著者
山口琢 大場みち子 高橋修
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.189-193, 2014-08-17

作文学習・指導や文書レビューの手がかりとすることを目標に,われわれは,作文をモニタする仕組みを研究している.これまでに,マトリックス型編集モデルによるテキスト・エディタを試作し,解釈可能な編集操作ログを得ることができている.今回,編集操作の種類と時刻を軸にとった散布図を,自動作成する仕組みをシステムに付加した.この散布図によって,特定の書き手の複数の作文について,編集操作ログを比較した.その結果,ゼロから書き始めてシステム上で完結させられる作文では,完了よりも手前でマトリックス編集操作がなくなるというパターンが見られた.そこで,複数の書き手による短い作文でも,本システム上で完結させることができれば同様のパターンが見られるという,次のサイクルの仮説を得た.そのために,マトリックス編集操作の分布・頻度を強調して可視化する仕組みの開発が必要である.次の段階では,その可視化の仕組みを試作して,複数人に対する作文指導実験を行う.
著者
福間 愛富 土田 修平 西山 奈津美 田中 真一 工藤 亮 幸田 健介 益子 宗 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.313-321, 2021-08-23

新型コロナウイルスの感染拡大で,イベント終了時の混雑緩和は重要な課題となった.本研究では,スマートフォンアプリケーションを通じたイベント終了後の情報提示などによって,無意識での帰宅分散の実現を目指す.そのための事前調査として,スポーツイベント参加者の帰宅行動分析を行い,その結果を踏まえて情報提示用アプリケーション設計指針の策定,提案アプリケーションのデザインを行った.
著者
福間 愛富 土田 修平 西山 奈津美 田中 真一 工藤 亮 幸田 健介 益子 宗 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.305-312, 2021-08-23

新型コロナウイルスの感染拡大で,イベント終了時の混雑緩和は重要な課題となった.本研究では,スマートフォンアプリケーションを通じたイベント終了後の情報提示などによって,無意識での帰宅分散の実現を目指す.そのための事前調査として,コロナ禍におけるリアルイベント参加者に対するアンケート調査を行い,帰宅分散実現に必要な要素の検討を行った.
著者
斎藤 寛子 松本 時子
出版者
山形県立米沢女子短期大学
雑誌
山形県立米沢女子短期大学紀要 = Bulletin of Yonezawa Women's Junior College
巻号頁・発行日
vol.43, pp.83-90, 2008-01-01

本研究では、ボン・デ・ケージョに使われるタピオカスターチの代替として、薄力粉、中力粉、強力粉、上新粉、白玉粉、片栗粉、コーンスターチを用い、調整を試み、その形状及び嗜好性について検討を行なつた。結果は以下の通りである。(1)外観は、白玉粉・片栗粉のパンの表面に亀裂が生じ、断面の気泡が多かった。(2)膨化率には、大きな差がみられ、白玉粉と片栗粉のパンは大きく膨らんだ。コーンスターチのパンは生地が形状を維持しないために高さがなく幅が広くなった。(3)水分含有量は、中力粉のパンが一番多く、白玉粉・コーンスターチのパンが少なかった。(4)白玉粉のパンはタピオカスターチのパンに外観は似ているが、抵抗応力については有意な差が見られた。(5)官能検査の結果、総合評価において、白玉粉と強力粉のパンが好まれたが、片栗粉と薄力粉のパンは好まれなかった。以上の結果より、白玉粉が最も適し、上新粉と片栗粉は不適当と思われる。
著者
鈴木 凌斗 村上 弘晃 西山 勇毅 川原 圭博 瀬崎 薫
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングと新社会システム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2021-MBL-100, no.22, pp.1-6, 2021-08-26

屋内での滞在情報を正確に把握することで,混雑度の推定や集客情報,人流の把握など,様々なサービスを提供できる.Bluetooth ビーコンや WiFi の信号強度を用いた滞在場所推定手法では,低コストに滞在推定システムを導入できる.しかしながら,受信信号強度の不安定さや隣接した部屋から漏れる信号などが原因となり,単純な信号強度のみを用いた判定では,受信環境によっては滞在場所の誤判定が頻繁に発生する.本稿では,部屋ごとの滞在時間特性の違いを考慮に入れることにより誤判定を抑制する手法を提案する.提案手法では,部屋ごとの滞在時間の分布をワイブル分布にフィッティングし,生存時間解析を適用することによりユーザの状態を推定する.信号強度の強弱のみに基づく既存手法との比較のため,正解ラベル付きのデータを収集し評価実験を行った.
著者
近畿大学中央図書館
雑誌
図書館だより = Tosyokan Dayori
巻号頁・発行日
no.188, pp.1-2, 2021-09-01
著者
今村 修 イマムラ オサム Osamu IMAMURA
雑誌
千葉商大紀要
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.251-260, 2014-03
著者
隅田 陽介
出版者
日本比較法研究所
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.103-144, 2017-03-30

近時,匿名性(anonymity)や利便性(availability)等を特徴とするインターネットが地球規模で発達・普及している。そして,児童ポルノ犯罪者は,インターネット上の様々な手段を駆使して,自らの行為が捜査機関に発覚しないようにしている。こうしたこともあり,児童ポルノに関連する犯罪の様相は一変し,捜査は困難を来している。この点,アメリカ合衆国では,児童ポルノ所持が児童に対する性的いたずら(child molestation)に関する捜査との関係で議論されていることが注目される。すなわち,児童ポルノに関する捜査を進め,これを捜索・押収するとした場合,児童ポルノに向けられた捜索令状が必要となるが,その際には,アメリカ合衆国憲法第4修正に基づいて「相当な理由(probable cause)」が求められる。そこで,児童に対する性的いたずらに関する証拠のみでこの場合の「相当な理由」を構成するのかどうかというのである。本稿は,この問題を取り上げ,若干の検討をしたものである。 本号では,まず,一において,第4修正の内容・骨子を概観し,併せて,これに関連する判例を取り上げた。そして,現在の合衆国の捜査実務はIllinois v. Gatesに基づいた「諸事情の総合判断(totality of the circumstances)」テストによっていることに触れた。 その上で,二において,児童に対する性的いたずらに関する証拠のみで児童ポルノ所持に関する捜索令状の「相当な理由」を構成するのかどうかについて争われたいくつかの事例を紹介し,各巡回区連邦控訴裁判所の考え方が分かれていることを明らかにした。すなわち,前者に関する証拠のみで後者の「相当な理由」を構成することを認めた事例として,第8巡回区裁判所によるUnited States v. Colbert等,また,これを認めなかった事例として,第6巡回区裁判所によるUnited States v. Hodson等,そして,ケース・バイ・ケースで判断するとした事例として,第9巡回区裁判所によるDougherty v. City of Covinaである。
著者
中山 市太郎 Ichitaro NAKAYAMA
雑誌
桜美林論考. 言語文化研究 = The journal of J. F. Oberlin University. Studies in language and culture (ISSN:21850674)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.39-56, 2010-03-01

メディアのデジタル化が急速にすすむ今日、「表現」の世界では、多くの表現手法の新しい試みと失敗が繰り返されている。メディアの、変化のスピードが速いため、表現に関わる編集者やプロデューサーは、ハードウェア技術の壁に翻弄されて、新しいメディア表現の確立に戸惑っているように見える。本稿は、電子出版などデジタルメディア誕生直前の、ビデオディスクにおける静止画映像出版の実験的ともいえる表現上の試みや、ハードウェアとソフトの互換性というデジタルメディアが避けて通れない技術的問題点を、ソフト制作者や編集技術者らは当時どう乗り越えてきたかを検証し、デジタルメディア時代の技術の継承と課題について考察するものである。
著者
千秋 佳世
出版者
京都文教大学
雑誌
臨床心理学部研究報告 = Report from the Faculty of Clinical Psychology (ISSN:18843751)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.51-60, 2018-03-31

The purpose of this study was to review the literature on “I-experience,” which was first investigated by Bühler(1921). I-experience is an important phenomenon, because it is deeply related to the establishment of “I: Self as knower”(James, 1892). Nevertheless, little attention had been given to I-experience for a long time, because of historical factors and difficulties studying a subjective experience. In Japan, interestingly, several studies have been conducted on I-experience over the past few decades. They began with a report by the clinical psychologist Nishimura(1978), who discussed the concept of “I-experience” and was concerned with the crisis aspect of I-experience, that is, it influenced the establishment of the “I”; however, it also caused confusion and was related to depersonalization. After this proposal by Nishimura, empirical studies using questionnaires or semi-structured interviews were initiated. There was some confusion, because each researcher had a different point of view. In this article, I attempted to examine each viewpoint and share my thoughts. For one thing, I proposed that it is important to note the physical sensation involved in I-experience, because many people who had anI-experience remembered vivid sensations and that it was not a conceptual phenomenon. For another, it is necessary to examine what happens in the narrative of an I-experience from the viewpoint of clinical psychology, because it is possible that I-experience involves a traumatic memory.