著者
榊原 博樹 廣瀬 邦彦 松下 兼弘 中村 慎吾 佐藤 元彦 加古 恵子 末次 勸
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.395-402, 1995-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
20

気管支喘息患者10名にエイコサペンタエン酸エチルエステル (EPA-E) 製剤 (MND-21) を1日2.7g, 12週間投与した. この間, 喘息症状, 血清の脂肪酸濃度, および calcium ionophore A23187で刺激された白血球のロイコトリエン (LT) 産生能を測定した. コントロールとして, EPA-Eを内服していない39名の気管支喘息患者から得られた白血球を使用した. LT産生量は逆相高速液体クロマトグラフィーにより測定した. EPA-Eの内服で血清中のEPA濃度は3.3倍に増加した. EPA-E内服4週間後の白血球のLTC4およびLTB4産生量 (それぞれ53.5±23.3ng/107cellsと24.9±12.4ng/ao7cells) はコントロール (それぞれ124.4±91.6ng/107cellsと58.3±34.8ng/107cells) と比べて有意に減少した. 4週間のEPA-E内服で有意なLTC5, およびLTB5の産生が認められたが僅かであった (それぞれ6.5±1.9ng/107cellsと4.6±2.7ng/107cells). 臨床症状の改善はEPA-E投与2ヵ月後に認められたが, その効果は一時的であった.
著者
松井 章 石黒 直隆 南川 雅男 中村 俊夫 岡村 秀典 富岡 直人 茂原 信生 中村 慎一
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

オオカミからイヌ、イノシシからブタへと、野性種から家畜種への変化を、従来の比較形態学的な研究に加えて、DNA分析と、安定同位体による食性の研究により明らかにした。また中国浙江省の約6千年前の田螺山遺跡、韓国金海會〓里貝塚の紀元前1世紀から紀元後1世紀の貝層から出土した動物遺存体、骨角器の報告書を、国内の遺跡同様に執筆した。さらに、ラオス北部の山岳少数民族の村に滞在し、ブタ、イヌ、ニワトリの飼育方法、狩猟動物と焼畑との関係について調査を行った。
著者
中村 慎吾
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1068-1070, 2019 (Released:2019-11-01)
参考文献数
1

Veritas In Silicoは、あらゆるmRNAに対し効率的に分子標的創薬を実現する機会をパートナー製薬会社へ提供する。この創薬事業の根幹の一つは、mRNAの部分構造を高速に予測・解析・評価するコンピュータ技術である。適切な作業仮説をおいた上で仮想的な測定器として用い、部分構造の存在確率を計算することで標的として利用可能な部分構造を特定する。これにより、標的が枯渇しつつある低分子創薬事業へ大量の新規な優良標的を供給でき、First in Classの創出に貢献する。
著者
中村 慎也 岩橋 直人 長井 隆行
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, pp.663-682, 2009-10-15 (Released:2010-01-12)
参考文献数
18
被引用文献数
4 2

本論文では,実世界状況において,ロボットが人と効率的及び相互適応的に共有信念を形成しながらコミュニケーションを行うための,発話生成手法を提案する.共有信念は,互いに共通する経験を基盤として形成され,対話者の心的状態の推定や曖昧な発話の理解に用いられる.提案手法は,ロボットが学習する信念システムとして,ロボットの想定する共有信念を表現する関数に加えて,人とロボットの想定する共有信念の一致度を表現する関数を扱う.共有信念を表現する関数は,確率モデルで表される音声言語や動作,オブジェクトの概念などを指示する様々な信念の重み付け和で表現される.共有信念の一致度を表現する関数は,発話が相手に正しく理解される確率の予測値を出力する.信念システムの学習は,人とロボットのオブジェクトを用いたインタラクションを通してオンラインで行われる.ロボットは,一致度を表現する関数を学習することで人の心的状態の推定と発話の予測理解率の推定が可能となり,環境だけでなく,相手との共有信念の一致度に応じて発話の単語数を増減させるなどの適応的な発話生成が行えるようになる.また,そうした発話によるインタラクションを通して一致度を表現する関数自体を更新し,人とロボットが相互適応的に共有信念の形成を行う.ロボットに学習させる信念システムや,人が行動を誤った場合のロボットによる正解の提示の有無など,様々な条件で実験を行い提案手法の有効性を評価した.
著者
松井 章 石黒 直隆 中村 俊夫 米田 穣 山田 仁史 南川 雅男 茂原 信生 中村 慎一
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、農耕および家畜の起源とその伝播を、動物考古学と文化人類学、分子生物学といった関連諸分野との学際的研究から解明をめざすとともに、民族考古学的調査から、ヒトと家畜との文化史を東アジア各地で明らかにした。家畜飼育から利用への体系化では、日本、ベトナムや中国の遺跡から出土した動物骨の形態学的研究をすすめつつ、ラオスやベトナムの少数民族の伝統的家畜飼育技術や狩猟活動などの現地調査を実施した。東アジアの家畜伝播を知るうえで示唆に富む諸島において、先史時代や現生のイノシシ、ブタのmtDNA解析をすすめ、人の移動と密接に関係するものと、影響が見えないものとが明らかとなった。遺跡発掘試料の高精度年代測定研究では、暦年代較正の世界標準への追認、日本版の暦年代構成データの蓄積をすすめた。中国長江流域の新石器時代遺跡から出土した動物骨で炭素・窒素同位体比の測定では、ヒトによる給餌の影響から家畜化と家畜管理についての検討を行った。さらに、台湾を主体としたフィールドワークでは、犬飼育の伝播と犬肉食の世界大的な分布・展開の解明、焼畑耕作・家畜飼育と信仰・神話、また狩猟民の観念について探究した。
著者
高橋 政行 中村 慎策 佐藤 光太郎 横田 和彦
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.336-347, 2015 (Released:2018-01-11)
参考文献数
8

The system environments of the axial flow fan are various. The axial flow fans are often used under unsuitable operating condition. Especially, the cases where the obstacles are distributed in upstream of the fan to downsize are increasing, in recent high density design of equipment. An attempt is made to clarify the influence of the obstacle on the flow characteristics of axial-flow fans. In this study, a blockage disk is installed upstream of a test fan which is a typical cooling axial-flow fan. Blockage disks with various diameters are set up. The performance curves of axial-flow fan with blockage disks are measured. In addition, flow instabilities with a cell structure are demonstrated on typical condition. The main objects of the present study are : to evaluate the performance degradation when obstacles are installed in upstream of the test fan, to elucidate causes of positive slope for the performance characteristics curves and reverse flow, to clarify the generation mechanism of flow instabilities when the blockage disks which are larger than diameter of the test fan are installed.
著者
中村 慎之介
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = Toyo Gakuho (ISSN:03869067)
巻号頁・発行日
vol.104, no.3, pp.37-66, 2022-12-16

Goryeo was a country that existed on what is now known as the Korean Peninsula for 475 years, from 918 to 1392. For the sake of the prosperity and stability of the ruling dynasty, Goryeo focused on the establishment of close relationships with the Buddhist community, which provided assistance to the lay regime. The Buddhist community flourished under the royal patronage. The state preceptor (Kor. guksa) was the highest-ranking Buddhist monk in Goryeo, who was honored to be a teacher of the Goryeo king. The Goryeo Dynasty granted various privileges not only to the Buddhist monk who was appointed as guksa, but also to his disciples. Therefore, disciples lobbied for the nomination of their masters for the position of guksa. On the contrary, the dynasty was able to control the Buddhist community by bestowing favor upon it. This paper focuses on the practice of the complementary relationship between the Goryeo Dynasty and the Buddhist community: a royal family member who did not succeed to the throne become an ordained Buddhist monk of the Huayan 華嚴 sect, and after his death, he was immediately posthumously appointed to the position of guksa, the highest honorary position in the Goryeo Buddhist community. This practice was confirmed only in the eleventh–thirteenth centuries. This study traces, in as much detail as possible, the political process from Daegakguksa 大覺國師 Uicheon’s 義天 ordination (1065) to the conferral of the guksa upon Jing’eom 澄儼 (1141) over a period of about eighty years and thus approaches the aspect of the complementary relationship between the Goryeo Dynasty and Buddhist community. The results of the study revealed the following two points. (1) The disciples of Uicheon sought to inherit political influence based upon the blood relationship between Uicheon and the king. They also sought the additional conferral of the guksa, which entailed concessions. (2) Injong 仁宗 (r. 1122–1146), who was forced to establish a new relationship with the Buddhist community because of the rebellions of Lee Jagyeom 李資謙 and Myocheong 妙淸, made Buddhist monks from the royal family to join Huayan, Zen 禪, and Weishi (or Faxiang 法相) sects, aiming to use them as intermediaries in the establishment of a dominant structure in the Buddhist community. In other words, this practice was established because of the coincidence of interests between Injong and the disciples of Uicheon.
著者
中村 慎一
出版者
金沢大学地域連携推進センター
雑誌
金沢大学サテライト・プラザミニ講演
巻号頁・発行日
2008-12-13

中国浙江省余姚市にある田螺山遺跡は約7000年前の初期稲作文化の集落跡である。地下水位下に埋もれていた遺跡には,人骨・動物骨,木材,植物種実などの有機質遺物がきわめて良好な状態で保存されていた。「中国のポンペイ」ともいえるこの遺跡で,われわれは中国の研究機関と共同で自然遺物を中心とする調査・研究を展開している。世界最古の「茶畑」の発見など,これまでにいくつもの重要な成果が挙がっている。その一端を数多くの写真を交えながら紹介する。
著者
中村 慎吾 田中 聡 Ignacia Braga-Tanaka III 小野 瑞恵 神谷 優太 小木曽 洋一
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.55, 2011

低線量率(20 mGy/ 22 h/ day)のγ線を連続照射したB6C3F1雌マウスでは、非照射対照マウスと比較して、有意に体重が増加することが分かった。この照射マウスに認められる体重増加の機構を明らかにするために、20 mGy/ 22 h/ dayのγ線を9週齢から44週齢まで連続照射したB6C3F1雌マウスの脂肪組織重量、肝臓及び血清中の脂質含有量、糖代謝及び脂質代謝に関連した因子(インスリンやアディポサイトカイン等)と卵巣の機能変化を調べた。組織の脂肪化を伴う有意な体重の増加は、20 mGy/ 22 h/ dayのγ線を連続照射したB6C3F1雌マウスにおいて28週齢から44週齢に至まで認められた(集積線量2.7-4.9 Gy)。卵巣及び膣垢標本の病理学的解析から、連続照射マウスでは、卵母細胞の枯渇による早期の閉経と同時に体重増加が起こることが分かった。以上の結果から20 mGy/ 22 h/ dayのγ線を連続照射したB6C3F1雌マウスでは、早期の閉経が引き金となって、体重増加が起こることが示唆される。本研究は、青森県からの受託事業により得られた成果の一部である。
著者
佐藤 悦志 中村 慎也 常盤 祐司
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルプラクティス(TDP) (ISSN:24356484)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.33-44, 2020-10-15

法政大学と富士ゼロックスは,2012年から授業支援システムと紙を連携させることで教育効果を高め教員業務の削減を図るシステムの共創開発を行い,2013年に授業支援ボックスとして商品化した.また商品化後の機能追加や保守においても共創を継続し,現在に至っている.国内における共創開発は現在,様々な業種の企業でも取り組まれるようになってきた.本稿では,これから共創開発を行う企業や大学等への参考になると考え,6年にわたって実施した共創開発の経緯やシステム展開で発生した様々なプラクティスを示すとともに,共創開発の方法や効果について報告する.
著者
中村 慎吾
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.100-105, 1971

1. 中国地方のヒメシジミの食草はマアザミであるが,ヒメシジミの分布を規定している要因はマアザミの分布だけではない. 2. マアザミの分布している湿原は中国地方では,かなり低地にもみられるが,ヒメシジミがみられる湿原は中国山地内にみられるヌマガヤ・マアザミ群集として知られている湿原植生の分布とほぼ一致し,ヒメシジミの分布はこの湿原植生と密接な関係がある. 3. 兵庫県下にヒメシジミが分布しないのは自然的諸条件によってヌマガヤ・マアザミ群集のみられる湿原が成立し得なかったためと考える. 4. 中国地方のヒメシジミは朝鮮半島を経由して日本列島へ分布を拡大してきた系統で,後氷期の温暖化で退行途中のものと思われる.また,北海道から本州中部の高地帯に分布する別亜種pseudoaegonはアムール,樺太を経由して南下した系統と考えられる. 5. ヒメシジミの日本列島への侵入期はリス氷期〜ヴェルム氷期の間でくりかえし分布を拡大したものと推定される.
著者
中村 慎吾
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイオビジネス (ISSN:13464426)
巻号頁・発行日
no.36, pp.104-109, 2004-05

欧米には3000社を超えるバイオベンチャーが存在し、そのうち株式公開している企業の数も数百社にのぼる。日本では、これまでに350社以上のバイオベンチャーが設立され、大学発バイオベンチャーと呼ばれる企業の新規株式公開も2002年9月のアンジェスエムジーの東証マザーズ上場を皮切りに始まった。 バイオベンチャーには創薬を主な事業として掲げているところが多い。
著者
中村 慎司
巻号頁・発行日
pp.1-69, 2015-01-16 (Released:2016-11-24)
著者
中村 慎司
巻号頁・発行日
pp.1-69, 2015-01-16
著者
中村 慎吾
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
やどりが (ISSN:0513417X)
巻号頁・発行日
no.73, pp.22-23, 1973-08-20
著者
芳村 惠司 古寺 典彦 吉竹 裕二 木村 公昭 岩坪 良雄 中村 慎
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.87, pp.1-11, 2002-10-25
被引用文献数
2

ついては明らかになっていない点が多い.システム評価についても太陽光発電システム単体について検討するのではなく,空調エネルギーの低減効果,電力負荷の平準化など総合的に評価することが必要である.本報では太陽光発電システムを採用したモデル建物において,空調負荷に与える影響を検討した.太陽光発電パネルによる日射遮へいによる空調負荷の低減やピークカット効果の結果を検討し,太陽光発電パネルによる複合的な負荷削減効果を明らかにした.