著者
奈良坂 俊明 圷 大輔 溝上 裕士
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.94, no.1, pp.175-176, 2019-06-07 (Released:2019-06-20)
参考文献数
4

Colonic diverticular bleeding is the most frequent cause of lower gastrointestinal hemorrhage, and it tends to increase. We previously developed the endoscopic detachable snare ligation (EDSL) method as a new method of endoscopic hemostasis [Endoscopy 2015, 47 (11): 1039-42]. The EDSL method is a method of ligature hemostasis using a transparent hood and an endoloop with a diameter of 20 mm. In this procedure, the endoloop is expanded over the tip of the hood and the hood is pressed against the colonic wall so that the diverticulum is at the center. Then, the endoloop is ligated while sucking the diverticulum into the hood. In the multicenter study conducted by our group, the early rebleeding rate was 7.9% [Gastrointest Endosc 2018, 88 (2): 370-377]. The EDSL method is a useful hemostatic method and may become the first choice among endoscopic hemostasis methods in the future.
著者
森 繁人 斎藤 等 木村 有一 高橋 昇 山田 武千代
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.38, no.Supplement3, pp.220-227, 1995-08-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
27

エリスロマイシンをはじめとするマクロライド系抗生剤が慢性副鼻腔炎に対して有効であることが報告されており, 抗菌作用以外の作用が示唆されているが, なお不明な点が多く残されている。今回われわれは, マクロライド系抗生剤の有効機序の一端を明らかにする目的で, 14員環のエリスロマイシン (EM), ロキシスロマイシン (RXM) および16員環のアセチルスピラマイシン (SPM) を, 培養鼻副鼻腔粘膜に作用させ, 繊毛運動に与える影響を電気光学的に検討した。その結果EMでは内服の際の組織移行濃度である0.002%(2.0×101mg/L) 以上で充進を認めた。0.05%(5.0×102mg/L) 以上の高濃度になると, はじめ亢進し, やがて障害されるという二面性を呈した。RXMでも組織移行濃度の0.0005%(5.0mg/L) 以上で作用直後から充進が認められ, EMよりも長時間賦活状態が持続する傾向を認めたが, 0.005%(5.0×101mg/L) になると充進傾向は減弱した。SPMではほとんど充進作用を認めなかった。以上の結果から, マクロライド系抗生剤の慢性副鼻腔炎に対する作用機序の一つとして, 繊毛運動賦活作用が想定された。また14員環マクロライドは16員環マクロライドよりも, RXMはEMよりも優れた繊毛運動活性化作用を有していると考えられた。

2 0 0 0 大王町史

著者
大王町史編さん委員会編
出版者
大王町
巻号頁・発行日
1994

2 0 0 0 OA 臨済録講話

著者
釈宗活 著
出版者
光融館
巻号頁・発行日
1924
著者
B. A. Fenderson 山形 達也
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.5, no.24, pp.271-285, 1993-07-02 (Released:2010-01-05)
参考文献数
76
被引用文献数
3 5

着床とは哺乳動物の初期胚が子宮壁に接着する発生上の複雑な過程である。ステロイドホルモンおよびサイトカインの影響下で非接着性の子宮上皮が接着性に変わることが重要である。子宮壁の接着性が変わる間に、子宮上皮の糖脂質や糖タンパク組成の変化、上皮表面の複合糖質分子の大きさや荷電の変化、内腔液に分泌される糖タンパク質のパターンの変化などを含む糖鎖の変化が沢山見られる。胚でも着床に先立って糖抗原の発現が大きく変わる。これらの発生特異的な変化が胚盤胞の子宮への接着の時間や場所を調節しているのかも知れない。着床に伴う糖鎖の役割について幾つかの検証しうる仮説が出されていて、糖鎖-タンパク質相互作用と、糖鎖-糖鎖間相互作用のどちらも有力である。
著者
中谷 いずみ
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.132-145, 2018-05-15 (Released:2019-05-15)

本論は、「文学史」を構成する解釈のフレームを問題化するために、階級闘争に関わった女性たちの動向や書きものについて、『女人芸術』という雑誌を軸に検討を行った。一九三〇年前後に政治的理想のために闘う主体として「ハウス・キーパー」を担った女性たちは、労働者階級の優位と前衛における性役割の自明化というフレームの重なりから生じた〈運動主体〉をめぐる解釈の空所に陥り、結果、同時代批評からも歴史記述からもその存在を見落とされることとなった。本論では、彼女たちの作品を読むことがそれらの女性たちの声に耳を澄ますことであると同時に、「文学史」を構成する諸解釈のフレームを問い直すことでもあると論じた。
著者
川村 由美 大塚 勤 山崎 雙次
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.115, no.9, pp.1321-1325, 2005-08-20 (Released:2014-12-10)

症例1 72歳,男性.1999年10月より肝細胞癌に対し計10回,経カテーテル的肝動脈化学塞栓術(以下TAI・TAE)施行.2000年7月,右背部に軽度の搔痒を伴う皮疹出現.周囲に毛細血管拡張を伴う黒褐色の色素沈着と一部脱色素斑が混在する硬化性局面を認めた.自覚症状,潰瘍等がみられないため外来でステロイド軟膏・ヘパリン類似物質軟膏外用にて経過観察中.症例2 56歳,男性.1994年7月,急性心筋梗塞に対して冠動脈造影(以下CAG)および経皮的冠動脈形成術(以下PTCA)施行.1995年8月より,右上背部に痂皮を伴う紅斑出現.2000年9月,一部潰瘍化し強い疼痛を伴ったため近医受診.抗生剤内服・外用にても軽快せず当科紹介.右上背部に径10×7.0 cm大,黒褐色の光沢を伴う硬化性局面あり,中央部に径5.0×4.5 cmの白色壊死を伴う潰瘍を認めた.治療は皮膚硬化部より1 cm離し,筋膜を含めて切除し分層植皮術施行.その後再発なし.2例とも組織所見にて真皮全層と一部皮下組織まで膠原線維の均質化と増生がみられ,付属器はほとんど認められない.いずれも臨床像はmorpheaと類似しており,慢性放射線皮膚炎との鑑別の必要性を考え報告する.
著者
後藤 雄太
出版者
広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター, 西日本応用倫理学研究会
雑誌
ぷらくしす (ISSN:18808638)
巻号頁・発行日
no.21, pp.47-57, 2020-03-31

広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター研究成果報告書統一テーマ : [平和構築に向けて : 和解の諸相] 《Zur Konstruierung des Friedens: Verschiedene Aspekte der Versöhnung》
著者
稲垣 敏之
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.2_20-2_30, 2008-10-01 (Released:2011-05-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

高い知能と自律性を持つ機械は,ヒューマンマシンシステムの安全性,効率性,快適性の向上に貢献しているが,人との間に不整合をもたらすこともある.本稿では,人と機械が「自然」な形で共生できるシステムを実現するための課題を,具体例に即して考察する.
著者
山住才三 編
出版者
積玉圃
巻号頁・発行日
1878
著者
前田 直美 小瀬川 度
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.128-129, 2008-03-20

現地に住む者として、そんな見方のすべてが誤解とは言わない。しかし、少なくともビジネスを築き上げた人物となれば、イタリア人も日本人が驚くほど勤勉だ。 オフィス家具メーカー「ウルトム」の創業社長のルイージ・トムボラン(78)もよく働く経営者の一人だ。 ルイージは伝統的な木工場にすぎなかった家業を、デザイン力の高いオフィス家具メーカーに育てた。
著者
信夫 隆司
雑誌
総合政策 = Journal of policy studies (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.43-90, 2001-07-01

松尾鉱山は、かつて、東洋一の硫黄鉱山であるとか、「雲上の楽園」と言われた。閉山からすでに30年以上が経過し、松尾鉱山の栄華を知る人も数少なくなってきている。今日では、松尾鉱山から出る強酸性の坑廃水の処理問題だけに関心が行き勝ちである。しかし、この問題が登場する背景をわれわれはきちんと理解しておく必要がある。そのため、本稿では、1914(大正3)年に松尾鉱業が創立される由来にまで遡り、松尾鉱山の歴史を紐解いてみた。また、松尾鉱山の生みの親である松尾鉱業初代社長中村房次郎の事跡をたどりながら、第2次世界大戦までの30年あまりにわたる松尾鉱山の歩みを跡づけた。