著者
河野 英一
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.115-116,a1, 1997

現在の「私学の大学院」について, 思うところを私学・日本大学の大学院を例にしつつ述べた。<BR>それは, 私学大学院と博士前期 (修士)・後期課程の設置の目的, 農業土木学に関わる分野を基幹にする各私学大学院の研究科・専攻・専門分野・入学定員・入学試験科目等の内容紹介, 私学大学院の改組の計画, 私学大学院で培われる諸能力・得意科目の活かし方等への進学者における心構えについてであった。
著者
尾形 和男
出版者
愛知教育大学大学院・静岡大学大学院教育学研究科 共同教科開発学専攻
雑誌
教科開発学論集 = Studies in subject development (ISSN:21877327)
巻号頁・発行日
no.1, pp.19-32, 2013

中学生における家庭の夫婦関係が家族の目標構造、生徒の達成目標志向、学習方略、学習コンピテンスに及ぼす影響に関する研究 本研究は中学生の家庭の夫婦関係が家族の目標構造、生徒の達成目標志向、学習方略、学習コンピテンスにどの様な効果を及ぼすのかと言うことについて分析を加えた。244 名の大学生に、中学時代のことについて質問紙により調査した。質問内容は中学時代の「父親と母親の関係」、「家族の目標構造」、「達成目標志向」、「学習方略」、「学習コンピテンス」からなる。パス解析の結果、夫婦関係の良好な家庭では、「学習への取り組み方の重視」する家庭の目標構造が強まり、それが達成目標志向である「マスタリー型」を増加させ学習コンピテンスの「学習の効率化」を促進させていた。また、同時に「学習への取り組み方の重視」は学習方略の「深い処理の方略」を増加させ学習コンピテンスの「学習の効率化」と「勉強と学校適応」を促進していることが示され、正の影響が多く確認された。しかし一方、夫婦関係が良くない家庭では夫婦関係が学習コンピテンスの「得意科目」を減少させることが示された。また、夫婦関係からは家庭の目標構造を形成することがなく、家庭の目標構造から負の影響が多く存在する傾向があることも示された。The purpose of this study is to investigate the effect of marital relationship on family goal structure, personal achievement goal orientations, learning strategies and learning competences in junior high school students. 244 university students completed questionnaires about their father and mother relationships, family goal structure, achievement goal structures, learning strategies and learning competences in their own junior high school course. Path analysis revealed that the good marital relationship brought influence on effective learning competences beyond the marital relationship which is not good. In especially marital relationship which is good increased the family goal structure, achievement goal structures, learning strategies and learning competences. The marital relationship which is not good didn't have effective family goal structures but had tendency to decrease learning competences.
著者
古谷 博史 多田 仁
出版者
京都教育大学
雑誌
京都教育大学紀要 (ISSN:03877833)
巻号頁・発行日
no.103, pp.47-57, 2003-09

本論文では,大学生を対象にしたFORTRANプログラムの演習における,デバッグ段階についての研究結果を報告する。学習者のデバッグ作業に影響を与える要因としてプログラムの構成要素に着目し,文字数や行数,条件分岐や繰り返し等,プログラム課題の構成が,学習者のデバッグテストの成績に影響を及ぼしているか分析した。その結果,以下の結果が得られた。1)プログラム内の文字数や行数の多さは,学習者のデバッグに影響を与えている。2)文字数,入出力文の数,IF文の複雑さを説明変数とする重回帰分析によって,与えられたプログラムにおけるデバッグの難易度をある程度予測することが可能である。また,デバッグテストの成績とプログラミング経験,得意科目などのアンケート結果との関連も議論した。This paper describes results of a study on the debugging stage in a FORTRAN programming exercise for university students. We focus on elements of a program that may affect the program debugging of learners. We analyze the effect of components in test programs such as the numbers of characters and lines, the existence of the "if" and "repeat" statements on the achievement of learners in a debugging test. We find that 1) the numbers of characters and lines affect debugging by learners, and that 2) we can estimate the difficulty of debugging of a given program by using the multiple regression method with the number of characters, the number of input-output statements, and the complexity of "if statements. We also discuss the relationship between the grade of the debugging test and the result of a questionnaire regarding such topics as experience in programming, and strong subjects.
著者
久保 妙子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.27-37, 2003-01-15

本研究では接地型の住宅地として,一般的な戸建住宅地,分譲テラスハウスおよび市営住宅を選び,近隣コミュニケーションの現状と意識を,居住者に対する質問紙調査をもとに考察したものである。結果を要約すると以下のとおりである。(1)近隣コミュニケーションの第一歩と位置づけられる,住戸外に出る回数は,テラスハウスで最も少なく,戸建住宅では中間程度で,市営住宅で最も多い。またこれらの接地型住宅地では,住戸外に出る回数が高層集合住宅に比べて多い傾向がある。(2)親しいつきあいをしている人がいる割合は,男性では3〜4割,女性では6〜7割で,とくに戸建住宅の女性で親しいつきあいが多い。(3)立ち話をする人がいる割合は,男性では7〜8割,女性では9割以上で,とくに戸建住宅で多い。それに対して挨拶する人数は,テラスハウスと市営住宅のほうが戸建住宅より多い。戸数密度がやや高く,範囲を認識しやすい特徴ある住宅形態が,一つのまとまりとして居住者に捉えられていると考えられる。(4)近隣コミュニケーションのきっかけは,家が近いことの他に,子供や自治会の関係を通じてが多い。子供を通じては女性が多く,自治会はどちらかというと男性で多く,きっかけの得にくい男性にとって自治会の果たす役割は大きいといえる。(5)立ち話の場所は,日常的に通る玄関前や街区内の道路が多く,コミュニティスペースとして設けられた公園等は少ない。さらにコミュニティスペースとして,東屋や貸し菜園,ベンチ等の要求がみられる。(6)向こう三軒両隣におけるつきあいの状態は,「会えば挨拶する程度」「なかには立ち話する人もいる」「なかには親しい人もいる」が、約3分の1ずつで、必ずしも親しいつきあいが行われているとは限らない。意識としては,7〜8割が向こう三軒両隣にこだわらず気の合った人と付き合いたいと考えている。(7)近隣コミュニケーションとしておこなわれていることで多いものは,「旅行等のお土産のやり取り」「宅配物の預け合い」「食料品などのおすそわけ」「留守にするときの声かけ」「慶弔時の手伝い」である。一緒に出掛けるような親密なつきあいは,向こう三軒両隣に限られず離れた家との間にも生じている。「日用品の貸し借り」は高層集合住宅の方が多く,「留守にするときの声かけ」は接地型住宅地の方が多い。(8)近隣コミュニケーションについての意識は,つきあいの有無に関わらず,近所づきあいをしたいという肯定的な意見と,したくないという否定的な意見が,対象による差はあるものの全体としては約半数ずつで拮抗している。(9)市営住宅において,建設当初から住み続けている高齢男性の間に,長い年月をかけて形成された親密なコミュニティの事例がみられる。以上のような接地型住宅地においては,接地していることによって住戸外に出やすく,近隣コミュニケーションも少なからずおこなわれている。しかし,かつては近隣の基本単位であった,向こう三軒両隣におけるコミュニケーションは必ずしも親しいものではなく,近隣のなかでも気の合った人と必要なときにコミュニケーションがとれる状態であることが求められているといえる。住戸のタイプごとの形態と密度,そして市営住宅の例にみられるように,長く住み続けられるか否かが,近隣コミュニケーションに影響を与えていることがうかがえた。また,接地型住宅地においてはコミュニケーションのための空間が充実しているとはいえず,日常的に使用しやすい簡易は休憩の場所等を含めた,住環境の総合的な計画が必要とされていると考えられる。
著者
久保 妙子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.27-37, 2003

本研究では接地型の住宅地として, 一般的な戸建住宅地, 分譲テラスハウスおよび市営住宅を選び, 近隣コミュニケーションの現状と意識を, 居住者に対する質問紙調査をもとに考察したものである.結果を要約すると以下のとおりである.<BR>(1) 近隣コミュニケーションの第一歩と位置づけられる, 住戸外に出る回数は, テラスハウスで最も少なく, 戸建住宅では中間程度で, 市営住宅で最も多い.またこれらの接地型住宅地では, 住戸外に出る回数が高層集合住宅に比べて多い傾向がある.<BR>(2) 親しいつきあいをしている人がいる割合は, 男性では3~4割, 女性では6~7割で, とくに戸建住宅の女性で親しいつきあいが多い.<BR>(3) 立ち話をする人がいる割合は, 男性では7~8割, 女性では9割以上で, とくに戸建住宅で多い.それに対して挨拶する人数は, テラスハウスと市営住宅の方が戸建住宅より多い.戸数密度がやや高く, 範囲を認識しやすい特徴ある住宅形態が, ひとつのまとまりとして居住者に捉えられていると考えられる.<BR>(4) 近隣コミュニケーションのきっかけは, 家が近いことの他に, 子供や自治会の関係を通じてが多い.子供を通じては女性で多く, 自治会はどちらかというと男性で多く, きっかけの得にくい男性にとって自治会の果たす役割は大きいといえる.<BR>(5) 立ち話の場所は, 日常的に通る玄関前や街区内の道路が多く, コミュニティスペースとして設えられた公園等は少ない.さらにコミュニティスペースとして, 東屋や貸し菜園, ベンチ等の要求がみられる.<BR>(6) 向こう三軒両隣におけるつきあいの状態は, 「会えば挨拶する程度」「なかには立ち話する人もいる」「なかには親しい人もいる」が, 約3分の1ずつで, 必ずしも親しいつきあいがおこなわれているとは限らない.意識としては, 7~8割が向こう三軒両隣にこだわらず気の合った人とつきあいたいと考えている.<BR>(7) 近隣コミュニケーションとしておこなわれていることで多いものは, 「旅行等のお土産のやり取り」「宅配物の預け合い」「食料品などのおすそ分け」「留守にするときの声かけ」「慶弔時の手伝い」である.一緒に出掛けるような親密なつきあいは, 向こう三軒両隣に限られず離れた家との間にも生じている.「日用品の貸し借り」は高層集合住宅の方が多く, 「留守にするときの声かけ」は接地型住宅地の方が多い.<BR>(8) 近隣コミュニケーションについての意識は, つきあいの有無に関わらず, 近所づきあいをしたいという肯定的な意見と, したくないという否定的な意見が, 対象による差はあるものの全体としては約半数ずつで拮抗している.<BR>(9) 市営住宅において, 建設当初から住み続けている高齢男性の問に, 長い年月をかけて形成された親密なコミュニティの事例がみられる.<BR>以上のような接地型住宅地においては, 接地していることによって住戸外に出やすく, 近隣コミュニケーションも少なからずおこなわれている.しかし, かつては近隣の基本単位であった, 向こう三軒両隣におけるコミュニケーションは必ずしも親しいものではなく, 近隣のなかでも気の合った人と必要なときにコミュニケーションがとれる状態であることが求められているといえる.住戸のタイプごとの形態と密度, そして市営住宅の例にみられるように, 長く住み続けられるか否かが, 近隣コミュニケーションに影響を与えていることがうかがえた.また, 接地型住宅地においてはコミュニケーションのための空間が充実しているとはいえず, 日常的に使用しやすい簡易な休憩の場所等を含めた, 住環境の総合的な計画が必要とされていると考えられる.
著者
WATANABE Natsuki M. SUZUKI Eizi SIMBOLON Herwint
出版者
JAPAN SOCIETY OF TROPICAL ECOLOGY
雑誌
Tropics (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.13-21, 2009

We quantified the reestablishment of rattans (climbing palms) after severe forest fires in 1997-1998 caused by the El Niño Southern Oscillation event in Bukit Bangkirai, East Kalimantan, Borneo. We established a 1-ha study plot in unburned forest (K1) and two 1-ha plots in burned forest (LD2 and HD2, 200 and 800 m away from unburned forest, respectively). In 2006 the number of species and stem density of rattans including seedlings were 16 and 8 species ha<sup>-1</sup> and 88 and 24 stems ha<sup>-1</sup> in LD2, and HD2, respectively. These values were lower than those in K1, where 23 species and 3321 stems were recorded. The dominant species in burned plots were Ceratolobus concolor, Korthalsia debilis, and Plectocomiopsis geminiflora, which were minor components in the unburned plot. Rattans likely recolonized burned forest sites by seeds transferred from neighboring unburned forest by birds and animals. The distance from unburned forest appeared to affect the speed of the recovery in the burned plots. Although recovery of the stem density of rattans was slower than that of trees in burned plots, it will likely increase gradually because the number of recruits consistently exceeded mortality during our study period (February 2006 to August 2007). However, it is not clear whether species composition and the density in burned forests recover to preburned levels.
著者
斉藤 文夫 Fumio Saito
雑誌
武庫川女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09163115)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.47-55, 2002-03-31

The personality of a serial arsonist (high-school student, 16 years of age, IQ=96) was assessed by Rorschach test. Findings, scored by the Kataguchi-Klopfer method, were : (1) TR=17, P=4 (P%=23.5), Rejection=0, Failure=0, Repetition=4; (2) TT=12'12", IntRT. ave=16"; (3) W:D=10:6, W%=58.8, (D+d)%=35.3, Dd%=0, S%=5.9 (S=1+0.5×2); (3) M:SumC=3.0:2.5, (VIII+IX+X)%=29.4; (4) F%=58.8, SumF%=82.4, F+%=90.0, SumF+%=85.7; (5) M:FM=3.0:0.0, M:(FM+m)=3.0:1.5, FM=0, m=0.5×3=1.5, FC:(CF+C)=1.0:2.0, (FK+Fc):F=0.0:10.0; (6) H%=29.4, A%=35.3%, (H+A):(Hd+Ad)=6.0:5.0, (H+Hd):(A+Ad)=5.0:6.0, CR=6(3), Fire=2, Cl(Expl)=1; (7) mod. BRS=-22. These results were interpreted to indicate the following traits : primitive aggression, accumulated hostility, weakness of ego-control, obsessive and compulsive tendency, poor sociability and retarded human interactions. Presumably such a deviated personality was closely related to his anti-social behavior.
著者
牧尾 晴喜 中庭 裕次郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.72, no.616, pp.1-6, 2007
参考文献数
9
被引用文献数
1

We attempt to examine the relationships between area characteristics and the changes of street-facing land uses by newly-constructed town houses. We, in particular, examine the issues of parking space mechanism in detail. The results can be summarized; 1) the differences in building morphology and street-facing land uses derive mainly from original city blocks and site conditions. 2) In the areas where the buildings do not have enough space in front of them, the street-facing spaces are becoming smaller by new town houses. 3) Town houses are changing the characteristics of terrace areas by replacing the street-facing green spaces with the piloti-parking spaces.
著者
滝本 幸治 宮本 謙三 竹林 秀晃 井上 佳和 宅間 豊 宮本 祥子 岡部 孝生
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.281-285, 2009-04-20
参考文献数
22
被引用文献数
4 2

[目的]地域の職能を有した人材資源を有効に活用した介護予防事業において,過去4年間に我々が介入してきた運動教室の効果検証を行った。[対象]過去4年間の運動教室参加者95名(平均年齢77.8±6.1歳,男性20名,女性75名)である。[方法]体力の総合的効果を検証できるよう,運動教室実施前後の体力測定値を得点化し,総合得点により比較した。得点化には,同市の高齢者健診の結果から作成した体力標準値を利用した。また,運動教室による効果の要因を検討するために,運動教室による効果あり群と効果なし群に分類し,運動教室開始時の体力を比較した。[結果]運動教室の前後で総合得点の有意な向上を認めた。また,効果あり群の教室開始時の総合得点が有意に低く,運動教室開始時の体力水準が低い者に運動効果があったと推察された。[結語]地域に根ざした高齢者運動教室の効果が認められたが,体力水準が低く且つ類似した体力の対象者を選定することによって,より有効な運動教室の運営が可能になることが考えられた。<br>
著者
喜多 路
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-44, 1969-09-15
著者
冨浦 洋一 青木 さやか 柴田 雅博 行野 顕正
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1_25-1_46, 2009 (Released:2011-09-14)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本論文では,ベイズ識別と仮説検定に基づいて,英文書の作成者の母語話者/非母語話者の判別を高精度で行う手法を提案する.品詞 n-gram モデルを言語モデルとし,判別対象の文書の品詞列の生起確率を,母語話者言語モデルにより求めた場合と非母語話者言語モデルにより求めた場合とで比較し,判別を行う.n を大きくすると,母語話者/非母語話者固有の特徴をより良く扱うことが可能となり,判別精度の向上が期待できる反面,ゼロ頻度問題およびスパースネスの問題が顕在化し,品詞 n-gram モデルのパラメタの最尤推定値を信頼することはできくなる.そこで,提案手法では,仮説検定に基づいた方法で両言語モデルにおける生起確率の比を推定する.実験の結果,従来手法を上回る 92.5% の精度で判別できることを確認している.
著者
出 かず子
出版者
北海道大学
雑誌
スラヴ研究 (ISSN:05626579)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.53-85, 1979