著者
高橋 武士
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.283-291, 1988-12-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
39
被引用文献数
4
著者
鳥居 寛之 関原 佑奈 黒田 直史 鳥井 寿夫
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
大学の物理教育 (ISSN:1340993X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.147-152, 2017-11-15 (Released:2017-12-15)
参考文献数
9

1.はじめに東京大学における全学の前期課程教育を担う教養学部では,毎年の理系学生1800名に必修で基礎物理学実験を課している.これまでに,その全体像1)と熱力学種目の開発2),また,初回の物理
著者
鈴木 睦 山下 善之
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

アミノ酸の連続分離濃縮を目的として、イオン交換樹脂の移動層型向流接触装置を作成し、その濃縮分離特性を数値シミュレーションおよび実験によって検討した。アミノ酸はその等電点より低いpHにおいては陰イオンとして存在し、陽イオン交換樹脂に吸着される。そこで、移動層内に塔頂から塔底に向かってpHが大きくなるようなpH匂配を形成しておくと、塔頂に向かって行くフィード液中のアミノ酸は、等電点を越えたところで陽イオン交換樹脂に吸着され、下方に運ばれてpHが大きくなると脱着する。この過程が繰り返される事により、塔内のアミノ酸はその等電点に近いpHを持った位置に濃縮してくることになる。まず濃縮特性を調べるために、L-ヒスチジン水溶液をフィードとし塔内のアミノ酸濃度の経時変化を高速液体クロマトグラフィで測定した。この際、フィードの流量は一定としたが、固相の流速は塔の中心部が目的のpHになるように制御した。測定結果をみると、ヒスチジンの濃縮が見られ、その位置も数値シミュレーションとも一致していた。次に分離特性を検討するために、L-ヒスチジンとL-シスチンとの2成分のアミノ酸を含む水溶液を用いて同様の実験を行なった。実験の結果、2種類のアミノ酸はそれぞれカラムの違う位置で濃縮し、分離可能なことが確認された。また、各成分の濃縮位置は、数値シミュレーションの結果とも一致した。
著者
名島 潤慈 Junji Najima
出版者
熊本大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
熊本大学教育実践研究
巻号頁・発行日
vol.13, pp.21-36, 1996-02-29

From ancient times China had been giving much influence to Japanese culture. This paper compares various modes of dreams in ancient China with those in ancient Japan. Concletely, the issues of dream book, dream interpreter etc., both in China and in Japan are taken up and scrutinized.
著者
高尾 将幸
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.71-82, 2010-03-20 (Released:2016-10-05)
参考文献数
23
被引用文献数
1

1990年代後半以降、日本における健康増進政策は、「生活習慣」の改善による疾病の「一次予防」を重視するそれへと大きくシフトしてきた。そして、改正を向かえた介護保険制度も、「予防重視型システムの確立」を明確に打ち出し、筋力トレーニングを含む「運動器の機能向上サービス」を介護費削減の目玉の一つに掲げた。 本稿では、こうした政策的動向に対しミシェル・フーコーによる「統治性論」の視角を援用することで、今日の私たちの身体と健康がどのような政治のただ中にあるのかを分析した。従来のスポーツ社会学領域において、身体の政治学をめぐるフーコーの「規律権力論」は大きな影響を及ぼしてきた。そこで主流をなしたのは、身体とその表象が既存の規範的な社会関係を維持するという枠組みであった。しかし、統治性論へのフーコーの展開は、集合的な身体である人口をめぐる安全性のメカニズムと、個別的身体への規律的介入との接点が、「正常性」の導出と「規範」の変化・生成に関わっているという新たな論点を含意するものであった。 この視角を援用することで、本稿では高齢者の身体活動施策を事例に、保険制度への保健事業の組み込みを分析した。そして、保険者機能の強化の一環とされた身体活動を含む予防的保健事業が、保険者の財政的ガバナンスを維持するツールとして、さらに財の負担と配分の公平性を担保する指標として機能している点を明らかにした。 私たちの健康をめぐるリスクと責任は、リスク・テクノロジーによる統計的数値が先行することで、個人だけではなく、健康保険組合や自治体といった組織的取り組みを介して解決されるべきものになりつつある。だが、果たして現在進んでいる保険制度下での予防的保健活動は、それに携わる専門職やサービスを受ける人びとが望む健康や福祉のあり方に資するものなのだろうか。最後に、この点について実証的に問い直していく作業を今後の課題として提示した。
著者
熊谷 芳郎
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.11-18, 2012-03-31 (Released:2017-07-10)

Due to the liberal civil rights movement, the practice of debating (Toron-kai) spread throughout Japan. The Toron-kai had a similarity with and a difference from the current debating system. The similarity is that the matches eventually end. The difference is that the debaters can argue either position. Students of the old junior high school system planned to introduce the Toron-kai of the liberal civil rights movement to their schools. However, because the Toron-kai was deeply connected to the liberal civil rights movement, the Ministry of Education became nervous and started a movement that would prevent the introduction of the Toron-kai to school. After the Diet was established, the Toron-kai spread again. However, it became clearly distinct from the political movement. Nevertheless, school authorities' fear of the Toron-kai continued for a long time.

2 0 0 0 OA 生酒について

著者
今安 聰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.7, pp.446-453, 1986-07-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12

日本酒新時代の商品として吟醸酒, 純米酒とともに生酒が挙げられ, 各方面から注目されている。 本稿では生酒の製造法, 流通面そして将来性等について幾つかの問題点を提起しながら詳細に解説していただいた。一読をお薦めしたい。
著者
栗本 眞好
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.712-715, 2022-03-23 (Released:2022-09-09)
参考文献数
5

Hirokawa Kōzen広川弘禅 (1902-1967), who served as Minister of Agriculture and Fisheries under Prime Minister Shigeru Yoshida 吉田茂 (1878-1967) during the chaotic period after the war, was born as a successor to Ryūsawa Temple竜沢寺, a Sōtō establishment in Fukushima Prefecture, and studied at the current Setagaya Gakuen High School and Komazawa University. I approach him not only as a parliamentary politician, but also as a Zen priest.I pay attention to such things as his attendance, in 1956, along with Kusaba Ryūen草葉隆円 (1895-1966) and Andō Kaku安藤覚 (1899-1967), at the “Buddha’s 2500th Anniversary Celebration” held in Thailand, his installation on the roof of the Aoba Gakuen of a relic of the Buddha during his time as director of the school, and his activities as a Zen priest.In 1952, in the magazine Bungei Shunjū 文芸春秋, he was interviewed by Otis Cary in an article entitled “Monster named Hirokawa Kōzen” (広川弘禅という怪物) in which he is quoted as saying, “Japanese culture is nothing except Buddhist culture. 97% of the national treasures are related to Buddhism. … Japan’s democracy has been clear since the period of the Buddhist articulation that discrimination is equality and equality discrimination差別即平等, 平等即差別.” Concerning the Sekai Bukkyōto kaigi 世界仏教徒会議, he said, “To tell the truth, you must do it in Sanskrit or Pāli; It’s stupid to do it in English.”I would like to pursue Kōzen’s appearance as a Zen priest from the testimonies of people who interacted with him during his lifetime.
著者
水田 孝信 八木 勲 高島 幸成
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2P6GS1002, 2022 (Released:2022-07-11)

多くのファイナンス(金融)研究は,投資戦略の最適化や市場の効率性など,さまざまな仮定の上で議論されている.しかし,その仮定そのものが批判されることも少なくない.投資戦略の最適化が不可能な要因として,投資家自身の売買によって価格を変化させてしまうこと(マーケットインパクト)を最適化時に考慮できないことも考えられる.そこで本研究では,人工市場を用いてバックテストによってシミュレーション期間を通じて投資戦略の最適なパラメータを1つ探すエージェントを追加してシミュレーションを行い,マーケットインパクトを最適化時に考慮できないという要因だけで最適化が安定しなくなることを議論した.その結果,投資戦略のパラメータはある値に収束することなく不安定になることが分かった.他の全員が全く同じに固定されていたとしても,数人が戦略の最適化を行うために,バックテストとその実践投入を繰り返し行うだけで,その戦略は定まることがないし,価格時系列も特定のものには達せず,不安定となった.この最適化の不安定性は,価格時系列の規則性をも不安定にさせうる.このことから,金融市場は本質的に不安定であると言えるかもしれない.
著者
山本 敏博 井野 慎吾 久野 正博 阪地 英男 檜山 義明 岸田 達 石田 行正
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
no.21, pp.1-29, 2007 (Released:2011-12-19)

ブリSeriola quinqueradiataは日本各地で定置網、巻き網などの重要な漁獲対象になっており、漁況予報の精度向上、適正な資源管理が求められている。本稿ではブリの産卵生態、回遊生態についてレビューを行い、併せて上記の要望に応えるためにはどのような研究をどのような手法で遂行するのが適当であるか検討を行った。ブリの産卵生態は、卵仔稚魚調査を中心とした既往知見の整理の他に、仔稚魚の成長、親魚の成熟状況から見た産卵生態についてまとめを行った。回遊については成長段階によって様式が異なり成魚では大規模な南北回遊がみられること、越冬域をはじめとする分布域は海洋環境に依存していると考えられた。漁況予報の精度向上のためには回遊と環境の関係を解明することが必要と考えられ、その研究を遂行するための手法についても検討を行った。
著者
大野 勉 小田 隆晴 田中 栄一 酒井 安子
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.451-455, 1996-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1

子宮脱や子宮下垂は, 骨盤底筋群のが筋力低下や各靱帯組織の弛緩延長が原因と言われているが, これに対する治療法は, ほとんどが手術療法である。保存的治療法としては, ペッサリーリングと漢方薬が知られているが, 漢方薬の中では, 升堤作用を有する補中益気湯が主に使われている。今回38例の子宮脱・子宮下垂に対して補中益気湯を投与しその効果をみた。自覚症状が改善したのは39%で, 改善までの期間は2週間から4ヵ目であった。そのうち72%は膣内1/2ないし腔内3/4下降例であった。また40%が内服継続中であり, 53%が途中で来院を中止していた。自覚症状が悪化したのは16%で, このうち83%が手術し, 残りは来院を中止している。残り44%は不変例であった。他覚所見に対してはほとんどが不変であった。主に子宮下垂に対しては補中益気湯は有用であると思われた。
著者
春日 郁馬 武田 義次 佐藤 健 森 みゆき
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.317-323, 2022-03-10 (Released:2022-04-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2

【目的】我々は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種後の抗体量を調べると共に、抗体量と関連する因子について明らかにすることを目的とした。【対象】2021年5月から7月にファイザー製もしくはモデルナ製のSARS-CoV-2ワクチンを2回接種した当法人職員のうち、SARS-CoV-2抗体量調査に参加した152名を対象とした。【方法】ワクチン2回接種終了日から7日以上経過後にSARS-CoV-2抗スパイクタンパクIgG抗体量を測定した。また年齢、性別、接種後の発熱、ワクチンの種類などが抗体量と関連するかどうかについて併せて調べた。【結果】測定した者全員に抗体量の上昇を認めた(中央値7,314AU/mL)。45歳未満の者は45歳以上の者より有意に高値であった(p<0.01)。接種後に37.5℃以上の発熱を認めた者は37.4℃以下の者より有意に高値であった(p<0.01)。モデルナ製のワクチンを接種した者はファイザー製のワクチンを接種した者より有意に高値であった(p<0.01)。また接種後の日数が経過した者は抗体量がやや低くなる傾向を認めた。【考察】年齢、発熱の程度、ワクチンの種類等が抗体量と関連する可能性が示唆された。また日数の経過に伴い抗体量が低くなる傾向があることから、今後の疫学的動向も踏まえてSARS-CoV-2ワクチンの追加接種を検討する必要があると考えられた。