著者
西野 正彬 中村 幸博 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.450, pp.73-78, 2010-02-25
被引用文献数
4

本報告では,GPSデータとスケジューラデータという異なる種類の行動ログを蓄積し,ユーザの行動を予測する手法を提案する.例えば内勤中心の会社員が出張に出かけるといったような普段と違う行動をとった場合であっても,スケジューラデータを活用することで行動の予測が可能となる.ユーザが自身で記入するスケジューラデータには,予測に必要な目的地に関する記述が含まれない,場所に関する記述があいまいであるといった問題がある.しかし,時間的な共起関係に基づいてGPSデータとスケジューラデータとの関連付けを行うことによって,記述内容があいまいな場合であっても行動予測を行える.長期的に獲得されたユーザの行動ログを用いた検証では,GPSデータのみを用いて行動予測を行った場合と比較し,予測正答率が上昇することを確認した.
著者
福島 脩美 高橋 由利子 松本 千恵 土田 恭史 中村 幸世
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-12, 2005

カウンセリング研修における、話し手・聴き手演習の効果について検討した。研究1では、小集団で話し手・聴き手演習を実施し、実施前後に感情気分評定を、体験後に感想を自由記述で求め、話し手・聴き手演習の効果について検討した。研究2では、1群に2者間相互話し手・聴き手演習を、もう1群に想定書簡法を実施し、実施前後に感情気分評定を求め、話し手・聴き手演習と想定書簡法の効果について比較検討した。その結果、話し手・聴き手演習による、肯定的感情気分の促進効果と否定的感情気分の低減効果がみられ、話し手・聴き手演習は、想定書簡法に比べて、実施前の感情気分状態が実施後の肯定的な感情効果と有意に関連していることが示唆された。また、本研究では、感情気分評定20の効果測定ツールとしての有効性が認められた。
著者
上垣 隆一 殷 煕洙 桑原 雅彦 石井 康雄 小原 裕三 上路 雅子 中村 幸二 成田 伊都美
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.154-158, 2001-04-25
被引用文献数
2 2

生茶葉と荒茶,及び荒茶の湯抽出液中から検出されるダイオキシン類の濃度を明らかにした.生茶から荒茶を製造する過程で乾物率は4倍増加したが,茶葉中のダイオキシン類の濃度(生葉で 0.048~0.48 pg-TEQ/g,荒茶で 0.14~0.82 pg-TEQ/g)は約2~3倍の増加で,茶葉の乾物率の増加よりも低い値を示した.また,荒茶の湯抽出液中でのダイオキシン類濃度はN.D.~0.00006 pg-TEQ/g であった.生茶と荒茶のダイオキシン類異性体の組成を比較すると,荒茶ではO<sub>8</sub>CDDを除く全異性体が減少した.
著者
中村 幸紀 野口 裕喜 涌井 伸二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.134, no.9, pp.1182-1190, 2014 (Released:2014-09-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

This paper considers the compensation of flow disturbance, which is the variation of air pressure supplied by the air compressor of pneumatic active anti-vibration apparatuses (AVAs). Since the air pressure varies periodically, repetitive control is utilized for the suppression of the vibration induced by the flow disturbance. As the constant gain of the repetitive controller increases, disturbance compensation is improved further. On the other hand, when the gain becomes large, transmissibility increases in the frequency region including the mechanical resonance of AVAs. It leads to the performance degradation of the vibration isolation. In order to overcome the trade-off between the disturbance compensation and the transmissibility, a notch filter is employed instead of the constant gain in the repetitive controller. The center frequency of the filter is set to the frequency region including the mechanical resonance of AVAs so as to avoid the increase of the transmissibility. By using the proposed method, the performance of disturbance compensation can be improved without increasing the transmissibility. Furthermore, effects of parameters for the notch filter are investigated. Experimental and simulation results show that the performance of flow disturbance suppression and the transmissibility of the AVA are almost same regardless of parameters in the notch filter.
著者
中村 幸男 Nguen Cong Minh 東平 光生 川村 匡弥
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、単体的複体から定まる代数であるStanley-Reisner環を中心として、単体的複体の持つ離散数学的な性質とStanley-Reisner環の持つ代数的な性質の関連を調査することを目的としたものである。成果としては、Stanley-Reisner イデアルの通常べき、及び記号的べきによる剰余環のk-Buchsbaum性に関するものがある。
著者
高橋 誠 本間 紀之 諸橋 敬子 中村 幸一 鈴木 保宏
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.394-402, 2009-07-15
被引用文献数
17 24

16品種・系統24点の米を用いて米粉試料を調製し,粗蛋白質含量,アミロース含量,損傷澱粉量および粒度構成を測定した.米粉の粒度は全ての供試材料で200メッシュ通過割合が90%以上だったが,粒度構成は米粉試料により異なった.特徴的な品種は300メッシュ通過割合が他種類に比べ高かった北陸166号であり,損傷澱粉量も少ない傾向が認められた.<BR>グルテンを添加混合した米粉の物性を測定したところ,ファリノグラフ吸水率は品種間差が存在し,米粉のアミロース含量との相関が認められた.一方,米粉パンの比容積や形状は米粉試料により異なり,グルテンを添加混合した米粉中のアミロース含量やビスコグラフ特性と相関がある事が示唆された.なお,米粉パンの最大比容積は米粉のアミロース含量が25%前後で得られると推定された.米粉パンの硬度は米粉のアミロース含量と相関が認められた.焼成後の時間の経過とともにパンの硬度は増加したが,品種により硬度の増加速度に違いが認められた.アミロースや蛋白質含量が同程度の品種に比べ,粉質米や低グルテリン米ではパンの硬度や硬化速度が低いものも存在し,米の蛋白質組成等がパン物性に影響を与えていることが示唆された.以上の結果から,中アミロース米(アミロース含量15~25%程度)が米粉パン製造適性に優れると思われた.
著者
上之園 佳子 田中 由紀子 中村 幸子 堀 崇樹 アン スンヒ 鴨澤 小織 菅野 衣美
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

介護従事者の腰痛予防の調査(n=495)では、腰痛経験率は88.4%と高い。腰痛予防は,労働安全衛生での組織的取組みや介護機器の普及は低い割合であった。予防教育は、職場では有効だが、養成教育では充実が課題であった。養成機関の聞取り調査(n=11)では、健康教育や腰痛予防、介護機器教育の適切な教材がなく、内容が多岐の科目に分散した学習であった。そのため健康や腰痛予防の体系的教育プログラムにより、健康意識の向上、労働安全衛生の知識、主体的な職場環境の改善、介護機器活用のアセスメント技術の習得が重要である。それは介護人材の定着・確保だけでなく、利用者の安全で自立した支援の社会的介護の基本となる。
著者
伊藤 達明 中村 幸博 手塚 博久 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.37, pp.81-86, 2009-09-24

放送やネットワークの高度化に伴い,視聴者は自宅に居ながら様々な番組を視聴できるようになった.その一方で,TV番組の選択肢も増えるため,大量の番組の中から視聴者の嗜好にあった番組を見つけ出すための仕組みが求められている.本稿では,それらの問題を解決するために,ユーザの嗜好を内在し,多様な情報が継続的に更新されるという特徴をもつライフログを活用したTV番組レコメンドシステムを提案する.さらに,TV番組の視聴履歴に加え,滞在地履歴やWWW閲覧履歴といったライフログを活用することで,TV番組レコメンドにおいて発見性や満足度を向上させ得ることを検証するため,提案手法に基づくプロトタイプシステムを実装し,評価実験を行う.
著者
本間 義治 牛木 辰男 武田 正衛 中村 幸弘
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.345-353, 2007-02-28

浮遊遠洋性の珍蛸アミダコ(♀)が, 2004年11月から2005年2月下旬にかけて,上・中越地方を中心に新潟県沿岸へ漂着したり捕獲されたりして,34個体が記録された.これらの中で,2月15日に掬われ,上越水族博物館へ収容され,18日に死亡した全長53cmの個体を10%フォルマリンで,次いでブアン氏液で固定し,卵巣・卵管の組織標本を作成して,観察した.卵巣重量は40g,抱卵数は60,000個以上であった.卵巣は中央に卵巣腔があり,多数の包嚢からなり,嚢内には様々の発育段階の卵巣卵(非同時発生型)が存在していた.若い卵母細胞は,それぞれ結合組織性の薄膜(層板)に付着していた.初期の卵母細胞には,円形の核(生殖胞)が明瞭であるが,発育が進むと卵は長楕円形となり,卵胞上皮が随所から陥入し始め,複雑に入り組み,卵黄形成が盛んとなる.さらに成熟が遊むと,卵母細胞は大きく球状化して,最大径1.2 mmに達する.卵膜には放射線帯,卵胞膜,莢膜の分化が明瞭となり,卵黄は板状化する.近位卵管内壁の粘膜は高く,複雑にひだ打っているが,遠位卵管壁は厚い結合組織と筋肉層で覆われ,内壁の粘膜は低く,ひだ打ちの程度は小さかった.浮遊遠洋性アミダコ卵母細胞の成熟過程は,沿岸性のマダコや深海性のメンダコ類などと変わらず,多回産卵を行うと推定された.
著者
手塚 博久 中村 幸博 茂木 学 永徳 真一郎 瀬古 俊一 西野 正彬 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.272, pp.129-133, 2009-11-05
被引用文献数
11

近年の携帯端末の小型化・各種センサの搭載により,ユーザの様々なライフログを用いてサービスを提供するシステムの実現が現実味を帯びている.現在のライフログ活用サービスは,個人のライフログと情報をマッチングさせるものが主流であるが,複数人のライフログを活用し,協調フィルタリングや集合的知識の抽出を行うことで,利用者の知識拡大や新たな発見をもたらすサービスの提供が可能となる.複数人のライフログを活用するためには,利用者が安心してライフログを提供できるための開示制御機能を含めたローカルシステム,大量のライフログを蓄積し処理するためのセンタシステムを組み合わせることが有効である.本稿では,ライフログを利用するために必要なシステムアーキテクチャに基づくシステム構築を行い,ユーザ状態を把握するフィールド実験を行った結果について報告する.
著者
保坂 恵玲 高柳 理早 鈴木 あやな 折井 孝男 清野 敏一 清水 秀行 山村 喜一 中村 幸一 小滝 一 澤田 康文 伊賀 立二
出版者
日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.342-347, 1997-08-10
被引用文献数
8

We conducted a survey to evaluate a system adopted by the Pharmacy Department of Tokyo University Hospital to address the problem of drug compliance under this system, patients are provided with a "Drug History Handbook", or drug notebook. This survey attempted to determine the extent to which a "Drug History Handbook" helped patients understand the drug they were taking, and the extent to which it was utilized during visits to other institutions. Based on the results of the survey we evaluated the efficacy of "Drug History Handbook" as a means to enable patients themselves to perform comprehensive drug information management. Out of 288 patients respondmg to the survey 149 (52%) had a "Drug History Hand-book"149out of 286 respondents or 40% had been diagnosed at other institutions. The respondents who said they had shown their "Drug History Handbook" to phamacists or physicians at other pharmacies, hospitals, or medical institutions were numbered 7 1 out of 149 (48%), including duplicate responses. At community pharmacies conducted at the same time, responses were obtained from 48 pharmacies. Of the 48 responding pharmacies, 21 (44%) said that patients had presented either "Drug History Handbook"or "prescription cards" From these results, it is clear that the patients thus realized the importance of keeping a complete record of the drugs they had taken, and that presenting information about drug history can be a very valuable aid in both prescribing and preparing appropriate medications. From thus survey, it was found that the use of a "Drug History Handbook" can help prevent the dispersal of information about purchase of over the counter drugs as well as prescription drugs. As a means of patient education, it can also be extremely effective for avoiding the duplicated administration of medications and drug-drug interactions.
著者
中村 幸雄 宮川 勇生 石丸 忠之 加藤 紘 木下 勝之 黒島 淳子 小辻 文和 玉舎 輝彦 中村 幸雄 楢原 久司 野田 洋一
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.755-761, 1999-08-01
参考文献数
10
被引用文献数
18

18歳以下の続発無月経症例を対象としてアンケート調査を行い, 依頼した90施設のうち53施設(回収率59%)より288例(有効症例280例)の回答を得た. 無月経に至った誘因としては, 減食による体重減少が44%を占めた. 第1度無月経の誘因は, 不明が最も多く, 減食がこれに次いだ. 第2度無月経の誘因は, 減食が最も多く, 61%を占めた. 減食が誘因の第2度無月経では同誘因の第1度無月経に比較して初診時までの体重減少が有意に著しかった(p<0.02). 第2度無月経では第1度無月経に比較してBMIが有意に低かった(p<0.001). 第2度無月経のBMIのcut off値は18.1であった. 第2度無月経では第1度無月経に比較して有意に無月経の期間が長かった(p<0.001). 第2度無月経では第1度無月経に比較して有意にE_2が低値であった(p<0.0001). 第2度無月経のE_2のcut off値は28.2pg/mlであった. 治療法は, 主としてクロミフェン又はカウフマン療法が行われ, hMG-hCG療法はほとんど行われていなかった. 第2度無月経では約9割にカウフマン療法が施行されていた. 治療により, 基礎体温において第1度無月経の61%に二相性が確認されたが, 第2度無月経では二相性が確認されたのは33%に留まった. 思春期の続発無月経は, その後の妊孕性や骨粗鬆症の発生にも重大な影響を与えることから, 今後, prospectiveな検討をもとにした有効な治療法の確立が必要であるとともに, 減食を中心とした誘因がいかにして除去できるかが重要であると考えられた.
著者
今福 道夫 中村 幸弘
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.24, pp.19-22, 1995-12-15

巻貝の軟体部が付着したままの貝殻を背負うヤドカリが、新潟県上越市沖の浅海の砂底から見つかった. 3個体はトゲトゲツノヤドカリDiogenes spinifronsで、1個体はトゲツノヤドカリD.edwardsiiであった.そのうちの1個体では、巻貝の蓋にヤドカリの鋏によると思われる傷が多数あったことから、その巻貝は生きている間にヤドカリによって襲われたものと推定される.また、水槽観察から、軟体部がヤドカリによって食べられたようなので、軟体部をもつ殻は、新しい宿と食料の保管という二重の機能をもつものと考えられる.
著者
中村 幸雄
出版者
杏林大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

重症排卵障害による不妊症例に対しゴナドトロピン(hMG)律動的皮下投与法による排卵誘発を試み、その有効性、低多胎発生率や排卵機序を解明した。従来の連日筋注法より高い排卵率、妊娠率が得られ、副作用の一つである多胎発生も認められなかった。低多胎発生率の理由として律動的皮下投与法では複数個の卵胞が発育しても実際に破裂する卵胞が少数のため多胎発生が少ないものと考えられた。また多嚢胞性卵巣症候群ではゴナドトロピン療法中に卵巣過剰刺激症候群(OMSS)を発生しやすいが、その機序としてLFSH比の高値が考えられた。GnRHアゴニストを併用することによりLH/FSH比が有意に低下し、OHSSの予防が可能であった。hMG律動的皮下投与法に妊娠した18症例の着床-非着床期間の血中ホルモン動態を詳細に比較解析し、妊娠成立のための至適内分泌環境、特に黄体機能についても検討を加えた。着床においてはP,E_2の高値ではなく、P/E_2値が重要な意義をもっており、黄体期初期から中期におけるP/E_2比の高値症例で妊娠成立の可能性が高いと考えられた。また連日筋中法ではpremature luteinizationやpremature LH riseが高頻度に出現し、妊娠成立に悪影響を及ぼすとされているが、律動的皮下投与法でもそれらは高頻度(40〜50%)に出現した。しかし着床、非着床期間にその出現頻度とパターンに差違が認められなかったことより、妊娠成立の予後を左右する因子とは成り得ないことが確認された。以上の3年間の研究成果より、hMG律動的皮下投与法は高い排卵率や妊娠率、低多胎発生、重篤なOHSSの防止などの優れた排卵誘発法であり、重傷排卵障害患者に対して有効な治療法として臨床的意義をもつものと考えられた。
著者
中村 幸弘
出版者
國學院大學国語研究会
雑誌
国語研究 (ISSN:04506677)
巻号頁・発行日
no.72, pp.15-30, 2009-03