著者
岩瀬 豪 稲岡 秀陽 尾木 敦子 友澤 明徳 國仲 加世子 高安 郁代 中村 真紀 北川 一智
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.1377-1380, 2012 (Released:2012-12-17)
参考文献数
7

【目的】摂食嚥下障害をもつ高齢者の機能的自立度評価法 (Functional Independence Measure ; 以下, FIMと略) の点数がどの程度であれば, 経皮内視鏡的胃瘻造設術 (Percutaneous Endoscopic Gastrostomy; 以下, PEGと略) による経腸栄養管理後に日常生活動作 (Activities of Daily Living; 以下, ADLと略) の向上が期待できるかを検討する. 【対象及び方法】PEGを施行した30例について, その背景とPEG前後のFIMの点数を調べ, 後ろ向きの検討を行った. 【結果】PEG前の認知FIMの点数が10点以上の症例は, 胃瘻による経腸栄養管理の3ケ月後に運動ないし認知FIMの有意な改善を認めた. 【結論】PEG前のFIMのうち, 認知FIMの点数が良い症例は, 胃瘻による経腸栄養管理後にADL向上が期待できる可能性が示唆された.
著者
中村 康雄 林 豊彦 中村 真里 建道 寿教 信原 克哉 菊入 大輔 桐生 慎哉
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.111-121, 2004 (Released:2005-04-15)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1 2

Diagnosis of a shoulder joint injury, particularly one brought about during sports activities, necessitates measurement of its motion accurately and noninvasively. Conventional measurement of shoulder joint movement, however, deals solely with relative movement between humerus and thorax, neglecting other components of the joint. We have focused on 6-DOF measurement of scapula movement relative to the thorax, a subdominant component of shoulder movement. Such motion data, however, cannot easily be obtained by means of a marker-based motion-capture system, due to the skin mobility relative to the skeleton. The objective of this study was to validate measurement accuracy of scapula movement when measuring markers are attached to the skin above the scapula’s bony landmarks.We employed an open MRI (Magnetom Open, Siemens, Germany) to measure the shoulder joint and markers attached to the subject’s skin. Five and three markers were attached to the skin above the scapula and thorax, respectively. Three volunteers (24.0±2.64 years old), who possessed no distinct kinetic dysfunctions in their shoulders, served as subjects, in this preliminary study. Their shoulder movements were sampled at three humeral elevation angles (0°, 90°, 150°) on a frontal plane by open MRI. In order to reduce the skin mobility, the same movements were recorded, using a more accurate method in which the scapula’s markers were relocated into correct positions, determined through the palpation of an experienced physical therapist, at each humeral elevation. In an attempt to validate the skin mobility, we measured the deviation of the markers from the scapula’s bony landmarks during humeral elevation. Next, the scapula movements were estimated by two different methods as follows: the registration technique using bony shape and the least squares method using the set of markers.The results demonstrated that the deviation of the markers could be reduced into less than or equal to 19.0 mm if the markers were remounted at each elevation angle. Using the remounted markers, we verified the estimated error of position and orientation of the scapula to lie within 10.1° and 6.4 mm, respectively.In conclusion, we validated measurement accuracy of the scapula movement using skin markers above the scapula’s bony landmarks. The results showed that a motion-capture system is capable of quantitatively measuring the static shoulder joint movement with the scapula.
著者
中村 康雄 林 豊彦 中村 真理 中溝 寛之 信原 克哉 加藤 直 飯塚 大輔
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム
巻号頁・発行日
vol.17, pp.123-132, 2004-08-25
参考文献数
21
被引用文献数
4

The shoulder and elbow joint of a baseball pitcher are frequently overused by the repetition of throwing. The overuse causes throwing injuries of the shoulder or the elbow joint. To prevent the injuries or find them as soon as possible at an early stage, it is important to understand and evaluate each individual's baseball pitching motion exactly. Therefore, we are developing an analysis system of the baseball pitching motion for clinical use. The pitching motion is classified into four major pitch styles, as follows: overhand, three-quarter, sidearm, and underhand. In the long-term clinical experience in Nobuhara Hospital, we have expected that one of the causes of throwing injuries is related to the pitch styles. A previous paper reported that different pitch styles produced different kinematic and kinetic results of pitching motion analysis (Matsuo, 2000). The difference of pitch styles will influence analysis results of the pitching motion. The classification, however, was performed qualitatively by a person having baseball experience. There is no standard method to classify the pitch styles quantitatively. The pitch styles also have to be classified quantitatively in order to investigate various factors of injuries. The aim of this study was to classify baseball pitchers of various levels into four pitch styles quantitatively and compare the kinematic and kinetic parameters. We measured the pitching motions of the baseball pitchers, using a motion-capture system at 500 Hz. Ages of the 104 subjects of this experiment ranged from 10 to 38 years. We suggested four kinematic parameters in order to classify the pitch styles. The measured pitching motions were then classified into four pitch styles, using multivariate discriminant analysis. The correct answer rate was 89.4%. ANOVA revealed significant differences of the antero-posterior direction of resultant force at the time of ball release among four classified pitch styles. The A-P force vector had high correlation (r=0.82) with horizontal adduction angle of the upper arm. The shear force on the shoulder is one of causes of injury during pitching. To reduce the risk of shoulder injuries, we believe it is necessary to reduce shear forces on the pitcher's shoulder. Our results showed that the sidearm group had 50% lower shear force than the other groups. In conclusion, we suggested four kinematic parameters in order to classify the pitch styles. This result shows that these parameters are appropriate for classifying the pitch styles without relation to age or skill differences. The results of kinematic and kinetic parameters showed the significant differences between four pitch styles. Our next task is to increase the number of subjects, especially sidearm and underhand pitchers.
著者
三谷 研爾 中村 真
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究課題は、ナショナリズム対立が深刻化だったボヘミアを対象とし、1890年代から両大戦間にかけて書かれた同地の文学史的・民俗誌的記述を検証したものである。ザウアー、ハウフェンなどのドイツ系知識人による、地域性を重視する文学史は、理念においては国民文学史を相対化する契機を含みながら、具体的記述としてはナショナリズム的な本質主義の思考を強く主張する結果となった。他方、チェコ系知識人ホスチンスキーもまた、その民族芸術論をとおして、文化の移動の生産性に注目しながら、民族文化の恒常性に固執した。同地における文化的越境現象は、人文学的ディスクールのこうした構造と並置して理解すべきことが明らかとなった。
著者
中村 真由美 三輪 哲 三輪 哲 朝岡 誠 麻生 奈央子 田中 規子 松田 松田
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

法曹と医師のワーク・ライフ・バランスとキャリア形成のジェンダー問格差の状況を明らかにするために複数の調査を実施した。法曹に対しては、日本女性法律家協会と日本弁護士連合会からのご協力をいただき、男女法曹を対象とした郵送質問紙調査を実施し(回収率30%、回収数1874票)、計量的分析を行った。医師に対しては、複数の大学関係者にご協力をいただき、インタビュー調査(および、パイロット的な位置づけの小規模な質問紙調査)を実施し、質的分析を中心に行った。分析結果は、冊子体の成果報告書(『医療・法曹職女性の研究』)として出版されている。本報告書には、7つの論文が収められているが、そのうち6つの論文で、法曹に対する調査結果の計量的分析を行い、男女法曹のキャリア形成と家庭役割におけるジェンダー間格差について様々な角度から検証した。また、1つの論文では、医師に対するインタビュー調査の結果に某づき、女性医師のキャリア形成と家庭役割の状況について質的分析を行っている。法曹(主に弁護士)に関しては、キャリア移動パターン、入職経路と地位達成、専門分野選択、育児休業やその他支援策と出産経験、辞めたくなった経験と性差別体験、家事時間の規定要因などの多くの側面から、法曹がおかれている状況やジェンダー問格差の現況を明らかにした。法曹(弁護士)のジェンダー間格差については、以下のことが明らかになった。(1) 入職経路と地位達成の関係では、学校関係のネットワークによる入職が男性には有利に働くのに女性には有利に働かないこと、しかし、親や配偶者等の血縁を通じて入職した女性は例外的に有利な状況にあること(2) 専門分野では、女性は個人を対象とした、所得の比較的低い領域(親族問題など)に集まる傾向が、男性は企業を対象とした、所得の比較的高い領域(会社法など)に集まる傾向があるが、渉外や工業所有権という一部の企業関連領域では女性が多いこと、(3) 辞めたくなった経験では、女性弁護士の方が男性弁護士よりはるかに多く、それは業務内容や仕事の配分における性差別が関係していること、(4) 家事・育児については、男性弁護士より、女性弁護士の負担がはるかに大きく、男性弁護士の家事時間は、年齢や収入といった要因の影響をほとんど受けていないのに対し、女性弁護士の場合は、未既婚の別、子供の有無や人数など、ライフスタイルや家庭環境によって、家事時間の割合が変化することなどがわかった。また、事務所に育児支援策があることが、女性弁護士の出産にプラスに働く可能性があることや、女性の法曹三者のキャリア移動パターンは、弁護と検事・判事で大きく異なること等も明らかになった。医師に関しては、女性医師の専門分野や働き方を偏らせるのは、女性医師本人の性役割観による選好や、卜司・患者の偏見からの差別からというよりは、誘因の差異あるいは構造的・制度的要因が幸な原因となっている可能性が高く、適切な制度設計で問題は改善可能であることがわかった。なお、法曹と医師の計量比較分析に関しては、21年度以降に医師についての質問紙調査を実施予定であり、その結果とあわせて、比較計量分析を行っていく予定である。
著者
松井 洋 中村 真 堀内 勝夫 石井 隆之
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.51-70, 2006-03-15

本研究の目的は日本の「子ども」の特徴について比較文化の視点から検討することであり,特に非行と非行を抑制する要因について明らかにすることである。そのため非行許容性と恥意識,道徳意識の関係について検討する。この目的のため,日本とトルコの中学・高校生1488人を対象に調査を行った。調査結果は,日本の中高生はトルコの中高生と比較して,道徳意識が低く,非行的行為に対して許容的という傾向があった。非行許容性,虞犯許容性,犯罪許容性については,日本の中学女子は男子より許容的であった。道徳意識は,日本よりトルコ,高校生より中学生,男子より女子が高いと言うという傾向があった恥意識について,自律的恥意識と他律的恥意識は,概ねトルコが日本より高く,男子より女子,高校生より中学生が高い傾向があった。しかし,他者同調的恥意識は,男子より女子,高校生より中学生が高いという傾向は前2者と同様だが,他の恥意識とは異なり,トルコより日本が高かった。非行許容性を従属変数とした重回帰分析の結果は,日本の生徒では非行許容性は他律的恥意識によって説明され,また,他律的恥意識が強いほど非行を許容しないと考えられ,そして,道徳意識が強いほど非行を許容しないという関係である。しかし,トルコの中高生の非行許容性は道徳意識によって説明され,恥の意識とは関係が無いということが言える。これらのことより,非行許容性の背景となる個人の態度には文化差があると考えられる。そして,トルコの中高生では,恥の意識より,良い悪いという道徳意識が非行的行為と関係が深いと言える。他方,日本の中高生では,良い悪いという判断より,他者を意識した「恥」の意識がより重要である。しかし,日本の中高生は,他者同調的恥意識は強いが,非行許容性と関係の深い他律的恥意識はトルコに比べて弱いという問題が明らかとなった。
著者
松井 洋 有元 典文 中里 至正 中村 真
出版者
川村学園女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

1.目的;本研究の主な目的は5つある。それらを要約すると;1)第1の目的は、社会的迷惑行為についての構造を明らかにすることである。2)第2の目的は、日本の若者の社会的迷惑行為に対する態度を、アメリカ、トルコの若者と比較することである。3)第3の目的は、社会的迷惑行為に対する態度と恥意識との関係について検討することである。4)第4の目的は、社会的迷惑行為に対する恥意識と罪悪感の比較をおこなうことである。5)第5の目的は、社会的迷惑行為に対する態度について、中学生と高校生、男子と女子との比較をおこなうことである。2.方法;1)被験者:被験者は、日本、アメリカ、トルコの中学生及び高校生と、日本の大学生である。2)手続:質問紙法による調査を三回おこなった。3.結果と考察;1)因子分析法による検討の結果、社会的迷惑行為に対する態度は非行的態度、道徳意識、恥意識とは独立した態度であることがわかった。2)トルコの被験者は最も強い社会的迷惑行為に対する自意識と罪悪感を示した。アメリカの被験者は最も弱い恥意識と罪悪感を示した。日本の被験者はその中間であった。3)恥意識は社会的迷惑行為の抑制要因として機能することが示唆された。4)社会的迷惑行為の種類によって、恥意識と関係が深いものと罪悪感と関係が深いものがあることがわかった。5)社会的迷惑行為に対する恥意識と罪悪感は中学生と高校生、男子と女子の間に違いがあるということがわかった。
著者
桑原 浩平 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則 池田 光毅 林健 太郎
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

個人差(心肺能力,暑熱順化)が生理量に及ぼす影響を既往の研究データと被験者実験により検討した。暑熱環境における直腸温を,作業強度起因の直腸温と暑さ起因の直腸温の増分として定義し,個人の心肺能力(最大酸素摂取量)を考慮することを可能にした。次に暑熱順化が発汗量および着衣のぬれに及ぼす影響について検討し,平均皮膚温36℃を境に暑熱順化前後の発汗量と着衣のぬれの特性に差が見られた。
著者
桑原 浩平 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則 池田 光毅 谷地 誠 南沢 慶一
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

芝生や路上で気候要素の垂直分布(50, 100, 150cm)の測定を行なった。50cmの気温と環境グローブ温(長波放射のみ考慮)は150cmよりも高いが,気温と環境グローブ温はほぼ等しいため,環境グローブ温の垂直分布は長波長放射よりも気温の影響が大きい。また吸汗速乾素材と綿素材の衣服が生理心理反応に及ぼす影響を評価するために被験者実験を行った。速乾素材の方が汗による着衣重量増加量は有意に少なかったが,平均皮膚温や不快感には有意な差が見られなかった。
著者
檀原 高 岡田 隆夫 建部 一夫 坂本 直人 富木 裕一 案浦 健 鈴木 千賀子 中村 真一郎 津村 秀憲 栗原 秀剛 小林 敏之 諫山 冬実 奥村 彰久 田村 剛 富野 康日己
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.651-656, 2007-12

定例の順天堂医学教育ミニワークショップが,2007年6月1日に開催された.50名以上の教員が参加し適切な試験問題の作成のための討議を行った.午前のセッションでは,予め作成していただいた定期多肢選択問題をスモールグループで検討修正を行った.午後のセッションでは,基礎医学系教員にはCBTにおける順次解答4連問を,臨床医学系の教員には4年次および5年次の臨床実習における口頭試験問題を作成していただいた.
著者
内野 英冶 中村 真 山川 烈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.96, no.369, pp.25-32, 1996-11-21

本報告では, 関数結合型ネットワーク(FLN: Functional Link Network)を利用した非線形非ガウスフィルタについて述べる. このフィルタは, 任意の非ガウス雑音が混入するフィルタリング問題に広く適用できる. また, 対象とするシステムの特性が数式で表現できない場合にも適用できる. 本報告で述べる非線形モデリングと非線形フィルタリングの手法には, RBFネットワーク(Radial Basis Function network)を用いている. すなわち, モデリングとフィルタの設計は, RBFネットワークの係数を学習することで実現できる. 提案した非線形フィルタの有効性と正当性は, カオスシステムの状態推定問題と音声信号のモデリングおよびフィルタリング問題に適用することにより確認された. また, 線形システムに対しても, 適当な数のRBF基底を配置することにより, カルマンフィルタよりも良好な推定精度を得ることも確認した.