- 著者
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中村 幸代
- 出版者
- 公益社団法人 日本看護科学学会
- 雑誌
- 日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.1, pp.1_3-1_11, 2008-03-20 (Released:2011-08-30)
- 被引用文献数
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目的:冷え症を苦痛に感じている妊婦は多いが,冷え症に関する研究は少ない.本研究は,冷え症の自覚がある妊婦の体温および,妊娠中の随伴症状や日常生活行動の特徴の実態を分析する.方法:妊娠20週以降の妊婦230名を対象とし,体温測定と質問紙調査を行った.調査時期は2005年6~7月と11月である.結果および結論:1.冷え症の有無において,前額部温と足底部温の温度較差は有意差が認められた(6~7月:2.0℃ vs 0.6℃,11月:5.2℃ vs 2.4℃).つまり,冷え症の自覚は温度較差を反映していた.2.冷え症の自覚と冷え症を判断する基準(寺澤)の一致率は80.9%と高値であった.つまり,どちらでも,冷え症を判断する指標となり得ることが示唆された.3.前額部温と足底部温の温度較差は,季節による影響が強く,外気温が低くなれば温度較差も大であった.また,自分が冷え症であると感じている妊婦の割合は6~7月では67.7%,11月は66.0%で,季節による影響はなかった.4.構造方程式モデリングより,「深部温温度較差」は「冷えの認識」に影響を与えており,「冷えの認識」は「冷えに関連した妊娠に伴う症状」に弱い影響を与えている.さらに「冷えに関連した妊娠に伴う症状」は「不規則な生活」から直接的な影響と,「陰性の食品の摂取」を介した間接的な影響を受けている.