著者
小泉 圭吾 櫻谷 慶治 小田 和広 伊藤 真一 福田 芳雄 FENG Maria Q. 竹本 将
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.93-105, 2017
被引用文献数
4

近年の突発的かつ局所的な集中豪雨に伴う斜面災害に対し,現行の降雨規制基準のみでは,適切な通行止め,あるいは通行止め解除の判断が困難な場合がある.本研究では,現行の降雨規制基準の補助的指標を見出すことを最終目的とし,そのための基礎研究として小型模型スケールで上記指標の検討を行うこととした.模型斜面実験において,斜面が崩壊するまでの浸透と変形挙動を捉えた結果,本論で定義した初期擬似飽和体積含水率を超えた付近から変形が始まることが確認された.この初期擬似飽和体積含水率と変形の関係に着目することで現行の降雨規制基準の補助的指標を提案できる可能性が示唆された.今後は,模型スケールを拡大した同様の実験により,本研究結果の再現性を検証していく予定である.
著者
伊藤 真昭
出版者
洛北史学会
雑誌
洛北史学 (ISSN:13455281)
巻号頁・発行日
no.4, pp.67-89, 2002
著者
礒野 綸太郎 伊藤 真司 高橋 友一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

駅等の人が多く集まる場所で避難訓練を実施し、避難誘導が避難者の行動に与える影響を実際に調査することは望ましい。その一方で、それらの避難訓練や調査の実験を行うことは、現実には難しい。本研究では、実際には訓練が困難な条件を含んだ、避難誘導と避難者心理を扱える避難シミュレーションを用いる。複数のシミュレーション結果から、誘導内容が避難者行動に与える影響を評価し、避難シミュレーションの有効性を検討する。
著者
山口 仁志 伊藤 真二 五十嵐 淑郎 小林 剛
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.653-656, 2002-08-05

高純度銅中の微量ケイ素定量はJIS法では対応できない.また,二酸化ケイ素の状態で含まれるケイ素についても対象外である.そこで二酸化ケイ素を含む全ケイ素の定量にフッ化物分離法の適応を検討した.二酸化ケイ素を分解して四フッ化ケイ素を生成するのに必要なフッ化水素酸量等,最適条件について詳細に検討を行った.その結果,二酸化ケイ素の状態を含むサブ ppm のケイ素定量が可能となった.また,試料量 0.5g のときの検出限界は 0.1ppm であった.
著者
長瀬 文昭 田中 靖郎 石田 学 高橋 忠幸 満田 和久 井上 一 宇野 伸一郎 HOLT S. 伊藤 真之 SERLEMITSOS P. 松岡 勝 北本 俊二 WHITE N.E. 林田 清 MADJSKI G. 田原 譲 CANIZARES C. 大橋 隆哉 MUSHOTZKY R. 紀伊 恒男 PETER R. 国枝 秀世 山内 茂雄 堂谷 忠靖 村上 敏夫 常深 博 牧島 一夫 小山 勝二 山下 広順 三原 建弘 小川原 嘉明 吉田 篤正 槙野 文命 HUGHES J. 宮田 恵美 鶴 剛 粟木 久光 石崎 欣尚 藤本 龍一 上田 佳宏 根来 均 田代 信 河合 誠之 RICKER G. HELFAND D. MCCAMMON D.
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

「あすか」は、日米共同で製作されたX線天文衛星であり、1993年2月に打ち上げられた。そして、その後の観測運用も両国の緊密な協力によって遂行されている。これまで衛星は順調に運用され、装置は正常に稼し、所期の性能を発揮しており、試験観測・公募観測とも順調に行われてきた。本研究の目的はこの衛星の観測・運営を日米協力の下で行い、中性子星やブラックホールを含むX線連星や、超新星残骸、活動的銀河核、銀河団等からのX線放射、宇宙X線背景放射等の研究を行うことであった。この目的に沿って研究を進め次の各項目に述べる成果を挙げた。(1) 専門科学者グループの会合を定期的に開催し、観測計画の評価・ターゲットの選択、衛星の運用、適切な検出器較正等の衛星観測運営上の基本方針について討議をおこなった。(2) X線望遠鏡および各測定装置の精密な較正を行うとともに、各検出器の諸特性・応答関数の時間変化を明らかにし、すべての観測に対し正確な解析を可能とした。(3) データ解析ソフトウエアーの改良・拡充、科学データの編集、管理を両国研究者が協力し且つ継続的におこなった。(4) 観測から得られたデータを共同で解析、討議を行って、その科学的成果をまとめた。さらにこれらの得られた成果を各種国際学会・研究集会において発表し、また学術専門誌に公表した。(5) 観測者の占有期間を過ぎたデータを統一的に編集・管理し、またその観測記録を整備して、これらの観測記録、アーカイブデータを広く公開し、世界中の研究者の使用の便に供した。特に、「あすか」によるX線観測では、その高感度、高帯域、高分光撮像特性により、宇宙論研究に重大な寄与をするX線背景放射の解明、遠方のクエーサーや原始銀河からのX線放射の発見、銀河団の進化および暗黒物質の解明、活動銀河核、ブラックホール天体、ジェット天体、強磁場中性子星等の特異天体の解明、激変星、高温白色わい星、超新星残骸等における高温プラズマ状態の研究等において重要な成果を得ることが出来た。これら「あすか」の成果は国際的にも高く評価されている。以上、本研究課題に対する科学研究費補助金により、国際協力の下での「あすか」衛星の観測・運営が円滑に行われ、また十分な科学的成果を挙げることが出来た。
著者
伊藤 真理 松下 鈞
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.87-105, 2014

音楽ライブラリアンの養成は,適切な音楽情報サービスを提供するために不可欠であるが,その現職者教育は専門職団体に委ねられたままである。また,音楽図書館関連団体によって提供されている研修については,いまだ総合的に検証されていない。本研究は,これからの音楽ライブラリアン養成のあり方を検討するために,国内の音楽図書館現職者を対象とした研修の実態を考察することを目的としている。本研究では,音楽図書館協議会と国際音楽資料情報協会日本支部が実施してきた研修とニューズレター記事を対象とした。分析は「情報専門職の養成に向けた図書館情報学教育体制の再構築に関する総合的研究(LIPER)」大学図書館班による研究成果に基づいた。また,音楽の主題専門分野の観点から考察を補完するために,米国音楽図書館協会による音楽ライブラリアンの資質要件の例示を参照した。その結果,研修として実施すべき内容や課題が明らかとなった。
著者
三村 真弓 吉富 巧修 北野 幸子 水崎 誠 藤原 志帆 伊藤 真 小長野 隆太
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、主として、幼稚園児・小学校児童・中学校生徒の音楽的リテラシーの実態調査、現在及び過去に行われた音楽的能力育成を目指した音楽教育指導法の分析と音楽的能力調査方法の分析を行った。その結果、音楽的リテラシーの発達の諸相、音楽的リテラシー育成のための必要条件等が明らかとなった。それらをもとに、音楽的リテラシーの育成を目指した小中連携の音楽科カリキュラムの試案作成を行った。
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。
著者
渡邊 健 小谷 允志 伊藤 真理子 小根山 美鈴 白川 栄美 山田 敏史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.315-322, 2014

ISO 30300は記録のマネジメントシステム(MSR)の国際標準である。われわれは小規模な勉強会を通じてISO 30300の理解と分析を試みた。すでに記録管理の国際標準として浸透しているISO 15489を参照しながら,両者の違い―実務レベルから戦略レベルへ―が具体的にどのように盛り込まれているのかを検証した。ISO 30300ではMSRの原理原則とともに,ますます複雑化する記録管理を効果的・効率的に実践するために,トップマネジメントが率先してMSRを実行することの重要性が述べられている。日本のビジネス界では,いまだに体系的な記録管理に対する理解が深まらない状況にあり,ISO 30300の公式な邦訳版も存在しない。われわれの勉強会では結果的にISO 30300の全文邦訳も完了することができた。今後JIS化を含め,ISO 30300シリーズの普及にかかわりをもっていきたい。
著者
伊藤 真利子
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (心理学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6548号)
著者
伊藤 真実子 Ito Mamiko
出版者
19世紀学学会
雑誌
19世紀学研究 (ISSN:18827578)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.59-78, 2012-03

Japan has incorporated aspects of different civilizations for hundreds of years. Until recently, most cultural imports came from China. Japan adopted Chinese characters into its writing system, Confucianism into its philosophy, and the Chinese form of the Encyclopedia (Leishu). For many years, the Japanese encyclopedia took the form of an edited translation of a Chinese one, especially in the Seventeenth and the Eighteenth Century. In 1637, "the Sancai Tuhui"(三才図会)was edited by Wang Qi in China. This work was quickly transmitted to Japan and translated within thirty years as "Wakan Sansei Zue"(和漢三才図会 )by Terashima Ryoan, in 1713. This Japanese encyclopedia was popular. The price was not so high since it was a printed book and not a hand-written manuscript, and the pictures made it easy to understand. Because of this, it was reprinted several times over 200 years. Why did these encyclopedias enjoy such popularity? One reason was the progress of print techniques that lowered prices, and another factor was the popularity of natural history. Natural history has had a wide appeal not only in Europe but also in Asia in the 100 years from the mid-Eighteenth century. Because of "closed country," Japan remained political stable. It allowed for a flourishing of culture and hobbies. One aspect of this was an interest in natural history. It spread not only among intellectuals and wealthy aristocrats, but also among the general public. With the popularity of natural history, many variations of the encyclopedia were edited, both digests (handbooks for daily use) and specialized ones. Natural history became popular as a scholarly pursuit as well. Li Shizhen’s "Bencao gangmu"(本草綱目)was published in 1596, and was imported to Japan by 1604. The most famous translation of it in Japan was "Yamato Honzo"by Kaibara Ekiken. He picked included things found in Japan, and added a large number of animals, plants, and minerals to the original. In the first half of the Eighteenth Century, the government adopted new policy: the development of domestic pharmacopeia. Therefore, new species or subspecies were sought. Scholars met to identify between things and names elaborated in books. In time, they brought rare articles together and organized exhibitions(薬品会) . In 1757, scholars nationwide attended the exhibition in Edo, and if they could not come to Edo, it was possible to send items through the network of the pharmacies. This is the origin of the modern exhibition in Japan. Around 1800 the Tokugawa government got a western encyclopedia from the chief of the Netherland’s factory at Nagasaki. It was the first encyclopedia from Europe. After the Meiji Restoration, huge western knowledge flowed into Japan. The Meiji government worked on translating western encyclopedias. It brought not only new knowledge, but transformed the existing order of knowledge. This paper will focus on the history of translation of encyclopedia in Japan. Encyclopedia was a mirror of culture, sense of value, custom, thought, idea, scholarship and trend at that age and at that country all over the world. Hence, in this paper, I argue how did the Japanese translate and incorporate another country’s encyclopedia into her own country.
著者
橋本 かほる 能登谷 晶子 原田 浩美 伊藤 真人 吉崎 智一
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.132-137, 2012 (Released:2012-06-15)
参考文献数
10

幼児期金沢方式による言語訓練中に人工内耳を装用した12例の就学後の問題点と対策について報告した。就学時までに3000語以上の文字言語理解を獲得した文字先行移行パターンを示した8例中7例は就学以降も学業に著しい問題を示さず, 人工内耳においても文字言語の有用性が示唆された。幼児期に手話先行未移行パターン, 文字先行未移行パターンを示した例は就学以降の言語習得に問題が多いことがわかった。したがって, 人工内耳装用後も就学前に十分な言語力を獲得しておく必要があると考えた。さらに, 就学以降も言語力ならびに構音の維持のために定期的な評価・指導の必要性が示唆された。
著者
伊藤 真木子
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.325-334, 2004-03-10

A deal of learning opportunities have been provided for active elderly. But it has not mentioned the fact that soon or later elderly will face their physical and mental changes and their slow declines will persuade them to abandon continuing learning. Similarly, Senior Citizens'Clubs positively participating in social activities have been subsidized for further promotion of their activities. But it is not easy to join social activities unless they have confidence in health and physical strength. The more active oriented the clubs are, the more older members are discouraged from participating club's activities and take a less active role in their clubs. This article, regarding the membership in the Senior Citizen's Club, mentions the importance of care for the older learners who are actually in disengagement process.
著者
伊藤 真利子 綾部 早穂
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.175-182, 2013-02-28 (Released:2013-04-05)
参考文献数
29

記銘項目が実験者によって割り当てられる場合よりも,実験参加者自身により選択される場合のほうが記憶保持は優れる.この自己選択効果の生起には,選択肢項目間の相対比較が必要である可能性が示唆されているが(伊藤・綾部・菊地,2012),相対比較の際に意味水準での特徴にアクセスすることが記憶を促した可能性は否定できない(処理水準効果).本研究の偶発学習段階において実験参加者は,意味水準か非意味水準の特徴に基づいて二つの選択肢項目間の相対比較を行うか,単独の項目に対して意味水準か非意味水準で判断を行った.その結果,二つの項目間で相対比較が行われた場合にも,単独の項目に対して判断が行われた場合にも,再生成績における処理水準効果が認められた.さらに重要なことに,処理水準にはかかわらず項目間の相対比較による記憶の促進が認められた.よって,記憶における自己選択効果の生起には選択の際の相対比較が必要であり,処理水準効果のみが貢献しているとは言えない可能性が示唆された.
著者
原田 浩美 能登谷 晶子 橋本 かほる 伊藤 真人 吉崎 智一
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.78-85, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
17
被引用文献数
2

金沢方式による言語聴覚療法を受け, 1歳から5歳代に人工内耳の装用を開始した11例を対象に, 理解語彙の聴覚読話移行に影響を及ぼす要因を検討した。手話理解・文字理解の視覚系言語から音声言語理解への6歳までの移行には, 文字先行移行パターン, 聴覚先行移行パターン, 手話先行未移行パターン, 文字先行未移行パターンの4つがあり, 移行パターンにかかわらず, 聴覚読話移行可能となるまでの期間は, 平均12ヵ月であった。6歳までに11例中7例が手話から聴覚読話へ移行した。聴覚読話への移行を可能にする要因を装用開始年齢と手話や文字による理解語彙数からみると, 人工内耳装用開始が2歳前後の場合は理解語彙が350語, 3歳前後の場合は700語, 3歳6ヵ月前後の場合は1000語程度獲得していた例で聴覚読話へ移行していたことがわかった。