著者
脇田 早紀子 金子 宏
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.7(1995-NL-111), pp.27-32, 1996-01-19

日本語校正支援システムに対して、変換ミスを漏れなく指摘してほしいという要請は以前からあった。我々が作っていたシステムでは、パターンという校正知識記述法と誤用語辞書を利用して変換ミスを検出していたが、余計な警告を出さない方針に徹していたので検出率は変換ミスの50%程度であった。漏れなく警告するため同音異義語を持つ語をすべて警告することも考えられるが、警告数が多くなりすぎて実用的でない。そこで、回りの語・語列・品詞・品詞列などを手がかりに、正しい変換らしいものを除いて警告数を抑える仕組みを作った。本発表では、その辞書を過去の文書の蓄積から自動作成する試みについて述べる。
著者
伏見 遼平 福嶋 政期 苗村 健
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.26-31, 2014-09-12

記念撮影で自然な表情を撮影するのは難しい.本研究では被撮影者に自然な笑顔の表出を促すカメラを検討している.本稿では笑い声が笑顔や笑いを誘発する現象に着目し,シャッターを切る前に笑い声を再生することで自然な笑顔を撮影するカメラシステムを提案する.効果を検証するために,シャッター音・笑い声(青年)・笑い声(幼児)の3条件で表情の変化を比較した.さらに笑い声呈示から表情表出までの時間差に着目しシャッターを切るタイミングを検討した.
著者
矢田和也 高井昌彰
雑誌
第74回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.321-322, 2012-03-06

テーブルゲームの一種である麻雀は広く普及している.しかし,麻雀は他のテーブルゲームと比べて大変難しいゲームであり,初心者のプレーヤーが基本のルールを覚えてもすぐにはプレイできず,手牌の中から次にどの牌を捨てたら良いかの判断がつかない事が多々ある.本研究ではこのような問題を解決するため,麻雀牌の画像認識と拡張現実技術を応用した麻雀初心者支援システムを構築した.本システムでは,スマートフォンを用いて麻雀初心者が自分の手牌画像を撮影することで,システムが適切な捨牌候補をリアルタイムに検出し,手牌画像上に捨牌の情報を可視化し,初心者のプレイを支援することが可能である.
著者
富永 大介 ポールホートン
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.13(2006-BIO-004), pp.17-23, 2006-02-09

生物学全般において、たとえば概日周期変動や個体数の通年での変化の解析など、定量的観測値の時間変化が周期性を持つかどうかの判断を必要とすることは多い。しかしその判断基準はデータの特性に応じて経験的に、ケースバイケースで決められており、研究者や状況によって判断が変わることがありえるため、客観性を欠いた解析、解釈が行われやすい。したがって、慈恵性を含まない判断基準が必要である。そこで我々は判断基準として情報量基準を導入し、悪意性を排除した判断を行うアルゴリズムを考案した。そのアルゴリズムを乱数データと遺伝子発現観測データに適用し、この手法の有効性を示した。
著者
ARAI Yoichi
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.15-11, 2015-08

We propose a generalized version of the RESET test for linearity in regressions with I(1) processes against various nonlinear alternatives and no cointegration. The proposed test statistic for linearity is given by the Wald statistic and its limiting distribution under the null hypothesis is shown to be a X^2 distribution with a "leads and lags" estimation technique. We show that the test is consistent against a class of nonlinear alternatives and no cointegration. Finite-sample simulations show that the empirical size is close to the nominal one and the test succeeds in detecting both nonlinearity and no cointegration.
著者
田中 侑希 田中 美栄子
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MPS-88, no.14, pp.1-6, 2012-05-10

人が生成した乱数列のことを人間乱数と呼び,被験者の体調や生成方法によって数列の特徴が変化することが知られている.人間乱数を個人で識別するためには乱数列に個人の癖(特徴)が反映される生成方法を考える必要がある.本研究では乱数列に個人の癖が反映される生成方法として,乱数生成時の思考度合が異なる2種類のデータを採取し比較を行うことで両者の特徴を捉えることを目的とした.採取したデータを用いて様々な指標を計算した結果,直感的に生成した場合と熟考して生成した場合とで明確に差が現れず,どちらもある程度個人の癖が反映されることがわかった.そこで8種類の特徴量となる指標を用いてSOMによる個人分類実験を行ったところ,熟考データに比べて直感データの方が個人を分類する上で,より適していると思われる結果となった.また,特徴量のうち,データ採取時の被験者の行動パターンを反映するものが重要であったことから,データ列の解析だけでなく被験者の行動を指標として取り入れることによって個人分類の可能性が高まることがわかった.
著者
橘 誠 才野 慶二郎 久湊 裕司
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013-SLP-99, no.22, pp.1-6, 2013-12-12

HMM 音声合成は統計的な韻律のモデル化により,話者性やスタイルを柔軟に多様化することができる.本稿では,その表現力を波形素片接続型の歌声合成システムである VOCALOID™ に取り入れる方法として,歌唱表現が現れる重要な特徴と考えられるピッチの変化をHMMでモデル化,生成する歌唱スタイル生成手法を提案する.HMM音声合成手法を歌唱スタイルのモデル化に利用する際には,未知の音高に対しても適切なパラメータ生成を行う必要がある.そこで本研究ではピッチベンドチェンジを用いたモデル化を提案する.また,長い時間伸ばされる音符に対して自然な変動を付与するため,ノート内を複数のセグメントに分割した単位でモデル化し,多段階のコンテキストクラスタリングを導入して楽曲構造と音符内の変動を階層的に表現する.また,この手法をVOCALOID™3の機能である Job Plugin として組み込んだ例を紹介する.
著者
堀内 晨彦 最所 圭三
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2015-IOT-30, no.1, pp.1-6, 2015-06-26

Sensu とは,Ruby 製の監視フレームワークである.監視対象の自動登録,構成管理を前提とした設定など,クラウドに適したアーキテクチャとなっている.我々の研究室では,分散 Web システムの研究のため数十台の仮想サーバを運用しており,Sensu を用いて監視しようとしたが,監視オーバーヘッドの大きさや,サーバ停止時でも監視を継続しようとする問題が発生した.本稿では,これらの問題を解決するために開発した Go 言語を用いた監視のためのプラグイン,およびサーバ停止時に自動的に監視対象から削除するための手法について報告する.
著者
白川 真澄 中山 浩太郎 原 隆浩 西尾 章治郎
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.51-63, 2012-09-28

語句をカテゴリ (トピック) に分類した概念辞書は,文書分類をはじめ様々なアプリケーションの基盤リソースとして必要とされている.代表的な概念辞書である WordNet は一般語を網羅的に定義しているが,固有名詞や専門用語,新語はあまり網羅されていない.一方,大規模 Web 百科事典である Wikipedia はそのような語句を数多く定義しており,また,語句を分類するためのカテゴリ構造を有している.しかし, Wikipedia のカテゴリ構造は,複数の親やループを許容するネットワーク構造であるため,ある語句がどのカテゴリに属しているかを判別するのは難しい.そこで本研究では,グラフ理論に基づいて Wikipedia のカテゴリネットワークを解析し,確率的に語句を分類する手法を提案する.また,語句の確率的分類の結果を教師データとし,ナイーブベイズによる文書分類を行う. Web 検索のスニペットを代表的な 8 カテゴリに分類するタスク,および科学に関するニュースのスニペットを 8 つの領域に分類するタスクにおいて評価を行い,提案手法の有効性を確認した.
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.906-915, 2015-08-15
著者
岩本 舞 小島 俊輔 中嶋 卓雄
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2012-EIP-57, no.20, pp.1-8, 2012-09-06

大学等におけるプログラミング系科目のレポート課題において,他人の記述したプログラムをそのまま流用して提出するする行為が問題となっている.このプログラムのコピーを自動で検出する技術に,コードクローン検出技術がある.本研究は,学生の提出する不正コピーの検出に注目した,コードクローン検出アルゴリズムの開発を目的としている.本研究で提案するアルゴリズムは,トークンごとの比較を基礎としており,学生が提出する不正コピーの特徴,たとえば,関数の場所やプログラムの行単位の入れ替えをすべて検出できる.提案するアルゴリズムを実装し,学生 119 名から提出された課題に対して評価実験を行った.目視による判定と比較した結果,学生の作成した非常に短いプログラムにおいて, 36 件の不正コピーのうち 32 件を検出することができた.
著者
土山 玄
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-107, no.7, pp.1-6, 2015-08-02

近年ディジタルヒューマニティーズが注目されるにともなって,計量文献学の手法を用いた文学作品の計量分析が盛んになっている.文章を計量的に分析するという点で,計量文献学は最近の学問のように思われるが,その研究の萌芽は 19 世紀の西欧にまで遡る.そこで,本論文では内外の計量文献学の達成の歴史とその研究方法を概観する.文章の計量分析では主に著者の識別,及び著作の成立年代あるいは成立順序の推定が研究目的となり,語の長さや語の頻度などの項目が分析に用いられてきた.本論文ではこれらの分析項目の特徴についても検討を加える.
著者
谷田 英生 Guodong Li Indradeep Ghosh 上原 忠弘
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.158-163, 2014-08-25

JavaScript コードは,対話性の高い Web アプリケーションやモバイルアプリの実現のために,今後さらに多用される傾向にあり,そのテストが重要となる.一方,JavaScript に対するテスト効率化技術は十分に整備されていない.そこで本稿では,JavaScript プログラムに対して網羅性の高い単体テストデータを自動生成する手法を提案する.手法は,JavaScript 記号実行エンジンと,記号実行エンジンの解析対象外とする記述を自動でスタブ化するスタブ・ドライバ生成エンジンにより構成される.手法は,実ブラウザ上での対象プログラム実行に使用可能な,単体テストデータを生成可能である.手法を現場の資産へ適用することにより,高カバレッジを実現する単体テストデータを自動生成可能なことが確認された.