著者
伊藤 亮輔 Itoh Ryosuke
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-76, 2019

早大学位記番号:新8336
著者
伊藤 亮 大沢 昌玄 岸井 隆幸
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1041-1046, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
2

第二次世界大戦において、全国各地で空襲による市街地火災延焼防止のため、建物を除却し空地を確保する建物疎開が行われた。全国279都市で実施され、61万戸除却された。各都市における建物疎開の実態を扱ったものとして、大都市である名古屋、京都、広島を扱った研究や地方都市である長崎市や旧徳山市を対象としたものは確認できる。その中で、横浜市の建物疎開の実態は明らかになっていない。そこで本研究は、第二次世界大戦時の横浜における防空計画を示した上で、建物疎開の実態を解明することを目的とする。そして現在、建物疎開跡地がどのように利用されているか把握する基礎とする。調査の結果、神奈川県立公文書館に建物疎開の実態を収録した文書が保管されていることが判明した。その文書を解読した結果、建物疎開として1944年2月から11回376箇所が指定され、除却面積は173ha、21,603戸に及んだことがわかった。そして建物疎開跡地は現在、道路として利用されているものが多く、磯子区の掘割川周辺には「疎開道路」と呼ばれる5つの道路が存在し、また現在の鶴見区の汐入公園は建物疎開跡地を活用したことが読み取れた。
著者
中谷 和宏 伊藤 亮
出版者
旭川医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

2005年に中華人民共和国のチベット高地において発見された新種Echinococcus shiquicusの包虫(チベット包条虫)について、(1) BALB/cとNOD/Shi-scidマウスの腹腔にて包虫の発育・増殖に成功した。(2) 包虫を18日間凍結保存後、BALB/cマウスへ接種して包虫の生存・増殖を確認した。(3)それらの嚢包を肝癌細胞H-4-II-Eを供培養にしてEMEM培地にて185日間培養し、直径約二倍に及ぶ嚢包の拡大、クチクラ層の肥厚、顕著な原頭節と石灰小体を形成させることについても成功した。
著者
土井 陸雄 伊藤 亮 山崎 浩 森嶋 康之
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1066-1078, 2003 (Released:2014-12-10)
参考文献数
78
被引用文献数
1

目的 わが国における単包虫症(単包性エキノコックス症)患者発生の歴史を検討し,その発生要因,予防対策,臨床的対策を検討する。方法 既刊の関係論文・抄録,医学中央雑誌,病理剖検輯報,感染症発生動向調査週報,と畜関連法規,日本帝国統計年鑑,食肉文化・皮革およびと畜場の歴史に関する資料を原資料として,単包虫症患者の発生動向を把握し,畜産,と畜関連法規およびと畜場管理の実態との関係を考察した。結果 わが国における単包虫症患者発生76例を確認した。患者発生は屠場法施行を境として大きく 2 時期に分かれ,屠場法以前には九州,四国,中国地方を中心に単包条虫の感染環が存在していたこと,またそれが軍備増強のための畜産奨励や日清・日露戦争を始めとする中国大陸との人的物的交流と深く関係していたこと,次に屠場法施行後,と畜場衛生管理の整備と不衛生な小規模と畜場の整理統合が行われ,日本国内における患者発生が激減したことなどが示唆された。ただし,この時期に中間宿主(牛およびヒト)からは単包虫症が発見されているが,終宿主(犬)から単包条虫を検出した報告がないため,屠場法施行が単包虫症患者発生減少の原因となったことを示す科学的実証はない。戦後も一時的に国内感染と思われる少数の単包虫症患者発生はあるが,近年は患者の大部分が海外の単包虫症流行域に滞在したことのある日本人および外国人である。結論 単包条虫の感染環を駆逐し,ヒト患者発生を予防するには,と畜場の衛生管理がとくに重要である。近年の海外流行国からの来日外国人の発症に対しては,検査機関の整備と医療情報の周知が重要である。また,海外の流行国から無検疫で輸入されている畜犬に対してエキノコックス検疫体制の整備が急務である。
著者
伊藤 亮一 玖村 敦彦
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.109-114, 1987

ポット栽培したダイズ(品種農林2号)を用いて, 葉の生長を葉の"伸長性"(葉片に錘りをかけたときの, 葉片の単位時間あたりの伸び量, Ex)と, 圧ポテンシャル(P)との両面から検討した. 得られた結果の大要は, 以下の通りである. 1) 給水を停止すると, 土壌水分含量は低下し, それに伴ない葉の生長速度は低下して, 土壌水分レベルが45%(対圃場容水量)に達したとき, 葉の生長は完全に停止した. その後, 土壌水分レベルを45%に保ったところ, 葉は再び生長を始めた. このことから, 葉の生長において乾燥への馴化がおこると考えられた. しかし, 生長再開後の葉の生長速度は十分に給水した対照区(土壌水分レベル80%)の葉と比べて, 小さかった. 2) 給水停止後, 葉の生長速度が低下したときには, PとExの両者が共に減少した. その後Pは, 対照区のレベルにまで回復し, このことが葉の生長の再開を可能にしたと考えられた. Pの回復は, 浸透ポテンシャルの低下, すなわち浸透調節によりもたらされた. いっぽう, Exは, 低い値にとどまり, 回復しなかった. 低水分状態が維持されたときに, Pが完全に回復するにもかかわらず, 生長の回復が不完全な程度にとどまるのは, Exが低い値にとどまることによると考えられた. 3) 植物体を低水分下に置いた後, 十分給水すると葉の生長は回復するが, 対照区にはおよばなかった. 乾燥処理後の再給水により, Pは十分回復したが, Exの回復は不十分であり, このことが, 生長回復の不十分さの基礎となっていると考えられた. またこのことから, Pはその時々の条件に応じすみやかに変化しうるが, Exは低水分条件により, かなり不可逆的な減少をきたすようであった. 4) 本実験の結果の全体をみると, 葉の生長速度は, P, Exの両者と正の相関を示したが, 後者との間の相関のほうがより密接であった.
著者
伊藤 亮太 馬杉 正男
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.134, no.3, pp.134-141, 2014-03-01 (Released:2014-03-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1 2

This paper describes an analysis of the effects of transient electromagnetic fields on the growth of a plant. In our experiment, a single transient electromagnetic field, which was radiated from a discharge electrode (2 cm) of a discharge generator, was periodically applied to seeds and seedlings of broccoli (Brassica oleracea var italica) for three weeks. The pulse application cycles were set to 1 day and 3 days with charging voltages of 10 kV and 15 kV. In a growth environment, temperature and humidity were set to 25 (±3) °C and 50 (±10) %, respectively. Light photon at the top of leaf was set to 110 (±30) µmol/m2s and illuminating lamp lighted for 24 hours. Then, we measured the length and chlorophyll density of leaves of the growing plants in each condition. Also, based on measured current that flowed through the discharge electrode, we evaluated the radiated electromagnetic energy level by using an electric dipole model. As a result, we found that samples, which had been applied 10kV/3days and 15kV/3days, became greater than the others by around 30%. Also, the chlorophyll density of 10kV/3days and 15kV/3days became higher than the others.
著者
伊藤 亮 村瀬 聡美 金井 篤子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.181-190, 2011-04-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究の目的は,過敏性自己愛傾向がふれ合い恐怖心性に及ぼす影響について,対人恐怖心性との比較から検討することであった。専門学校生,大学生,大学院生443名を対象に,ふれ合い恐怖心性,対人恐怖心性,過敏性自己愛傾向を測定する自己愛的脆弱性尺度からなる質問紙を実施した。パス解析の結果,自己愛的脆弱性尺度の下位因子である目的感の希薄さと自己顕示抑制の高さがふれ合い恐怖心性と対人恐怖心性の両者を高めていることが示された。しかしながら,承認・賞賛への過敏さの高さは対人恐怖心性を高め,自己緩和不全の低さおよび潜在的特権意識の高さはふれ合い恐怖心性を高めるという相違点が見出された。これらの結果から,両心性の背景には共通して過敏性自己愛傾向が潜んでいるものの,承認・賞賛の過敏さ,自己緩和不全,潜在的特権意識の過敏性自己愛傾向の下位側面のあり方によって,現れ方が異なってくる可能性が示唆された。
著者
細田 正洋 石川 徹夫 床次 眞司 金賀 愛子 伊藤 亮輔 内田 直希 荻原 俊輔 笠 喜洋 川内 隆行 石井 忠
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 : hoken buturi (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.221-226, 2007-09

The bio-kinetics of radon ingested from drinking water was investigated for eight Japanese subjects. A whole-body counter at National Institute of Radiological Sciences (NIRS) was used for the measurement of the ^<214>Bi transfer half-life from the stomach to the small intestine. The transfer half-life seemed to be affected by water quality (chemical/physical properties) as well as the meal ingested before the experiments. The shortest transfer half-life among the subjects was about 50 minutes. During the whole-body counting, the air expired by the subjects was sampled and its radon concentration was measured using two ionization chambers. The changes in radon concentration in the expired air could be classified into three patterns. (1) It decreased with time after ingestion. (2) A peak appeared at the 15 minutes after ingestion. (3) A peak appeared at the 25 minutes after ingestion. These patterns seemed to be related to the ^<214>Bi transfer half-life and the amount of ingested water.
著者
大須賀 崇裕 宮西 浩嗣 伊藤 亮 田中 信悟 久保 智洋 濱口 孝太 大沼 啓之 村瀬 和幸 高田 弘一 山本 彬広 眞部 建郎 久原 真 加藤 淳二
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.559-566, 2023-11-01 (Released:2023-11-10)
参考文献数
24
被引用文献数
1

68歳,男性.右背部痛を主訴に近医受診,肝腫瘤を指摘され当院紹介.肝細胞癌,多発リンパ節・骨転移と診断し,アテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法(ATZ+BV)を開始した.投与開始14日目に辻褄の合わない言動と傾眠,16日目にJCS10の意識障害を認めた.血中アンモニア値,頭部MRIに異常なく,髄液検査では僅かな細胞数上昇と蛋白細胞解離を認めた.自己免疫性脳炎を疑い,同日よりステロイドパルス療法を開始した.意識障害は著明に改善し,内服ステロイドに移行後,38日目に後遺症なく自宅退院となった.脳炎の再燃はなく,ATZ+BV開始60日目に2次治療としてレンバチニブを導入した.肝細胞癌に対するATZ+BV後の自己免疫性脳炎は,自験例を含め4例のみ報告されており,初発症状や意識障害出現時期がほぼ一致していた.早期の診断とステロイドパルス療法施行により2次治療へ移行できた症例であると考えられた.
著者
伊藤 亮治
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.151, no.4, pp.160-165, 2018 (Released:2018-04-07)
参考文献数
16

ヒト細胞や組織が高効率で生着し,部分的にヒトの生体を模倣できるヒト化マウスは,昨今の医学研究において重要なツールとして位置付けられている.2000年以降NOGマウスの樹立を皮切りに,BRG,NSGマウスといった複合型重度免疫不全マウスが開発され,従来の免疫不全マウスに比べて多種多様なヒト細胞,組織を効率よく生着させることが可能となった.特に,ヒト造血幹細胞を移植したヒト免疫系マウスは,マウス血球の半数近くがヒト血球に置換され,骨髄や脾臓では実に6~9割程度のヒト細胞が生着する.近年これらヒト化マウスを用いて,いくつかのヒト病態を再現したヒト免疫疾患モデルの構築が可能となり,創薬研究における新たな前臨床評価系としての期待が高まっている.本稿では,ヒト化マウスの概要から次世代型NOGマウスの開発,さらにこれらを応用したヒト疾患モデルと創薬研究への応用について紹介する.
著者
小松 知未 小山 良太 小池(相原) 晴伴 伊藤 亮司
出版者
東北農業経済学会
雑誌
農村経済研究 (ISSN:2187297X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.116-124, 2015-11-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
9

本稿では,福島県における米全量全袋検査の運用実態と検査結果を詳細に整理した上で,制度上の位置づけとその問題点を明らかにした.第一に,福島県が米全量全袋検査を実施していることが,放射性物質検査に関する制度の枠組みの中でどのように位置づけられているかを整理した.第二に,福島県における検査の実施体制と検査結果を詳細にまとめた.第三に,検査結果の活用実態を確認した.これらを総合的に考察した結果,制度上の問題点と見直しの方向性は下記のようであるといえる.問題点は,原子力災害対策本部のモニタリング検査の指針において米全量全袋検査の位置づけが定められておらず,福島県のみが自らの判断で検査を計画に組み込んでいることである. 2012年度に福島県が実施した米全量全袋検査の結果から,原子力災害対策本部の指針レベルの体制では,基準値超の発見と迅速な対応が困難であったことが明らかになった.このことから,現行制度を見直し,原子力災害対策本部が総合的に判断して,検査エリアを指示する枠組みを構築するべきであるといえる.また,現状の制度では位置づけられていない飯米・縁故米の検査体制のあり方を検討すべきであるといえる.
著者
伊藤 亮 村瀬 聡美 吉住 隆弘 村上 隆
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.396-405, 2008-04-01 (Released:2008-07-15)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

本研究の目的は現代青年のふれ合い恐怖的心性の精神的健康度について,抑うつと自我同一性の側面から検討することであった。大学生292名(男性125名,女性167名)を対象に質問紙調査を実施し,対人退却傾向,対人恐怖的心性,抑うつ,自我同一性の感覚を測定した。対人退却傾向と対人恐怖的心性の高低の組み合わせによって対象者をふれ合い恐怖的心性群,対人恐怖的心性群,退却・恐怖低群の3群に分類した。一元配置分散分析の結果,ふれ合い恐怖的心性群は対人恐怖的心性群より抑うつは低く,自我同一性の感覚は高いことが示された。一方,退却・恐怖低群と比較した場合,自己斉一性・連続性,対他的同一性の感覚は低いことが示された。これらの結果から,ふれ合い恐怖的心性群は対人恐怖的心性群よりも精神的には健康的な群ではあるが,個として他者と向き合う対人関係においては自我同一性の危機が生じやすい一群であることが示唆された。
著者
伊藤 亮
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

音声を用いた種内コミュニケーションを行わない動物が、音声コミュニケーションを用いる動物と同じような音声学習を行っている可能性を示すという観点から、鳴かないトカゲ類であるキュビエブキオトカゲによる他種警戒声盗聴行動の発達的変化と、その盗聴能力について調査した。その結果、キュビエブキオトカゲの盗聴行動には明確な発達的変化があることが示された。この盗聴行動の発達的変化は音声学習によるものであることが示唆される。そのため、キュビエブキオトカゲにおいて音声と嫌悪刺激との間に連合学習が成立するか否かを検証した。しかし、音声と嫌悪刺激との連合学習を示す結果は得られなかった。