著者
やまおか としき ふじかわ まゆこ
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.D08, 2007

直接観察を行う際,ある規準を決め,ある現象に対しその規準との差分が大きいとき,特徴のある行動と把握している.一方,グラウンデッドセオリーはデータに基づいて(grounded)分析を進め,データから概念を抽出し,概念同士の関係づけによって理論を生成しようとする研究方法である.本研究は観察方法の範囲を広げるべく,このグラウンデッドセオリーのコーディング,プロパティ及びディメンションに注目して,観察とデータ処理をする方法を検討した.事例として,和歌山市役所のエレベータの乗車行動を観察し,プロパティとディメンションを使い観察データを分解し切片化した.切片化したデータは,アソシエーションルールを使いて,データ間の関係を解明した.結論として,プロパティとディメンションという視点から人のしぐさや行動を定量的に分析することができた.
著者
釘貫 ふじ 村田 源
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.349-358, 1987-09-25 (Released:2017-09-25)

An attempt was made as to the epidermal system of both adaxial and abaxial surfaces of foliage in some species of Rhodoendron which has been scarcely investigated. Using our original method, an observation of wide scope can be made concerning the epidermal layers of leaves by the light microscope from the polar view. The epidermal cells of the adaxial surface are found to be amoeboid in shape in R. aureum, R. brachycarpum and R. makinoi, while those to be not amoeboid but polygon in shape in R. metternichii var. metternichii, R. metternichii var. hondoense, R. yakushimanum and R. degronianum. In R. brachycarpum, the epidermal system of the adaxial surface is observed to be 2-layers near midrib, but to become one layer at the margin of leaves. there is sporadically an aggregate of cells which are well stained by fuchsin. In R. aureum, the hair stalks which are multicellar are observed in the abaxial surface of leaves. In R. brachycarpum, the base of hairs is found to be 2 cells, while that in the other species examined to be 2-4 cells. Considering the unique mode of the distribution and the density in stomata and hairs, and the epidermal cells being elliptic polygon, R. yakushimanum is thought to be clearly distinguished from R. metternichii and R. degronianum.
著者
森井 ふじ
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.1507-1509, 1961-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

海藻中の鉄,アルミニウム,マンガンを簡単な操作で精度よく定量するための基礎条件を決定することを目的として,まずそれらのオキシン錯体をクロロホルム抽出法によって分離後分光光度法によって定量する方法について検討した。まず三者の pH-抽出曲線を求めた。鉄オキシン錯体はpH>2.0 で完全に抽出されるが,アルミニウム錯体は pH<3.1 ではほとんど抽出されず(抽出率<1.0), pH=4.8~10.0 で完全に抽出される。マンガン錯体の抽出率は pH<5.5 において 1% 以下であるが, pH=10.0~11.0 でほぽ 100% になる。したがって pH=2.8 においてクロロホルム抽出を行なうことにより鉄はアルミニウム,マンガンより定量的に分離され,クリロホルム層を用いてそのまま比色定量し得る。水層中のアルミニウムの定量にはさらにオキシンを加えたのち溶液の pH を 5.0 にして抽出し,そのクロロホルム層について行なう。残った水層中のマンガンはさらにオキシンを加えたのち溶液の pH を 10.0 にして抽出し,そのク0ロホルム層について行なう。三者共存の試料溶液(鉄 10~200μg,アルミニウム 5~40μg,マンガン10~60μg)に上記の方法を適用し ±2.0% 以内の誤差で分離定量し得た。
著者
栗田 順子 長洲 奈月 髙木 英 渡邉 美樹 中村 裕樹 入江 ふじこ 本多 めぐみ
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.3-9, 2018 (Released:2018-02-10)
参考文献数
19

目的 2015年9月の関東・東北豪雨により,茨城県では常総市を中心に大規模な水害が発生し,多数の避難所が設置された。県では発災直後から「避難所サーベイランスシステム」を用いて,避難所における感染症の発生状況を把握したので報告する。方法 発災日の9月10日から,県庁保健予防課が中心となり,避難所サーベイランスを開始した。東日本大震災時のそれを参考として,情報収集項目は,報告日,市町村名,担当者名,避難所名のほか,急性下痢症,インフルエンザ,急性呼吸器感染症(インフルエンザ以外),創傷関連感染症,麻しん等,破傷風,その他の発症者の有無と定めた。各市町村が避難所の有症状者の発生状況を把握し,管轄保健所を通じて県庁保健予防課に報告することとした。その後,発災日の夜にはウェブ上の既存の避難所サーベイランスシステムに避難所登録を完了させ,システム入力画面に合わせて報告項目および報告様式を変更した。結果 報告項目の変更等を行いながら,行政関係者がウェブ上のシステムへ入力された情報を共有できるよう体制を整え,一次避難所が閉鎖された12月8日まで避難所サーベイランスを実施・運用した。避難所開設期間中,咳,鼻水などの急性呼吸器症状を呈する避難者が継続的に発生した避難所や11月下旬に流行性耳下腺炎の発症者が報告された避難所がみられたが,大規模な集団発生は観察されなかった。発災当日からサーベイランスを開始したことで,避難所の感染症発生状況について迅速な情報収集が可能となり,市町村や保健所の担当者間で情報を共有することが出来た。結論 今回,ただちに避難所サーベイランスを立ち上げ,その後も継続的に避難者の健康状態を継続的に監視できたことは大きな成果であった。これは,県地域防災計画に基づいて策定された茨城県保健福祉部災害対策マニュアルに,避難所サーベイランスの実施が明記されていたことによるところが大きい。一方でその実施に当たっては,細かい手順を定めておらず,報告方法や項目が二転三転した。今後の茨城県の災害,あるいは全国での災害においても,実施要項の策定が必要であると考える。またそれらを関係者が熟知し避難所開設と同時に避難所サーベイランスが稼働できるよう防災訓練の項目に盛り込むことが必要である。
著者
村越 伸行 許 東洙 西連地 利己 五十嵐 都 入江 ふじこ 富沢 巧治 夛田 浩 関口 幸夫 山岸 良匡 磯 博康 山口 巖 大田 仁史 青沼 和隆
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.236-244, 2016

【目的】一般住民における上室期外収縮の長期予後については,いまだ不明である.本研究の目的は,一般住民健診における上室期外収縮の診断的意義を調べることである.【方法と結果】われわれは1993年の年次一般住民健診を受診し,2008年まで経過を追えた63,197名(平均年齢58.8±9.9歳,67.6%女性)を解析した.一次エンドポイントは平均14年のフォローアップ期間中の脳卒中死亡,心血管死亡,または全死亡,二次エンドポイントは心疾患あるいは心房細動(AF)のない解析対象者における最初のAFの発生とした.上室期外収縮のない解析対象者と比較して,上室期外収縮のある解析対象者のハザード比(95%信頼区間)は,脳卒中死亡:男性1.24(0.98~1.56),女性1.63(1.30~2.05),心血管死亡:男性1.22(1.04~1.44),女性1.48(1.25~1.74),全死亡:男性1.08(0.99~1.18),女性1.21(1.09~1.34)であった.AFはフォローアップ期間中386名(1.05/1,000人年)に発生した.ベースラインでの上室期外収縮の存在は,AF発症の有意な予測因子であった〔(ハザード比(95%信頼区間):男性4.87(3.61~6.57),女性3.87(2.69~5.57)〕.傾向スコアマッチング解析でも,上室期外収縮の存在が交絡因子の補正後もAFの発症および心血管死亡のリスク上昇に有意に関連していた.【結論】一般住民における12誘導心電図での上室期外収縮の存在は,AF発症の強い予測因子であり,心血管死亡リスクの上昇に関連している.
著者
菊池 ふじの
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.59-63, 1930-02
著者
上田 真寿美 安部 保子 薮内 ふじ江
出版者
日本発育発達学会
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.24, pp.1-7, 1996-07-01 (Released:2010-03-16)
参考文献数
32

This study was to investigate the effects of exercise experienced in youth on the genital function from menarche to menopause. One thousand and seven females after menopause aged from 45 to 88 completed the questionnaires. The results were as follows.1) The age of menarche became significantly younger as years went on.2) Females who had exercised in youth was significantly ahead of those who had not exercised in youth in menarche. The age of menarche was significantly earlier in more exercised group than in less exercised group.3) The frequency of pregnancy and delivery became significantly lower as years wore on.4) Although the period from menarche to menopause tended to get longer, there were no effects of the exercise experienced in youth on it.5) There were no effects of the exercise experienced in youth on the age of menopause and menopausal disorder.
著者
ふじえ みつる
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.383-397, 2004

The National Visual Arts Standards formed in 1993, changed art education in the U.S. The standards have been promoted by NAEA, supported by the Federal Government. Those standards are constructed of both the contents standards and the achievement standards, and have discipline-centered features derived from DBAE. The 18 abilities, acquired through art learning, proposed by the Getty Center and based on the standards, show some specific artistic abilities for available assessment. Bat, the division is too complicated. The issue of operation of the standards should avert interfering with local autonomous traditions and the individuality of each child's development.
著者
菊池 ふじの
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.32-33, 1942-07
著者
大場 眞理子 安藤 哲也 宮崎 隆穂 川村 則行 濱田 孝 大野 貴子 龍田 直子 苅部 正巳 近喰 ふじ子 吾郷 晋浩 小牧 元 石川 俊男
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.315-324, 2002-05-01
被引用文献数
5

家族環境からみた摂食障害の危険因子について調べるために,「先行体験」「患者からみた親の養育態度」について,患者からよく聞かれるキーワードを用いて質問表を作成し,健常対照群と比較検討した.その結果,「母親に甘えられずさびしい」がどの病型でも危険因子として抽出された.また患者群全体で「父親との接点が乏しい」も抽出され父親の役割との関連性も見直す必要性があると思われた.さらにANbpとBNにおいては,「両親間の不和」「両親の別居・離婚」といった先行体験の項目も抽出され,"むちゃ食い"が家庭内のストレス状況に対する対処行動としての意味合いをもつのではないかと考えられた.
著者
菊池 ふじの
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.113-123, 1932-09
著者
山本 映子 野村 幸子 中村 百合子 北川 明 竹下 比登美 北川 早苗 近喰 ふじ子
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.45-56, 2006-03

近年,思春期の児童生徒による他者への攻撃性は,いじめや暴力,稀には殺人といった形で表出し,大きな社会問題となっている。本研究は,県内の公立小・中学校3校の協力を得て,小学5・6年生及び中学2年生の計452名を対象として,子どもの持つ攻撃性を早期に発見し,行動化する前に予防するための対応策を探索することを目的とした調査報告である。方法として,彼らの心身の健康状態と心を理解することが重要と考え,健康調査と攻撃性質問紙,心理テスト(エゴグラム)及び自己投影法であるコラージュ法を用いた。攻撃性については表出性,不表出性攻撃性をコラージュ作品との関連でみた。結果は,思春期の特性や集団力動など作品への影響因子が推測され,必ずしも関連しなかったが,攻撃的アイテムを示唆する傾向が得られた。コラージュ制作後の心身健康状態では,症状個数は有意に減少し,精神面では肯定的変化を得た。コラージュの自己治癒力,カタルシス効果が考えられ,攻撃性予防対策に応用の可能性が示唆された。