著者
本田 俊介 立花 孝 西川 仁史 峯 貴文 長井 大治 船曳 久由美 小林 佐智 野村 星一 中村 真理
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A1025, 2004 (Released:2004-04-23)

【はじめに】 肩関節は人体最大の可動域を持つ多軸性関節であり、その動きを3次元的に捉えることは難しい。そして結帯動作について、指椎間距離という指標はあるが、その実測値は不明瞭であり、結帯動作として記述した報告が少ない。そこで今回下垂位から最大結帯位に至るまでの連続的動作の実測値を導き出し、肩甲骨の動き及び上腕骨の内旋や伸展の関連度合いを理解する事を目的として、Motion Captureを用いた3次元的動作分析を行った。【対象と方法】 健常成人男性10名(平均年齢27歳,平均身長171cm)の右肩関節を対象とした。体表指標点として、体幹に4点(第7頚椎,第7胸椎,胸骨頚切痕,剣状突起)、肩甲骨に5点(烏口突起,肩鎖関節,肩峰角,棘三角,下角)、上腕骨に3点(三角筋粗面,内・外上顆)と内・外側茎状突起に2点の計14点の反射マーカを貼付した。撮影は立位にてまず下垂位を撮影し、以降結帯動作をとってもらい、被検者の母指先端が尾骨、第5腰椎、第12胸椎、第7胸椎の位置に達した所で撮影した。その際皮膚上のマーカと実際の骨上とはずれが生じているため、各々の撮影場面でマーカを定位置に張り直した。なお、体幹側屈の代償を抑えるために反対側も同様の動きを行ってもらった。使用システムはQualisys社製ProReflex ,MCU-500で7台のCCDカメラを使用。サンプリングレートは60Hzである。そしてQToolsを用いてデータ解析を行った。【結果】 まず肩甲骨の動きについて、前傾は下方回旋と比べて序盤動きが大きいものの、最終的には16.9°で、下方回旋とほぼ同じ数値を示した。上腕骨の動きについて、まず内旋は0°から41.4°と初期に大きな動きを行う特徴を示し、最終的に47°で、肩甲骨の動きに対して1対2.8という比率を示した。伸展は下垂位-3.1°から最終的に26.7°まで変化した。外転は、最後の第12胸椎から第7胸椎の相では変化が少ないという特徴を示した。【考察】 肩甲上腕関節の運動について、まず内旋に着目すると母指先端が尾骨から第7胸椎に到達するまでに6.6°しか内旋しておらず、下垂位から母指先端が尾骨に到達するまでにほぼ最大に近い内旋を行っている事がわかった。次に外転と伸展について、この2つの運動は、臼蓋に接触した小結節を徐々に前方から下縁に向かって移動させている事に貢献しているものと思われる。また、第12胸椎から第7胸椎の相で内旋と外転は殆ど変化が無い事から、肩甲上腕関節運動の限界が示唆され、第12胸椎以降は肩甲骨運動によって行われていると思われる。肩甲骨の前傾と下方回旋については、臼蓋の関節面を前下方へ向けるためのもので、小結節の移動を行いやすくさせると同時に、見かけ上の上腕骨の内旋及び伸展を補強していると考える。
著者
中村 真 川野 健治
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 = The journal of Kawamura Gakuen Woman's University (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.137-149, 2002

神障害者に対する偏見の実態について女子大学生を対象に質問紙調査を行った。主な調査内容は, 精神障害者との接触経験, 態度および社会的距離であった。その結果, 女子大学生の精神障害者との接触経験は非常に少なかった。また, 精神障害者に対する態度は両価的であった。すなわち, 一般論としては受容的`理解的である反面, 個人としては不安に満ちており, 忌避的な面がうかがえた。次に, 接触経験, 社会的距離, 態度の相互の関連から, 直接・間接を問わず, 彼らに対する積極的かつ能動的な接触経験が精神障害者との社会的距離を縮めることを示唆した。しかし, 精神障害者に対する態度は必ずしも直接的な接触によって肯定的に変容するわけではなく, むしろ間接的ではあっても彼らに対する接触志向や関心の高さが否定的な態度の低減につながることがわかった。さらに, 否定的な態度と社会的距離の大きさとの関連が見いだされた。
著者
寺本 亮太 中村 真之 松尾 翔太 孫 学強 高木 良太
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学政策研究 (ISSN:2185985X)
巻号頁・発行日
no.3, pp.93-104, 2011

現在日本では中心部から離れた郊外に存在するオールドニュータウンが問題となっている。自動車での移動に依存していた世代の高齢化により移動手段が確保できず公共交通機関も少ないため不便地域となりつつある。この現状を改善するため交通面から三つの提案を行う。一つ目の提案は電動アシスト付自転車の共同利用である。団地内の数ヶ所に高齢者でも乗ることのできる電動アシスト付自転車を配置し、住民の方々に共同で利用してもらう。二つ目の提案はバスロータリーの設置である。これはバスの本数が少ない地域に路線バスを引き込みバスの便数を増やす方法である。三つ目の提案は電動カートの導入である。比較的低コストで走らせることのできる電動カートを導入することにより、不便地域から駅やバス停までを繋ぐことが出来る。本稿では三つ目の電動カートの導入を中心に提案を行う。The old new town which exists in suburbs has several problems in Japan nowadays. Residents having moved by car is aged and unable to drive, so the town is now an inconvenient area because there are few public transportation. In order to improve this current situation, three transport policy proposals are presented. The first proposal is the shared use of bicycles with electric assistance. We arrange the bicycle with electric assistance by which elderly people can ride, and get residents to use together. The second proposal is installation of a bus rotary. This policy improves the bus service by increase the frequency and changing routes and facilities. The third proposal is introduction of an electric cart. By introducing the electric cart which can be comparatively run at low cost, inconvenient areas can be connected to stations and bus stops. In this paper, we focuses on the third proposal: introduction of electric cart.
著者
李 雨桐 中野 拓治 中村 真也 山岡 賢 阿部 真己
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.I_61-I_71, 2019

<p>連続流入間欠ばっ気活性汚泥方式の農業集落排水施設のBOD除去性能確保に関して, ばっ気槽1室のばっ気終了時のORP管理範囲100~125mVを明らかにするとともに, ばっ気装置散気方式, ばっ気強度, ばっ気時間等によるDO挙動特性とBOD除去性能確保に必要なばっ気終了時のDO濃度を把握した.総括酸素移動容量係数(<i>K<sub>L</sub>a</i>)にはばっ気槽の活性汚泥粘度が関与しており, ばっ気強度, 水温, MLSSを説明変数とする重回帰式から推定できることが確認された.BOD除去速度恒数はばっ気強度, ばっ気時間, 及び槽内水温を説明変数とする重回帰式から推定できることが示唆された.ばっ気強度(0.03 m<sup>3</sup>∙m<sup>-3</sup>∙mim<sup>-1</sup>)とばっ気時間(30min)を組合わせたばっ気槽の運転操作を通じて, 少ないばっ気空気量で高いBOD除去性能を得るなど農業集落排水施設の運転管理効率化が図られることが示された.</p>
著者
中野 拓治 中村 真也 松村 綾子 高畑 陽 崎濱 秀明 大城 秀樹 幸地 優作 平田 英次
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.I_9-I_15, 2019

<p>沖縄本島北部に分布する国頭マージ土壌を用いて油汚染土壌の室内浄化試験を実施し, 島内で産出される琉球石灰岩砕・粒子を含めた浄化促進材の添加を通じて, バイオレメディエーションによる油分浄化特性と影響要因について考察した.軽油模擬汚染土壌に琉球石灰岩を5%以上添加することにより, 土壌含水比が5~20%の範囲で油分の浄化速度(Total Petroleum Hydrocarbons(TPH)浄化速度)を向上させるとともに, 貝殻片や花崗岩砕等を用いた浄化促進材との比較検証の結果, 琉球石灰岩砕が最もTPH浄化速度を高めることを明らかにした.琉球石灰岩砕・粒子は, 油分分解菌の代謝活動に必要となる通気性とその棲息域を確保する細孔を多く有しており, 国頭マージ土壌のpHを酸性域から中性域に中和する効果もあることから, 土壌中の油分分解菌の活性化によりTPH浄化速度が向上したものと推察される.</p>
著者
鵜島 三壽 中村 真 Mitsuhisa Ushima Makoto Nakamura
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.131-151, 2015-09

シルクロードに関する無形文化遺産として、中央アジアから西アジアにかけての分布するムカーム(マカーム)をあげることができる。これは、多様な旋法による旋法音楽で、長大な組曲形式をとることが特徴である。ムカームに用いられる楽器は多種多様で、形態はもちろんのこと、多くの点で共通点がある。ムカームが広範囲に分布するだけに楽器にも共通点があるのだが、これまで詳しい楽器製作工程は報告されていない。 今後研究の深化をはかるには、技術的な視点を持ち、製作過程を通した楽器それ自体の検討が必要である。本稿では弦楽器の習得のみならず、弦楽器製作でも基本となるドゥタールを取り上げ、ウズベキスタン国立音楽院伝統楽器製作修復工房でのドゥタール製作を紹介する。ここで製作される楽器は、学生からプロの演奏家までが使用しているため、ウズベキスタンにおける楽器製作の全体像をつかむ上でも定点とすべき位置にある。
著者
松井 洋 中村 真 堀内 勝夫 石井 隆之
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.109-122, 2007-03-15

日本とトルコの中学生,高校生,大学生,親,3820人を対象に,恥意識について調査を行い,日本とトルコの文化比較と世代間比較を行った。親に対する質問項目の因子分析の結果,「他律的恥意識」,「他者同調的恥意識」,「自律的恥意識」の3因子を抽出した。この3因子構造は,生徒とほぼ同一であった。この3因子を基に層別の分散分析の結果,3つの恥意識について,グループ間に有意な違いがあった。自律的恥意識は,トルコの父母とトルコの中学生女子,それに日本の母が高く,日本の若年層で低い。他律的恥意識は,おおむね,大人,女子,男子という順になった。他者同調的恥意識は,日本の女子とトルコの中学生が高く,日本の父親が最も低かった。以上のことから,恥意識の強さは文化と世代によって質的に異なると言える。つまり,世代や文化によって,恥を感じる場面が異なる。日本の親は,自律的恥意識と他律的恥意識が強く,子どもは他者同調的恥意識が強い。また,女子は他律的恥意識と他者同調的恥意識が男子より強い。このようなことは,日本の若年層で問題行動を抑止する恥意識が弱いことを示している。このことは,わが国における恥意識の質が変容した可能性を示していると考えられる。
著者
中村 真 松田 英子
雑誌
江戸川大学紀要 = Bulletin of Edogawa University
巻号頁・発行日
vol.25, 2015-03-15

中村・松田(2013,2014)は,大学生の中途退学率が増加する背景に心理的要因としての大学生の適応力の低下があると考え,首都圏の4 年制大学の学生を対象に質問紙調査を実施した。その結果,大学不適応に直接影響する要因は「授業理解の困難さ」「大学への帰属意識(大学への愛着)」であったが,「友人関係」は「大学への帰属意識(大学への愛着)」を媒介して大学不適応に影響しており,間接的な影響をもつことが示唆された。ここで言う不適応とは,「大学生活が辛いと感じる」といった,いわゆる主観的な不適応感を指しており,成績不振や怠学を示唆するものではあるが,それらを直接反映するものではなかった。そこで,本研究では,一連の研究で用いた諸変数に大学不適応を客観的に示す指標であると思われる授業の出席率とGPA を加えたうえで,これらの各変数が大学不適応にどのように影響するのかを検討した。その結果,先行研究と同様に,授業理解が困難であるほど,大学への愛着が低いほど大学不適応感が大きくなること,また,友人関係の良好さは大学への愛着を介して間接的に大学不適応感の低さに影響することが示された。一方,大学不適応感は,出席率およびGPA に負の影響を与えていることが示され,怠学や成績不振,牽いては,留年や退学を予測する有効な指標である可能性が示唆された。
著者
中村 真 川野 健治
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.137-149, 2002
被引用文献数
1

神障害者に対する偏見の実態について女子大学生を対象に質問紙調査を行った。主な調査内容は, 精神障害者との接触経験, 態度および社会的距離であった。その結果, 女子大学生の精神障害者との接触経験は非常に少なかった。また, 精神障害者に対する態度は両価的であった。すなわち, 一般論としては受容的`理解的である反面, 個人としては不安に満ちており, 忌避的な面がうかがえた。次に, 接触経験, 社会的距離, 態度の相互の関連から, 直接・間接を問わず, 彼らに対する積極的かつ能動的な接触経験が精神障害者との社会的距離を縮めることを示唆した。しかし, 精神障害者に対する態度は必ずしも直接的な接触によって肯定的に変容するわけではなく, むしろ間接的ではあっても彼らに対する接触志向や関心の高さが否定的な態度の低減につながることがわかった。さらに, 否定的な態度と社会的距離の大きさとの関連が見いだされた。
著者
松崎 粛統 須磨 健 渋谷 肇 中村 真 平山 晃康 片山 容一
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 = Surgery for cerebral stroke (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.353-357, 2010-09-30
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

A 57-year-old man was referred to our hospital for detailed investigation and therapy of right exophthalmos and chemosis. Cerebral angiography demonstrated a dural arteriovenous fistula (DAVF) involving an anterior part of the right cavernous sinus (CS). The main feeders of the CS-DAVF consisted of the right inferolateral trunk and right middle meningeal artery. The predominant drainage route was the right superior ophthalmic vein (SOV), extending to the right facial vein. The right inferior petrosal sinus (IPS) was not visualized in the arterial phase, but was visualized in the venous phase, indicating that it contributes normal venous drainage. Transvenous embolization (TVE) was performed under general anesthesia through the right facial vein. We advanced a guiding catheter in the right angular vein and passed a microcatheter system through the tortuous vessel to the shunting point under single plane road mapping. The affected anterior part of the CS was occluded with Micrus coils (UltiPaq and Cashmere) (Micrus Endovascular, San Jose, CA, USA). Post-treatment angiography revealed disappearance of the fistula. <br> In general, CS-DAVFs are treated with TVE through the IPS. However, in the present case, IPS was not used for the approach based on the angiographic appearance. Large drainage volume of the right facial vein enabled us to advance the guiding catheter to the angular vein with facility, and to pass the microcatheter system through the tortuous vessel with sufficient support of the guiding catheter. Cashmere, which is a 14 system infinity loop-shaped coil and relatively soft as a framing coil, had a tendency to attach to the anterior part of the CS wall. <br> Because of good packing efficiency, transvenous Micrus coil embolization through the facial vein is an efficient treatment of DAVF involving the anterior part of the CS.<br>
著者
中村 真
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.A99-A106, 2010-05-20 (Released:2017-10-02)

近年、AdS/CFT対応(ゲージ・重力対応、またはholographicゲージ理論)は超弦理論のみならず、重力理論、原子核・ハドロン物理学、物性物理学など幅広い分野に関連して興味を持たれるようになってきました。ここでは超弦理論の非専門家、特に原子核・ハドロン物理学を専門とする方々にAdS/CFT対応の基本的考え方を説明し、今後の分野横断的交流に役立てたいと思います。
著者
本橋 英樹 野中 哲也 中村 真貴 原田 隆典 坂本 佳子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_181-I_185, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
7
被引用文献数
3

We proposed to take several wave boundaries which make possible multi-way incident into three dimensional analytical boundary and then we made three dimensional tsunami analysis over wide area based on the result of two dimensional analysis. By this proposed technique, the propagation movement of two dimensional tsunami was reflected in three dimensional analysis boundary, and the continuous generation of the tsunami simulation that comprised a macroscopic evaluation of the tsunami and a microscopic evaluation in the vicinity of the site could be shown. This analysis of the continuous generation of tsunami can be expected as a technique to be able to achieve the flood simulation in high accuracy as well as being able to make the evaluation of the power of tsunami load that affects on embankments, bridges, and buildings.
著者
三好 直美 中村 真一 菅野 仁 齋藤 登 齋藤 洋 野村 馨
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.408-412, 2013-12-25

症例は66歳男性、倦怠感、色素沈着、爪甲分離などを主訴に当院総合診療科を受診。消化管内視鏡検査により上部、下部消化管にポリポーシスを認め、Cronkhite-Canada症候群(CCS)と診断した。受診時、Hb 15.6 g/dl、血清鉄248 μg/dl、総鉄結合能274 μg/dlであり、トランスフェリン鉄飽和率は90.5 %と高値を呈した。一方貯蔵鉄量を示す血清フェリチンは34 ng/mlと正常下限であった。CCSでは通常、鉄の吸収障害により血清鉄量、貯蔵鉄量は共に低値となりやすく、これらの結果は予期しないものであった。詳細な問診により患者は長期間に恵命我神散を服用し、そのほか鉄含有の多い食品を多量摂取していることが判明した。恵命我神散の成分にはウコンが含まれており、ウコンの成分であるクルクミンには鉄のキレート作用があることが報告されている。鉄分の過剰摂取および恵命我神散服用中止を指示し、10ヵ月後には貯蔵鉄、フェリチンともに減少を認めた。その後、CCSに対し、グルココルチコイド内服による治療を開始した。グルココルチコイド投与は患者の鉄分欠乏および他の症状を改善した。
著者
中野 拓治 中村 真也 松村 綾子 高畑 陽 崎濱 秀明 大城 秀樹 幸地 優作 平田 英次
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.I_87-I_94, 2018

<p>沖縄本島北部に分布する国頭マージ土壌を用いて油汚染土壌の浄化室内試験を実施し,油汚染土壌の浄化方法の一つであるバイオレメディエーションを適用した場合の油分浄化特性と影響要因について考察した.その結果,含水比を適切に管理したうえで栄養塩を添加し,空気を通気することによって,酸性土壌である国頭マージ土壌であっても土中に存在する油分解菌によって油分が浄化されることを明らかにした.さらに,油汚染土壌内でのTPH除去作用が1次反応であると仮定して浄化効率を示すTPH除去速度係数を求め,栄養塩添加量,通気量,含水比を説明変数とする多変量解析を通じて,含水比がTPH浄化効率に与える影響が最も大きいことが確認された.</p>