著者
稲葉 利江子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.72-76, 2022-01-15

大学入試センターは,2021年3月24日に公表した2025年に実施する大学入学共通テストの教科・科目の再編案において,「情報」を新たに導入し,国語や数学などと並ぶ基礎教科とする方針を示した.これを受け,FIT2021(第20回情報科学技術フォーラム)において,日本学術会議情報学委員会情報学教育分科会,情報処理学会,電子情報通信学会が主催となり,公開シンポジウム「大学入学共通テスト『情報』が目指すもの」が,2021年8月26日にオンライン開催された.本稿では,公開シンポジウムの内容について報告するとともに,大学入学共通テスト「情報」の動向について述べる.
著者
建部 正義
出版者
中央大学商学研究会
雑誌
商学論纂 (ISSN:02867702)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1-2, pp.31-70, 2022-09-01
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.806-812, 2020-07-15

2020年4月,プログラミング教育を含む新しい小学校学習指導要領が実施された.しかし,新型コロナウイルス感染症の影響もあり,プログラミングを体験する授業はほとんど行われていない.そうなった経緯について,過去の小学校のプログラミング教育を振り返り,産業界や官邸,文科省の思惑,新しい教育や学校の在り方などが交錯する中で進められた取り組みから読み解く.そして,それを受けて移行期間中に多くの学校で実施されたコンピュータを使わない「アンプラグド」を用いた授業を紹介し,その問題と背景にある「プログラミング恐怖症」に対する解決法を提案する.
著者
伊藤 高史 Takashi Ito
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.139, pp.23-42, 2021-12-31

本稿では,筆者がこれまでに考察してきたメディア文化に関する社会システム論的分析枠組みを利用して,クラシック音楽界では異例の注目を集めた佐村河内守の「ゴーストライター騒動」(2014年)を分析し,今日のメディア文化の在り方とそこにおける創造性産出のメカニズムの一端を明らかにした。クラシック音楽は歴史的に市民を感動させる音楽へと発展してきた。そのような歴史から考えれば,身体的障害や被爆二世といった記号的価値を付与して作品の価値を高めようとした佐村河内のやり方は自然なものであった。消費システムを観察し,消費システムを作動させようとする文化産業システムは,過去の作品との微細な差異を生み出しながら新しい商品を創作システムとともに生み出していく。創作システム,文化産業システム,消費システムが複合的に交差する中で佐村河内という「作曲家」が生み出され,彼は,現代日本の消費システムを作動させる調性音楽を生み出すプロデューサーとしての役割を果たした。文化産業システムを中心にした複数の社会システムが複合的に重なり合う中で,これまでになかった「21世紀の調性音楽」が生み出されたのである。
著者
笹谷 拓也 川原 圭博
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2019-UBI-62, no.8, pp.1-8, 2019-05-30

広い空間全域における無線での電力のやり取りが可能になると,IoT 技術は電源の制約から解放され,半永久的に電池が切れないセンサネットワークや,部屋にいるだけで勝手に充電されるウェアラブル / モバイル / インプラント機器などが実現すると考えられる.一方,従来の無線電力伝送は充電パッドなどの二次元状の給電領域を構成するものが主であり,ユーザが意識的に領域内に機器を置くことを前提とする.これに対し,準静空洞共振器 (QSCR : Quasistatic Cavity Resonator) という構造は空間内に三次元状に分布する磁界を生成できることからユビキタスな無線電力伝送への応用が期待されている.しかし従来の QSCR は部屋の中央に導体棒を要することや,部屋の中央から離れるにつれて給電効率が著しく低下するといった課題が存在する.これらの課題を解決するために,我々は複数のモードを持つのマルチモード準静空洞共振器 (Multimode QSCR) 構造を提案し,導体棒無しでの運用や,部屋内のあらゆる位置における高効率な給電が可能であることをシミュレーションにより示した.本稿では部屋スケール (3 m×3 m×2 m) のMultimode QSCR を実装した後,部屋全域において小型の受電器に対し高効率で給電できることを実測により示し,IoT システムへの応用について議論した.
著者
戸川 功基
出版者
皇学館大学人文学会
雑誌
皇学館論叢 = KOGAKKAN RONSO (ISSN:02870347)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.65-76, 2017-02
著者
井手 広康
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.254-257, 2021-04-15

2020年10月,大学入試センターは,2024年度の大学入学共通テストに教科「情報」を新設する方針を示した.さらに同センターはこの翌月,「大学入学共通テストにおける「情報」試作問題(検討用イメージ)」を関連団体に通達した.本稿では,これまでの教科「情報」の変遷と,大学入学共通テスト「情報」試作問題の概要を記すとともに,情報担当の教員が試作問題に対してどのような想いを抱いているのかをまとめる.
著者
志紀島 啓 Kei SHIKISHIMA
雑誌
芸術工学2017
巻号頁・発行日
2017-11-25

哲学者ジル・ドゥルーズは『アンチ・オイディプス』において、自身の思想を体現する形象として「スキゾ」の概念を打ち出した。それに先立つ『マゾッホ紹介』(以下ではPSMと略す)ではサディズムと対比しながら、マゾヒズムの論理が語られている。 PSMにおいてサディズムとマゾヒズムは、単に加虐・被虐を好む性的倒錯を指しているのではなく、法規範に対する異った二つの脱構築的態度として記述されているのである。そこでマゾヒズムという概念はのちの「スキゾ」の原形であると考えられる。PSMではドゥルーズの法規範に対する基本的な考え方が述べられている。ならばPSMを読解することによってドゥルーズの(反)法哲学を明らかにすることができるだろう。 本論ではドゥルーズが「マゾヒズム」と呼ぶ概念が(スキゾフレニーではなく)自閉症に近く、「サディズム」と呼ぶ概念がスキゾフレニーに近いことを示す。さらに法哲学の書としてPSMを読解する以上当然であるが、マゾヒズムの政治について批判的に考察する。
著者
荒牧 英治 増川 佐知子 森田 瑞樹 保田 祥
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2012-NL-208, no.9, pp.1-8, 2012-08-26

これまで言語学で高い関心を集めている問題の1つに人間の語彙数がある.数々の調査がなされてきたが,その多くは,理解できる語彙(理解語彙)の調査にとどまり,実際に使用する語彙(使用語彙)についてはどのくらいのものか,いっこうにわからないとされてきた.本研究では,ウェブ上の発言データを利用し,10万人という大規模な人数で使用語彙調査を行った.調査の結果,使用語彙は平均8,000語であることが明らかになった.さらに,同データを用いて,語のユーザ数の調査を行った.この結果,ユーザに偏りがある語や偏りがない語のリストが得られた.このようなユーザ数にもとづいたリストは本研究で初めて得られたものである.
著者
富樫 修一
出版者
東京海洋大学
巻号頁・発行日
2008

東京海洋大学修士学位論文 平成20年度(2008) 海運ロジスティクス専攻 第610号