著者
安国 良一
出版者
住友史料館
雑誌
住友史料館報 (ISSN:13436449)
巻号頁・発行日
no.45, pp.77-106, 2014-07
著者
海原 亮
出版者
住友史料館
雑誌
住友史料館報 (ISSN:13436449)
巻号頁・発行日
no.45, pp.27-76, 2014-07
著者
大條 弘貴
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

水ストレス下にある植物の道管内の液には高い陰圧がかかる.このとき,木部にある気体が道管表面にある壁孔を通して内部に引き込まれ,その気泡が道管内腔を満たすこと(キャビテーション)で水の輸送が妨げられる.一方で,灌水による水ストレスの緩和に伴い,通水性が回復することが多くの植物で確認されてきた.この通水性の回復は,木本植物を用いた研究から,道管周囲の柔細胞から道管内に浸透的に水を入れ込み,道管を再充填させる可能性が示唆されている.また,木部内のデンプンの分解とショ糖濃度の上昇がみられ,浸透物質としての糖の関与が考えられている.しかし近年,木部に高い陰圧がかかった状態で通水性を測定するための試料を作製すると,水切りの際の切り口から道管内に気泡が侵入し,通水性の低下を過大評価してしまう可能性が示唆されている(cutting artifact; Wheeler et al. 2013).このため,観察されてきた通水性の回復現象の多くは空洞化した道管に水が再充填された結果ではなく,cutting artifactによるものではないかと疑問視されている.平成26年度はひまわりの葉柄を用い,このようなartifactがない状況で水ストレスによって生じたキャビテーションが灌水時に解消されるのか調べた.またそのとき,浸透物質としての関与が示唆されている糖の量の変化を調べた.結果,ヒマワリの葉柄において,灌水による通水性の回復,つまり道管の再充填現象が確認された.一方で,通水性の回復に伴った葉柄内のグルコース,ショ糖,デンプンの濃度に変化はみられなかった.葉柄内の道管の再充填は,篩部を通した葉身からの糖輸送に依存している可能性がある.
著者
多辺田 政弘
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.5, pp.51-70, 1999-11-20
被引用文献数
1

ボーダレスな経済の拡大が、地域の経済と物質の循環を破壊し、文化と環境の世代間の継承を困難にしている。しかし、ボーダレスな資本と市場は、自己増殖の永久運動を続けることはできない。それがエントロピー論の結論であり出発点でもある。自然は無限ではなく、エントロピーを捨てる能力に限界があるからだ。問題解決の道筋は、地域経済の自立化に向かって「物質循環の作動力」の一つである経済の流れを、地域の物質循環を回復する方向へ戻していくことにある。そのような視点から、エントロピー論の議論のなかでは、通貨と物質の循環に着目して提起されてきた「地域通貨」論の流れが生まれている。すなわち、信用(通貨循環)をいかに地域に埋め込むかという議論である。この議論の流れは、玉野井芳郎によるK.ポランニー研究に始まり沖縄経験のなかでの「琉球エンポリアム仮説」「B円通貨論」の考察を経て、中村尚司の「信用の地域化」論へ発展し、その後の地域通貨論(丸山真人、室田武ら)へと展開されてきている。ここでは、エントロピー論における地域通貨論の原点とでも言うべき玉野井の沖縄の地域通貨論の視角から、戦後の沖縄経済の流れを整理し、ポランニーの言う「地域社会への経済の埋め戻し」の具体化の方法を模索した。すなわち、「信用」を地域通貨循環と非市場部門(コモンズの経済)へ埋め戻すことによって、地域経済循環を再構築しようという試論である。

1 0 0 0 博物館研究

著者
日本博物館協会
出版者
日本博物館協会
巻号頁・発行日
1974
著者
池田 昌之
出版者
静岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

国内外の深海層や陸成層の地質調査と化学分析、および数値計算を基に、中生代の天文学的周期が気候変化を介して全球の大陸風化や炭素循環に影響していたことを明らかにしました。天文学的周期の影響が増幅した原因として、当時存在した超大陸パンゲアで発生した大規模な大気循環「メガ・モンスーン」が寄与した可能性を指摘しました。この結果は、温暖な中生代における地球システムの応答を解明する上で重要な成果であると言えます。
著者
遠藤 貴美子
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

1980年代後半以降, 日本経済はグローバル化を迎え, 国内産地は激しい国際競争の進展に直面している。特に日用消費財は安価で豊富な労働力を保有する東南アジアへ急速に生産拠点を移行してきた。一方で, 企業間の近接立地に依拠した受発注連関もまた業種や生産場面によっては不可欠である。情報伝達技術が発達した現代においても, 数値化や言葉で説明することが困難な知識や技術の共有・伝達においては, 企業間の直接接触に依存するからである。本研究ではニット産業を事例に, 先進国の大都市工業集積を中心とした生産の地域間分業を分析し, 企業間連関と生産の空間構造とを明らかにすることによって, 国際分業化における大都市工業地域位置づけと役割を再検討することを目的とした。この際, 城東地域に立地するニット関連業種の中でも, 生産のオーガナイザーである「ニットメーカー」を分析の主眼とした。平成25年度は, 平成24年度に現地で行った資料収集や視察の結果などをから分析を進め, 学会発表でその成果を発表した。さらに, 学会発表で議論を深めながら博士論文として執筆した。その内容は, 学術雑誌での発表に向けて準備中である。具体的な内容としては, ニットメーカーと各種生産拠点との連関については, メールによるCAMデータの電送やメール, 電話などによって事業所間の距離はおおよそ克服されているものの, 生産ラインや品質チェックといった場面では事業所間の直接接触は定期的に必要であることが明らかとなった。また, 通常の発注時においても, 円滑な意思疎通を可能にしているのは長期取引やそれまでの直接接触の経験によって構築した相互理解でもあった。なかでも海外工場との取引では文化的距離の障壁をも伴うため, 相互理解を構築するには言語や民族的価値観, 労働環境に対する配慮がなされている。これらのことから, 城東地域に立地するニットメーカーはグローバル分業上での取引費用の削減に多大な役割を果たしていると指摘できる。すなわち, 東京城東地域の当該産業集積は量産という意味でのかつての製造機能を弱めた一方で, デザイン補助や小ロット短納期生産, また生産オーガナイズの機能を強めるといった形態で, 地域間競争・国際競争の激化後も生産システム上で重要な役割を果たし続けていることが明らかになった。
著者
木村 秀政
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京帝國大學航空研究所報告
巻号頁・発行日
vol.18, no.243, pp.392-431, 1942-11

This paper discusses how the lateral stability characteristics are affected by the changes of factors such as vertical tail volume, dihedral, radius of gyration, wing loading and altitude of flight. The conclusions are shown in the following table. [table]
著者
Kohji OHTA Yoshiyuki TANAKA Isao KAWATE Toshio TSUJI
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
Journal of Biomechanical Science and Engineering (ISSN:18809863)
巻号頁・発行日
pp.14-00207, (Released:2014-09-16)
参考文献数
16
被引用文献数
6

Human can realize flexible and skillful movements by controlling his/her musculoskeletal system and the interactive force with environments appropriately. However it still exist many uncertain biological motor characteristics in human movements even for a simple task. This paper aims to analyze and evaluate acceleration characteristics of the human hand during quick arm motion. First, the dynamic manipulability of end-point via muscle forces, called Human Muscular Mobility Ellipsoid (HMME), is newly defined. Next, the direction-dependent acceleration characteristic of the human hand motion is examined and analyzed its geometrical properties with an approximation ellipses of measured data. It is also discussed the problem that the conventional measures relative to the performance of end-point acceleration cannot represent the geometrical properties of human generated hand acceleration in good agreement with the measured data. Finally, the merits of HMME compared with the conventional measures is then demonstrated with a set of experimental results and computed results: HMME can be utilized in representing the geometric properties of human hand acceleration.