著者
菅野沙也 伊藤貴之 高村大也
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-6, 2014-11-13

我々は文書に印象の合った音楽を生成・提供することで,文書の内容に直接言及することなくその印象を理解・伝達することが容易になり,文書を鑑賞・共有する楽しみを拡げられるのではと考えている.そこで本報告では,文書の印象や感情に基づいた楽曲生成の一手法を提案する.本手法では前処理として,日本語を構成する各単語に対する感性極性値を記録した辞書を作成する.またコード進行とリズム進行をユーザーに聞かせてその印象を数値入力させることで,コード進行やリズム進行とその印象との関係を学習させる.続いてユーザーが文書を入力すると,まず文書の形態素解析結果に対して感性極性辞書を参照することで文書の印象値を求める.続いて文書の印象値に近い印象をユーザーが有するコード進行とリズム進行を,文書の場面の前後関係も考慮しながら選出する.このようにして選出されたコード進行とリズム進行を合成することで楽曲を生成し,ユーザーごとに提供する.
著者
中澤 里奈 伊藤 貴之 瀬々 潤 寺田 愛花
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会論文集 (ISSN:13465260)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.25-32, 2013 (Released:2013-11-30)
参考文献数
15

遺伝子機能や他の遺伝子との関係性の解析のための情報共有手段として,各遺伝子をノード,遺伝子間相互作用をエッジとした遺伝子ネットワークが利用されている.しかし,遺伝子ネットワークのノードやエッジの数は非常に膨大であり,既存の可視化手法では複雑なネットワーク構造による重なりが視認性を妨げることがある.そこで本論文では,遺伝子オントロジーで定義された遺伝子機能の属性をノードに付与した遺伝子ネットワークを可視化する一手法を提案する.各ノードに遺伝子機能情報を付与し,重なりを回避しつつ線情報を要約することにより,機能情報と関係性に関する視認性を向上させている.
著者
坂本 季穂 伊藤 貴之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.16-21, 2014-09-12

本論文ではフォトモザイクを写真ブラウザに活用する一手法を提案する.フォトモザイクは小さい写真をタイル状に並べて1枚の大きな画像を作る技法である.本手法はズーム操作型の写真ブラウザCATにこれを搭載し,ズームアウト時にはフォトモザイクを表示し,ズームイン時には個々の写真が閲覧できる仕組みを提供する.多くの場合において写真は時系列順に閲覧される.そこで本手法では一般的なフォトモザイクの生成手法ではなく,時系列順にタイル状に並べた写真群の色変換によってフォトモザイク風の画像生成を実現する.本論文ではフォトモザイク生成結果のユーザテストから,フォトモザイク化するのに適切な写真とはどういう写真であるかを議論する.
著者
三神 彩子 荒木 葉子 笹原 麻希 伊藤 貴英 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.204-208, 2012-06-05
被引用文献数
1

本研究では,家庭での使用頻度の高い野菜50種を取り上げ,家庭で通常行われている切り方およびエコ・クッキングの切り方での廃棄率を実測し,食材廃棄率の削減効果を明らかとすることを目的とした。野菜50種は旬の時期に栽培された国産のものを試料とした。通常の切り方は,家庭調理を前提とし,大学の調理実習で実施している方法とした。エコ・クッキングでは,可食部分を出来る限り生かし,ヘタや根,種を除き,丸ごと皮ごと使用することとした。これにより,45種の野菜で可食部分が増加し,平均して9.1%の廃棄率削減効果が認められた。中でも,廃棄率の削減効果が高かったものに,カブ(葉つき)33.1%,セロリー32.1%,フキ27.7%,長ネギ26.2%,ブロッコリー23.3%があげられた。ただし,いずれの野菜も料理によっては可食部全てを使うことが望ましいわけではないため,皮や固い部分はみじん切りにしたり,すりおろしたり,もしくは部位ごとに使い分け加熱操作を加える方法などの調理の工夫で上手に活用することが望ましい。
著者
菊池 愛美 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.76, pp.49-54, 2006-07-11
参考文献数
9

虹は自然現象の中でも発生条件の厳しいものであるが、映画やドラマ等の映像で用いられることが多い。虹は、空気中の水滴内部での光の反射によって起こる現象であり、この光反射をモデル化することで、CGによる表現力同能である。しかし、CGによって表現された虹を撮影映像に合成する技術に関しては、まだ議論の余地があると考えられる。本報告では、CGで生成した虹を実写画像に合成する手法を提案する。提案手法では、まず実写画像に撮影された各物体の奥行きを仮想することで、3次元仮想空間を構築する。続いて、ユーザによって定められた位置に虹力境られるように、太陽光線方向を設定し、また3次元仮想空間全体に対して大気中の水滴分布を設定する。そして、実写画像における各画素について、空気中の水滴内部を反射して視点に到達する虹の光の強度を算出する。以上の処理手順により、視点と背景物体との距離による虹の見え方の違いを表現する。Rainbow is often seen in movies or dramas; however weather condition for seeing rainbow is severe. The rainbow is a phenomenon that happens due to the reflection of light in water drops in the air. It is possible to represent it by computer graphics (CG) by modeling the light reflection. However, there are some issues on the synthesis of the rainbow represented by computer graphics onto real photograph images.This report proposes a technique for synthesizing the rainbow generated by computer graphics to real Photograph images. In the proposed technique, a three-dimensional virtual space is constructed by assigning depth values for each object taken in the photograph images. Sunlight direction and water drop distribution is then set to the three-dimensional space, so that the rainbow is rendered at ttie desired position in the photograph image. Brightness and color of light of the rainbow that reflects inside the water drops are then calculated for each pixel of the photograph image. The technique realizes the representation of various rainbows depending on the distances between a viewpoint and objects taken in the photograph image.
著者
伊藤 貴昭 垣花 真一郎
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.86-98, 2009-03-30
被引用文献数
4 5

説明を生成することが理解を促進することはこれまでの研究でも数多く示されてきた。本研究では,他者へ向けた説明生成によって,なぜ理解が促されるかを検討するため,統計学の「散布度」を学習材料として,大学生を対象に,実際に対面で説明する群(対面群:13名),ビデオを通して説明する群(ビデオ群:14名),上記2群の説明準備に相当する学習のみを行わせる群(統制群:14名)を設定し,学習効果を比較した。その結果,事後テストにおいて対面群が他の2群を上回っており,対面で説明することが理解を促すことが示唆された。一方,ビデオ群と統制群には有意差は見られず,単に説明を生成することのみの効果は見られないことが示された。プロトコル分析の結果,「意味付与的説明」,またその「繰り返し」の発話頻度と事後テストの成績との間に有意な相関が見られ,対面群ではビデオ群よりこの種の発話が多く生成されていた。対面群でそれらが生成された箇所に着目すると,これらの少なくとも一部は,聞き手の頷きの有無や返事などの否定的フィードバックを契機に生成されていることが明らかとなった。本研究の結果は,他者に説明すると理解が促されるという現象は,聞き手がいる状況で生じやすい「意味付与的説明」,またそうした発話を繰り返すことに起因することを示唆している。
著者
鄭 雲珠 末松 はるか 伊藤 貴之 藤巻 遼平 森永 聡 河原 吉伸
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

散布図の集合を用いた高次元データ可視化の一手法を提案する。本手法ではまず、高次元データから相関性の高い複数の次元ペアを選択し、各々の次元ペアから複数の散布図を生成する。 続いて、次元を共有する散布図どうしを連結したネットワークを構成し、力学モデルを適用することでネットワークの画面配置を適正化する。 以上により、関係性の高い散布図が画面上で隣接するような可視化結果を得る。
著者
伊藤 貴啓
出版者
愛知教育大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本研究は経済の国際化・グローバル化における農業地理学分野からの貢献を念頭に,フードシステムにおける農業生産部門に焦点を当て,その国際的なネットワークの形成と構造について花卉産業を事例に究明しようとした。まず,農業に関連した国際化の推移を考察した。農業の国際化は,「農業生産の国際化」と「食の国際化」の両者が相互に作用して農業に影響している。後者では,食の外部化のなかで,加工・小売といった川下部門が影響力を強めて,農産物や加工原料の輸入を拡大させて国内産地に多大な影響を与えてきた。そこで,そのような状況と今後の日本農業の発展戦略を検討した(愛教大研究報告第50輯)。また,前者では,農業生産に海外からの技術や海外産の原材料が利用されているだけでなく,より積極的に国際的ネットワークを形成しながら経営を発展させ,地域的な農業の活性化・発展をもたらしている事例が存在していることが判明した。このような事例のなかから,本研究では,愛知県と沖縄県のキク栽培地域,およびネットワーク提携先のオランダを対象として研究を進めた。愛知県では渥美半島の農家群がオランダのファン・ザンデン社から種苗を輸入していた。これはリーダーが自ら同社とのネットワークを開拓して,試行錯誤しながら品種の導入をはかり,隣接農家をグループ化して形成したものであった。このネットワーク形成は近接効果によるといえよう。その形成目的は生産コストの低減と経営の大規模化であった。これに対して,沖縄県では花卉専門農協がインドネシアに地元出資者と合弁で種苗生産を行い,組合員に種苗を供給していた。これは農協が台風被害を最小限に食い止め,夏季の暑さで難しい県内での育苗をインドネシアで行ったものであった(『21世紀の地域問題』第V章)。次に,ネットワークの提携先としてのオランダで,日本の花卉生産者の国際的ネットワークの形成の特色を知るため,ネットワーク提携先のある花卉生産地域を対象に土地利用調査や資料等の収集を行った。その結果,花き生産を含む,施設園芸の立地移動が大規模に伝統的温室園芸地域で生じていることが明らかになった(経済地理学会中部支部例会発表,2002年2月)。以上から,(1)国勢的なアグロネットワークは,地域リーダーによる個別の情報収集からの形成と組織的な対応という2類型がみらること,(2)後者は合弁という形態で現地化をはかり,中国等への進出とネットワーク形成の類型となりえること,(3)国際的なアグロネットワークは,地域産業や個別経営の上方的発展をドライビングフォースとして内発的に形成されてきたことが明らかになった。しかしながら,ネットワークの形成と構造に関するフードシステムにおける川下部門からの研究が今後の課題として残されている。
著者
松本 陽子 今村 主税 伊藤 貴俊 谷口 智穂 上岡 龍一
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Biological & pharmaceutical bulletin (ISSN:09186158)
巻号頁・発行日
vol.18, no.10, pp.1456-1458, 1995-10-15
被引用文献数
15 31

The hybrid liposomes (90mol% DMPC/10mol% C_<12> (EO)_8 and 90mol% DMPC/10mol% C_<12> (EO)_<12>) have a highly inhibitory action against the growth of tumor cells. The uniform and stable structure of the hybrid liposomes was revealed on the basis of electron microscopy and dynamic light scattering measurements.