著者
飯田 祐子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.27-37, 1996-01

『煤煙』(森田草平)と『峠』(平塚らいてう)の二作品をとりあげ、誤読という行為の遂行されるされ方について考察する。前者における「誤読」は同時代の文学の地位の再編および読者共同体の均質化にからむ「読む」ことの前景化と繋がっている。同時に読まれることが無視されており、解釈ゲームから最も遠い「誤読」となっている。一方、その共同体に同一化しない態度をみせる後者における「誤読」は解釈ゲームとして現れている。誤読行為が遂行される際の二つの形態について述べ、その歴史的意味を問うた。
著者
大井 奈美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.118, pp.73-80, 2008-11-22
参考文献数
12

俳句は伝統的に共同体の中で創作・解釈され、マスメディアとも結びつきながら発展してきた。本研究の目的は、共同体やマスメディアの影響のもとで行われる、俳句をめぐる認識過程(俳句の創作・解釈を指す)のしくみを明らかにすることである。本研究の理論的枠組みとして、システム論的構成主義を土台として認識過程を捉える基礎情報学を採用する。基礎情報学において、認識過程は「心的システム」の自律的な作動であると考えられ、その作動に共同体やマスメディアが影響を及ぼす事態は、「階層的自律システム」概念によって説明される。俳句の創作・解釈は、心的システム/社会システム/マスメディア・システムの関係から生まれる制約を利用しながら、複合的に行われているのである。Haiku has traditionally been composed and interpreted in communities and it has developed in relation to mass media. The aim of this study is to illuminate the cognition of Haiku, on which communities and mass media have a great influence. The cognition is defined here as the interactive process of the composition and interpretation of Haiku. The theoretical framework of this study is fundamental informatics which analyzes cognition from a systemic constructivist approach. Fundamental informatics understands cognition as mind system's autonomous operation and explains communities' and mass media's influence on cognition with the "hierarchical autonomous system" theory. The cognition of Haiku is a complex mechanism which utilizes the restriction emerging from the relation between mind system, social system and mass media system.
著者
アシムウェ フローレンス アキイキ
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.87-99, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
59
被引用文献数
1 2

本稿では,ウガンダの高収入世帯において,土地や財産の所有について女性が副次的な位置づけで,女性による土地や財産の管理がいかにはばまれてきたのかについて分析する。女性の財産所有に対する権利は弱く,「貧困の女性化」といわれるように女性は貧困状態におちいっている。女性は結婚後に家計にとって副次的な役割しか担うことができず,離婚や別居することになると,自分自身で生きていかなければならなくなる。土地や財産所有権に関するジェンダー間の不平等は,家父長制を重んじる文化や社会の価値観だけでなく,女性のエンパワーメントの障害をつくりだす法制度によっても生み出されてきた。本稿では,高学歴の女性が,土地購入や家屋の建築に際して経済的な貢献をしたにもかかわらず,所有権を取得できない事例を示している。また,別の事例では,女性がみずからの名前を土地所有証明書に入れることができず,女性は土地の所有権を保有できず,土地の使用権のみを保有するにすぎなくなっている。これらの事例では,夫が財産をみずから単独の所有物として登録している。本稿は,ウガンダにおける世帯の所有する土地や財産の権利の複雑な動態を理解する一助となり,サハラ以南アフリカだけでなく,発展途上国において女性がもつ土地・財産に対する権利の現状に関する知見を提供するものである。
著者
大日方純夫著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1993
著者
雨宮昭一著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1997

1 0 0 0 占領と改革

著者
雨宮昭一著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2008
著者
小田実著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2008
著者
鶴見俊輔著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1971

1 0 0 0 思い出袋

著者
鶴見俊輔著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
2010