with high heat resistance. In such case UV treatment was an effective method to activate flow-out of swarf.