著者
井上 壮太 降旗 建治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.348, pp.19-24, 2005-10-14

エレキギターはソリッドのボディが特徴である.弦はネックのペグ部分とボディのブリッジ部分に張られており, その振動は, そのネックとボディ振動の影響を受ける.本論文では, 理論的な弦の固定条件と現実のエレキギター(テレキャスター)との比較を, 物理的側面と心理的側面から検討した.その目的は, エレキギターのボディの設計方針とアンプのエフェクト回路の設計に役立てるためである.その結果から, 現実のエレキギターは弦の境界条件が固定時のシミュレーションと比べて「明瞭」, 「力強さ」, 「好み」において高く評価され, 心理的にも好ましく捉えられる傾向が示唆された.
著者
吉田 秀夫 藤井 勝実 中村 和弘 深澤 順子 新海 佳苗 新井 祥子 園部 洋巳 田村 由美子 花岡 和明
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.61-65, 2004-06-25 (Released:2012-08-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1

長時間労働を行っている勤労者に対して,人間ドック受診時に記入される問診票を分析することによって,問診票の持つ意義とその活用について検討した。平成14年度に当健康管理センターを受診した男性勤労者4,275名(平均年齢48.5±9.0歳)を対象とした。残業を含めた一日の労働時間から,対象者を12時間以上,8~12時間,8時間以内の3群に分類した。問診票のなかから労働態様,生活形態,嗜好習慣,身体的及び精神的愁訴について18項目を選び,長時間労働者の特徴を解析した。一日12時間以上の勤労者は500名あり,他の2群に比べて,年齢が若く,対人業務が多く,最近の仕事内容の変化でつらくなったと感じている者が多く,一ヶ月あたりの休日数は少なかった(P<0.001)。生活形態では睡眠時間が少なく,定期的運動習慣が少なく,3度の食事がきちんと取れない,寝る前に食事をとる,今も喫煙しているなどの特徴が見られた(p<0.001)。また,自覚的愁訴では体全体がだるい,朝の出勤がつらい,職場での対人関係が悪い,困った時の相談相手がいない,日常生活が楽しく過ごせていないなどの問題を抱える者が多かった(p<0.007)。長時間勤労は脳・心血管疾患の危険因子であることが示されているが,長時間労働者では多くの問題点を抱えており,労働状態や日常生活の把握に,問診表がもつ意義の重要性が改めて示された。

3 0 0 0 OA 著作権概論

著者
北海道大学附属図書館システム管理担当
巻号頁・発行日
2016-12-02

北海道地区機関リポジトリ実務担当者研修「出版社の著作権ポリシーを読む」. 平成28年12月2日(金), 北海道大学附属図書館.

3 0 0 0 OA 明治詔勅輯

著者
中村定吉 編
出版者
中村定吉
巻号頁・発行日
1893
著者
菅原 徹
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.34, no.133, pp.14-19, 2014 (Released:2015-04-01)
参考文献数
17
被引用文献数
3

コミュニケーションにおけるなにげない笑顔は情報の受発信のスピード,容量,親和性を一変させるほどのチカラがある.また,笑顔を随意的につくることにより,表情筋活動の生理的フィードバックがポジティブな感情を喚起することも報告されている.笑顔は多様性があり,本物の笑顔だけが精神的,身体的な健康上の恩恵につながる可能性は高い.一般的に好感を持たれる,喜びを感じることができる笑顔は「デュシェンヌスマイル」と呼ばれる.これとは対照的に,不自然な笑顔や社交辞令的ほほ笑みは「ノンデュシェンヌスマイル」と総称される.この二つの笑顔の違いについて,顔の何学的な特徴の分析から明らかにする.さらにそれぞれの笑顔の表情筋活動パターンを筋電図により明らかにする.その結果,デュシェンヌスマイルには黄金比が表れ,表情筋の収縮に特異なパターンがあることがわかった.人と人との関係性を深める笑顔について,分析を通して解説したい.
著者
大隅 和雄
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.71-77, 1982-01-10 (Released:2017-08-01)

The Taiheiki contains many passages which allude to and introduce passages from the Chinese classics. ln order to study the function of Chinese topics in the Taiheiki,I studied the distribution pattern of the 385 Chinese who appear in the work. From this study, the Taiheiki appears as a primer of the Chinese classics; the knowledge it offers is based upon that consolidated by the Heian aristocrats and fails to renect any of the new elements of the Kamakura Period.
著者
藤原 潤子
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.45-68, 2008

本稿は、現代ロシアにおける宗教的求道の特徴について、歴史観との関係から論じるものである。ソ連崩壊後のロシアにおいて、ナショナリズムはしばしば正教ナショナリズムの形を取って現れる。しかしロシア正教会は実は一枚岩ではない。歴史的状況との関連の中で、教団類型論におけるチャーチ的な教会(モスクワ総主教を長とする)の他に、旧教、カタコンベなどと呼ばれるセクトが現れたからである。本稿では、求道の過程で幾度も所属教会を変えていった正教徒夫妻のライフヒストリーを事例として取り上げ、その求道がまさに「真のロシア史」への探求だったことを示す。彼らにとって何が「真の歴史」かという問題は、どこに「真の聖性」があるのかという問題と切り離せない。新たな宗派との出会いを通じてロシア史をめぐる問題の新たな局面が開ける度に、彼らは自らが正しいと信じる「歴史」を選択していったのである。
著者
判澤 純太
出版者
新潟工科大学
雑誌
新潟工科大学研究紀要 (ISSN:1342792X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.107-129, 2005-12-25

It was rather strange situation that the Japan's 38th army which had deployed over the Indochina peninsula was, as the fact, protected against Anglo-American Array attack by General Jiang-Kai-Sheck. Because, Genralissimo (i.e. Jiang-Kai-Sheck) then asserted his war position's right that the battle field was belonged to China, and Anglo-American Arry should not be involved by themselves. Churchill and Roosevelt couldn't oppose it, although both leaders were in a great quandary. For Japan, the Indochina battle field, then, became safe and advantageous. Among that peculiar power balance, Japan had a rare historical option to realize its plan to support the independence of the European and American colonies in the all South East Asia, and Japan extended its South East Asian diplomacy to give them the diplomatic recognition by the European international law.
著者
森 章
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.19-39, 2010-03-31
被引用文献数
2

森林生態系は、その構成・構造・機能が絶えず変動するものであり、また画一的な定常状態や平衡点に達することは極めて有り得ないことであると考えられるようになった。この森林生態系の"非平衡性"を引き起こしている主要因としては、自然撹乱が挙げられる。近年、自然撹乱体制を明らかにすることで、森林生態系の動態がより明らかになってきた。現在の陸域の生態系管理において、森林生態系やその高位の地理的スケールにある景観に内在する自然撹乱体制を正しく認識することは非常に重要である。自然撹乱を中心とした、自然本来の動的プロセスを尊重し、生態系の構成・構造・機能を健全に保全することは、多様なレベルにおける生物多様性の包括的な保全に貢献し得るとも考えられている。このように、生態系の非平衡性の重要性と、非平衡を生み出している自然の必要性について、基礎生態学的観点及び応用生態学的観点の双方から広く認知されている。しかしながら、森林生態系の変動性・複雑性については、まだまだ未知のことも多い。生態系で起こり得る撹乱、特に大規模な自然撹乱は、予測不可能なものであり、生態系に与えるインパクトについても複雑で不確実なものである。それゆえに、複雑性・予測不可能性・非平衡性を認知した上で、環境変動に対する生態系の挙動を如何に理解できるかが、生態系の管理や復元にとって重要である。森林生態系における非平衡パラダイムの理解のためには、自然撹乱を軸として、個体から景観に至るまでの様々なヒエラルキーの中での生態系の動的事象を多角的に捉えることが必要である。