著者
大橋 美幸
出版者
函館大学図書館
雑誌
函館大学論究 = The Review of Hakodate University (ISSN:02866137)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.129-161, 2017-10

北海道新幹線の開業2年目に、函館市等の街頭、イベントでアンケートを行い、開 業前、開業直後と比較した(回収数3635)。 北海道新幹線の利用経験は函館4割、他の沿線5~8割、札幌15%であり、沿線だ けでなく遠方からも利用されている。目的は道内外ともに観光7割であり、開業直後 から変わっていない。 沿線への開業の影響は、経済・社会全体に「プラス」、観光客数が「増えた」と函館、 新幹線駅地元で7割に評価されており、おおむね肯定的に捉えられている。 道外からの移動は、東北8割、北関東4割が新幹線を利用しており、東北でJR利 用が移行し、北関東で飛行機からの一部乗り換えが起こっている。他方で、南関東以 南の新幹線利用はわずかであり、開業直後よりもむしろ減っている。訪問先は函館の みが8割以上であり、周遊につながっていない。周遊は開業直後よりもむしろ減って おり、開業効果を限定的なものにしている。
著者
日下田 岳史
雑誌
大正大學研究紀要
巻号頁・発行日
no.102, pp.290-318, 2017-03-15
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 古屋 晋一 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.2782-2795, 2009-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時の前頭前野活動の低下が報告されてきた.しかし,これらはゲーム初中級者を対象としたものに限られ,熟達者の脳活動の活動様相および熟達にともなう変化については未解明の点が多い.本研究では2名の熟達者が「未熟達のゲーム」に訓練を重ねて熟達していく過程で脳活動にどのような変化が起こるのかを運動技能とあわせて検討を行った.その結果,当該熟達者の前頭前野活動は,学習初期に上昇し,学習中期には低下し,学習後期には再び上昇するというU-shapeを示した.
著者
瀬口 翔太 澤畠 拓夫
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = MEMOIRS OF THE FACULTY OF AGRICULTURE OF KINKI UNIVERSITY (ISSN:21896267)
巻号頁・発行日
no.49, pp.61-65, 2016-03-31

<Synopsis>The hermit beetle, Osmoderma opicum Lewis, 1887 is one of the endangered beetle species living in tree hollows. We found the beetle in a warm-temperate evergreen forest on Mt. Kasugayama. This beetle has been thought inhabiting a summergreen forest zone and the coniferous trees zone of the high altitude. Therefore, it was the first time to prove that the beetle can inhabits in a warm-temperate evergreen forest.
著者
川嶋 周一
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.16-17, 2016-10

本稿は、1955 年から 57 年にかけて交渉が行われ、58 年 1 月1 日に成立した欧州原子力共同体(以下、ユーラトム)がどのように成立し、そして機能していったのかを、ユーラトムが 50 年代から 60 年代にかけて確立していったグローバルな核秩序の中にどのように位置づけられるのか念頭に置きながら、考察するものである。ユーラトムは、現在の欧州連合(EU)の前身を構成する共同体の一つであり、現在でも一定の役割を果たしている。しかし、ユーラトムの双子として生まれた共同市場の欧州経済共同体(EEC)がその後EU につながる土台を提供するほどの成功を収めたのとは対照的に、原子力共同体は急速にその存在意義を失い、そしてほぼ忘れられた共同体となった。ユーラトムとは何だったのか。本稿は、欧州各国の未公刊史料を用いて、ユーラトムをヨーロッパ統合というよりもむしろ、50 年代の後半から 60 年代にかけて形成されていく、核エネルギーの平和利用レジームや北大西洋条約機構(NATO)を含めたより広いグローバルな核秩序の中に位置付けようとする。その際、ユーラトムは、ヨーロッパがアメリカに対する協調と自立を求める相矛盾する狭間の中で成立した、ある種のエアポケットであるさまが描かれるであろう。
著者
永井 敦子 ナガイ アツコ
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.17, pp.15-22, 2017-03-31

本稿では15世紀末から1570年代までの王令における、ポリスの語の用いられ方と、意味内容の変化を検討する。15世紀末の王令では同業組合や都市の特権を認める際にポリスの語が用いられ、その意味内容は漠然とした秩序維持の場合が多い。しかしフォンタノンが収集した16世紀半ば以降の王令では、ポリスの語が、街路整備、価格規制、犯罪抑止などの具体的な内容をもった秩序維持の意味で用いられるようになる。また「ポリスの事柄」「ポリスについての王令」の範囲が限定され、都市における規則違反に関する情報の掌握と処罰といった、「ポリス役人」の職務内容が明確化する。16世紀におけるポリスは実効力を欠くが、ポリスの内容がこのように具体化したことで、王国の秩序形成手段としてのポリス(治安行政)につながるのではないだろうか。
著者
史料館

凡例祭魚洞文庫旧蔵水産史料目録解題
著者
藤岡 純一
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.45-55, 2012-03

Respect for human rights is one of the cornerstones of Sweden’s migration policy. Human rights apply throughout the world, irrespective of country, culture and association.Sweden has been accepting a large number of immigrants including refugees according to this basic idea. Different measures such as Swedish education, compulsory and upper secondary school, vocational training for adults and employment promotion have been taken for many years. Today about 14% of Swedish population is foreign-born.However, problems arise in educational achievements, employment rates, income they gain etc.This paper describes the status quo and problems of Sweden’s migration policy. New measures against the problems are also mentioned. So far there have been few papers in Japan on Swedish migration policy.Achieving a society which is characterized by mutual respect for differences within the limits set by the fundamental democratic values should be quite important for Japanese society in the future.