著者
相原 玲二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.9, pp.1, 2022-07-05

インターネットの幕開けとともに多くの大学等でキャンパスネットワークが構築され,当初はインターネットそのものが組織内に展開する構成により,初期のインターネットの普及発展に大きく貢献した.その後,組織境界ファイアウォールと DMZ の設置,ネットワーク利用時の利用者認証機能の追加,SDN やマイクロセグメンテーションの導入,高密度な端末接続にも対応する無線 LAN 設備など,キャンパスネットワークは新技術実践の場となった.本講演では,広島大学を例に,これまでのキャンパスネットワークの発展状況を紹介し,技術動向を概観するとともに,今後の展開について述べる.
著者
大歳 英征 中原 崇 波多 悠輔 前田 達哉 小林 孝史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.8, pp.1-8, 2022-07-05

SSHは,認証と暗号化の技術を用いて安全に遠隔サーバへのアクセス環境を提供し,UNIX 等の OS で広く用いられている.しかし,その目的がサーバへの直接的なシェル操作であることから,企業の機密情報などを狙う攻撃者からの標的となりやすい.日常的に SSH サーバのログを監視・分析することは,それらの脅威に対処することに有用であるが,監視・分析作業は管理者にとって労力がかかることである.そこで,本稿では,グラフ理論を用いた SSH サーバログの統合管理およびリアルタイムに可視化するシステムを提案する.
著者
轟木 皓平 近堂 徹 相原 玲二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.7, pp.1-8, 2022-07-05

近年,広域に分散した IoT デバイスが生成するセンサデータの収集などに Pub/Sub メッセージングシステムが利用されるようになってきている.需要の増加に伴い,メッセージングシステムの性能評価ツールがいくつか開発されているが,これらは障害が発生していない状態での測定を目的としており,障害発生時の挙動を定量的に検証することは難しい.メッセージングシステムは分散システムの中核になることから,単一障害点を排除し可用性や耐障害性を向上させるための検証技術が重要になる.本研究では,コンテナ技術を利用してメッセージングシステムを任意のサーバ上に展開し,Chaos Engineering ツールを用いて指定した障害を発生させることで,メッセージングシステムの耐障害性を検証可能なツールの実装を行った.本ツールではクライアントを分散配置した上で,コンテナ停止によるインスタンス障害時の測定,ネットワークエミュレーションを利用したネットワーク障害時の測定,負荷ツールを利用したリソース障害時の測定を可能にする.実装したツールを用いて,複数のメッセージングシステムに対して障害を注入した場合の挙動について評価を行った.
著者
高橋 朋也 渡邉 英伸 西村 浩二
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2022-IOT-58, no.6, pp.1-7, 2022-07-05

音声認識技術や自然言語処理技術の向上により,スマートスピーカを利用して音声による家電の操作やショッピングが可能となっている.現在のスマートスピーカは,1 名あるいは特定の数名がプライベートな空間で利用されることを前提としており,音声プロフィールや確認コードによる発話者の識別やスキル・アプリと呼ばれる機能を用いた音声操作を制御することが可能である.一方で,利用者が多数になる場合や利用者の申請を責任者が許可する承認プロセスなど,関係者の上下関係を考慮した操作を可能とするには不十分である.今後パブリックな空間への利用拡大が見込まれることも考慮し,音声アシスタントの認証認可機能を高度化する必要がある.本研究では,スマートスピーカが置かれている環境やその他のシステムから得られる情報との連携を行う外部連携システムの開発を行っている.本稿では,買い物スキルを対象に利用者の認証や関係者の上下関係を考慮した承認プロセスを追加する手法を提案する.評価結果より,提案手法を追加することによる処理時間の増加が数秒程度で実現できることを示す.
著者
高坂 康雅
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.125-136, 2022-03-17

本研究の目的は、恋愛様相モデル(髙坂, 2011)の観点から異性友人関係、恋愛関係、夫婦関係の比較を行うことであった。結婚している者119 名、未婚で恋人がいる者104 名、未婚で恋人がおらず異性友がいる者96 名を対象として、恋愛様相尺度(髙坂・小塩, 2015)、関係満足度尺度、親密度項目について尋ねた。恋愛様相尺度3 下位尺度について比較したところ、「絶対性」得点や「開放性」得点において恋愛関係と夫婦関係の間で有意な差がみられたが、恋愛関係と異性友人関係との間には有意な差はみられなかった。また、恋愛様相尺度3 下位尺度と関係満足度、親密度との関連を検討したところ、恋愛関係と夫婦関係ではそれらの関連が類似していたが、これらと異性友人関係では関連の強さに有意な差がみられた。これらから、異性友人関係と恋愛関係は関係満足度や親密度との関連において質的に異なる関係であり、恋愛関係と夫婦関係は恋愛様相モデルの次元において量的に異なる関係であることが示された。

1 0 0 0 OA VI 役職員名簿

出版者
東洋文庫
雑誌
東洋文庫年報 = Toyo Bunko nenpō (ISSN:1344476X)
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.167-180, 2022-03-16
著者
安川 洋生
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 = The journal of Clinical Research Center for Child Development and Educational Practices (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.125-129, 2016-03-31

ネグレリアフォーレリ(Naegleria fowleri)は温水を好む病原性アメーバで,ヒトの鼻腔から大脳に侵入し大脳組織の軟化や出血を伴う壊死(原発性アメーバ性髄膜脳炎; PAM)を引き起こす。PAMの進行は急速で有効な治療法もなく,約2週間でほとんどの患者が死に至り,臨床では僅かな生存例があるのみである。筆者は,ネグレリアフォーレリの分子生物学的解析を行い本病原体の特性と病原性を理解するとともに迅速簡便な検出法の開発を目的として,本邦で分離された株について次世代シーケンサによる全ゲノム解析を行った。その結果,本株のゲノムサイズは27.61Mb,GC含量は35.7%,遺伝子数は15108であることが分かった。また,青色光受容ドメインを有するタンパク質が2種類コードされていることが分かり,本病原体が青色光に応答する可能性が示唆された。
著者
辻 秀子
出版者
帯広畜産大学後援会
雑誌
帯広畜産大学後援会報告
巻号頁・発行日
vol.14, pp.81-86, 1986-08-22

助成番号228
著者
井上 尚之
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 = The bulletin of Kansai University of International Studies (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
no.23, pp.23-36, 2022-03-10

The Suga cabinet prime minister at the time of October 26th, 2020 remarked that Japan makes the emission of the greenhouse gas 0 as a whole (Carbon Neutral) by 2050 in the belief manifestationMoreover, in climate change Summit on April 22nd, 2021, Japanese Government expressed reducing CO2 reduction target in 2030 by 46 % at the ratio in 2013.By this, in the 6th energy basic plan, the rate of the wind power generation to occupy to all power generation was about 3.5 times raised from 1.7 % to 6 %.It is the floating-body type on the ocean wind power generation that, in Japan, is watched specifically in the wind power generation.In this paper, this floating-body type on the ocean wind power generation is considered.Then, the possibility of the popularization of the floating-body type on the ocean wind power generation is investigated.
著者
見ル野 雄大
出版者
電気通信大学
巻号頁・発行日
2021-03-25

近年、食品工場全体の自動化が進んでいるが、弁当の生産ラインは未だに大量の人員が必要である。本研究では、深層学習を用いたバラ積み食材のピッキング操作の実現を目指す。ランダムにバラ積みされた食材を撮影したRGB画像に対して、ある一方向から把持が可能な領域を正解ラベルとして与える。物体認識手法のひとつであるセマンティックセグメンテーションを行い、適切な把持領域を学習させる。こうして訓練したネットワークに回転したバラ積み画像を入力し、一方向だけではなく多方向からの識別結果を得る。こうして集まった多方向からの把持候補点のうち、ネットワークが最も強く反応した一点を把持点として選択し、保存する。このような認識手法を組み込み、ただ一つに選定された把持点をロボットアームとその手先に取り付けたトングによって把持しに向かうアルゴリズムを構築した。実験として、対象の食材で学習させたネットワークを用いて、最初に球形の食材としてから揚げを採用し本手法を適用した。次に平たい食材としてレンコンの天ぷらを採用し本手法を適用し、それぞれの食材について手法の有用性を検討した。結果、訓練に使用したから揚げの把持はクレーンゲーム機のように上から掴み上げる動作でバラ積みピッキングを5ケース全てで完遂出来た。レンコンの天ぷらの把持は横からすくい上げる動作を追加することでバラ積みピッキングを10ケース中5ケースで完遂出来た。
著者
田中 一晶 小山 直毅 小川 浩平 石黒 浩
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.622-632, 2018-02-15

人とインタラクションを行うロボットの感情表現は,感情状態をそのまま表現するか,感情状態とは無関係に社会性を表現するか,いずれかの方針で設計されている場合が多い.本研究では,これらの感情表現を情動的表現,社会的表現と定義し,新たに両方を組み合わせた感情表現手法を提案した.人が愛想笑いを行うとき,目元の表情には感情が不随意に表れるが,口元の表情を随意に変化させて微笑むといわれている.この知見に基づいて,提案手法では,目元は情動的表現によって,口元は社会的表現によって表情を決定する.人との対話実験において,提案手法を実装したロボットと一方の感情表現しか行わないロボットとを比較した結果,提案手法は人間らしい印象と社会的な印象の両方において高い評価が得られる可能性が示唆された.さらに,親密さの評価として,友だちになりたいなど,強い社会的結合を必要としない項目の評価では社会的表現が有効に働くが,一緒に生活したいなど,より強い社会的結合を必要とする項目の評価では,情動的表現も必要であることが示唆された.