著者
倉田 稔
出版者
小樽商科大学
雑誌
商學討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.1-20, 1998-07-31

論説
著者
林 久史
出版者
日本女子大学
雑誌
日本女子大学紀要 理学部 (ISSN:09191593)
巻号頁・発行日
no.23, pp.13-22, 2015-03
被引用文献数
1
著者
宮平 光庸
出版者
関西学院大学
雑誌
関西学院経済学研究 (ISSN:02876914)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.93-140, 1997-12

キリスト教と経済学の関係といえば,ただちに,マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が想起されるだろう。同書の一般的な理解によれば,プロテスタント・キリスト教のなかでもカルヴィニズムの影響の強かった信仰的な生活実践の場において,すなわち,聖・俗が分離された修道院の中においてではなく,通常の人々が現実に生活をする世俗的な場において,もっとも大切なこととされていた救いの確証を得るために,勤勉に労働することによって得られる経済的な繁栄を神からの祝福だと思い,いわゆる「世俗内禁欲」的な生活を送り,それが結果的に資本主義的経済発展の原動力となったとされている。(より聖書的な理解によれば,救いの確証を得るためではなく,むしろ人間の業である功徳によらないで神の恵みによりまた信仰によって救われた感謝の印をその生活で証しするための神への応答としての勤勉な労働と生活であったという方が,より説得力をもつように思われる。)いずれにせよ,そのように清教徒的な信仰と倫理的なエートスが,歴史的に経済活動に影響を及ぼしてきたとされる根強い理解の延長線上にあって,キリスト教的な経済観と言えば,どちらかといえばキリスト教の理想的な道徳・倫理を現実の経済活動に適用しようとする立場だと一般的に理解(誤解?)されているように思われる。本論文で試みたいことは,誰に対しても共通する生活基盤であり,また,研究対象でもある市場経済を観察するに際して,その観察者の思想なり価値観が異なることにより,その市場経済観が相当変わってくるという事実を明らかにすることである。すなわち,一方では新自由主義の立場に立つF・ハイエクおよびM・フリードマンの市場経済観と,他方では聖書的立場に立つB・グリフィスおよびD・ヘイの市場経済観とは,いずれも基本的に人間の自由を重要視するところから出発しており,市場経済に対する基本的な考え方においてはかなりの点で類似している。ところが,市場経済の社会的な枠組みとして法的なルールで十分とするか,道徳・倫理的な枠組みを必要とするかについては,それぞれの背景にある哲学思想や価値観が異なり,当然のことながら,その強調点が相違している。そこで,両立場の市場経済に対する姿勢を比較検討することにより,その類似点と相違点を明示し,前者に対する後者の批判点を明らかにしながら,聖書的立場からの市場経済観,とくにこれまでほとんど紹介されてこなかったD・ヘイによる市場経済に関する聖書的諸原則を紹介することが,当論文の主要な目的である。
著者
角田 忠信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.486-491, 1978-06-01

ひとの左脳は知的, 言語的な情報処理を担当するが, 右脳は非言語活動を担当している.日本人では母音の音韻構造が特殊であることから感情音や自然音が左脳に偏より, これによって左脳が情動に関与するようになる.西欧人や他のアジア人では情動は右脳が主役を演じている.日本人では母音や自然音に含まれる僅かのFM音に対して鋭敏に左脳で応じるが, 他の国民は子音の音形に対応した形にのみ左脳で応じる.日本の文化の特徴は脳の働きからも説明できると結論した.
著者
サヴァレスキュ ジュリアン 澤井 努
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科 共生人間学専攻 カール・ベッカー研究室
雑誌
いのちの未来 = The Future of Life (ISSN:24239445)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.100-114, 2016-01-15

原著: ジュリアン・サヴァレスキュ, 翻訳: 澤井努Original : Julian Savulescu, Translated : Tsutomu Sawai今では、体外受精や着床前診断を利用することで優生学的に胚を選別できるようになっている。着床前診断は、一般に染色体異常や遺伝的異常を見つけるために用いられているが、原理的には例えば髪の色や目の色などの遺伝形質を検査するために用いられることも考えられる。遺伝学的研究は知能のような複雑な形質の遺伝学的基盤を解明するまでに急速に発展しており、ある家族に見られる犯罪行動に影響する遺伝子が特定されてきている。いったん体外受精を利用するという決定がなされれば、着床前診断はカップルにとってほとんど「コスト」がなく、例えばアルツハイマー病を発症するといったより小さなリスクなど、それほど重篤ではない医学的な形質を選別したり、非医学的な形質を選別したりするために着床前診断を受けたいと思うであろう。着床前診断は既に、伴性遺伝の病歴がない場合に、望ましい性別の胚を選択するために用いられている。本稿では、以下の3 点を主張する。(1)いくつかの非疾患遺伝子は、われわれの最善の人生を送る可能性に影響する。(2)われわれには、生殖をめぐる意思決定において、そうした非疾患遺伝子に関して利用可能な情報を用いるべき理由がある。(3)カップルは、非疾患遺伝子に関する情報など、利用可能な遺伝情報を基に、最善の人生を送る可能性の最も高い胚、または胎児を選択すべきである。また、たとえ非疾患遺伝子の選別が社会的不平等を擁護、または増大させるとしても、われわれはそれを認めるべきであると主張する。本稿では、知能や性別の選択に関係する遺伝子に注目する。私は、「生殖の善行」という原則、すなわち、「カップル(または子どもを持とうとするシングル)は、関連する、利用可能な情報を基に、彼らが持つことのできる子どもの中から、最善の人生、または少なくとも他の子どもたちと同程度によい人生を送ることが期待される子どもを選ぶべきである」を擁護する。
著者
杉本 伸一 長井 大輔
出版者
九州大学大学院理学研究院
雑誌
九州大学大学院理学研究院研究報告 地球惑星科学 (ISSN:13480545)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.9-22, 2009-03
被引用文献数
2

The 1990-1995 eruption of Unzen volcano, Japan, was characterized by lava dome growth and pyroclastic flows triggered by dome collapse. One of the largest pyroclastic flows occurred at 4:08 p.m. on June 3, 1991. The associated pyroclastic surge killed 43 people and injured 9 persons. The event was the worst volcanic disaster within a few decades in Japan. The victims due to the pyroclastic surge included following persons: fire brigade members watching for lahars and for safety of houses in the evacuation area, local residents returning home for retrieving their property and goods, press people taking photos of the pyroclastic flow, taxi drivers hired by the press, volcanologists recording volcanic activity on video tape, and policemen [OR a policeman] calling for peoples evacuation. Only a few people who were located near the distal end of the pyroclastic surge could survive. The mortality rate was 100% at the upstream area about 4.3 km from the source. The mortality extended to 69% at the downstream area near the distal end of pyroclastic surge. The overall survival rate (18%) is very low. This fact indicates that the only way to avoid disasters due to pyroclastic flows is to evacuate before they occur. Governments must designate the warned area and/or declare an evacuation instruction for residents to keep people out unconditionally, in cooperation with the volcanologists.
著者
鳥羽 耕史
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.14-26, 2010-11-10

一九六〇年代の小松左京は、SFやルポルタージュや評論によって、「日本」を探究したが、その結論は意外にも古き良き故郷であり、開発を望むものではなかった。『日本沈没』も田中角栄『日本列島改造論』への批判として書かれ、沈没する日本は古代に遡行したものとなっていた。この小説は現在に至るまでマンガ、ラジオドラマ、映画、テレビドラマなど、様々なメディア向けに脚色され続けているが、その流れを追っていくと、サブカルチャーを介した日本回帰という「J回帰」の特徴が出ていることがわかる。
著者
高久 嶺之介 Reinosuke Takaku
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The social sciences (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.101-129, 2019-08

本稿は,第三代京都府知事北垣国道(幼名晋太郎)が幕末にかかわった文久3年(1863)10月の生野の変でどのように行動をしたのかをあらためて検証しようとするものである。もちろん生野の変の北垣の行動は不明な点がある。しかし、明治期の彼の回想録など諸史料と当時の彼の行動を分析すれば,迷いがあったとしても決起中止の流れに身を置いていたことは間違いない。さらに北垣の生家跡にある祠の「祭神」をみれば,彼が生野の変においてどういう人びとに依拠しようとしていたかが判明する。研究ノート(Note)