著者
中村 恵子
出版者
福島大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本研究は、電子レンジ加熱における食塩添加の影響を明らかにすることを目的としている。昨年度は液体モデル試料を用い、食塩添加試料では蒸発に使われるエネルギーの比率が高く、温度上昇速度は小さいことを明らかにした。本年度は、まず添加する食塩濃度の影響について、0〜20%の塩化ナトリウム溶液50〜2000mlを用いて確認した。その結果、食塩濃度の増加に伴って吸収するエネルギ量ーは減少すること、試料平均温度の上昇速度は小さくなることが明らかになった。次に、固体モデルを用いて実験を行った。0あるいは1%塩化ナトリウムを添加した10%コーンスターチゲル(200ml)を調製し、電子レンジで加熱したところ、食塩添加ゲルの蒸発量は多く吸収エネルギー量は少ないという、液体モデルと同様の結果が得られた。加熱直後の試料内部温度を比較したところ、食塩添加試料は試料外縁部が、無添加試料では中心部が高温となり、温度ムラの表れ方が正反対であることが明らかになった。これは、食塩の添加によって試料内のマイクロ波の半減深度が極端に小さくなったためと推察された。最後に、食塩添加試料の加熱効率を改善するために、(1)加熱途中で試料を撹拌する、(2)ラップフィルムで表面を覆う、ことの有効性について、0及び20%塩化ナトリウム溶液(500ml)を用いて検討した。その結果、いずれの操作も吸収エネルギー量自体は増加しないものの、水分蒸発に使われるエネルギー比率は減少したため、温度上昇速度は大きくなり、加熱効率は改善された。
著者
中村 恵子
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (カウンセリング科学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6176号)
著者
中村 恵美子 平沢 正 石原 邦
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会関東支部会報 (ISSN:13416359)
巻号頁・発行日
no.10, pp.23-24, 1995-11-02

我が国のコムギの栽培期間の水環境をみると、3月中旬から出穂期に当たる4月中旬までは降雨量が多く比較的湿潤であるのに対し、4月中旬から5月の登熟期は比較的天気が良く乾燥する。生育期間中のこのような水環境の変化は、コムギの生育や収量に無視できない影響を及ぼすと考えられる。前報では、出穂前の1ヶ月間を低土壌水分条件下で生育させた後、出穂期に灌水し、その後は土壌水分が著しく低下しない程度に灌水して生育させたコムギ(乾燥区)と、平年の降水量に準じて灌水し生育させたコムギ(湿潤区)とを比較した。その結果、乾燥区のコムギは湿潤区のコムギに比べて、乾物重、子実収量が高くなること;乾物重が大きいのは、高い純同化率(NAR)によっていること;NARが高いのは、登熟期の葉身の光合成速度が高く、葉の老化に伴う光合成速度の減少が小さいこと;が明らかとなった。本報告では、前報と同様に乾燥区と湿潤区にコムギを生育させ、生育、乾物生産、収量、および個葉光合成速度を比較するとともに、根系の分布や生理的活性に注目し、このような相違が生じる要因について検討した。
著者
三石 聖子 宮島 里美 白上 むつみ 中村 香子 金本 直子 石田 香栄子 中村 恵子 佐々木 隆一郎
出版者
信州公衆衛生学会
雑誌
信州公衆衛生雑誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.40-41, 2008-08

平成18年度、小学校から大規模な嘔吐・下痢症発生の連絡を受けた。健康づくり支援課では食品・生活衛生課と協力して積極的疫学調査を行った。結果として、原因としては食中毒の可能性は極めて低く、ノロウイルス感染症であることが疑われた。今回の経験から、感染症、食中毒の両面からの積極的疫学調査を、適切かつ目的を明確にして行うことの重要性を痛感したので報告する。