著者
小池 仁治
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, 1995-05-31
著者
大西 道一
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.147-152, 2004

日没時太陽は上下にひしゃげた疑似楕円形になる。太陽からの光線は水平線に近づくほど上方に大きく曲がる。これを大気差というが、その数値はラドー、ベッセルなどにより研究されている。本論文ではラドーの大気差の実験式を使用して水平線近くの太陽の形状を作図する大気差曲線線図を開発し、この線図を使用して太陽が水平線に没するまでの形状の変化を追跡した。<BR>また日没時、大気の異常によりダルマ型、Ω型などの変形太陽が出現する。このときの大気差曲線がどうなっているかを、変形太陽から大気差曲線を逆に求める方法を開発した。これにより変形太陽の経時変化を追跡でき、よく出現する形状をシミュレートすることができた。<BR>古来北欧の伝説にもなっているグリーン・フラッシュの現象もこの大気差曲線線図で解明することができた。1992年、バード隊が南極観測基地リトル・アメリカでグリーン・フラッシュを35分間観測したという記録があるがこれを図学的に解明した。<BR>この研究のために日没時の連続写真を撮影した。狭い瀬戸内海で対岸の山脈に邪魔されなく太陽が完全に水平線に水没するという写真が得られた。常識で考えられないこの理由を天文航法で用いる視地平距離と視達距離の考え方を瀬戸内海周辺の地形図に適用して図学的に解明した。
著者
青木 淳一
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学環境科学研究センター紀要 (ISSN:0286584X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.141-145, 1998

A soil zoological investigation was done under the Legacy Project of USA and 82 species of oribatid mites were collected from forest soils in the US Marine Corps located northeastern part of Okinawa Island. They contain one species new to Japan, Arborichthonius styosetosus Norton, and 28 species new to Okinawa Prefecture.
著者
井上 久夫
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.16, pp.23-32, 1979-06-30

端脚目,ヒメハマトビムシOrchestia platensis KROYERの胸部第7節背面に見られる斑紋が,4種の基本的斑紋型に分類された。斑紋の安定性を調べるため,長期間にわたって飼育観察が行われた結果,第一斑紋型は一貫して安定性を保つこと,また他の3種の斑紋型は,ときに相互移行をすることが明らかにされた。さらに,種内構造の分析の一端として,4種の斑紋型について第2触角の基部末端節と鞭状部の長さが測定され,両者の相対関係が各斑紋型の間で比較された。その結果,雌雄共に第1斑紋型と他の3種の斑紋型の間には,第2触角の相対成長に関しても明らかに相違が見られた。しかし,後者すなわち他の3種の斑紋型の間でははっきりした違いを見い出すことができなかった。これらの結果は,曰本の海浜に生息するヒメハマトビムシ個休群は,少なくとも二つの異なる形態型からなっていることを示唆するものと思われる。
著者
甲藤 好郎
出版者
日本伝熱学会
雑誌
伝熱 : journal of the Heat Transfer Society of Japan (ISSN:13448692)
巻号頁・発行日
vol.44, no.187, pp.15-20, 2005-07-01
著者
宮川 修 渡辺 孝一 大川 成剛 中野 周二 塩川 延洋 田村 久司
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.645-656, 1985-11-25

一定速度で被削材を送り, 与えた工具の切り込みにたいしてくりかえし研削で得られる実研削量によって研削工具の性能を評価する試験装置を試作した.これにより13%Cr-Ni合金を被削材として研削試験を行ない, CBN電着ホィールの研削性能を市販のビトリファイド系アルミナホィール2種と比較した.ホィールの振れまわりが影響して, 22, 000rpmの高速回転と18, 000rpm以下の低速回転とで異なった研削挙動が現われた.高速回転では, 研削面のうねりが激しく, 最終研削量も設定した切り込み量を越えた.低速回転では, 研削面のうねりは比較的小さかったが, 設定した切り込み量が完全に削りきれなくなる傾向がみられた.その上, 送り速度を大きくすると一定量を削るまでに何回も何回も研削をくりかえすことが必要になり, 削り残しも大きくなった.振れまわりの影響を考慮して, CBN電着ホィールは低速回転についてのみ実験した.それでもなおこれは, 送り速度が大きい場合でも優れた研削性能を示した.
著者
後藤 昭
出版者
The Association for Plant Protection of Kyushu
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.78-80, 1971
被引用文献数
3

1)熊本県,大分県にまたがる阿蘇九重地区6ヵ町村の調査で,標高650m以上の高原の自然草地9地点,入工草地(耕起造成草地)4地点から得られたネコブセンチュウは,ことごとくキタネコブセンチュウであった。熊本県阿蘇郡小国町の三共牧場における集中調査でも,検出されたネコブセンチュウはすべてキタネコブセンチュウであった。このことは,ネコブセンチュウ数種の分布する,九州の低地の畑地,草地にくらべて特異である。<BR>2)その原因を考察し,気候(温度の)の影響によるものであろうとしたが,なお検討の余地がある。前記の阿蘇九重地区の高原草地の年平均気温は12℃以下である。