著者
久保田 尚之 塚原 東吾 平野 淳平 松本 淳 財城 真寿美 三上 岳彦 ALLAN Rob WILKINSON Clive WILKINSON Sally DE JONG Alice
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.412-422, 2023-11-21 (Released:2023-11-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1

日本で気象台が開設される以前の江戸時代末期に,外国船が日本近海に気象測器を搭載して往来していたことに着目し,気象観測記録が掲載された航海日誌を収集し,気象データを復元した.18世紀末には探検航海する外国船が日本近海に現れ,19世紀に入ると米国海軍の軍艦等が日本に開国を求めるために日本近海を航行するようになった.これらの航海日誌に記録された日本近海の気象データの概要を示し,江戸時代末期に外国船が日本近海で遭遇した台風事例について,経路等の解析を行った.1853年7月21~25日にペリー艦隊6隻が観測した東シナ海を通過した台風の解析事例,1856年9月23~24日に蘭国海軍メデューサ号が観測した安政江戸台風の解析事例,1863年8月15~16日の薩英戦争中に英国海軍11隻が観測した東シナ海における台風の解析事例について報告する.
著者
松本 淳 林 泰一 山根 悠介 小林 茂 寺尾 徹 山本 晴彦 釜堀 弘隆 久保田 尚之 赤坂 郁美 福島 あずさ 村田 文絵 藤波 初木 加藤 内藏進
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

国内で実施中のデータレスキュー研究活動をまとめ、国際的活動と連携するACRE-Japanを、本研究を中核として組織し、アイルランドと北京で開催された国際会議報告を国際共著論文にまとめた。またMAHASRIプロジェクトの後継となるアジアモンスーンに関する国際共同研究の立案を開始し、国内・国際ワークショップを主宰した。南アジアについては、旧英領インドの現ミャンマー・バングラデシュ領内の日降水量データの原本照合・品質チェックが完了し、過去120年スケールの長期変化傾向についての解析を進めた。インド北東部チェラプンジの104年間の日降水量データから、インド北東部のモンスーン活発期の発生機構を明らかにした。バングラデシュの1955年~1980年後半、インドアッサム州の1930年~1950年代後半までのシビアローカルストームデータベースを構築し、発生日の長期変動について解析した。スリランカの1860年代以降の日降水量データ収集した。東南アジアについては、フィリピンの過去115年間のモンスーン開始期および20世紀後半以降における降水の季節変化パターンの長期変動を解明した。日本とフィリピンの過去120年間の台風活動を調べ、近年の大きな被害を出した台風と類似の台風が過去にも上陸していたことを示した。中国については、日降水量データ(Zi-ka-wei)1890年代~1930年代のデジタル化を完了した。樺太、朝鮮、北支那における気象データの統合と検証を行い、東北部黒龍江省における温暖化解析と水稲冷害のリスク解析、東北部・内蒙古自治区の乾燥地帯における雨季の変動解析を行った。帝国日本の気象観測ネットワークに関する2冊の書籍を刊行した。東アジアの多彩な季節サイクルの長期変動解明を行なった。日本については、東海・四国地方の明治・大正期の日降水量データをデジタル化し、大雨発生の長期変化等を解析した。
著者
久保田 尚之 Allan Rob Wilkinson Clive Brohan Philip Wood Kevin Mollan Mark
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.000324, 2018 (Released:2018-06-27)

1.はじめに日本の過去の気候を明らかにするには、長期の気象観測データが欠かせない。現在、世界中で過去の気象データを復元する「データレスキュー」が取り組まれている。日本での気象観測は1872年に函館ではじまった。それ以前も気象測器を用いた観測はあるが、個人が短期間実施してきたものが多い(Zaiki et al. 2006)。このため、江戸時代の気候は主に古文書の記録に頼った調査がほとんどであった(山川1993)。一方で欧米に目を向けると、17世紀に気圧計が発明され、気象観測が行われていた。江戸時代日本は鎖国をしていたが、欧米各国は大航海時代であり、多くの艦船がアジアに進出していた。19世紀になると気象測器を積んだ艦船が日本近海にも数多く航行するようになった。航海日誌は各国の図書館に保管されており、航海日誌から気象データを復元する試みが行われている(Brohan et al. 2009)。本研究は欧米の艦船が航海日誌に記録した気象観測データに着目し、江戸時代に欧米の艦船が日本周辺で観測した気象データを用いて日本周辺の気候を明らかにすることにある。2. データと解析手法18世紀末から19世紀にかけて東アジアを航行した外国船は10か国以上知られている。例えばイギリスだけでも、この期間9000以上の航海日誌が図書館などに保管されている。まずはイギリス海軍とアメリカ海軍の艦船に絞り、18世紀末から日本近海を航行した航海及び、日本に来航した航海の航海日誌を調査対象とした。3. 結果日本で最も知られた外国船はアメリカのペリー艦隊であろう。東京湾に現れた1853年7月8日の航海日誌を図1に示す。1時間ごとに気象観測を行なわれたことがわかる。ペリー艦隊10隻のアメリカ東海岸からの航海日誌が残されている。アメリカ船はこの他に1837年に来航したMorrison号、1846年のVincennes号の気象データがデジタル化されている。日本に来航した最も古い記録は1796年に室蘭に来航したイギリス海軍のProvidence号がある。サンドウィッチ島(現在のハワイ)から航路を図2に示す。1796年7-11月の気圧データを図3に示す。室蘭に来航した1796年9月は欠測となっている。今後は航海日誌の気象資料をデジタル化し、江戸時代の台風の襲来を中心に調べる予定である。
著者
財城 真寿美 三上 岳彦 平野 淳平 Michael GROSSMAN 久保田 尚之 塚原 東吾
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.127, no.4, pp.447-455, 2018-08-25 (Released:2018-10-05)
参考文献数
14
被引用文献数
4

Past meteorological records are important for improving our understanding of past, present, and future climates. Imaging and digitization of historical paper-based instrumental meteorological records must be carried out before these records are lost to decay. This kind of activity called “data rescue” is now taking place at many institutions around the world. A data rescue project is underway to preserve Japanese instrumental meteorological records from the 19th century. These data were collected by foreign residents and visitors, Japanese scientists influenced by Dutch science, and by Japanese merchants. Recently, meteorological measurements taken at Mito from 1852 to 1868, and at Yokohama in 1872 and 1873 have been found. Based on instrumental records collected through this data rescue project, a warmer climate in the 1840s and 1850s around the South-eastern Kanto Region has been identified. Large year-to-year variations of winter temperatures have also been detected.
著者
久保田 尚之 松本 淳 三上 岳彦 財城 真寿美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<b>1.はじめに</b><br>台風の長期変動を明らかにするには、台風経路や強度に関するデータが欠かせない。西部北太平洋地域では現在、気象庁、アメリカ海軍統合センター(JTWC)、香港気象局、上海台風研究所が台風の位置や強度に関する情報を1945年以降提供している。<br><br>過去の気象データを復元する「データレスキュー」の取り組みで、それぞれの気象局が1945年以前についても台風の位置や被害に関する記録を残していた(Kubota 2012)。過去の台風に関する情報を復元することで、100年スケールの台風の長期変動の解明に向けた研究を報告する。<br><br><b>2. 台風経路データの整備</b><br><br>現在台風は最大風速から定義されている。台風の正確な位置や強度を特定するには、航空機の直接観測や気象衛星からの推定が必要である。このため現在と同精度で利用可能な台風データは1945年以降に限られている。一方でデータレスキューにより、各気象局から台風情報を入手し、これまで台風の位置情報をデジタル化してきた(Kubota 2012)。香港気象局と徐家匯(上海)気象局の資料は1884年まで遡ることができる(Gao and Zeng 1957, Chin 1958)。ただし、当時は台風の定義がなく、船舶や地上の気象台のデータから台風の位置を推定しており、精度の面で現在の台風データと同等に扱うのが難しいという点があった。<br> 台風の最大風速と中心気圧には関係がある(Atkinson and Holiday 1977)ことを用いて、台風の中心気圧を用いて台風を再定義する品質検証を行った(Kubota and Chan 2009)。気圧データは陸上に観測点が多く入手が容易なため、日本に上陸した台風に着目し、解析を進めた。北海道、本州、四国、九州に上陸した台風を対象とする。現在の台風の定義である最大風速35ktは中心気圧1000hPaに対応しており、陸上で1000hPa以下を観測した場合を台風上陸と定義し、全期間統一した定義を適応して台風データを復元した(熊澤他 2016)。気圧値だけでなく、上陸時両側の観測点の風向変化が逆になる力学的特徴も考慮した。<br>日本の気象台は1872年に函館ではじまり、全国に展開し、1907年には100地点を超えた。ただ、19世紀は地点数が少なく、地域的な均質性に問題があった。一方で、日本には1869年以降灯台が建設され、気象観測も行われるようになった(財城他 2018)。1880年には全国で35か所の灯台で気象観測が行われ、1877-1886年の灯台の気象データが収集できており、台風データの復元に利用した。<br><br><b>3. 結果</b><br>図に日本に上陸した1881-2018年の年間台風数を示す。年間平均3個上陸し、1950年は10個、2004年は9個上陸した。1970年代から2000年代は上陸数が少なく、上陸数なしの年も見られた。それに対して、1880年代から1960年代は上陸数が多い傾向が見られ、19世紀においても毎年2個以上の台風が上陸した。19世紀の台風データの復元には1883年から気象庁の前身の天気図が、1884年から台風経路データが利用できたが、それ以前は利用できる気象資料が少ない。最近、江戸時代末期からの外国船が気象測器を搭載しながら日本近海を往来した資料が見つかっている。より長期の台風データの復元には、外国船の航海日誌に記録された気象データの活用が期待される。
著者
赤坂 郁美 財城 真寿美 久保田 尚之 松本 淳
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<b>1. </b><b>はじめに</b><br> <br>マニラでは、1865年からスペインのイエズス会士により気象観測が開始され(Udias, 2003)、戦時中を除き現在まで150年近くの気象観測データを得ることができる。20世紀前半以前の気象観測データを時間的・空間的に充分に得ることができない西部北太平洋モンスーン地域において、降水量とモンスーンの関係とその長期変化を明らかにする上で、貴重な観測データであるといえる。そのため、著者らはこれまで19世紀後半~20世紀前半の気象観測資料を収集し、データレスキューを進めてきた(赤坂,2014)。また、データの品質チェックも兼ねて、19世紀後半~20世紀前半の降水量の季節進行とその年々変動に関する解析を行っている(赤坂ほか,2017など)。そこで、本調査では風向の季節変化に関する調査を追加し、マニラにおける19世紀後半の降水量と風向の季節変化及びそれらの年々変動を明らかにすることを目的とした。<br><br> <br><br><b>2. </b><b>使用データ及び解析方法</b><br><br> 19世紀後半のマニラ観測所では、多くの気象要素の観測を時間単位で行っていた。そのため、降水量は日単位であるものの、風向・風速や気圧に関しては時間単位のデータを得ることが出来る。本調査では、日本の気象庁図書室やイギリス気象庁等で収集した気象観測資料(Observatorio Meteorologico de Manila)から、1890年1月~1900年12月の日降水量と風向・風速の1時間値を電子化して使用した。1870年代のデータも入手済みであるが、1870年代は風向・風速が3時間値のため、本稿では風の1時間値が得られる1890年代を対象とした。欠損期間は1891年10月、1893年6月である。<br><br> まず、降水と風向の季節変化を示すために、風向の半旬最多風向、半旬降水量を算出した。また、赤坂ほか(2017)と同様に雨季入りと雨季明けを定義し、半旬最多風向の季節変化との関係を考察した。<br><br> <br><br><b>3. </b><b>結果と考察</b><br><br> 1890~1900年の平均半旬降水量と半旬最多風向を図1に示す。大まかにみると、乾季における最多風向は北よりもしくは東よりの風で、雨季には南西風が持続している。乾季である1~4月(1~23半旬頃)の最多風向をみると、1月は北風であるが、2~4月には貿易風に対応する東~南東の風がみられる。この時期の降水量は特に少ない。5月中旬頃(27半旬)になると、降水量が年平均半旬降水量を超え、雨季に入る。最多風向は5月初旬(26半旬)に南西に変わり、5月下旬(29半旬頃)以降、南西風が持続するようになる。これは南西モンスーンの発達に対応すると考えられる。降水量は、6月中旬(34半旬)に一気に増加し、9月中旬(53半旬)にかけて最も多くなる。この期間の最多風向は南西のままほぼ変化しない。降水量は9月下旬(54半旬)に急激に減少し、その後、変動しながら年末にかけて徐々に減少していく。最多風向は9月下旬にはまだ南西であるが、10月初旬(56半旬)になると急激に北よりに変化し、1月まで北よりの風が持続する。この時期が北東モンスーン期に対応すると考えられる。<br><br> 最多風向の季節変化はかなり明瞭であるが、雨季と乾季の交替時期との間には2~3半旬の遅れがみられる。この時期に関しては最多風向だけでなく、風向の日変化も含めてどのように風向が変化していくのかを把握する必要がある。<br><br> 本稿では1890年代の半旬最多風向と降水量の季節変化について気候学的特徴のみを示したが、発表では19世紀後半の風向と降水量の季節変化における年々変動についても議論する。
著者
久保田 尚之 小坂 優 謝 尚平
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<br><br><b>1.&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp; </b><b>はじめに</b><b></b><br><br>夏季西部北太平洋域での代表的な気圧配置パターンとして、フィリピン海と日本付近の気圧偏差が逆相関の関係で年々変動するPJ (Pacific-Japan)パターンが知られている(Nitta 1987, Kosaka and Nakamura 2010)。これは、日本の猛暑・冷夏と関連して、東アジア太平洋域の夏の天候を広く特徴づける気圧配置パターンである。本研究では、PJパターンを地上データから定義することで1897-2013年のPJパターンを再現し、夏期西部北太平洋域のモンスーン活動の数十年変調を調べた。<br><br><b>2</b><b>.</b><b> </b><b> </b><b>データと解析手法</b><b></b><br><br>夏期(6-8月平均)の高度850hPaの渦度(10-55&deg;N、100-160&deg;E)の主成分解析(1979-2009年のJRA55データ)で得られた第1モードと海面気圧との相関を図1に示す。PJパターンに対応したフィリピン海と日本付近の逆相関が顕著な2地点(横浜と恒春)を選び、6-8月平均の気圧差(横浜-恒春)をPJパターンの指標(PJ指標)と定義した。解析期間は1897-2013年。<br><br><b>3.&nbsp; </b><b>結果</b><br><br>PJ指標が正の年は日本、韓国、中国の長江流域で乾燥・猛暑となり、フィリピン海のモンスーン活動が活発で雨量が多く、沖縄や台湾を通過する台風活動も活発になる(図2)。一方で、負の年は逆に北日本の冷夏、日本のコメが不作、長江の洪水と対応する。PJ指標との関係を1897年まで遡ると、PJ指標とENSOとの相関が高いのは1970年代後半以降であることがわかる(図3)。それに対して1940年代から1970年代は不明瞭、さらに1930年代、1910年代より前は再び明瞭になる関係があり、数十年の間隔で明瞭、不明瞭の時期が繰り返されていることがわかる。日本の夏の気温、コメの収穫量、台湾や沖縄を通過する台風数とPJ指標との関係もまた、明瞭、不明瞭の時期を数十年間隔で繰り返しており、変化が一方向でないことから、変調が地球温暖化よりも気候の自然変動に伴うことを示唆している。
著者
松本 淳 久保田 尚之 藤部 文昭 林 泰一 山本 晴彦 財城 真寿美 寺尾 徹 村田 文絵 高橋 幸弘 山下 幸三 赤坂 郁美 遠藤 伸彦 森 修一 釜堀 弘隆 高橋 洋 山根 悠介 大塚 道子 遠藤 洋和
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日本を含むアジア諸国における紙媒体や画像での日降水量データや台風経路等をデジタル化したデータセットを作成し、モンスーンアジア域における降雨強度の長期変化を解析した。その結果、日本では1930年以降、東北日本を中心に降雨強度が大きくなっていた。フィリピンでは1950年以降の夏季には強雨の増加傾向が、冬季には西海岸で乾燥の強化傾向がみられた。1940年代以前の傾向はこれらとは異なり、近年の変化傾向は数十年スケールでの変動の一部とみられる事、エルニーニョと地球温暖化の影響の両方の影響を受けている可能性が高い事がわかった。中部ベトナムでも近年の傾向と1940年以前の傾向に違いがみられた。
著者
久保田 尚之 LU Mong-ming CHAN Johnny C. L. 片岡 久美 WANG Bin ZHAO Bingke
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

20世紀前半の西部北太平洋域で発生した台風の位置情報について、これまで利用されていなかった紙媒体の気象資料を、アジア各国の気象局や図書館から収集、電子化し、データセットを作成した。この結果、20世紀を通した西部北太平洋域の台風数の変動を調べ、全体では長期トレンドは見られなかったものの、地域的には、赤道に近い台風はより北に発生する傾向が、フィリピン、台湾、沖縄周辺の台風数が減少する台風経路の変化傾向が明らかとなった。
著者
松本 淳 遠藤 伸彦 林 泰一 加藤 内藏進 久保田 尚之 財城 真寿美 富田 智彦 川村 隆一 浅沼 順 安成 哲三 村田 文絵 増田 耕一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

1950年代以前のアジアモンスーン諸国における紙媒体気象データをデジタル化したデータセットを作成し,20世紀全体でのアジアモンスーンと台風の活動や経路の長期変動を解析した。その結果,日本の冬季モンスーンが弱まり,冬の期間が短くなる傾向や,フィリピンで夏の雨季の開始時期が近年遅くなる傾向,東南アジアで降雨強度が強まる傾向,台風発生数の数十年周期変動,台風の低緯度地方での経路の長期的北上傾向等が見出された。