著者
五百簱頭 真
出版者
日本赤十字社医学会
雑誌
日赤医学 = The Japanese Red Cross Medical Journal
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.400-408, 2014-10-16

日赤医学会総会 特別講演Ⅰ、熊本、市民会館崇城大ホール、15:30~16:20
著者
山田 隆 Takashi YAMADA 東海女子大学 TOKAI WOMEN'S COLLEGE
雑誌
東海女子大学紀要 = Bulletin of Tokai Women's University (ISSN:02870525)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.159-175, 2003-03-31

写真コミュニケーションを考察するための基礎資料として,カメラと写真の最近までの変化を整理した。戦後の日本において,カメラの世帯普及はほぼ順調に進み,1980年代には80%に達した。自動露出や自動焦点,コンパクト化などにより,撮影者の層が拡大した。使い捨てカメラや現像・焼付けの低価格化などにより,カメラの携帯と撮影の日常化が進んだ。最近では,カメラはデジタル・カメラに移行しつつある。カメラの発展につれて,撮影する/される意識も変化してきた。写真は鑑賞するより撮るもの,撮られる場合はより良く,写真は自分(達)のために,などである。写真は保存するというだけでなく消費するという側面も出てきている。このような新しい写真との関わり方は,若い女性を中心に表れている。携帯電話にカメラが付いたことで,更に写真行動は変化していくものと考えられる。
著者
林 邦彦
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.207-234, 2020-09-30

ノーン語(Norn)とは, 8 世紀から9 世紀にかけて,ブリテン島北部やその近辺の諸島に植民したノルウェー人ヴァイキングが当地にもたらした,その使用言語である古ノルド語(Old Norse)に由来する言語で,特にオークニー,シェットランド両諸島では比較的長く用いられ,19世紀末に消滅したとされる。その消滅前に採録されたノーン語の言語資料の一つに,通例,Hildinaとの作品名で呼ばれるバラッドがあり,その物語内容は,主人公の女性Hildinaと彼女を取り巻く二人の男達をめぐる三角関係を扱ったものであるが,本稿では,Hildinaの物語素材をめぐる先行研究での指摘内容を整理した上で,Hildinaの物語の特徴に焦点を当て,ノーン語と近縁関係にあるフェロー語で伝承されているバラッド作品群のうち,ノーン語のHildinaと比較的類似した物語内容を持つ作品と比較しながら,Hildinaの物語の特徴をより浮き彫りにし,関連作品群の中に位置づけることを目指したい。
著者
ヴァラー モリー
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.31-43, 2012-09-28

現在「苔寺」という愛称で広く知られている西芳寺は、一三三九年以降、臨済宗僧侶で造園を得意とした夢窓疎石(一二七五―一三五一)によって再興され、浄土宗寺院から禅寺へと改められた。従来の研究では、苔や滝石組が造園史家などに注目されてきたが、中世の文献を詳しく見れば、夢窓による修復と改宗以降の西芳寺庭園の特徴は別のところにあったようである。滝石組は江戸時代の資料で初めて確認できるものであり、高橋桃子が指摘したように、中世の西芳寺では、清冽な池での舟遊び、紅葉狩、花見などの行楽が、天皇家や公家、武家、僧侶の訪問によってなされていたのである。本稿では、「桜」を西芳寺の焦点として取り上げつつ、これまで見落とされてきた桜の意義、そしてその役割を仏教に関する文献をもとに明らかにする。主な資料として『西芳精舎縁起』(一四〇〇)、夢窓の歌集である『正覚国師和歌集』(一六九九)、および『天竜開山夢窓正覚心宗普済国師年譜』(一三五三)を用いて検討する。『縁起』に現れる当寺の伝説を概観した上で、西芳寺で何世紀にもわたって、桜が天皇家と武家、あるいは高僧と深い関わりをもち、現場での遊戯と儀礼に聖なる面を加えていたことを明らかにする。さらに、夢窓の和歌に現れる桜には、幕府を賛美し、天皇の長寿を祈ることで、夢窓入滅以降の未来の西芳寺への希望が込められていることに注目した。また『年譜』には、桜を媒介として、西芳寺が禅宗の所定の目的地として描かれていることを明らかにした。以上の過程で、夢窓の西芳寺においては、禅宗が当寺の寺院の伝説に移植されつつ、当寺が禅宗の歴史伝説において重要な位置を得たことを論じた。
著者
宮田 一郎
出版者
愛知大学東亜同文書院大学記念センター
雑誌
同文書院記念報 (ISSN:21887950)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.79-88, 2012-03-30

愛知大学東亜同文書院大学記念センター資料の富山展示会・講演会テーマ「東亜同文書院大学から愛知大学へ ー最後の校舎呉羽分校ー」日時 展示会:2011年9月17日(土)~18日(日)10:00~18:00 講演会:2011年9月17日(土)13:30~16:30場所 富山国際会議場2階会議室
著者
伊藤 昇
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
大阪市立自然史博物館研究報告 = Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.1-13, 2022-03-31

台湾のツヤゴモクムシ属(Gen. Trichotichnus)のleptupus species groupのうち,Trichotichnus lulinensisおよび近似2既知種の図示とともに,次の5新種を報告する:Trichotichnus(Trichotichnus)alessmetanai N. Ito, sp. nov. from Mt. Yushan [玉山], T. (T.)fumiakii N. Ito, sp. nov. from Tayulin [大萬領],T(. T.)similaris N. Ito, sp. nov. from Tsuifen [翠峰], T(. T.)lishanensis N. Ito, sp. nov. from Mt. Lishan [梨山],T. (T.)nitidipennis N. Ito, sp. nov. from Sungkang [松崗]. T. alessmetanai は,2021年8月にご逝去された,ハネカクシ研究の世界的権威でいらっしゃったカナダの Dr. Aleš Smetana氏に因む.氏は多くの研究材料を著者の研究のために供与くださった.ご生前の多大なご功績称賛と標本ご供与への深謝の意を表して献名した.